梅寒し    32句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
一升瓶より猪口に酌む梅寒し 丸山海道 寒雁 199910
弾丸跡の根来の経藏梅寒し 水島夜雨 京鹿子 200005

 悼 浅井つや様

梅寒し悲し龍野を偲びつつ

稲畑汀子 ホトトギス 200102
梅寒し見落しならぬ準備かな 稲畑汀子 ホトトギス 200102
梅寒し疲れは誰も口にせず 稲畑汀子 ホトトギス 200102
梅寒し嵐雪の句を是とせずに 久保晴子 雨月 200104
石を掘る生計今なし梅寒し 稲畑汀子 ホトトギス 200203
梅寒し固つてゐぬ香を放ち 湯川雅 円虹 200205
梅寒し木魚がいまだ鳴り止まず 奥田節子 火星 200205

 悼母上様高濱喜美

声をかけても応へなし梅寒し

稲畑汀子 ホトトギス 200302
梅寒し朝の明るさともなひて 稲畑汀子 ホトトギス 200302
亡骸の応へゐるごと梅寒し 稲畑汀子 ホトトギス 200302
梅寒し天寿全うせしとても 稲畑汀子 ホトトギス 200302
梅寒し校舎は昼の音封じ 木内憲子 200304
碧眼もいゆく中辺路梅寒し 稲岡長 ホトトギス 200306
梅寒し夕とどろきの月瀬川 鈴鹿野風呂 京鹿子 200310

 富安風生先生逝去

天寿とは他人の言や梅寒し

岸風三樓 200502
梅寒し声かけられし誰なりしや 大橋敦子 雨月 200505
簷反れるゆかりの亭に梅寒し 安部和子 雨月 200505
水底の見えぬ内濠梅寒し 安部和子 雨月 200505
四阿のまだ親しめず梅寒し 綿谷美那 雨月 200605
来し方の記憶つぎはぎ梅寒し 生方ふよう 200605
梅寒しピアスの猫がすり寄りし 大山春江 万象 200606
梅寒し首をすくめて人も鳩も 木村享史 ホトトギス 200809
窯跡のくづれしままや梅寒し 布村松景 春燈 200905
梅寒し君の笑顔に救はれて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
悲しみてをりしばかりに梅寒し 稲畑汀子 ホトトギス 201102
大国の右手どうしに梅寒し 佐藤喜孝 あを 201101
胸中に醸す一句や梅寒く 高瀬史 馬醉木 201204
あぜみちは梅寒といふことにして 豊田都峰 京鹿子 201304
梅寒し沈黙といふ反論も 北川孝子 京鹿子 201305
梅寒し風が黙つてすれ違ふ 北川孝子 京鹿子 201606

 

2021年2月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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