紅 梅 7      200句

紅梅に大小の雪ふりかかる   京極杞陽   くくたち

 梅一輪 梅ヶ香 梅咲く 梅寒し 白梅 紅梅 梅白し 梅月夜

梅蕾 梅匂う梅二月 梅の園 梅の花 梅日和 梅ひらく 梅ふふむ 梅祭 

梅見 探梅 盆梅 老梅 野梅 梅園 梅林 枝垂梅 早梅 飛梅 観梅

作品
作者
掲載誌
掲載年月
病室に紅梅一枝龍太の忌 野畑さゆり 201304
紅梅や深き廟の学問所 片岡久美子 201305
狭庭にも紅梅咲きて空澄めり 田島昭久 かさね 201305
紅梅や「結ばれ橋」を行くふたり 堤京子 馬醉木 201305
紅梅や妣の箪笥に鯨尺 石田阿畏子 馬醉木 201305
紅梅の夜は星辰と睦みをり 安立公彦 春燈 201305
薄紅梅うなづくだけの友見舞ふ 北川孝子 京鹿子 201305
紅梅や息ととへて墨を擦る 宮川みね子 風土 201305
紅つよき梅過ぎて佇つ薄紅梅 鈴木石花 風土 201305
紅梅の色褪せてなほ坂日和 石崎和夫 201305
紅梅の妖しく咲けり捨て屋敷 田村嘉章 ぐろっけ 201305
紅梅の咲いてつめたき登り窯 杉浦典子 火星 201305
紅梅や新しき雲つぎつぎと 浜口高子 火星 201305
紅梅やこぞりて昭和生まれなる 大山文子 火星 201305
紅梅に息かかるほど近づけり 林範昭 火星 201305
まだ咲かぬ紅梅にある愁ひかな 池田光子 201305
呼ばれたるごと紅梅に振りむきぬ 松田泰子 末黒野 201305
歩かねば紅梅の香に近づけず 松田泰子 末黒野 201305
紅梅の枝白梅の枝に触れ 大崎紀夫 やぶれ傘 201305
紅梅や修道院の門暗く 藤井美晴 やぶれ傘 201305
紅梅の蕾の高さへ子を抱けり 近藤紀子 201306
紅梅や手品のやうに鳩一羽 相良牧人 201306
紅梅に山寺の屋根見失ふ 藤本千鶴子 火星 201306
紅梅の華やぎ増せる梅の園 村上悦子 雨月 201306
窓に倚り紅梅のみの庭と知る 松本正生 やぶれ傘 201306
方円の古墳枯色紅梅咲く 瀧春一 花石榴 201312
紅梅を麓に惜む峠越 水原秋櫻子 馬醉木 201402
白梅に立ち紅梅に話し込む 稲畑汀子 ホトトギス 201402
紅梅の明日は咲かんとする震へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
耕して紅梅の木を離れけり 山田六甲 六花 201403
紅梅の雨の雫は桃色に 宮井知英 201404
玉垣に浮く紅梅の二三輪 石井耿太 火星 201405
寒紅梅立ち続ければ亡母に会ふ 安永圭子 風土 201405
立子忌の過ぐる紅梅盛りなり 堤京子 馬醉木 201405
住み馴れし古家に紅梅薫りをり 長谷仁子 春燈 201405
爺さまの紅梅咲けり三日あと 大坪景章 万象 201405
白磁展出で紅梅に佇めり 石谷淳子 雨月 201405
紅梅一樹菅公の計らひに 大橋晄 雨月 201405
紅梅や美人祈願の絵馬掛けて 石川かおり 201405
紅梅や朝の微光の中にをり 吉田順子 201405
紅梅や石に彫られて蟇 松本三千夫 末黒野 201405
紅梅や初島航路近くせり 雨宮桂子 風土 201405
紅梅や社殿の奥のうすき闇 赤羽陽子 春燈 201405
紅梅や皿の絵具を指で溶き 根橋宏次 やぶれ傘 201405
紅梅や硯の海の如来唄 佐藤凉宇子 ろんど 201405
紅梅や空の深さを更にして 笹井康夫 201405
紅梅や機音洩るる格子越 大上充子 馬醉木 201405
紅梅の呟くやうに開き初む 今井妙子 雨月 201405
紅梅の盛りの鉢の置きどころ 和田絢子 春燈 201405
紅梅の後ろヒマラヤ杉二本 安藤久美子 やぶれ傘 201405
紅梅の戸に響みたる堰の水 西田孝 ろんど 201405
