13    200句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
過ぎし年現に思ふ郷の梅 中西明子 京鹿子 201504
歳の市梅が枝餅に人の列 齋藤朋子 やぶれ傘 201504
早梅やむさし野の空ひろびろと 山田春生 万象 201504
大阪城に先陣を切る梅一樹 大橋晄 雨月 201504
九体仏に九品浄土の梅ひらく 安部和子 雨月 201504
夜あがりの道に梅の花どこか 佐藤喜孝 あを 201504
梅越しに軋む電車を見霽かす 篠田純子 あを 201504
あたたかき雨つぶ載する梅花かな 井上石動 あを 201504
一村の一寺が浄土梅の花 鈴木鳳来 故山 201505
梅が香の寺をつなぎて谷戸歩き 堤京子 馬醉木 201505
道ひとつ違へ野梅につきあたる 石田阿畏子 馬醉木 201505
梅吹雪く三人寄れば何とやら 錫木妙子 馬醉木 201505
順路また巡り直して梅の園 萩庭一幹 馬醉木 201505
シャッター音高し接写の梅一輪 萩庭一幹 馬醉木 201505
西行忌梅の遅速を探りをり 石井秀一 風土 201505
一樹のみ満開の梅一海師忌 松本三千夫 末黒野 201505
家ごとに小さき橋掛け梅の里 松本三千夫 末黒野 201505
梅匂ふまで青空の下りて来し 松田泰子 末黒野 201505
梅園を出でて子等との峡泊り 吉田きみえ 末黒野 201505
梅ひらくかつて夫との径なる 吉田きみえ 末黒野 201505
陽光の音沙汰無しや梅一輪 今野明子 末黒野 201505
人寄する梅一本の華やぎぬ 今野明子 末黒野 201505
一塊の風の的なる梅の花 中山静枝 201505
梅日和思はぬ人と出会ひけり 塩千恵子 201505
空青く平和な時や梅真白 塩千恵子 201505
音もなく梅の紅白咲きそろふ 塩千恵子 201505
梅めぐる胸中の闇消ゆるまで 塩千恵子 201505
梅咲いて明けゆく空に月残る 赤羽陽子 春燈 201505
裏山になほ日のありて梅香る 加藤千春 春燈 201505
母と子ののりたる木馬梅咲けり 松田千枝 春燈 201505
消息は施設へとのみ梅一輪 藤原照子 201505
自らへ浄め塩ふり梅二月 藤原照子 201505
人の世にサイエンスあり梅真白 宮内とし子 201505
盆梅や朝日に凝りし紅の輝り 鈴木良戈 201505
ひとつづつ香りを聞きて梅五輪 竹内タカミ 201505
梅万蕾生くる力の漲れり 本池美佐子 201505
黙といふ饒舌もあり夜の梅 岡真紗子 201505
梅の名は五郎十郎虎御前 岡真紗子 201505
目の前に梅のほころぶ露天風呂 だいじみどり 201505
腰振りて歩く烏や梅の花 野上杳 201505
わたくしが動けば動く梅の花 松尾龍之介 201505
かしは手ののちの利き耳梅の花 佐藤喜孝 あを 201505
梅の香や映画の余韻消えぬまま 須賀敏子 あを 201505
翔ちしもの海光となる梅日和 近藤喜子 201505
夜をかけて暇乞ひせる零れ梅 瀬川公馨 201505
楼門の中は明るき梅日和 竹中一花 201505
盆梅の腰のひねりの艶めかし 江島照美 201505
梅古木枯れても小鳥幹に寄る 後藤マツエ 201505
恩寵を遅れて知りし梅真白 高橋道子 201505
きつぱりと捨てる快感梅真白 笠井敦子 201505
観梅のしたしさにゐて見ず知らず 江澤弘子 201505
