作品
作者
掲載誌
掲載年月
白梅や大きな牛も撮されて
杉本薬王子
風土
200704
丹精の白梅ならむちらほらと
黒田咲子
200704
白梅や空の青さをひき出せる
山口天木
雨月
200704
白梅の香に忽然と逝きしかな
佐久間由子
200704
街道の角に白梅ぽつと咲く
池田光子
200704
白梅や亡友とも生涯に紅持たず
本藤みつ
200704
白梅や猫がくさめをして通る
山田六甲
六花
200704
白梅やつぶやきほどの香のもとに
芝尚子
あを
200704
急磴を登り切りたる紅白梅
東亜未
あを
200704
白梅の凛と靖の屋敷址
刈米育子
200705
白梅やぴしりと朝の気の残る
近藤喜子
200705
母と子に白梅一つほころびぬ
大坪景章
万象
200705

 故郷より電話ありて

白梅と紅梅五歳児三歳児

村越化石
200705
天守位す紅白梅の裾模様
岡有志
ぐろっけ
200705
白梅の空のあをさに溶けこまず
根岸善行
風土
200705
白梅の揃ひて咲ける庭広き
大井彌雨
雨月
200705
云ひわけはよさう白梅凛と咲く
松下幸恵
六花
200705
白梅の初花ひらく誰に告げん
柳生千枝子
火星
200705
白梅の花びらをどる取水桶
吉田島江
火星
200705
白梅のつづくと見れば躓けり
青山丈
200705
白梅のために空あり青さあり
西山春文
200706
白梅やゆらりゆらりの女坂
大坪景章
万象
200706
白梅や真田屋敷は改築中
東福寺碧水
万象
200706
白梅の一樹の影の老深し
小山徳夫
遠嶺
200706
暖冬に白梅の香のうすれけり
池崎るり子
六花
200706
白梅のあとの青空誕生日
上林孝子
200706
白梅のちりうく水は鯉を飼ふ
瀧春一
200706
白梅の湖紅梅は湖北かな
長田等
200707
白梅に真の白を見たるなり
大橋晄
雨月
200707
白梅のこれからといふ日数よむ
稲畑汀子
ホトトギス
200802
白梅の咲けば待ちゐる旅予定
稲畑汀子
ホトトギス
200802
光琳の紅白梅図紅強し
林日圓
京鹿子
200802
涙とも見紛うほどに白梅は
ことり
六花
200803
威儀ただし白梅を活く奥座敷
中山静枝
200804
白梅の蕾の青を枝先に
小城綾子
200804
少し風出て白梅の薄刃いろ
高橋あさの
200804
魁の白梅として仰がるる
根橋宏次
やぶれ傘
200804
白梅や無味無臭なる原子力
佐藤喜孝
あを
200804
白梅や端然として崩れざる
遠藤実
あを
200804
白梅の可憐に開花女学生
岡佳代子
200805
白梅や飢饉を救ふ粥の釜
工藤はるみ
風土
200805
きみ紅梅われ白梅か梅見酒
林翔
200805
白梅や耳寄せて聴く幹の声
鳥居恭宏
遠嶺
200805
花の兄と呼ばれ白梅凛として
鈴木榮子
春燈
200805
紅白梅ほつほつ咲きし狭庭かな
木暮剛平
万象
200805
白梅やいつも冷たき臀部持ち
天野きく江
200805
馬墓を背に白梅の匂ひけり
松本桂子
200805
白梅や心無垢なる日となれり
吉田順子
200805
白梅を置きたる空の青さかな
長澤健子
酸漿
200805
白梅の盛りといふは老いざかり
加瀬美代子
200805
庭の紅梅畑の白梅盛りなり
駒井のぶ
200806
三解脱門くぐり白梅の風
高柳ちゑ
遠嶺
200806
紅白梅咲き満ち高む祝心
三輪温子
雨月
200806
白梅や持ち重りして漆椀
伊藤希眸
京鹿子
200806
