11    200句
作品
作者
掲載誌
掲載年月
日を追って空に登った梅の村 陽山道子 おーい雲 201304
梅の夜の向き合うてゐる琴二面 山尾玉藻 火星 201304
その梅花四方八方枝延ばし 大橋敦子 雨月 201304
兎に角も真白真白の梅花なり 大橋敦子 雨月 201304
梅花仰ぐ唯誇らかの真白なる 大橋敦子 雨月 201304
純白の梅花麻沙子の心意気 大橋敦子 雨月 201304
彼女の顔セ梅花のごと真白 大橋敦子 雨月 201304
数多の中しかと一樹の梅早し 大橋晄 雨月 201304
めまいかな眼下の梅の眩さに 山田六甲 六花 201304
梅映る水の中にも風吹いて 山田六甲 六花 201304
小さき手に引かれて登る梅の坂 山田六甲 六花 201304
野の梅のあいさつ代りとなる頃に 豊田都峰 京鹿子 201304
あぜみちは梅寒といふことにして 豊田都峰 京鹿子 201304
枝先の梅青空をあつめゐる 豊田都峰 京鹿子 201304
一途さに流す白雲梅だより 鈴鹿仁 京鹿子 201304
城州の風のまぶしき梅長者 鈴鹿仁 京鹿子 201304
梅早し日の斑を撒ける女坂 中野久雄 末黒野 201304
真ん中の黒ずむ太鼓梅の宮 野上杳 201304
福相に梅ほころびて学の宮 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
早まりて降りたる駅の梅真白 阪本哲弘 201305
カーナビに頼る梅渓七曲り 伊東和子 201305
うつすらと下弦の月に梅真白 森岡陽子 かさね 201305
手ぐせなる旧仮名遣梅便り 柴崎富子 春燈 201305
鳴き竜の古墨薄るる梅の寺 齋藤晴夫 春燈 201305
散りきらぬ梅の愁ひや朋友忌 齋藤晴夫 春燈 201305
梅の里猫の駅長客招く 海村禮子 春燈 201305
大没日三分の梅を遊ばせり 大湊栄子 春燈 201305
梅寒し沈黙といふ反論も 北川孝子 京鹿子 201305
梅疾風桑田眞澄の生きざまよ 北川孝子 京鹿子 201305
生きてきたやうに老いゆく梅真白 松林依子 201305
描かんと心の中を梅にせし 近藤喜子 201305
未来図に曲線は無し梅三分 犬塚李里子 201305
勘定文字書き〼とあり梅の家 頓所友枝 201305
ダイヤ婚迎へし二人梅開く 松木清川 ぐろっけ 201305
梅芽吹く水玉光る朝の庭 水野弘 ぐろっけ 201305
毎日の梅の膨み見て通る 向江醇子 ぐろっけ 201305
木々抜けて来る風甘し梅の里 荒木治代 ぐろっけ 201305
どの道も星へと続く梅真白 竹田ひろ子 ろんど 201305
梅固し樹間にこころ残し去る 中島讃良 ろんど 201305
歩歩につれ梅花の動く城動く 川井秀夫 ろんど 201305
つかの間の禰宜のまばたき梅ま白 佐藤凉宇子 ろんど 201305
梅の苑おでんの湯気のちぎれつつ 浜口高子 火星 201305
太閤の抜け穴いくつ梅の風 大山文子 火星 201305
空堀を鴉のあるく梅の風 坂口夫佐子 火星 201305
梅の絵のぺージの余白春来る 岡野ひろ子 201305
梅が枝の折れんばかりや雪止まず 小川玉泉 末黒野 201305
一枚の石へ黄梅滝なせる 松本三千夫 末黒野 201305
空は無垢梅は三分や一海(かずみ)師忌 松本三千夫 末黒野 201305
杣小屋に先客のあり梅探る 城戸緑 末黒野 201305
黄梅や眼下の海は銀色に 熊切光子 末黒野 201305
枝々の艶のましたり寒の梅 堺昌子 末黒野 201305
里山の尖れる風や梅つぼみ 大川暉美 末黒野 201305
住み古りて幾年眺む白き梅 大川暉美 末黒野 201305
蝋梅の芯に火種のあるごとく 山田正子 201305
実梅落つ眉山に谺返しつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201306
葉隠れといふかくれみの梅は実に 稲畑汀子 ホトトギス 201306
軒下に賑ふ小店梅の里 川村清子 馬醉木 201306
絵馬掛けの絵馬二百体梅含む 安永圭子 風土 201306
ろう二つ抱ふる寺領梅真白 田中貞雄 ろんど 201306
梅薫る駒場東大教養部 増田甚平 ろんど 201306
臥竜梅老いには老いの一日が 増田甚平 ろんど 201306
里山に日の凝る梅の白さかな 西川みほ 末黒野 201306
梅を見て人の数見て疲れけり 吉田きみえ 末黒野 201306
野の梅の堅き芽に雨やはらかく 川村亘子 末黒野 201306
灯ともしてにはかに暮るる梅の里 池谷鹿次 末黒野 201306
梅花散る古き辞令を納むる蔵 松林順子 雨月 201306
