梅ヶ香(梅匂ふ)3     108句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
梅が香や僧が揉みあぐ紙衣紙 谿昭哉 200803
覗き込む者をさへぎる梅花の香 ことり 六花 200803
瞑目に梅が香を聞き佳かりけり 大橋敦子 雨月 200804
息ひそめゐて梅の香と対しゐる 大橋敦子 雨月 200804
まぎれなき唐梅の香の宮なれや 中原吟子 雨月 200804
人住まぬ屋敷の梅のよく匂ふ 松崎鉄之介 200804
子等帰り床の臘梅匂ひけり 牧野睦子 200804
御降りの雪降る中に梅匂ふ 牧原佳代子 酸漿 200804
紅梅の匂ひま近に童子仏 岡佳代子 200805
透きとおる疏水の流れ梅香り 池田加寿子 200805
紅梅の匂ひま近かに童子仏 岡佳代子 200805
梅林を去るも匂へり月瀬径 小林成子 200805
盆梅の香気にしばし佇みぬ 桂敦子 200805
つくねんとひとりゐる子や梅匂ふ 斉藤小夜 風土 200805
五智如来梅は香りを奉る 天野みゆき 風土 200805
梅が香や天満宮に恋の絵馬 窪田粧子 馬醉木 200805
梅が香や幹ざつくりと裂けゐたり 松原三枝子 万象 200805
馬墓を背に白梅の匂ひけり 松本桂子 200805
護摩太鼓打つ学僧や梅香る 川島澄子 酸漿 200805
頬寄せて梅の香を確かむる 若本彰子 酸漿 200805
梅が香や細き流れに山の水 大竹淑子 風土 200806
天平のうつり香まとふ梅見坂 白神知恵子 春燈 200806
祝ぎの座へ城の梅が香まとひ来て 西村しげ子 雨月 200806
盆梅の香たしかにありにけり 田宮勝代 酸漿 200806
梅園や花酣の香を放つ 印南美紀子 酸漿 200806
梅が香や開放ち置く白障子 青木民子 酸漿 200806
白梅に少し離れて香に遊ぶ 上林孝子 200806
残り香のやうな言葉や梅開く 山田弘子 ホトトギス 200807
梅の香を攫つてゆきし芸妓かな 畑佳与 京鹿子 200807
薫物の香の濃くなれる梅雨の宵 ことり 六花 200807
紅梅にほとけの餅を掲いてをり 城孝子 飛火野 200808

