梅二月      146句

梅二月口のまはりで笑ひけり    八田木枯

 梅一輪 梅ヶ香 梅咲く 梅寒し 白梅 紅梅 梅白し

梅月夜 梅蕾 梅匂う 梅二月 梅の花 梅日和 梅ひらく

梅ふふむ 梅祭 梅見 探梅 盆梅 老梅 野梅

梅園 梅林 枝垂梅 早梅 飛梅 観梅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
黒猫が木を下りてくる梅二月
白鳥武子
酸漿
200003
梅二月書斎に籠るおろかさに
大橋敦子
雨月
200004
歴とした水引を解く梅二月
丸山佳子
京鹿子
200005
清貧の書を繙ける梅二月
古田考鵬
雨月
200005
魔物追ふ鞭のひびきや梅二月
望月美子
遠嶺
200006
梅二月明治の椅子は背に堅さ
大蔵郁子
船団
200006
しなければ動き出さねば梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200102
開館へ秒読みとなる梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200102
帯受けに石段ゆるし梅二月
旦昭三
雲の峰
200204
野風呂ゆかりの館なる句座も梅二月
西村しげ子
雨月
200205
梅二月千早赤坂村にをり
石脇みはる
200205
折鶴の嘴のするどき梅二月
久保東海司
200205
梅二月主治医の眼ふと笑みて
城尾れい子
200205
道成寺の絵とき説法梅二月
小池槇女
火星
200205
庭草の息吹確かや梅二月
池部久子
酸漿
200206
寂として鑑真和上梅二月
宮原みさを
花月亭
200208
虚子は百二十八歳梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200302
遠き旅近き旅はや梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200302
鎌倉を訪ふ楽しみの梅二月
安陪青人
雨月
200303
医業継ぎ俳句を継ぎて梅二月
水原春郎
馬醉木
200304
梅二月水車の回る神代寺
大関とし子
築港
200304
山を呼び木霊を呼びて梅二月
泉由秋硯
200305
大寺のお軸の無罣礙むけげ梅二月
島玲子
風土
200305
一村を星の占めたる梅二月
関口幹雄
遠嶺
200306
干魚に薄日の差して梅二月
中新井みつ子
200307
慈眼笑む木食上人梅二月
長谷川史郊
馬醉木
200404
老い先は更に老い先梅二月
田中芳夫
200404
張り交す細枝あかり梅二月
坂本京子
200405
遠山の傾斜日当たる梅二月
渡辺嘉幸
帆船
200504
がうがうと風のとぐろや梅二月
柴田由乃
風土
200504
文楽公演満員御礼梅二月
岩井泉樹
春燈
200505
ラケットの空切る音や梅二月
大石たか
遠嶺
200505
際やかに晴るるも寒し梅二月
大橋敦子
雨月
200505
家々に日の当りをり梅二月
東芳子
酸漿
200505
故里へふくらむ旅荷梅二月
岡久枝
酸漿
200505
案じくるる姉のたよりや梅二月
隅田恵子
雨月
200506
現役を全うされし梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200602
甘酒は立つて呑むもの梅二月
堀内一郎
あを
200602
梅二月遺稿に初心促さる
金子孝子
200604
からくりのこけし出る筆梅二月
大畠政子
雨月
200604
杉玉や利酒に酔ふ梅二月
山崎泰世
200605
チョコレート色の街並梅二月
大久保恵美子
遠嶺
200605
梅二月虚子の掛字を我が家宝
西村しげ子
雨月
200605
皇室にこふのとり来て梅二月
佐藤つぎ女
対岸
200605
里坊に窯築く沙汰梅二月
鎌田篤
雨月
200606
神の池鯉のきらりと梅二月
福間須美江
200606
茶箪笥の螺鈿の艶も梅二月
吉田島江
火星
200705
禅苑の浄寂光に梅二月
角直指
京鹿子
200707
梅二月紅白に日の行き渡り
稲畑汀子
ホトトギス
200802
梅二月雨の東京発ちて来し
稲畑汀子
ホトトギス
200802
光琳の屏風まぶしき梅二月
乗光雅子
雨月
200804
師を語る師の横顔や梅二月
森田節子
風土
200805
石塊を神とまつりて梅二月
楠原幹子
200805
亡き夫を越えて傘寿や梅二月
長澤健子
酸漿
200805
だんだんに整ふ婚荷梅二月
松井悦子
京鹿子
200806
旅の日のはや遠ざかる梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200902
大会を終へし心に梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
200902
水戸藩の屋敷跡なり梅二月
遠藤実
あを
200902
神鈴に嬰の瞳光り梅二月
鈴木照子
200904
ナースらに転勤のあり梅二月
阪本哲弘
200905
結びたる神籤のゆるび梅二月
桑島啓司
200906
梅二月瑞枝瑞枝に蕾かな
中島玉五郎
201004
母のもの羽織るぬくもり梅二月
佐藤いね子
馬醉木
201005
枝振りに咲きたる庭の梅二月
大山妙子
酸漿
201005
あぢはひの深き石段梅二月
竹内弘子
あを
201005
解けさうで解けぬ綿雲梅二月
川口崇子
万象
201006
あまりにも哀しき訣れ梅二月
田中子
ホトトギス
201007
みよし野の旅の段取り梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