曳猿の空を見てゐる梅白し 宇都宮敦子 201505
甕に挿す梅くれなゐの暴れ枝 宇都宮敦子 201505
起き抜けの匂ひをかぶる梅の里 三木千代 201505
一会とは過去への一歩梅真白 平野みち代 201505
雪一片梅一輪や裏高尾 佐渡谷秀一 対座 201505
水戸屋敷奥の奥なる梅探る 原田しずえ 万象 201505
黄泉の師へ尺八を吹く梅真白 山田春生 万象 201505
厄除けの団扇さづかる梅の寺 山田春生 万象 201505
一輪の梅咲く枝のよく揺るる 穂苅照子 万象 201505
身体髪膚損なひたれど梅に立つ 鳥居美智子 ろんど 201505
本郷や袋小路に枝垂れ梅 瀬島洒望 やぶれ傘 201505
百年を越す盆梅の大広間 大橋晄 雨月 201505
山祗へ切り岸伝ひ梅探る 岡淑子 雨月 201505
禅院の七施の教へ梅白し 岡淑子 雨月 201505
定命を尽して白寿梅白し 岡淑子 雨月 201505
磴の先また磴ありて梅探る 竹内喜代子 雨月 201505
梅ふふみ菅公の詩口ずさむ 久保晴子 雨月 201505
魁けて須磨天神の臥竜梅 堀井英子 雨月 201505
門葉の追慕ひとしほ梅二月 尾崎みつ子 雨月 201505
秀長の城址賑はふ盆梅展 村上悦子 雨月 201505
老梅の白の気品の衰へず 石谷淳子 雨月 201505
梅百花花神の宿ること信じ 水谷文謝子 雨月 201505
盆梅の力みなぎる枝ぶりに 水谷文謝子 雨月 201505
盆梅の樹齢を誇るものばかり 水谷文謝子 雨月 201505
観音を湖北に訪ふも梅二月 多方清子 雨月 201505
明治より守り継ぐ窯や梅ふふむ 稲岡みち子 雨月 201505
大甕に梅を投入れ陶の里 稲岡みち子 雨月 201505
遠嶺より晴れわたりゐて野梅咲く 豊田都峰 京鹿子 201505
ひともとの野梅をおきて嵯峨も奥 豊田都峰 京鹿子 201505
梅便り吾子も横書き世代かな 北川孝子 京鹿子 201505
アドレスの削除躊躇ふ梅二月 高野春子 京鹿子 201505
ちらほらと詠めばかならず梅のこと 後藤立夫 ホトトギス 201506
これほどの蕾なるこれからの梅 湯川雅 ホトトギス 201506
梅を詠み草之弘子を偲ぶ句座 大久保白村 ホトトギス 201506
梅早し衣ずれ耳につく廊下 久保東海司 201506
梅一枝置きし丸盆神前に 竹中一花 201506
さきがけの茶事にありけり梅三分 杉原ツタ子 201506
念ずれば叶ふ気のする梅日和 時澤藍 201506
梅を見る楽しみ日々の開け閉てに 大橋晄 雨月 201506
一の宮に添ひ梅林の鎮もれる 大橋晄 雨月 201506
梅林の透けて都心を遥けくす 大橋晄 雨月 201506
梅苑に入るより風の芳しき 三輪温子 雨月 201506
梅早き山に養蜂箱ひとつ 三輪温子 雨月 201506
親の墓その祖の墓梅香る 金森教子 雨月 201506
記念樹の梅魁の一輪に 武政礼子 雨月 201506
梅林より里の暮しのほの見えて 密門令子 雨月 201506
余生かな白き梅より紅き梅 志方章子 六花 201506
ずつしりと合格通知梅の庭 大内幸子 六花 201506
梅一輪香り届かぬメールかな 秋田典子 六花 201506
梅の昼四隅の丸き角砂糖 塩貝朱千 京鹿子 201506
日向より梅のほころぶ碧き空 岡山敦子 京鹿子 201506