 汀子句碑除幕

分身の句碑梅が香に包まるる

稲畑汀子 ホトトギス 200902
たもとほる梅の香れるところまで 稲畑汀子 ホトトギス 200902
鳥の来てこぼす梅の香なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200902
紅梅に添ふ白梅の香なるべし 稲畑汀子 ホトトギス 200902
紅梅の香に康生氏居るやうな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200903
祈祷帳に記すわが名や梅匂ふ 小林成子 200904
梅が香や万葉集など繙かむ 小島昭夫 春燈 200904
御神籤を結ぶ下枝の梅匂ふ 青野安佐子 200904
梅林の香りの渦にゐて忘我 山田天 雨月 200904
白梅の香高く咲きみちたる木 柳生千枝子 火星 200904
梅香る弁財天の胡座かな 飯塚ゑ子 火星 200904
懸仏拝す寺苑の梅匂ふ 小島三恵 酸漿 200904
裏門のかたく閉ざされ梅匂ふ 吉沢陽子 200905
梅の香をあさる背伸びであるならば 前川明子 200905
乳母車梅の香まみれの三人かな 吉弘恭子 あを 200905
梅の香の鐘の一打にゆらぎけり 河本由紀子 春燈 200905
風下へ香る白梅女めく 藤澤希宗子 ぐろっけ 200905
富士の前白梅が香を放ちをり 牧原佳代子 酸漿 200905
紅梅によき日射あり匂ひあり 鈴木幾子 酸漿 200905
四阿に梅の香こもる日暮かな 鈴木鳳来 春燈 200905
梅が香に初宮の幸疑はず 上田明子 雨月 200906
青畝句碑白梅が香を占拠せる 西出しづ子 雨月 200906
保養所のゆるき坂道梅匂ふ 片野美代子 酸漿 200906
白梅のにほふ石坂のぼりけり 天野美登里 やぶれ傘 200906
餅背負ひ踏ん張る一歳梅匂ふ 中村則夫 やぶれ傘 200906
白の香の紅の匂ひの梅に寄る 岩垣子鹿 ホトトギス 200907
開け放つ古民家の緑梅匂ふ 片野美代子 酸漿 200907
梅が香をとどめし大地頽郁と 稲畑汀子 ホトトギス 200909
紅梅の香りは風に逃げ易き 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
梅が香に押され館への一歩かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
ひらがなのやうに梅が香曲り来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
梅が香に花粉症遠ざかりゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
梅が香の仄と虚子館でんとあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
虚子生れし時もかくやと梅香る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201002
梅香る無傷の母の柩出す 成宮紀代子 200605
紅梅の重ねし齢香りけり 徳田千鶴子 馬醉木 201003
死の前か後か寒九の梅匂ふ 神蔵器 風土 201003
夜は夜の水音のあり梅香る 木下忠雄 酸漿 201003
梅が香や天うつくしき名古屋城 伊藤敬子 201003
梅ヶ香や毎日毎日生き返る 佐藤喜孝 あを 201003
「高砂」を謡ふ村長むらおさ梅香る 田下宮子 201004
丸彫の仏三体梅匂ふ 坂上香菜 201004
梅匂ひ人の集まる路上芸 大西八洲雄 万象 201004
梅が香や闇のふくらむ露地の雨 田中美智子 201004
その昔甲斐絹の里や梅香る 長坂ヤス子 酸漿 201004
本門寺寒梅の香に夕づきし 小島三恵 酸漿 201004
寒梅の香りになぜか狼狽す 鎌倉喜久恵 あを 201004
盆梅の百年の香や緋毛氈 中川すみ子 201005
凶みくじ結ぶ日だまり梅匂ふ 館容子 201005
梅の香の奥覗きけり当麻寺 渡邊美保 火星 201005
梅の香といはれてよりの香りかな きくちきみえ やぶれ傘 201005
手延べ玻璃御座所に梅の香り立つ 布川孝予 京鹿子 201005
一山を真白に染めて梅香る 清水美子 春燈 201005
梅が香に撫牛首をもたげけり 篠原幸子 春燈 201005
梅香る写経の女の筆なごみ 小俣剛哉 春燈 201005
電飾の里は幻梅香る 島純子 ぐろっけ 201005
主文聞き八年ぶりの梅匂ふ 河村武信 ぐろっけ 201005
梅が香や平安の世もかくあらむ 樺山翠 雨月 201005
梅の香の豊かに峡の十戸かな 和田一 雨月 201005
離れては寄りては梅が香に浸る 本多正子 雨月 201005
朝まだき湖の静けさ梅匂ふ 中川悦子 酸漿 201005
あえかなる梅が香のあり梅の席 草本洋子 201005
梅の香にとり残されし思ひかな 千原叡子 ホトトギス 201006
本陣の跡に早咲き梅香る 中村則夫 やぶれ傘 201006
黄昏るる梅ひとひらの香りかな 奥山絢子 風土 201006
梅が香に猫幾度も背伸びして 武司琴子 ぐろっけ 201006
梅香る宮に祈願の絵馬多し 武司琴子 ぐろっけ 201006
咲き誇る梅匂やかに昼の月 小松サチコ ぐろっけ 201006
観梅の髪に梅の香移るまで 古川千鶴 201006
風向きの梅の香りを運ぶとき 今井千鶴子 ホトトギス 201007
梅が香や太極拳を試みる 北村香朗 京鹿子 201007
梅が香や一族つどふ百年忌 金子つとむ ろんど 201007
白梅よ花を散らすな香を散らせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
日差得てより梅が香の立ち上る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
梅が香にこの悲しみを解かんと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
言の葉を選ぶ術なく梅が香に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
一輪の香より梅見となりゆけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102

梅ヶ香(梅匂ふ)→ 4

     

 

2021年2月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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