201102
仕残せしことにかゝりぬ梅二月
稲畑汀子
ホトトギス
201102
梅二月地は裂け煙りたなびけり 鈴木勢津子 201105
老夫婦よりそひ歩く梅二月 島貫寿恵子 雨月 201105
梅二月父母の年忌の重なるも 田中春子 雨月 201105
記念樹の紅白ふふむ梅二月 金森信子 雨月 201105
梅二月仮の世なれば荷は軽く 鷹崎由未子 花野 201112
耳たぶに夜気突き刺さる梅二月 布川直幸 201202
寺に拝す沈金文箱梅二月 嘉住きよ美 末黒野句集 201203
神殿に孫の婚礼梅二月 小池正子 末黒野句集 201203
境内に神鶏遊ぶ梅二月 川崎利子 201204
薄紙をはがすごと癒え梅二月 コ田千鶴子 馬醉木 201204
仁王門抜ければほのと梅二月 鈴木セツ 201204
天皇にメス入れる日や梅二月 堀内一郎 あを 201204
風呼んで乾く匂ひの梅二月 鴨下昭 201205
のぼるでなくふもとのみちや梅二月 豊田都峰 京鹿子 201205
里坊の築地越しなる梅二月 石垣幸子 雨月 201205
新天地へあまた振切る梅二月 水谷直子 京鹿子 201206
梅二月大きな行事乗り越えし 稲畑汀子 ホトトギス 201302
梅二月彩鮮やかに朱雀門 田下宮子 201304
指ほどの細さのイエス梅二月 田中珠生 馬醉木 201304
梅二月彩なき花に香の気品 藤岡紫水 京鹿子 201305
梅二月子の名書きたりランドセル 門伝史会 風土 201305
咲きはじむ合縁奇縁梅二月 鈴木初音 201305
手入れ良き旧家の庭や梅二月 上田亮 末黒野 201306
計画は現実として梅二月 稲畑汀子 ホトトギス 201402
けんけんに踊るスカート梅二月 コ田千鶴子 馬醉木 201403
竹林の奥に風棲む梅二月 川崎良平 雨月 201404
ソチ五輪輝け熱き梅二月 井口淳子 201404
束帯の貫之の切手梅二月 仙田孝子 風土 201405
狂ひなく薪割れにけり梅二月 原友子 201405
学問の神いそがしき梅二月 齊藤いさを 馬醉木 201405
梅二月足音を消す軍靴かな 鴨下昭 201406
さりげなくはげます書信梅二月 山田閏子 ホトトギス 201407
自らへ浄め塩ふり梅二月 藤原照子 201505
門葉の追慕ひとしほ梅二月 尾崎みつ子 雨月 201505
観音を湖北に訪ふも梅二月 多方清子 雨月 201505
アドレスの削除躊躇ふ梅二月 高野春子 京鹿子 201505
紅白の遅速を問ふも梅二月 稲畑汀子 ホトトギス 201602
渡殿に鯉の集まる梅二月 小林昌子 馬醉木 201605
合掌に竜の目ひかる梅二月 上野静子 末黒野 201605
友ありけふ天界に去る梅二月 安立公彦 春燈 201605
鰐口の紐のしめりや梅二月 浅木ノヱ 春燈 201605
疎遠なる隣同士や梅二月 豊谷ゆき江 春燈 201605
追憶の水より淡き梅二月 北川孝子 京鹿子 201606
千木光る真青の空や梅二月 増田幸子 万象 201606
友情がさらりと歩く梅二月 鶴濱節子 船団 201612
梅二月生誕祝ひ集ふ会 稲畑汀子 ホトトギス 201702
梅二月ひかりは風に先駆けて 林昭太郎 201703
紅白の一気に咲きて梅二月 木村ふく 馬醉木 201704
梅二月彩なき花に香の気品 藤岡紫水 京鹿子 201705
一年の今ごろが好き梅二月 今井千鶴子 ホトトギス 201707
梅二月庭に刻々ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201802
畑中に臨時の駅や梅二月 齊藤實 201804
梅二月御苑の風の皇(すめら)いろ 鈴鹿仁 京鹿子 201804
ベビーカーに坂で越される梅二月 篠崎志津子 やぶれ傘 201806
北国に遠き便りの梅二月 安原葉 ホトトギス 201808
乾きたる幹に苔むす梅二月 今井肖子 ホトトギス 201903
老犬と歩みを合はす梅二月 堤京子 馬醉木 201904
徒然にかな書き散らす梅二月 石橋邦子 春燈 201905
梅二月二人文殊の二十年 東珠生 京鹿子 201905
遠山の霞み暮れけり梅二月 藤生不二男 六花 201905
梅二月蹲踞にある水の黙 荒川心星 201905
さざなみの光の流る梅二月 寺田すず江 201905
健康を取り戻さねば梅二月 大石よし子 雨月 201905
梅二月弱音は終に聞かざりし 大石よし子 雨月 201905
梅二月漱ぐ水やはらかし 増成栗人 201904
梅二月正面の門開きけり 稲畑汀子 ホトトギス 202002
「幸を呼ぶ鐘二回まで」梅二月 間島あきら 風土 202002
社業林の鳥の饒舌梅二月 森清堯 末黒野 202006
梅二月庭の春秋はじまりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 202102
梅二月路地の奥より嬰の声 増成栗人 202104
うぶすなに手合はすふたり梅二月 藤原若菜 春燈 202105
梅二月磨き抜かれし夜空かな 門伝史会 風土 202105
なぎなたを背負ふ少女や梅二月 松本胡桃 風土 202105
止め椀に手鞠麩うかぶ梅二月 森田節子 風土 202105
駆上がる土手の川風梅二月 豊谷ゆき江 春燈 202205
梅二月三渓園に四花咲きて 今村千年 末黒野 202205
平飼ひのにはとりの艶梅二月 河原敬子空 202211

 

2023年2月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。