白梅に少し離れて香に遊ぶ
上林孝子
200806
燃えつきし紅白梅の砦なり
瀬川公馨
200807
峡に雲白梅は色失へり
大竹淑子
風土
200807
紅梅の闇白梅へながれけり
鈴木直充
素影
200811
白梅の蕾ゆつくり老ゆるつもり
吉岡一三
200812
白梅や持ち重なりて漆椀
伊藤希眸
京鹿子
200901
紅梅に添ふ白梅の香なるべし
稲畑汀子
ホトトギス
200902
白梅や老境といふ第二幕
菅谷たけし
200101
地境といふ白梅の大き影
井上信子
200903
背なごしに白梅乱れ散りにけり
ことり
六花
200903
白梅になく紅梅に床几あり
山尾玉藻
火星
200903
白梅の狭庭に光漲れる
大橋敦子
雨月
200903
白梅のほつほつと垂れ夕闇に
河村泰子
ぐろっけ
200903
白梅や老斑かくすこともなし
遠藤実
あを
200903
野梅より老白梅は凛たるよ
林翔
馬醉木
200903
しろがねの発光体ぞ朝の白梅は
林翔
200904
白梅に心通はせ寄せし鼻
中島和昭
春燈
200904
白梅にさきがけ開く梅の紅
藏本博美
ぐろっけ
200904
白梅の香高く咲きみちたる木
柳生千枝子
火星
200904
白梅や遺影かかげて見する街
松本美智子
炎環
200904
白梅や細りし川の淵の色
吉沢陽子
200904
白梅や祠に小さき芭蕉像
伊藤航
炎環
200904
白梅やほろ酔ひの身は壺中天
木村茂登子
あを
200904
黙読の白梅いくつひらき初む
石寒太
炎環
200904
瞑らば梅林か庭の紅白梅
林翔
200904
月の桂てふ白梅のうすみどり
久保田ヤスエ
酸漿
200905
控へめに白梅咲けり狭庭にも
伊藤憲子
200905
紅梅に佇み白梅を眩しめり
佐藤信子
春燈
200905
白梅と紅梅枝を差し交す
平居澪子
六花
200905
白梅に隣る紅梅滲みたる
高橋みつ
200905
白梅の影を踏みたり筆の塚
小林成子
200905
白梅の枝垂るる中に妻をふと
大橋晄
雨月
200905
白梅の青かとまがふほど白し
井田実代子
雨月
200905
白梅の蕾のみどり瑞々し
小浦遊月
酸漿
200905
白梅のつぶやき程のかをりかな
芝尚子
あを
200905
白梅は楷書一枝も緩ぶなし
井上春子
春燈
200905
白梅や空の低きを烏飛ぶ
きくちきみえ
やぶれ傘
200905
白梅や四十年振り師の記憶
伊吹之博
春燈
200905
白梅や道に敷きある荒筵
天野美登里
やぶれ傘
200905
白梅や氷のやうな額髪
野中亮介
馬酔木
200905
富士の前白梅が香を放ちをり
牧原佳代子
酸漿
200905
風下へ香る白梅女めく
藤澤希宗子
ぐろっけ
200905
亡き母の勢ひ残りし白梅ぞ
末吉治子
春燈
200905
魂宿る老白梅の幹の洞
駒井でる太
200906
散策や紅梅にまた白梅に
山口まつを
雨月
200906
青畝句碑白梅が香を占拠せる
西出しづ子
雨月
200906
白梅に薄絹の風立ちにけり
川崎光一郎
京鹿子
200906
白梅の急坂帰路はためらひぬ
館容子
200906
白梅のにほふ石坂のぼりけり
天野美登里
やぶれ傘
200906
白梅やむかしむかしの刀きず
佐藤喜孝
あを
200906
弥陀の涙か白梅のひとしづく
近藤きくえ
200906
紅梅の横白梅のよそよそし
濱上こういち
200908
日を弾く白梅風を解く紅梅
稲畑廣太郎
ホトトギス
200909
白梅や翳はむらさき色がいい
沼田巴字
京鹿子
201001
