花の塵     67句

年々や桜を肥やす花の塵    芭蕉

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ

花守 初花  花の闇  花の雲  花影   花の影  余花  残花

花の塵 花過ぎ  花屑・花の屑  花篝 花は葉に  花筵

 養花天  飛花落花  落花  八重桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
風が寄せ波が寄せをり花の塵 平しげる 酸漿 200006
花の塵張りつく車夜勤明け 下島千代子 春耕 200007
今生は風のつづきの花の塵 坂本敏子 京鹿子 200108
床上げの身の知る重さ花の塵 廣島泰三 200206
惜しまれて流れて行くや花の塵 小山香月 酸漿 200306
放流の稚魚と流るる花の塵 中島伊智子 酸漿 200307
綿菓子についと乗りたる花の塵 飯塚ゑ子 火星 200307
海風に掃き寄せられて花の塵 馬場公江 200308
ひるがへる僧の衣に花の塵 池田光子 風土 200311
束の間のまばゆき日々や花の塵 赤星惠子 あを 200407
花の塵足裏にひびく地の鼓動 渡辺民親 遠嶺 200407
花の塵払はず厨まづ灯す 芝生南天 河鹿 200407
老いて二人心して踏む花の塵 水原春郎 馬醉木 200506
燃えるゴミに掃きよせておく花の塵 竹内弘子 あを 200506
池の禽花の塵には目をくれず 金子野生 京鹿子 200508
掃きこゝちよく乾きたる花の塵 喜多村萬城 ホトトギス 200509
水のごと低きに溜る花の塵 竹内弘子 あを 200605
夕暮の広場をうめて花の塵 設楽唱子 酸漿 200607
観音堂側溝流る花の塵 峯高子 万象 200608
真みどりのダム湖へ走る花の塵 大坪景章 万象 200610
存分に杖にも踏ませ花の塵 丁野弘 200704
大仏のわけても肩に花の塵 鷹羽狩行 200705
一絡げなる全集や花の塵 水原春郎 馬醉木 200706
朝なな戸毎に掃ける花の塵 瀧春一 200706
いくさ世を生きて八十路へ花の塵 柴野静 200707
花の塵中折れ帽の窪みにも 伊藤トキノ 200707
河馬浮ぶ背にびつしり花の塵 中村風信子 馬醉木 200807
わが家より見えざる花の塵を掃く 千手和子 馬醉木 200906
金比羅の磴に散りしく花の塵 山口耕堂 万象 200906
中空につむじとなれり花の塵 奥太雅 万象 200907
深吉野の渓を流るる花の塵 小澤昭之 200907
石段の石に斑あり花の塵 渡邉孝彦 やぶれ傘 200907
ペリカンの羽撃ちに散りて花の塵 椋本一子 雨月 201005
道端に激しく積もる花の塵 永田勇 六花 201008
耕運機漉き込んでゆく花の塵 久世孝雄 やぶれ傘 201008
地表てふ皮膜いちまい花の塵 細川洋子 201107
薄紅の花の塵踏み行き戻り 仙石君子 雨月 201107
花の塵かた寄せけふの小商ひ 辻佳子 馬醉木 201207
花の塵払ひ露店をたたみをり 中條睦子 万象 201208
渦潮のごとく舞ひ散る花の塵 久世孝雄 やぶれ傘 201209
花の塵城へとつづく石畳 國保八江 やぶれ傘 201209
抜小路より袋小路へ花の塵 千田百里 201306
雨に散り幹に貼り付く花の塵 小川玉泉 末黒野 201306
畦みちをすべり落ちたる花の塵 石橋邦子 春燈 201406
自らの走り根に溜め花の塵 小川玉泉 末黒野 201406
公園をぐるぐる廻る花の塵 岩下芳子 201407
川ならば筏となるを花の塵 松本三千夫 末黒野 201407
つかへては時に流るる花の塵 林範昭 火星 201407
吊橋の真ん中にまで花の塵 森清信子 末黒野 201408
いづこよりこのひとひらの花の塵 飛高隆夫 万象 201507
何処より来て何処へと花の塵 岡崎春菜 万象 201607
花の塵すき込む鍬の軽きかな 松浦哲夫 末黒野 201607
清流の堰にあらがふ花の塵 押田裕見子 201610
重馬場の馬蹄のも花の塵 大山夏子 201612
吉野川中洲縁どる花の塵 林八重子 馬醉木 201707
花の塵ためらひて踏む病み上り 廣田幸子 末黒野 201707
わが庭に風の賜物花の塵 飛高隆夫 万象 201707
坪庭のかすれ箒目花の塵 佐俣まさを 春燈 201707
掃き寄せて確と箒目花の塵 岡野里子 末黒野 201708
舟あまた湖面に花の塵あまた 藤井美晴 やぶれ傘 201805
花の塵踏んで浄土にゐる如し 沼田巴字 京鹿子 201903
玄関に別れの使者か花の塵 岩上行雄 末黒野 201908
いづこより庭へ舞ひ込む花の塵 菅野日出子 末黒野 202007
花の塵走り子の声転がりて 岡野里子 末黒野 202008
閼伽水を掬ふ柄杓に花の塵 田中佐知子 風土 202106
参道や溝に溢るる花の塵 松本ゆきえ 春燈 202106
走り根の山河のごとし花の塵 岡野里子 末黒野 202108
靴底の模様くつきり花の塵 新倉ゆき江 末黒野 202108
つむじ風にくるくるくるくる花の塵 岩井京子 202112
掃き寄せて又掃き寄せて花の塵 岩井京子 202112
花の塵癖したたかな庭箒 能村研三 202207
一切を覆ひ尽せず花の塵 鈴木光影 202301

 

2023年4月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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