梅一輪     150句

梅一輪一輪ほどの暖かさ    嵐雪

 梅一輪 梅ヶ香 梅咲く 梅寒し 白梅 紅梅 梅白し

梅月夜 梅蕾 梅匂う 梅二月 梅の花 梅日和 梅ひらく

梅ふふむ 梅祭 梅見 探梅 盆梅 老梅 野梅

梅園 梅林 枝垂梅 早梅 飛梅 観梅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
耳打ちは告白のやう梅一輪
山田禮子
きらら
199800
一輪の色をほどきて梅匂ふ
稲畑汀子
ホトトギス
199902
梅一輪ふくらみ初めし有馬かな
長谷川通子
俳句通信
199904
ひこばえに一輪の梅開きけり
林和子
俳句通信
199905
梅古木花一輪をきき耳に
吉本昴
馬醉木
199906
梅一輪挿せばこの恋実るかも
松山律子
ヒッポ千番地
199910
梅一輪赤人に会う坂の上
小枝恵美子
ポケット
199911
一輪に探梅の目となつてをり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200001
一輪の梅に歩を寄せ神の庭
井上芙美子
円虹
200003
梅一輪みそら晴れなばなほ佳けむ
林翔
200004
夫呼びて一輪の梅ほめあひて
山本潤子
いろり
200004
快復へ梅一輪の広さかな
根岸善行
風土
200005
あたらしき庫裡の家紋や梅一輪
稲辺美津
夏椿
200007
梅一輪待たるる木椅子に釘を打つ
島崎晃
遠嶺
200104
早梅の一輪にして空を統べ
長山あや
ホトトギス
200108
盆梅の白き一輪香を放つ
小野ちゑ
酸漿
200201
一輪を帆上に探梅心
稲畑廣太郎
ホトトギス
200202
梅一輪手のひら受けて祈願せり
渡邊仁
いろり
200203
梅いちりん皺の眉間のひらきけり
鷹羽狩行
200203
一輪の梅を見頃と僧言へり
小浜史都女
百鳥
200204
一輪が一輪さそひ梅開く
大山妙子
酸漿
200204
水垢離場の幣の吹かれて梅一輪
池田光
200205
かつぽれや法界坊に梅一輪
栗栖恵通子
200205
梅一輪にぎる赤子の手をつつむ
西山美枝子
酸漿
200205
一輪も二輪も梅の言葉かな
粟津松彩子
ホトトギス
200206
つぼみ満ち梅いちりんの咲く木あり
阿部ひろし
酸漿
200303
さきがけの梅一輪や蔵造り
水原春郎
馬醉木
200304
一輪の梅の香りの茶の間かな
杉谷志津子
築港
200304
日溜りに開きし文や梅一輪
山田禮子
遠嶺
200305
梅一輪咲いて宇宙の息づかひ
三沢蘭
遠嶺
200305
白梅の一輪ごとに風ありぬ
有馬和子
200305
一輪の濃紅梅より暮るる庭
山田閏子
ホトトギス
200306
大石忌梅一輪の桂籠
須賀遊子
200306
寒紅梅一輪ひらく寒の入
佐藤国夫
馬醉木
200404
寒梅の一輪山の日を弾く
中山世一
百鳥
200404
一輪の梅卓にあり便書く
岡田房子
酸漿
200405
古寺や唯一輪の庭の梅
近藤真夫
