紅 梅 4       99句

瞑れば紅梅墨を滴らす    角川春樹

 梅一輪 梅ヶ香 梅咲く 梅寒し 白梅 紅梅 梅白し 梅月夜

梅蕾 梅匂う梅二月 梅の園 梅の花 梅日和 梅ひらく 梅ふふむ 梅祭 

梅見 探梅 盆梅 老梅 野梅 梅園 梅林 枝垂梅 早梅 飛梅 観梅

 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
紅梅にかかはる声を夕鴉 山尾玉藻 火星 200703
紅梅や母系にありし肝つ玉 鈴鹿仁 京鹿子 200703
なで牛へ一輪ほぐる寒紅梅 峯高子 万象句集 200703
紅梅に雨やはらかき目覚めかな 水井千鶴子 風土 200704
紅梅と書けば紅梅眼前に 杉本薬王子 風土 200704
手放せし家の紅梅まなうらに 青垣和子 雨月 200704
襖絵の紅梅の端開けらるる 杉浦典子 火星 200704
紅梅の千の蕾を見較ぶる 林翔 200704
微雨を得て色滴れり紅梅は 林翔 200704
紅梅は光の精か雨後晴天 林翔 200704
喪ごころに寒紅梅のひらきけり 佐久間由子 200704
紅梅の幹黒々と濡れゐたり 林佳枝 酸漿 200704
恋結びありし紅梅ふふみけり 鈴木栄子 酸漿 200704
紅梅へ幌深く掛け乳母車 米山喜久子 200704
癒えぬ身に紅梅の空真青なり 和田政子 200704
水音のどこより紅梅日和かな 桑原レイ 200704
障子越し紅梅誉める声聴こえ 須賀敏子 あを 200704
紅梅や明日より今が良いものを 東亜未 あを 200704
和三盆の紅梅溶けし紅茶かな 石岡祐子 200705
紅梅の零るる筑波縁起の碑 小林碧郎 馬醉木 200705
紅梅に星なき夜も蘂ひろぐ 本多俊子 200705
紅梅の空晴れ渡る匂ひなり 荒井和昭 200705
空の色少しにごらせ薄紅梅 鈴木撫足 春燈 200705
遠まはり紅梅の香の清ければ 竹内慶子 春燈 200705
紅梅の紅のただよふ阿弥陀寺 林雪江 春燈 200705
紅梅を見むための藪ひらきけり 百瀬七生子 海光 200705
紅梅の蜜吸ひ雀羽搏くよ 林翔 200705