紅梅のほのかなる艶二日月 塩路隆子 201405
紅梅に潤みし眼もどしけり 藤生不二男 六花 201405
紅梅に繋がるる犬よく吠えて 能勢栄子 201405
カメラ目線にモデル気取りや紅梅や りいふ ろんど 201405
五分咲きの紅梅囃す笛太鼓 岡井マスミ 末黒野 201406
源氏の庭しだれ紅梅咲き満ちる 人見洋子 201406
仏足石の天蓋なせり濃紅梅 田伏博子 ろんど 201406
白梅も紅梅もなく雪積り 隅田恵子 雨月 201406
白ありてこその紅梅鄙の宮 黒滝志麻子 末黒野 201406
紅梅を渡る翼の幼かり 山田美恵子 火星 201406
紅梅や余生も夢をもちつづけ 本多俊子 201406
紅梅や一棟残る長屋門 渡辺若菜 春燈 201406
紅梅の雫のやうな雨あがる 野澤あき 火星 201406
紅梅の香や大仏の薄まぶた 梶浦玲良子 六花 201406
紅梅の空母の忌のありにけり 宮川みね子 風土 201406
紅梅のまなうら染まるまで歩む 上野紫泉 京鹿子 201406
紅梅に野梅の香り勝りけり 北郷和顔 末黒野 201406
紅梅に少し遅れて白開く 平居澪子 六花 201406
紅梅は満開駐車場満車 大久保白村 ホトトギス 201407
紅梅の紅に雨滴といふ光 長山あや ホトトギス 201407
紅梅に情白梅に寺格あり 古賀しぐれ ホトトギス 201407
紅梅や身に余りたる車椅子 土屋草子 ろんど 201408
紅梅や妹らみな一子の母 大橋敦子 雨月 201410
紅梅の空押すやうに咲きにけり 飯岡敬子 201405
紅梅の一本残る宅地跡 笠井敦子 201405
咲いてゐるとは一三輪濃紅梅 稲畑汀子 ホトトギス 201502
魁けを白梅の追ふ濃紅梅 稲畑汀子 ホトトギス 201502
白梅に立ち紅梅に歩き出す 稲畑汀子 ホトトギス 201502
紅梅に魁といふ風情あり 稲畑汀子 ホトトギス 201502
紅梅を素通りしたる人もをり 稲畑汀子 ホトトギス 201502
山肌を染めて紅梅林かな 稲畑汀子 ホトトギス 201503
紅梅や人見知りする嬰のをり 中山静枝 201504
先駆けの紅梅一枝海を差す 鈴木照子 201504
人知れず薄紅梅の苑深く 大島寛治 雨月 201504
紅梅のこぼれてをりぬ閻魔堂 田中藤穂 あを 201504
含みしまま落ちし紅梅かの子の忌 杉山哲也 馬醉木 201505
紅梅の古木愈いよ艶めけり 塩千恵子 201505
紅梅やお産準備の整ひし 秋千晴 201505
紅梅の上枝まで子を抱き上ぐる 近藤紀子 201505
薄紅梅日輪淡く添うてゐし 椿和枝 201505
継ぐ人のなき紅梅を重機噛む 笠井敦子 201505
紅梅や不老水わく水戸屋敷 山田春生 万象 201505
紅梅や京の祖神の二柱 石倉千賀子 ろんど 201505
紅梅の蕾ほつほつメール来る 永田圭子 ろんど 201505
禁断の空侵したる薄紅梅 福永尚子 ろんど 201505
紅梅の十年雌伏の花の数 田中貞雄 ろんど 201505
紅梅に触れて多感な風の私語 藤岡紫水 京鹿子 201505
紅梅を映して揺るる水の張り 犬塚李里子 201506
薄紅梅万本の香に賀名生村 三輪温子 雨月 201506
気紛れな虻紅梅に白梅に 堀田清江 雨月 201506
ゆらゆらと晩年の歩や薄紅梅 北川孝子 京鹿子 201506
咲き過ぎし紅梅空を汚すかに 片山煕子 京鹿子 201506
紅梅と言ふも濃淡競ひけり 有賀鈴乃 末黒野 201506
紅梅のまづ咲きにけり甲斐の国 野畑さゆり 201506
紅梅が故山を更に遠ざくる 吉村摂護 201506
紅梅やほとほと遠き日をたぐる 直江裕子 京鹿子 201507
紅梅やいつしか道は坂となり 大崎紀夫 虻の昼 201510