梅巡り語りかけたき人思ふ 岡山敦子 京鹿子 201506
梅一ひらひとごとのやう四十年 上野紫泉 京鹿子 201506
木漏れ日に飛石揺れる梅の園 丹羽武正 京鹿子 201506
足湯して人とつながる深梅路 中西明子 京鹿子 201506
分校は今幼稚園梅白し 國保八江 やぶれ傘 201506
梅一輪朝日射し来る参道に 鈴木昌子 やぶれ傘 201506
梅ひらく目玉の光る閻魔さま 鈴木昌子 やぶれ傘 201506
父の手の飴しやぶる子や梅ま白 江見悦子 万象 201506
梅散つていつせい頭をつくしんぼ 須賀允子 万象 201506
鳥翔ちて梅の香ぱつとひろごれり 室谷幸子 万象 201506
梅咲くや白鳳仏の黒光り 降幡加代子 万象 201506
校門に目白散らせり梅の花 名和政代 万象 201506
梅が香や胸突坂をひと息に 山本絢子 万象 201506
梅日和天神脇に鼈甲屋 久留島規子 万象 201506
梅咲くや小田原城の鳥瞰図 田村すゝむ 風土 201506
梅白し妻の机に世界地図 生田作 風土 201506
鴎外を拾ひ読みして梅白し 鴨下昭 201506
梅一枝光あつめてただならず 鴨下昭 201506
老梅の瘤に思ひ出友の逝く 飯田ひでを 201506
うらさぶる一人の夜半梅匂ふ 飯田ひでを 201506
木遣歌匠の門の梅真白 茂木なつ 春燈 201506
島径の日の燦燦と梅日和 黒滝志麻子 末黒野 201506
振り向きて軽き会釈や梅匂ふ 松田泰子 末黒野 201506
きしませて開くる枝折戸梅真白 森清信子 末黒野 201506
黙深むる人林泉の臥竜梅 森清信子 末黒野 201506
行き止まる路地の日集め梅真白 中野久雄 末黒野 201506
好日や林泉の要の枝垂梅 森清堯 末黒野 201506
梅活けて一人に広き十畳間 吉田きみえ 末黒野 201506
舂くや白さ浮き立つ梅林 石黒興平 末黒野 201506
山裾に水のこゑたつ梅真白 岡田史女 末黒野 201506
梅が香や心して踏む池の石 有賀鈴乃 末黒野 201506
紅白の梅の寄り添ふ野の小径 園田惠子 末黒野 201506
筆塚や下枝のふるる枝垂梅 園田惠子 末黒野 201506
青年のリュックはみ出し梅匂ふ 橋場美篶 末黒野 201506
梅が香やお礼の絵馬の十重二十重 山崎稔子 末黒野 201506
三段に枝の作られ豊後梅 高橋光民 末黒野 201506
紺碧の海を控へて梅千本 佐々木永子 末黒野 201506
ふくらみぬ梅の蕾のくれなゐに 飛田典子 末黒野 201506
木道を潜る水音枝垂梅 田村園子 201506
筆跡の荒むまで梅匂ひけり 田村園子 201506
盆梅の位置換へし夜の夢匂ふ 田村園子 201506
盆梅やつくだ小橋の舟溜 来海雅手 201506
読み了へし一書の重み梅香る 福永みち子 馬醉木 201506
神々の宴さながらに梅競ふ 岩月優美子 グピドの瞳 201506
髪切つて耳の白さよ梅日和 井浦美佐子 201506
梅が香や嫗働くところ得て 井浦美佐子 201506
梅日和日がな人寄る撫仏 石川叔子 201506
眼帯の取れたる妻の梅日和 日高孝 201506
目を病みし母に梅の香手で送る 立花一枝 201506
空白の月日を埋め梅真白 古賀しぐれ ホトトギス 201507
梅日和とは四分の三翳る 古賀しぐれ ホトトギス 201507
梅三分咲きとよ入園料採ると 嶋田一歩 ホトトギス 201507
