作品
作者
掲載誌
掲載年月
癌で逝きし友の忌日の梅白し
三浦勲
199805
大仏殿遠見に風の梅白し
酒井章鬼
風土
199904
亡き母とうつつなく居て梅白し
海輪久子
円虹
199905
梅白し庭に吊るせるややの靴
浅川正
雲の峰
200003
神苑のしじまを深め梅白し
山村すみ
俳句通信
200004
梅白し火より拾ひて喉仏
神蔵器
風土
200005
人逝きて人の生れて梅白し
川上恵子
雨月
200006
梅白し道やはらかき牧の道
朝妻力
春耕
200012
梅白し喜びごとのある如く
成瀬正俊
ホトトギス
200102
殉教の髑髏を伝ふ梅白し
大橋敦子
雨月
200105
梅白し身にそふ齢つつしめる
藤木竹志
馬酔木
200106
仰ぎ見る賀名生皇居の梅白し
大西正栄
雨月
200106
梅白しいつか独りになるのかな
辻享子
シャガールの女
200108
梅白し鳥にしばらく耳預け
谷野由紀子
雲の峰
200204
喜寿祝ふ餅搗く庭や梅白し
和泉喜代子
雲の峰
200204
梅白し根津権現の裏参道
芝尚子
あを
200204

 亡き丸山海道氏は大正十三年四月十七日生れ

海道氏は一日の兄梅白し

大橋敦子
雨月
200205
降臨の嶺々を遠見に梅白し
村生翠
雨月
200205
天神は白面ならん梅白し
粟津松彩子
ホトトギス
200206
行幸の名残と伝へ梅白し
小田道知
円虹
200206
城翳の中へ散り込む梅白し
下田水心子
円虹
200206
よどみなき絵解き説法梅白し
川合広保
雲の峰
200304
立つ根より低くしだれて梅白し
阿部ひろし
酸漿
200304
夜の帳降りて川辺の梅白し
渕江千代
酸漿
200304
ほのかなる翳りのありて梅白し
山本涼
銀化
200304
雲さらにさらに重たく梅白し
福井鳳水
円虹
200305
梅白し山荘「薫酒禁ズ」の碑
井手由紀江
築港
200305
碑の文字に片仮名一つ梅白し
竪ヤエ子
雲の峰
200305
この家で看取ると決めて梅白し
田中由喜子
馬醉木
200306
戦争にならんとしつゝ梅白し
蔦三郎
ホトトギス
200307
深谷にとどきし日脚梅白し
市場基巳
200307
苔しのぶさはに養ひ梅白し
浅川正
雲の峰
200404
祝宴に向ふ車や梅白し
奥谷スミ子
雲の峰
200404
梅白しついで詣りの墓参かな
吉田雪子
帆船
200404
梅白し謡曲の声隣家より
川角十四枝
築港
200404
黙考の果ての決断梅白し
西村梼子
ぐろっけ
200404
梅白し淋しきものに父の背ナ
彦坂範子
ぐろっけ
200404
梅白し言葉むなしきものと知る
彦坂範子
ぐろっけ
200404
名城の古格に適ひ梅白し
寺島順子
雨月
200405
実朝はいつも青年梅白し
狩野みほ
百鳥
200406
梅白し校門に着く郵便車
藤森万里子
百鳥
200406
町並に宿場の名残り梅白し
久保田妙
百鳥
200406
梅白し耳まづ乾く濡れ仏
淺場英彦
万象
200407
梅白し余生ますます多忙なる
脇本千鶴子
200502

 桂信子先生を悼みて

梅白し高潔の生貫かれ

大橋敦子
雨月
200504
梅白し閂太き不浄門
石原光徳
酸漿
200504
梅白し能楽堂は闇の中
富永晃一
築港
200505
舟小屋の朽つるさみしさ梅白し
中源信子
築港
200505
凛然と雨に打たるる梅白し
芝尚子
あを
200505
梅白し母へ宛てたる学徒の書
宮沢治子
春燈
200506
滝を守る観音の笑み梅白し
沼口蓬風
河鹿
200507
鉄格子ある病棟や梅白し
松井洋子
ぐろっけ
200507
梅白し檜山の凍てをふみ來り
瀧春一
菜園
200509
母われを生みてわれあり梅白し
松村多美
四葩
200603
半世紀用ふ指貫梅白し
伊藤希眸
京鹿子
200605
碑に重吉の声梅白し
野口みどり
酸漿
200605
梅白し落葉の澤をみぎひだり
瀧春一
常念
200606
客船の離るるほどに梅白し
佐藤なか
遠嶺
200606
梅白し子を迎へゆく雨の道
島元文
遠嶺
200606
計画の大雑把なり梅白し
稲畑汀子
ホトトギス
200702
梅白し夜道に竹の声しきり
布川直幸
200704
古木には古木のちから梅白し
加瀬美代子
200704
一徹と律義の夫や梅白し
久保晴子
雨月
200705
壬生屯所偲ぶよすがの梅白し
久保田雪枝
雨月
200705
団十郎来て天神の梅白し
高橋さえ子
200705
紹運にはじまる禅寺梅白し
角直指
京鹿子
200707
梅白し麻沙子の心意気の白
大橋敦子
雨月
200804
梅白し石屋に人の居たことなし
甲州千草
200805
古民家の額の村絵図梅白し
渡邉孝彦
やぶれ傘
200806
梅白し和上の結ぶ誼かな
王岩
あを
200810
俗界を隔つ山門梅白し
北尾章郎
200904
「夜明け前」舞台の馬籠梅白し
坂上香菜
200905
磯山の暮色うつろふ梅白し
岡田和子
馬酔木
200905
薄紙の如き昼月梅白し
森脇貞子
雨月
200905
右書きの額ある旧家梅白し
山野惣一郎
遠嶺
200906
廃校に残る老木梅白し
岡崎春菜
万象
200906
明晰な母の遺句なり梅白し
滝川あい子
雨月
200906
梅白し人の生き死に賑々し
加茂達彌
200908
幸せは追ふものでなし梅白し
佐藤喜孝
あを
200910
梅白し出世階段一歩づつ
須賀敏子
あを
201003
ご陵へは素足ですすむ梅白し
伊藤敬子
201004
梅白し在すが常と思ひしに
隅田恵子
雨月
201005
梅白し軒端を過ぎる鳥のこゑ
國保八江
やぶれ傘
201008
梅白し若き漁師の島の墓 松本三千夫 末黒野 201105
影ふんで遊ぶ子供ら梅白し 中山純子 万象 201105
大地震に決めたる覚悟梅白し 粟倉昌子 201106
蒼然とふる里の寺梅白し 小倉正穂 末黒野 201106
梅白し志士晋作の碑に添ひて 川村欽子 雨月 201106
梅白し眠らぬ店が村に来る 植木緑愁 201204
舟かへりきたる漁港の梅白し 杉浦典子 火星 201205
谷の村廃屋二軒梅白し 古田光子 ぐろっけ 201206
忌心を秘め一輪の梅白し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201302
はやばやと空をつかみて梅白し 豊田都峰 京鹿子 201304
戦争を育てる平和梅白し 高橋龍 201304
梅白く枝の先まで蕾つけ 辻香秀 201305
離れ住む永き月日や梅白し 古川夏子 201305
軒先の暗さ封じる梅白し 久保東海司 201306
土手外の屋敷の跡の梅白し 國保八江 やぶれ傘 201306
蜜柑山の暗緑を負ひ梅白し 瀧春一 花石榴 201312
ほころびて所在明かせし梅白し 稲畑汀子 ホトトギス 201402
梅白し →2      

 

22/02/12 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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