白梅に館の未来のありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
201002
白梅や佐布里が池の風固し 成田なな女 春燈 201002
納め天神白梅一輪開きゐて 坂口三保子 ぐろっけ 201003
白梅や天神様の賑はへる 青木政江 酸漿 201003
白梅がたっぷり空っぽの町に 堀内一郎 あを 201003
白梅や今昼月と遊びをり 遠藤実 あを 201003
引き返す加賀白梅のこのもとへ 吉弘恭子 あを 201003
迸るごと紅梅も白梅も 野中亮介 馬醉木 201004
白梅の古木なれども花充てり 嘉住きよ美 末黒野 201004
モンローウオーク白梅の発光す 篠田純子 あを 201004
日の透けて白梅淡い黄になれり 吉成美代子 あを 201004
白梅や城を遠見の野点傘 藤見佳楠子 201005
人気なき古寺の白梅慎ましき 難波篤直 201005
白梅やいつも満車の駐車場 数長藤代 201005
白梅の裾を鶫の小走りに 松原三枝子 万象 201005
白梅や手に残りたる酢のかをり 岡野輝子 万象 201005
白梅や小雨の畑にもの焚かれ 大崎紀夫 やぶれ傘 201005
紅梅に風白梅に雀かな 大崎紀夫 やぶれ傘 201005
白日の白梅といふうすみどり 芝孝子 末黒野 201005
白梅の一樹を誇り村旧家 都留百太郎 末黒野 201005
白梅や写経のあとの般若湯 鶴原妙 ろんど 201005
白梅の一枝をホ句の御仏に 隅田恵子 雨月 201005
雪しぐれ白梅凛と咲きつづく 小山ナオ子 酸漿 201005
白梅や弓手に撫づるはせを句碑 安藤久美子 やぶれ傘 201006
時折の風紅梅に白梅に 國保八江 やぶれ傘 201006
雨が叩くや紅白梅のイリュージョン 瀬川公馨 201006
ふたもとの白梅のままほとけ径 豊田都峰 京鹿子 201006
白梅や姉には弱い手力男命 奥田筆子 京鹿子 201006
白梅や片雲ひとつなきみ空 奥田筆子 京鹿子 201006
紅梅は暮れ白梅の池明かり 根岸善行 風土 201006
白梅の散りゐる石の二三段 田尻勝子 六花 201006
白梅に探梅蜂の来ていたり 古川忠利 ろんど 201006
白梅や心の整理つかぬまま 田中子 ホトトギス 201007
白梅におねりの僧の赤き傘 渡辺暁 酸漿 201007
白梅よ花を散らすな香を散らせ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201102
白梅の奥に筆塚天神社 中島節子 ぐろっけ 201102
白梅の蕾は梅の力瘤 佐藤喜孝 あを 201103
紅白梅咲くや佳きことあるやうな 小石珠子 春燈 201104
白梅の手囲ひの香や風の中 海村禮子 春燈 201104
白梅を見て紅梅の芳紀かな 神蔵器 風土 201104
この道は紅梅白梅あふれをり 池田光子 201104
首の凝り白梅に立ち癒すべし 大橋敦子 雨月 201104
白梅をそびらに在す観世音 上原恒子 雨月 201104
白梅を活けし藩校偉人展 片岡久美子 201105
紅梅に濡れ白梅を仰ぎけり 根岸善行 風土 201105
浮き雲のごと白梅の昏れ残る 小倉正穂 末黒野 201105
白梅の慄へて地震の揺り戻し 上谷昌憲 201105
人住まぬ庭の白梅あかりかな 上田玲子 201105
白梅の影やはらかな水面かな 山田節子 万象 201105
白梅や僧に身の上話あり 藤田素子 火星 201105
