野 梅     77句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
嘴太の真顔で歩く野梅かな 米澤光子 火星 199906
一本の野梅に景ののみ込まれ 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
一本の野梅に心置く旅路 稲畑廣太郎 ホトトギス 200002
吉野梅郷しぐれの暮らし灯るかな 小堀葵 海程 200002
雨の日の白さ華やぎ野梅咲く 藤野佳津子 円虹 200005
野梅てふかなしさ枝の蔭の花 林翔 200005
杣の宮野梅しきりに匂ひけり 宮川杵名男 春耕 200104
折れし枝にも咲きまこと野梅なる 林翔 200204
枝を張る野梅玄界灘の風 楠原幹子 200204
岬鼻の番屋跡なる野梅かな 若林柾矢 円虹 200205
しらじらと野梅の烟る風の丘 中村芳子 円虹 200305
乙訓の丘の野梅の淡かりし 中村芳子 円虹 200305
野梅咲く廃鉱山のしづけさに 片山喜久子 雨月 200305
野梅咲き障子に骨のありにけり 吉田島江 火星 200305
遠見して野梅の白を尚べり 鎌田篤 雨月 200306
野梅見てまた始めける鍬仕事 阪口美枝子 雨月 200404
したたかに生ききし齢野梅咲く 橘沙希 「月の雫」 200404
赤石山と知らる雪山野梅咲く 川村紫陽 200405
陶の村野梅の白の遠くより 大磯幸子 河鹿 200405
野梅の香円空墓へ上り来し 古川昭子 栴檀 200405
野梅咲き遠き金剛山のいつも紺 内山芳子 雨月 200406
ごん狐出さうな里に野梅咲く 綿谷美那 雨月 200406
古代史に始まる淡海野梅咲く 大橋麻沙子 雨月 200407
浦風に香を乗せ野梅ひらきけり 白井剛夫 200504
叱咤されけり一野梅過ぐるとて 伊藤白潮 200504
野梅咲く古曾部入道住みし地の 大橋麻沙子 雨月 200505
たたずめば吟遊詩人野梅咲く 大橋麻沙子 雨月 200505
野梅咲く蘂誇らかにかがやかに 室伏みどり 雨月 200505
野梅咲く強き風にも凛として 中嶌テル子 築港 200505
ちらちらと野梅の白さ目にしみる 木内徴子 万象 200505
乗り継ぎて沢伝ひゆく野梅かな 田代ヨシ 河鹿 200506
粗筵にほつれのありし野梅かな 米澤光子 火星 200706
見えてゐて野梅への径ここに尽き 千原叡子 ホトトギス 200707
花多に野梅は枝を差し交し 稲岡長 ホトトギス 200707
残月へ香りとどけと野梅かな 平野きぬ子 八千草 200708
野梅咲く月瀬の渓のとのぐもり 小林成子 200805
盆に咲く甲州野梅古色なる 坂上香菜 200805
ぬかるみの光り始めし野梅かな 蘭定かず子 火星 200806
野梅より老白梅は凛たるよ 林翔 馬醉木 200903
クルス立つ急勾配に野梅かな 代田青鳥 風土 200903
野梅散る下曾我城址駐在所 斎藤雅子 炎環 200905
中天に昼の月おく野梅かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200905
だんだらの基地の煙突野梅咲く 大坪景章 万象 200906
野梅咲き箍のゆるびし樽転ぶ 伊川玉子 万象 200906
夕間暮野梅林をなせりけり 夏目満子 酸漿 200906
山の辺や野梅の白と緋毛氈 谷村幸子 201005
野梅咲く将門駈けし丘のすそ 内田郁代 万象 201006
耕やして野梅に至る山の畑 宮木忠夫 201006
潮の香へ乗り出してゐる野梅かな 黒川淑子 201007
蕾未だ固き野梅や風表 飯田角子 酸漿 201105
四阿の四方に野梅の風通ふ 上原恒子 雨月 201105
筑波嶺の女体颪や野梅散る 半沢一枝 末黒野句集 201203
祇王寺の鄙びし里の野梅かな 竹内悦子 201204
野の端に野梅の青くありにけり 山田六甲 六花 201204
休耕の田のひろがりに野梅咲く 佐津のぼる 六花 201204
金屏の丈のむかうの野梅かな 小林成子 火星 201205
雲舐めて死者に口なし野梅咲く 瀬川公馨 201206
差し伸べる観音の御手野梅かな 浜口高子 火星 201206
野梅咲く日向に猿の親子かな 浜福惠 風土 201305
つつ抜けの土間の向うの野梅かな 坂口夫佐子 火星 201305
日に弾け風に磨かれゆく野梅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
野梅見て来し目の続き梅林 稲畑汀子 ホトトギス 201403
単線にトンネル数多野梅咲く 神田美穂子 万象 201405
灯台を眼下に傾ぐ野梅かな 寺岡ひろし 雨月 201405
紅梅に野梅の香り勝りけり 北郷和顔 末黒野 201406
道ひとつ違へ野梅につきあたる 石田阿畏子 馬醉木 201505
遠嶺より晴れわたりゐて野梅咲く 豊田都峰 京鹿子 201505
ひともとの野梅をおきて嵯峨も奥 豊田都峰 京鹿子 201505
紅白の中に野梅も加はりて 稲畑汀子 ホトトギス 201603
野梅咲く素朴の風の清らかに 塚越弥栄子 末黒野 201704
山裾のどこか馨し野梅咲く 秋山蔦 春燈 201705
あをによし野梅に酔へり野の佛 安田優歌 京鹿子 201901
白々と雨すぢ見ゆる野梅かな 岩岡中正 ホトトギス 202007
野梅散る畑にひかりを置くやうに 木暮陶句郎 ホトトギス 202008
畝作る野梅の股にスマホ乗せ 南うみを 風土 202105
早々と咲きいつまでも野梅かな 今橋眞理子 ホトトギス 202108
八重野梅膝にやさしきチップ径 長尾タイ 末黒野 202206

2023年2月15日 作成

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