遅れゐし梅は一気に開きけり 宮原悦子 雨月 201306
沈黙は金とや白き梅に伴ち 牧田澄子 雨月 201306
めづらなる梅それぞれを主張して 村上悦子 雨月 201306
たづぬるに付き合ひほどの梅の数 白石正躬 やぶれ傘 201306
気がかりの梅は閑かに白み初む 久世孝雄 やぶれ傘 201306
この梅に住み古り母も夫も逝き 今井千鶴子 ホトトギス 201307
梅ほつほつ信仰の血をしかと継ぎ 柿本麗子 千の祈り 201307
山峡の梅青ざめて開きけり 柿本麗子 千の祈り 201307
相違え堀に傾く松と梅 松本恒子 ぐろっけ 201307
梅開く何時もどおりの手術前 明石文子 ぐろっけ 201307
チュウチュウと指を吸う児梅満開 水上貞子 ぐろっけ 201307
どこどこでさよならをいふ梅の枝 佐藤喜孝 あを 201312
梅未だべつこう飴を舐めあるく 瀧春一 花石榴 201312
梅を見て人にかかはりなく帰る 瀧春一 花石榴 201312
紙屋川下り行く程に梅ふくらむ 小菅美代子 ぐろっけ 201401
地に下ろす盆梅やがて一面に 稲畑汀子 ホトトギス 201402
地に下ろす梅の根づきて幾年ぞ 稲畑汀子 ホトトギス 201402
早梅の一輪にのる海明かり 柴田近江 201402
早梅のどこか香りのただよへる 稲畑汀子 ホトトギス 201402
心柱硝子越しなる梅ぐもり 山田六甲 六花 201402
二百回重ね来しこと梅椿 稲畑汀子 ホトトギス 201402
梅咲かす遅速のありてあるがまま 稲畑汀子 ホトトギス 201402
梅莟む高速道路音の棒 布川直幸 201402
梅早し遅しと虚子の誕生日 稲畑汀子 ホトトギス 201402
梅固し二三ほころび初めながら 稲畑汀子 ホトトギス 201402
梅が香に紅白ありてなき如く 稲畑汀子 ホトトギス 201402
日に弾け風に磨かれゆく野梅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
ほころびて所在明かせし梅白し 稲畑汀子 ホトトギス 201402
湖へたれも寄らざり梅固く 山田六甲 六花 201403
けんけんに踊るスカート梅二月 コ田千鶴子 馬醉木 201403
けぶりゐる遠くの梅を見て飽かず 山田六甲 六花 201403
ふはふはと土に浮く足梅探る 山田六甲 六花 201403
振り出しに戻る思ひぞ雪の梅 山田六甲 六花 201403
観梅の声みな湖へ流さるる 山田六甲 六花 201403
焼く餅の膨らむごとく蕾梅 山田六甲 六花 201403
梅林へ菜の咲く村を通りけり 山田六甲 六花 201403
そこかしこ満つや梅の香城下町 井上石動 あを 201403
梅林へ行かなねばならぬ予定あり 山田六甲 六花 201403
梅林の岩も割れよと冴返る 山田六甲 六花 201403
梅開くぽん菓子よりも菓子らしく 山田六甲 六花 201403
梅ケ香に風の縮んでゆきにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
御所九門生かされ生きる梅古木 鈴鹿仁 京鹿子 201403
玄関の飾り豪華に枝垂梅 難波篤直 201404
犬褒めて盆梅褒めて立ち話 石川かおり 201404
渓の水使ふ生活や梅早し 柴田久子 風土 201404
早梅や童子顔なる白鳳仏 山田春生 万象 201404
祖母といふしづかな時間梅真白 江澤弘子 201404
絶筆の掛るアトリエ梅早し 藤沢秀永 201404
空よりも大地明るし梅林 大川暉美 末黒野 201404
紅白の梅に招かれ苔の磴 大川暉美 末黒野 201404
神苑の梅漫画家の絵筆塚 仙田孝子 風土 201404
梅咲いて茶漬の如き月の丘 山田六甲 六花 201404
梅林はまだ淡き日の中にかな 難波篤直 201404
観梅や心急かるる時の鐘 大川暉美 末黒野 201404
野守なる老梅遠嶺低くして 豊田都峰 京鹿子 201404
野歩きにこころ満たされ梅探る 武生喜玖乃 雨月 201404
嬌声にシャッターの音梅の花 長崎桂子 あを 201404
麗かや梅の里行く乳母車 大川暉美 末黒野 201404
十六夜うてくもりをすこし梅の月 山田六甲 六花 201404
里山の空押し上げて梅咲ける 大川暉美 末黒野 201404
羊羹の闇しんなりと梅白し 山田六甲 六花 201404
撫で牛の鼻先光る梅日和 和田郁子 201404
浮世絵の看護婦凛々し梅の花 後藤眞由美 春燈 201404
付箋する梅一輪の青空に 豊田都峰 京鹿子 201404
四阿に梅の香とどく小昼かな 大川暉美 末黒野 201404
飛梅を伝へて小さき天満宮 山田愛子 201404