じゃんけんを紅梅とする鋏出す 佐藤喜孝 あを 201511
日当るや紅梅の黙深くして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
紅梅の透けて塗り替へられし空 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
紅梅に来て戸惑へる風の色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201602
濃紅梅よりはじまりし梅暦 稲畑汀子 ホトトギス 201602
見飽きるといふことのなき濃紅梅 稲畑汀子 ホトトギス 201602
紅梅にはじまる庭の花暦 稲畑汀子 ホトトギス 201602
たっぷりと潮の香含む南紅梅 渡辺節子 201602
蕾すこし空に残して濃紅梅 今井肖子 ホトトギス 201603
たっぷりと潮の香含む南紅梅 渡辺節子 201603
紅梅や願書一通を認める 鈴鹿呂仁 京鹿子 201604
遠目にも紅梅と知る盛りかな 黒澤登美枝 201604
八重紅梅碗の熱湯くるくると 佐藤喜孝 あを 201604
紅梅や青銅の馬宙を掻き 森直子 あを 201604
紅梅に夜来の雨や敦子の忌 山本喜朗 雨月 201604
紅梅やいまよちよちの男の子の歩 大畑善昭 201605
紅梅の励ますごとく凛と咲く 櫛田ひで女 京鹿子 201605
紅梅や先づうちそろふ巫女の鈴 吉村さよ子 春燈 201605
紅梅を見上ぐれば鴟尾ひかりけり 丑久保勲 やぶれ傘 201605
海遠く見え紅梅と白梅と 藤井美晴 やぶれ傘 201605
言問ふ如く紅梅は蕊を張る 田代民子 201606
紅梅や茶の間あふるるご近所さん 田口萬智子 201606
紅梅に横から下から鳥の来る 横田敬子 201606
紅梅や母の文箱に下駄の音 大政睦子 京鹿子 201606
紅梅や野点の席の客となる 橋本美代 やぶれ傘 201606
紅梅や産着干さるる空の青 森清信子 末黒野 201606
青すぎる空紅梅の競ひをり 橋場美篶 末黒野 201606
夕暮れて紅梅は色沈めけり 嶋田一歩 ホトトギス 201607
紅梅の耐へ来し今ぞ韓くれなゐ 芦田しずく 京鹿子 201701
その中の紅梅に白従へり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
紅梅や江戸の血潮を漲らせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201702
濃紅梅庭の暦日従へる 稲畑汀子 ホトトギス 201702
紅梅の咲き濃紅梅咲き終る 稲畑汀子 ホトトギス 201702
紅梅の盛りの移りゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201702
濃紅梅よりはじまりし梅暦 稲畑汀子 ホトトギス 201702
紅梅や鳥居の裾のせんべい屋 あさなが捷 201704
紅梅の幹の水脈あかあかと 橋本順子 201704
紅梅の匂へる空の夕づけり 高橋たか子 馬醉木 201704
海鳴に散る紅梅や流人墓 斉藤玲子 馬醉木 201704
紅梅の明りに鯉のもみあへる 南うみを 風土 201705
紅梅や植樹の札に女優の名 浅井青二 雨月 201705
紅梅の紅もて祝がれ退院す 隅田恵子 雨月 201705
紅梅やゆるゆる歩く温泉街 大日向幸江 あを 201703
紅梅の一枝も馳走普茶料理 貞吉直子 馬醉木 201705
吽像は紅梅の香に包まれて 丑久保勲 やぶれ傘 201705
紅梅のみなぎる蕾空青し 森田明成 201705
紅梅や姉の小さな炊飯器 西住三恵子 201705
紅梅の八重のこぼれ日身に安し 安立公彦 春燈 201705