 故郷より電話ありて

白梅と紅梅五歳児三歳児

村越化石 200705
紅梅や枝迄紅を極めける 大房帝子 酸漿 200705
紅梅に重なり咲きて梅白き 本間勇 酸漿 200705
紅梅や子犬を乗せてベビーカー 杉浦典子 火星 200705
紅梅や押しぐせのある認印 城孝子 火星 200705
紅梅の前も後も京ことば 吉田島江 火星 200705
紅梅に歩を止めたれば木戸開き 松山直美 火星 200705
紅梅へ人来て日差し持ち帰る 青山丈 200705
紅梅に降りたる日射頂戴す 木内憲子 200705
紅梅の入江小暗き波の寄せ 渡邊美保 火星 200706
顔上げて紅梅の冷まともにす 木内憲子 200706
ゆるゆると来て紅梅に立たれけり 井上浩一郎 ホトトギス 200707
白梅の湖紅梅は湖北かな 長田等 200707
紅梅や乳房の浄き慈母観音 玉川悠 遠嶺 200707
紅梅や光る旧家の長廊下 清水和子 酸漿 200707
紅梅の影の中なる思ひごと 前田陶代子 200707
薄紅梅母の墓石のあたたかき 中野英歩 八千草 200708
八重紅梅幹は無骨な漢かな 中野英歩 八千草 200708
紅梅の紅を深めし黝さかな 保田晃 ホトトギス 200709
会いくつ過ぎ紅梅の咲き増ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 200802
上京の日々紅梅の待つ家路 稲畑汀子 ホトトギス 200802
紅梅の濃淡香り濃淡に 稲畑汀子 ホトトギス 200802
注意書読みて紅梅より返す 稲畑汀子 ホトトギス 200802
張りかへし芝にこぼれて濃紅梅 稲畑汀子 ホトトギス 200802
誰よりも小さく生きて寒紅梅 小澤克己 遠嶺 200802
紅梅や墨を休ます玉の床 野中亮介 馬醉木 200803
留守宅の郵便受へ挿す紅梅 ことり 六花 200803
紅梅に顔を埋める目白かな ことり 六花 200803
東雲や紅梅は色沈もらせ ことり 六花 200803
わが贅は今紅梅の蕾どき 林翔 200803
紅梅の下から上の道に出る 十川たかし 200804
紅梅の蕾初日の書道展 谷岡尚美 200804
幹に貌あり一輪の寒紅梅 中田禎子 200804
雪被きたる紅梅の含羞を 大橋敦子 雨月 200804
摩耶の名をもつ紅梅の緋色はも 大橋敦子 雨月 200804
紅梅や人の列ある大師像 若本彰子 酸漿 200804
寒紅梅日向の枝の咲き初めし 東芳子 酸漿 200804
紅梅や畑に立ちたるつむじ風 根橋宏次 やぶれ傘 200804
幼児としだれ紅梅絵とまごう 木村茂登子 あを 200804
友が来る紅梅の咲く日を踏んで 坪内稔典 稔典句集U 200804
紅梅やえくぼの君は誰とだれ 坪内稔典 稔典句集U 200804
紅梅の匂ひま近に童子仏 岡佳代子 200805
紅梅をしかと点じて今朝の庭 伊東和子 200805
追伸に紅梅満開なりしこと 中山静枝 200805
紅梅の蕾みほころぶ日和かな 中山静枝 200805
紅梅や遠チ紺青の伊豆の海 高久清美 200805
紅梅の奥へ奥へと候補の地 数長藤代 200805
母ありし日の紅梅のいとしかり 竹下昌子 200805
きみ紅梅われ白梅か梅見酒 林翔 200805
散り残る紅梅よ其は心の花 林翔 200805
一役に定年が来て八重紅梅 大畑善昭 200805
紅梅といふ一言のよくひびき 菅谷たけし 200805
紅梅や灰と明るき雲の奥 菅谷たけし 200805
陽をうけて寒紅梅のほつほつと 田口登代 遠嶺 200805
紅梅の枝垂れの終ひの真の紅 松波とよ子 春燈 200805
紅梅や身のうちにある水たまり 柴田朱美 京鹿子 200805
紅梅の艶もて遊ぶ風の獏 柴田朱美 京鹿子 200805
紅梅に宿る母の血風はやし 柴田朱美 京鹿子 200805
紅梅や水をなだめて紙を漉く 柴田朱美 京鹿子 200805
紅梅やおののきて散る藁廂 柴田朱美 京鹿子 200805
紅梅に門出の一歩止めらるる 朝倉富次 酸漿 200805
紅梅の蕾ゆたかに草思堂 宇佐美ゆき 酸漿 200805
紅梅や祠ゆかしき天満宮 井上幸子 酸漿 200805
庭の紅梅畑の白梅盛りなり 駒井のぶ 200806
紅梅の上に諷詠の空のあり 川口襄 遠嶺 200806
紅梅や雨の水面に触れゐたる 貴志尚子 200806
紅梅の影さしてゐる将棋盤 蘭定かず子 火星 200806
満開の紅梅を過ぐ白き雲 池崎るり子 六花 200806
紅梅の一気に咲いて緩びなし 木内憲子 200806
紅梅の笑みて迎へし小寺かな 小山徳夫 遠嶺 200807
紅梅に機微を極めし小鳥たち 瀧青佳 ホトトギス 200808
紅梅や南斜面に若者ら 宮崎すみ 神々の交信 200808
紅梅→5      

 

2021年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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