留守中に庭の白梅満開なり 武智恭子 ぐろっけ 201105
何事もなく白梅の盛りかな 中田のぶ子 ろんど 201105
白梅や日課の歩行おこたらず 長澤健子 酸漿 201105
白梅の雪の白さにとまどへり 浅田奈美 酸漿 201105
お隣の白梅お向ひの梅の紅 樺山翠 雨月 201105
白梅の香り安堵の一と日かな 井田実代子 雨月 201105
白梅を抜け紅梅の離宮かな 石川叔子 201106
白梅の門へ還りし母の魂 山内碧 201106
白梅の日陰日なたの色違ふ 柳生千枝子 火星 201106
鳥遊ぶ白梅仰ぐ車椅子 米山喜久子 201106
ただにただ白梅の香をたつとびぬ 石脇みはる 201106
白梅や六角井戸と坂道と 竹内悦子 201106
白梅をまつすぐゆくと白梅 田村みどり 京鹿子 201106
白梅や象の形の榻に坐し 小川玉泉 末黒野 201106
白梅の廃屋にある箸茶碗 福田かよ子 ぐろっけ 201106
白梅のいよよ気高し水墨画 北尾章郎 201107
塀越しに白梅見ゆる女坂 瀬島洒望 やぶれ傘 201108
白梅のいろいろ紅梅のいろいろ 嶋田一歩 ホトトギス 201108
紅梅の白梅のこゑ骨壺に 堀江惠子 201108
白梅のこぼるる闇の濃かりけり コ田千鶴子 花の翼 201111
白梅の眩し帝の産湯跡 石谷淳子 雨月 201201
白梅の今年の芽吹きやや遅し 大橋敦子 雨月 201203
白梅の芽吹きばかりの気がかりに 大橋敦子 雨月 201203
白梅や試歩怖づる子を励まして 松橋利雄 光陰 201203
白梅の老樹に宿る木霊かな 高橋光民 末黒野句集 201203
白梅の老幹にみる男振り 石田厚子 馬醉木 201204
白梅や被災地しのぶ一分咲き 上原重一 201204
白梅に老妓の息のかかりけり 山尾玉藻 火星 201204
スキップやただ白梅の咲いただけ 須賀敏子 あを 201204
懐しむ為の白梅見当てけり 山田六甲 六花 201204
庭先に白梅の闇待ちゐたる 山田六甲 六花 201204
白梅や小谷城おだにを攻めし追手道 坂上香菜 201205
白梅にまざり紅梅弧高なる 小林美登里 かさね 201205
白梅仰ぐ常陸の里の道祖神 池田光子 201205
白梅や故郷に手向く一行詩 塩貝朱千 京鹿子 201205
白梅の咲けり一輪魁けて 岸本林立 雨月 201205
白梅に結ばれてゐる御籤かな 西田美ち ろんど 201205
白梅の莟四分の青さかな 深澤鱶 火星 201205
白梅に少し軽めの帽子かな 浅野吉弘 201205
白梅や法華経聞ゆる本門寺 池内とほる かさね 201206
白梅をたづねてみたが留守だった 岸千手 201206
白梅に系図ひもとく女かな 熊川暁子 201206
白梅や灯明祈りの数として 豊田都峰 京鹿子 201206
白梅の満ちて日差しのもつれをり 森清信子 末黒野 201206
目白来て白梅一樹膨らみぬ 岩崎スミ子 末黒野 201206
紅白梅幹を一つに咲き初むる 塚越弥栄子 末黒野 201206
白梅は日のはづみゐる色と見し 嶋田一歩 ホトトギス 201207
白梅に倦怠感を直隠す 井尻妙子 京鹿子 201207
白梅に蕪村が故園偲びけり 北村淳子 ろんど 201207
白梅の香り古刹に広ごれり 占部美弥子 末黒野 201207
白梅→3      

21/02/16 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。