遠嶺
200405
一輪にして寒梅の香を放つ
梶島邦子
築港
200405
梅一輪ものの始めのかくさみし
西川織子
馬醉木
200405
紅梅の一輪の香の峙ちし
桑田青虎
ホトトギス
200406
冬至今日梅一輪の咲き初むる
小山ナオ子
酸漿
200503
高欄の朽ちや一輪梅蕾む
辻井桂子
雲の峰
200503
早梅の一輪浮ぶ日ざしかな
浅野恵美子
酸漿
200504
梅一輪咲きしが寒さ戻りけり
山本康郎
酸漿
200504
梅一輪箙に添へて普茶料理
水野範子
ぐろっけ
200504
赤子産む夢覚めし朝梅一輪
斉藤裕子
あを
200504
梅探る一輪を得し目のゆとり
清水ミツコ
200504
梅一輪三人家族の新戸籍
鏡山千恵子
帆船
200505
梅一輪幼子の靴揃へあり
廣畑忠明
火星
200505
一輪に集約される梅の花
田村和彦
築港
200505
一輪といえども梅の香りかな
中野哲子
六花
200505
梅一輪つまさき立ちに空ひらく
津田礼乃
遠嶺
200506
梅一輪二輪三輪誕生日
八木章帆
200606
一輪のとどむ宙あり濃紅梅
岩垣子鹿
ホトトギス
200607
蹲踞に梅一輪の遊びかな
秋千晴
200608
なで牛へ一輪ほぐる寒紅梅
峯高子
万象句集
200703
脹よかに梅一輪や寒最中
東芳子
酸漿
200704
梅一輪母に小遣もらひけり
山田六甲
六花
200704
疲れたる目に素つ気なき梅一輪
竹下昌子
200705
人住まぬ家に一輪梅の花
佐藤洋子
200705
梅一輪こころ澄むまで墨磨らむ
林日圓
京鹿子
200705
名木に梅一輪や仰ぎ見る
大石よしはる
酸漿
200705
一輪の梅を光と呼ばむかな
山田夏子
雨月
200706
一輪の梅にかすかな香りあり
金月洋子
六花
200706
かけがへのなき人枝垂梅一輪
小宮山勇
遠嶺
200707
一輪に探梅心芽生えけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200801
気丈なる母の振舞梅一輪
峰尾秀之
200802
禅寺の老幹に咲く梅一輪
広瀬敏子
酸漿
200804
梅一輪思はぬ方に昼の月
岩藤礼子
やぶれ傘
200804
デイサービス初めの朝や梅一輪
斉藤裕子
あを
200804
梅一輪咲き初め声となりにけり
大山妙子
酸漿
200806
松過ぎの梅一輪の古刹かな
大西裕
酸漿
200903
梅一輪二輪日曜オフィス街
木村茂登子
あを
200903
梅一輪心落ち着く古机
石田邦子
遠嶺
200905
凛然と梅一輪の孤独かな
物江康平
春燈
200905
初咲きの梅一輪を先づ母に
服部珠子
雨月
200905
納め天神白梅一輪開きゐて
坂口三保子
ぐろっけ
201003
ぐい呑みに梅一輪を落としけり
鈴木阿久
201005
梅一輪壮年死して果報得し
折橋綾子
201005
光陰の蘇りたる梅一輪
河内桜人
京鹿子
201005
梅一輪咲いてはるかな疵癒す
佐々木紗知
京鹿子
201005