紅梅や山を越えゆく雲ひとつ 黒滝志麻子 末黒野 201705
白梅に覚め紅梅に睡るかな 岡村彩里 雨月 201706
紅梅の枝折りポケツトほつこりと 藤波松山 京鹿子 201706
白梅に続く紅梅宴かな 岡山敦子 京鹿子 201706
紅梅や白梅や牛の背に五円玉 竹内悦子 201706
紅梅や日の斑の揺るる庵の縁 森清堯 末黒野 201707
紅梅を過ぎ白梅に野点傘 鈴木石花 風土 201706
紅梅やすいと身に添ふ割烹着 西住三恵子 201706
白梅ほっほ紅梅ほゝゝ妻むゝゝ 佐藤喜孝 あを 201707
満ち足りし鶯一羽紅梅に 後藤比奈夫 ホトトギス 201709
紅梅も白梅も咲きすすむ庭 稲畑汀子 ホトトギス 201802
紅梅の幹の色確かめもして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201802
香りまで乾ききつたる濃紅梅 今井肖子 ホトトギス 201803
さきがけて梅林坂の濃紅梅 柴崎英子 201804
紅梅の花芽確かむ雨後の宮 松本鷹根 京鹿子 201804
月蝕を了へて寒紅梅月夜 根岸善雄 馬醉木 201804
灯を入れて紅梅の色深めけり 森一枝 末黒野 201804
紅梅や雨のち晴ときめて出づ 竹内弘子 あを 201804
紅梅の艶やか咲きに誘はるる 永田万年青 六花 201805
紅梅に染まりてゐたる処女塚 延川五十昭 六花 201805
蒼天をさらにまさをに寒紅梅 涌羅由美 ホトトギス 201805
白梅のありて紅梅風馴染む 松本鷹根 京鹿子 201805
紅梅の八重の暮色や真砂女の忌 安立公彦 春燈 201805
紅梅の空混み合つてきたりけり 林昭太郎 201805
紅梅やこころ見透かされはせぬか 雨宮桂子 風土 201805
華やげる朝餉になりぬ寒紅梅 今村千年 末黒野 201805
紅梅が咲いてつつかい棒が朽ちて 渡邊孝彦 やぶれ傘 201805
紅梅へさびしさポンと裏返す 井尻妙子 京鹿子 201806
紅梅や予測のつかぬ道半ば 高島正比古 京鹿子 201806
紅梅の咲きしを告ぐる人居らず 志方章子 六花 201806
紅梅に重力白梅に浮力 火箱ひろ 201806
紅梅や大きな夕日入るところ 黒滝志麻子 末黒野 201806
紅梅や光となりて巫女走る 西住三惠子 201806
紅梅に日々白梅に夜毎かな 後藤比奈夫 ホトトギス 201807
わが齢と共に紅梅老いにけり 浜崎素粒子 ホトトギス 201807
寝床引き寄す紅梅の見ゆるまで 宮井知英 201807
紅梅に散りゆく速さあるといふ 嶋田一歩 ホトトギス 201808
紅梅のからくれなゐの瑞枝かな 大橋敦子 雨月 201902
紅梅や牛天神のねがい牛 都築繁子 201902
紅梅に染め上げられし雨滴かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201903
ほどけ初むる時に最も濃紅梅 今井肖子 ホトトギス 201903
紅梅の咲きてわが町風やさし 樺山翠 雨月 201903
荒行を見舞ふ檀家や寒紅梅 近藤真啓 春燈 201904

 三月十一日

紅梅のくれなゐ燃ゆる震災忌

安立公彦 春燈 201905
紅梅やひとつひとつの結び籤 平沢恵子 春燈 201905
波音の響く関跡紅梅花 佐藤やすこ 風土 201905
定住漂泊しづかな老に紅梅散る 伊藤希眸 京鹿子 201905
紅梅のジグソーパズル埋めて咲く 山中志津子 京鹿子 201905
紅梅や郵便夫来る認印 江見巌 六花 201905
日のありてこその紅梅東慶寺 黒滝志麻子 末黒野 201905
紅梅 8→      

 

2021年3月19日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。