山門の弾痕しるし梅ひらく 佐々木よし子 201404
山催の足湯に和む梅日和 川崎利子 201404
梅林のいちばん端は外反栂指 直江裕子 京鹿子 201404
梅林にのみ日当れる元離宮 豊田都峰 京鹿子 201404
梅匂ふ雨後の日差しの耀ひて 大川暉美 末黒野 201404
梅香る餌待つすずめ並びゐる 吉成美代子 あを 201404
梅開き天神の鈴鳴りやまず 黒住康晴 201404
梅だより真直ぐに押さば印ゆがみ 山田六甲 六花 201404
梅さぐる八十路の杖の一歩づつ 乗光雅子 雨月 201404
梅かをる毛筆書きのお礼状 楠原幹子 201404
梅かたし積んどく俳誌動きけり 伊藤憲子 201404
梅いまだ死のだんどりの少しずれ 直江裕子 京鹿子 201404
黄身がかる梅満月にのぼせけり 山田六甲 六花 201404
芭蕉庵ここにも一人梅の客 秋葉貞子 やぶれ傘 201404
咲けよ咲け日差の中の梅盆栽 笠井清佑 201404
日差し濃き坂なだらかや梅真白 大川暉美 末黒野 201404
闘病の窓に一幅梅の花 斉藤裕子 あを 201404
早梅にこころもとなき日ざしかな 武生喜玖乃 雨月 201404
駅よりの幟の列や梅まつり 大川暉美 末黒野 201404
行交ひの声の上擦る梅の花 長崎桂子 あを 201404
ふところに師の一書あり梅香る 本多俊子 光のうつは 201404
ソチ五輪輝け熱き梅二月 井口淳子 201404
竹林の奥に風棲む梅二月 川崎良平 雨月 201404
ドアひらく梅が香のせる停留所 吉成美代子 あを 201404
御仏の耳たぶゆたか梅の花 宮川みね子 風土 201405
単線にトンネル数多野梅咲く 神田美穂子 万象 201405
大切なことば待ちをり梅開く 橋本順子 201405
大空の果ては漆黒梅白し 有松洋子 201405
大釜の滾つ古民家梅香る 中野久雄 末黒野 201405
待乳山梅は八分となりにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201405
束帯の貫之の切手梅二月 仙田孝子 風土 201405
双ヶ丘に男ありけり夜の梅 雨村敏子 201405
川と浦つなぐ街道梅白く 片岡久美子 201405
星見んと出でたる庭に梅香る 飛高隆夫 万象 201405
凶神籤に良きこと書かれ梅の宮 小澤菜美 201405
水音を残し梅園暮れそむる 笹村政子 六花 201405
水音のどこかたるみて梅の花 藤岡紫水 京鹿子 201405
水やりの土こぼしけり盆の梅 市川伊團次 六花 201405
図書館へ森の抜け道梅ふふむ 高久正 201405
人生に濃淡のあり梅三分 岩月優美子 201405
震災の新碑囲ひて梅蕾む 岸本久栄 雨月 201405
深呼吸上がり下がりの梅の道 大島みよし 201405
色褪せし卒業写真梅日和 藤見佳楠子 201405
城垣の上より声や梅の花 野上杏 201405
観梅の嵐電どこで降りやうか 杉本綾 201405
笑うてはいやいやする嬰梅日和 桂敦子 201405
いまさらに父母の亡きこと梅真白 荒井千佐代 201405
いまさらに父母の亡きこと梅真白 荒井千佐代 201405
谿暮れて早梅の香の仄かなり 石川個子 馬醉木 201405
学問の神いそがしき梅二月 齊藤いさを 馬醉木 201405
黄泉の師に久闇を叙す梅日和 山田春生 万象 201405
梅が香や士ふつくりともぐら塚 篠原幸子 春燈 201405
梅の香や万葉人となる心地 岡真紗子 201405
梅の蘂小枝に赤し晴れ渡る 藤井美晴 やぶれ傘 201405
梅咲くや近江離宮の水時計 山崎里美 201405
梅二輪ほころぶ風にかたさかな 高久正 201405
梅林のいちばん端は外反栂指 直江裕子 京鹿子 201405
梅蕾む楉に珠の数知れず 塩田博久 風土 201405
垣根越し小鼓ひびく梅日和 伊東和子 201405
たこ焼の舟膝にある梅ぐもり 山本耀子 火星 201405
老樹とてまだ力あり梅開く 吉田順子 201405
百寿とて賜はる梅花愛あふれ 原田たづゑ 春燈 201405
師の葬に集ふ一門梅白し 武政礼子 雨月 201405
力抜く一枝もあらず梅匂ふ 松本三千夫 末黒野 201405
龍(じや)をどりの鱗逆立つ梅の下 原田しずえ 万象 201405
臥竜梅徹頭徹尾花に満ち 大島寛治 雨月 201405
夕暮れは疲れて見ゆる梅の花 飛高隆夫 万象 201405
盆梅や盆梅課ある城下町 小澤菜美 201405        
梅 →12      

2021年2月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。