花過ぎ     73句

花過て雨にも疎くなりにけり    高井几董

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜

朝桜  花疲れ  花守  初花  花の闇  花の雲

花影  花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ

花屑・花の屑  花篝 花は葉に  花筵  養花天  飛花

落花 落花  八重桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
わたましに気を取られゐて花過ぐる 佐藤淑子 雨月 199906
花過の星座はやくも組み直す 中原道夫 銀化 199906
花過ぎてひたひたと老迫りくる 能村登四郎 芒種 199911
花過ぎの三日目の雨いさぎよし 能村登四郎 200005
花過の川ひたすらとなりゐたり 岡本眸 200006
鶏のおどろきまなこ花過ぎぬ 鈴木節子 200007
花過の躓くごとく病みにけり 岡本眸 200008
花過ぎて梢艶めける桜かな 能村登四郎 200105
花過ぎの里の真昼を郵便車 鳴海清美 遊び蔓 200105
花過ぎの路地にのら猫伏して死す 松村美智子 あを 200105
花過ぎの喪服たてつづけに着たる 小浜史都女 百鳥 200107
花過ぎの地蔵の瞼重くなる 山荘慶子 あを 200107
花過ぎの水辺静もる目の薬師 田中矢水 遠嶺 200107
花過ぎの能楽堂に熟寝せり 高橋とも子 200107
花過ぎのごく単純なまばたき 坂本敏子 京鹿子 200108
花過ぎて梢艶めける桜かな 能村登四郎 羽化 200110
花過ぎの地を彩れりさくら草 阿部ひろし 酸漿 200205
花過ぎて結ひ目の固き積荷かな 能村研三 200206
花過ぎの安らぎもまた忌に適ふ 山田弘子 円虹 200206
花過ぎのきしりておはるオルゴール 丸山分水 200206
花過のやたら大きな鼈甲飴 岡本眸 200206
花過といふ曖昧を病むごとく 岡本眸 200206
花過ぎの羅漢に心解きにけり 宮倉浅子 遠嶺 200207
花過の折目正しき夜が来る 木内憲子 200207
花過ぎの宿に湯殿を使ふ音 武井良平 ホトトギス 200209
雨がちに雨がちに花過ぎんとす 山田弘子 草の蝉 200305
花過ぎの子に後れたる女院陵 斉藤由美子 ぐろっけ 200305
花過ぎのひつそりと絵馬焚かれけり 藤原照子 余韻 200403
花過の更けて机上の白つばき 岡本眸 200405
花過ぎの樹下臈たけてゐたりける 加藤みき 200407
花過ぎの流るるとなき運河かな 加藤富美子 200407
花過ぎの能勢に吹く風突きにけり 高橋芳子 火星 200408
覗きぐせつく花過ぎの死亡欄 伊藤白潮 200506
花過ぎの空へ心をひらく木々 宮津昭彦 200506
花過ぎのフルーツの園風ばかり 守屋井蛙 酸漿 200607
花過の雲しろじろと匂ひたつ 藪長傳 200707
花過ぎの晴耕雨読おのづから 水原春郎 馬醉木 200806
花過ぎの苑ゆつくりと人歩む 宮津昭彦 200806
花過ぎの美容師ときに空鋏 田村園子 200807
花過ぎのまんだら界はちりもなし 豊田都峰 京鹿子 200807
浮き上りさう花過ぎの播磨坂 齊藤實 200807
花過ぎし老樹に威容改まり 村田文一 遠嶺 200808
花過のこのころと咲く八重桜 阿部ひろし 酸漿 200905
花過ぎや淡紅色の用水路 山荘慶子 あを 200906
花過ぎの心しばらく白きかな 近藤喜子 200907
花過ぎの海の疾風をまのあたり 遠藤真砂明 201006
花過ぎの湯をすすりゐる黙の午後 小田明美 春燈 201006
花過ぎの手にたよりなき紙コップ 伊東和子 201107
花過ぎの樹齢百年の陰に入る 池部久子 酸漿 201107
花過ぎのそれも夜雨の二、三日 井上信子 201205
花過ぎの風を囃して羅漢さま 鴨下昭 201207
花過ぎのサッチャー女史の映画観る 藤井久仁子 ぐろっけ 201207
花過ぎの並木を風の過ぎりけり 白石正躬 やぶれ傘 201207
花過ぎの雨打つ紙の博物館 甲州千草 201306
花過ぎて訪はねばならぬ人の居り 久染康子 201306
花過ぎの返書や言葉拾ひつつ 長谷川翠 馬醉木 201307
花過ぎの結婚記念日の決心 はしもと風里 201406
花過ぎのけやかに飯の白さかな 辻美奈子 201406
花過ぎの畳に伸ばす手足かな 上林富子 やぶれ傘 201407
花過ぎの心安らぐ日なりけり 三木千代 201407
花過ぎの青空力ぬきにけり 河村啓花 ろんど 201408
花過ぎの団子は醤油味にせむ 安居正浩 201506
花過ぎの幹黒々と夜に入る 内海良太 万象 201507
花過ぎて境内にある水の音 飛高隆夫 万象 201507
花過ぎて普通の路に人の行く 藤波松山 京鹿子 201508
花過ぎの男ばかりのめし屋かな 樋口みのぶ 201510
花過ぎの賢治の詩碑に冷えすこし 栃内和江 201707
花過ぎのココロに水が流るるよ 火箱ひろ 201806
花過ぎの川面いつもの親しさに 半谷洋子 202007
花過ぎの無人駅舎に鳥の声 木村みどり 京鹿子 202008
花過ぎの木椅子向き合ふやうに置く 小川流子 202205
花過ぎの町を鎮める夜の雨 谷口摩耶 202206
花過ぎて仁王の膂力あらはなり 能村研三 202207

 

2023年5月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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