 謹悼山下一海先生

梅一輪散るやたちまち日は翳り

松本三千夫
末黒野
201005
咲き初めし梅一輪に人集ふ
矢崎暉文
酸漿
201005
吉報を待ちたる朝の梅一輪
恒川とも子
201005
天啓のやうに梢の梅一輪
稲岡長
ホトトギス
201006
撫で佛の光ゲの浄土や梅一輪
石倉千賀子
ろんど
201101
梅一輪またいちりんへ褒め言葉 宮崎左智子 201104
母の忌や梅一輪の庭に佇つ 綱徳女 春燈 201104
梅一輪煙管はだれの発明か 小堀寛 京鹿子 201104
梅一輪挿してトイレの神様へ 今中道子 201105
梅一輪大事な友の逝きにけり 菅谷たけし 201105
梅一輪ごとに日向を切りとりぬ 湯川雅 ホトトギス 201106
梅一輪松姫の墓訪ねけり 家塚洋子 酸漿 201106
梅一輪春秋庭にはじまりぬ 井上浩一郎 ホトトギス 201107
水辺より大地目覚むる梅一輪 中條睦子 万象 201110
梅一輪寺にヘボンの施療の碑 村上倫子 201204
奥多摩の風の育む梅一輪 湯上稔子 春燈 201205
梅一輪せつない石を立てかける 直江裕子 京鹿子 201205
ガラス戸の曇りを取れば梅一輪 神田惣介 京鹿子 201206
梅一輪眼を開くやうに咲き 山咲和雄 末黒野 201207
梅一輪観光客みな嗅ぎて行く 三橋早仙 ぐろっけ 201305
探り来て梅一輪に得し日差し 西村操 雨月 201305
梅一輪咲きて野鳥の訪ね来る 増田甚平 ろんど 201306
細心の気構へ梅一輪日和 北川孝子 京鹿子 201306
梅一輪耳鳴りせずに眺めけり 水上貞子 ぐろっけ 201307
百年の梅一輪の孤高かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201401
夕闇に梅一輪の寒さかな 原田達夫 201404
付箋する梅一輪の青空に 豊田都峰 京鹿子 201404
梅一輪歴史講座の講師席 野村鞆枝 京鹿子 201406
梅一輪挿し病棟の配膳車 山口誠 馬醉木 201406
梅一輪日陰に咲けば凛として 渡辺安酔 201405
梅一輪山河いちにち掌振る 堀内一郎 堀内一郎集 201412
梅一輪二輪三輪八十路とな 千田敬 201504
かそけきは梅一輪の香なりけり 大木清美子 201504
「梅一輪」通りすがりの子らの声 鈴木阿久 201504
灘酒を造りたる蔵梅一輪 山口キミコ 201504
陽光に梅一輪の素直かな 松岡和子 201504
シャッター音高し接写の梅一輪 萩庭一幹 馬醉木 201505
陽光の音沙汰無しや梅一輪 今野明子 末黒野 201505
消息は施設へとのみ梅一輪 藤原照子 201505
雪一片梅一輪や裏高尾 佐渡谷秀一 対座 201505
梅一輪香り届かぬメールかな 秋田典子 六花 201506
梅一輪朝日射し来る参道に 鈴木昌子 やぶれ傘 201506
孫できる知らせを受けて梅一輪 江口九星 201508
海遠く山に遠くて梅一輪 井上信子 201603
梅一輪ビルの反射の日が届く 上谷昌憲 201604
老いさびに梅一輪の恵みかな 赤岡茂子 春燈 201604
やうやくに我が家の庭の梅一輪 鈴木阿久 201604
参道の梅一輪の淑気かな 前原マチ 末黒野 201604
和三盆梅一輪と掛軸と 竹内悦子 201604
梅一輪いちりんの紅濃ゆきまま 田部井幸枝 201604
梅一輪荼毘のけむりを仰ぐかに 安立公彦 春燈 201605
棒切れのごと挿されゐて梅一輪 嶋崎豊子 雨月 201605
梅一輪ふたごころなき白さかな 中山皓雪 201704
梅一輪孤高を保ちゐたりけり 瀬川公馨 201705
梅一輪心華やぐ一日なり 長崎桂子 あを 201704
白狼を待つ天涯の梅一輪 鈴鹿呂仁 京鹿子 201803
仙洞の一景におく梅一輪 鈴鹿呂仁 京鹿子 201804
うれしい程黙る父の背梅一輪 直江裕子 京鹿子 201805
一語得てなほ一語欲し梅一輪 北川孝子 京鹿子 201806
梅一輪にゅにゅっと樹皮を押し分けて 原ゆき 船団 201809
蕾百二百三百梅一輪 岩木茂 風土 201905
淡き日をまとひまとひて梅一輪 吉原ひろ子 末黒野 201905
今日生きる為の点滴梅一輪 岩崎藍 末黒野 201905
盆栽の梅一輪の咲きにけり 山本久枝 やぶれ傘 201908
青空の風に開くや梅一輪 種田利子 春燈 202004
里の風いまだ尖りぬ梅一輪 岡美智子 末黒野 202104
孤独てふ贅のありけり梅一輪 安田優歌 京鹿子 202105
燗漫へ梅一輪のプレリュード 飯田久美子 末黒野 202105
寒中に健気なるかな梅一輪 江口九星 202105
梅一輪呼ぶ友の声弾みけり 高埜良子 春燈 202204
利根川原梅一輪の暖かさ 小菅澄重 春燈 202204
微笑みし写真の母へ梅一輪 中谷恭子 202205
梅一輪ドクターヘリの戻り来る 天野美登里 やぶれ傘 202206

 

2023年2月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。