梅の五分咲きが見頃と言ひ合へる 嶋田一歩 ホトトギス 201507
梅七分八分咲きなく咲き切ると 嶋田一歩 ホトトギス 201507
散りつづく梅に梨園の訃のまたも 今井千鶴子 ホトトギス 201507
大阪城に先陣を切る梅一樹 大橋晄 ホトトギス 201507
梅日和とは咲き初めの頃のこと 河野美奇 ホトトギス 201507
難波津に鵺(ぬえ)のたまごや梅月夜 柳川晋 201507
揺れてゐてまだ一片も梅散らぬ 田村すゝむ 風土 201507
野に還りつつある捨て田梅開く 工藤ミネ子 風土 201507
梅の香や斎場へ径別れゆく 工藤ミネ子 風土 201507
神代小橋渡れば浄土梅ひらく 水井千鶴子 風土 201507
梅が香を部屋いつぱいにせし花瓶 藤波松山 京鹿子 201507
蒼き空梅咲く下を登校児 神田惣介 京鹿子 201507
梅咲きて孫の片言大人びて 神田惣介 京鹿子 201507
梅白し病ひと付合ふ者同志 野中圭子 京鹿子 201507
うつくしさわがものとせず梅ひらく 丹羽武正 京鹿子 201507
梅ほつほつ盛り砂凛と武家の門 神田美千留 京鹿子 201507
朝の鳥発ちて梅の香ひろごれり 西川みほ 末黒野 201507
ごつごつの枝にほつほつ梅の花 秋山文子 末黒野 201507
枝垂れ梅畑削りゆく除染かな 鴨下昭 201507
梅真白ベクレルの海抱く九条 鴨下昭 201507
矮鶏の尾の枝垂るる梅に触れにけり 升田ヤス子 六花 201507
不揃ひの野菜を販(ひさ)ぐ梅の村 住田千代子 六花 201507
わが庭にしら梅の夜のありしこと 後藤比奈夫 ホトトギス 201508
樹木医に彼女と呼ばれ梅ふふむ 白神知恵子 女坂 201508
忌の父の来給ふ梅の落ちつぐ夜 湯橋喜美 201508
武骨なる枝のルビーよゆすら梅 黒澤登美枝 201508
梅咲いておばちゃんの声臙脂色 辻村拓夫 船団 201508
梅の風奉安塔の由来よむ 都築繁子 201508
紅白の匂いを運ぶ梅に風 大山夏子 201508
晩年の恋のごとくに梅紅し 大山夏子 201508
孫できる知らせを受けて梅一輪 江口九星 201508
咲き満ちし梅の香りの七重八重 竹下陶子 ホトトギス 201509
母植ゑし戦に耐へて梅生きる 池田光子 201509
梅潰けて一日ラジオより落語 青谷小枝 やぶれ傘 201509
駒鳥や御師の献立梅尽し 原田しずえ 万象 201509
熟れすぎの梅でジャム煮る昼下り 福田雅子 万象 201509
梅の香や死者の鼻より綿のぞき 大崎紀夫 虻の昼 201510
今年また友よりの梅ジャムを煮て 田中春江 末黒野 201510
明日漬ける心積りの梅匂ふ 田村園子 201510
梅の蕊四方に張りつめ伸びにけり 落合由季女 雨月 201510
咲きし梅咲き初めし梅ひとつ木に きくちえみこ 港の鴉 201510
街灯の切れさう梅の花咲きさう きくちえみこ 港の鴉 201510
龍太忌の山むらさきや梅ふふむ 宮崎洋 春燈 201512
梅白し鏡花旧居はビルの影 名和政代 万象 201512
じゃんけんを老梅とする紙を出す 佐藤喜孝 あを 201511
じゃんけんを早梅とする石を出す 佐藤喜孝 あを 201511
梅→ 14      

2021年2月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。