2022年4月13日

初 花 1    208句

初花に命七十五年ほど   芭蕉

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ

花守  花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ

花屑・花の屑  花篝  初桜  花筵  花衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初花のなほ咲きふゆる夕日かな 山田弘子 春節 199503
初花に注ぐ夜雨となりにけり 山田弘子 春節 199503
初花の旅に期待のありそめし 稲畑汀子 ホトトギス 199903
咲き増ゆるための日和を初花に 稲畑汀子 ホトトギス 199903
初花に出会ふも旅の一ページ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
初花や豊かな髪の人に蹤く 小澤克己 遠嶺 199905
手向けばやこの初花の一灯を 山田弘子 円虹 199905
初花や風の梢でありにけり 岩瀬操舟 円虹 199906
見舞客初花見たる噂など 田畑美穂女 ホトトギス 199908
そののちのこと聞かまほし初花に 田畑美穂女 ホトトギス 199908
やうやくの決断初花明りかな 北川孝子 京鹿子 199908
樹に触れてより初花を仰ぎけり 関根洋子 風土 199911
初花の力風にも負けまじく 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
初花や東京に来て十五年 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
初花に刻々過ぎてゆく命 稲畑汀子 ホトトギス 200003
初花と聞きし夕べの雨となる 稲畑汀子 ホトトギス 200003
初花の刻々空にありにけり 進青亀 円虹 200006
逢ひに行く襟もと初花明りかな 林多佳子 200006
初花やかなたに雪の若狭富士 田中佐知子 風土 200007
初花を人待つごとく思いおり 北原志満子 海程 200007
蓬髪をもて初花に近づけり 小山森生 200007
初花を語る夫亡きこと虚し 福山悦子 円虹 200007
初花の気息窺ふ日差しあり 大槻秋女 円虹 200007
初花に太陽のときめきてあり 粟津松彩子 ホトトギス 200008
弔電を打ちて初花仰ぎけり 稲畑汀子 ホトトギス 200104
初花に逢ふ天平の京あと 窪田佳津子 雨月 200106
初音問ひ初花を問ひ日々閑居 村越化石 200106
初花や青空映すにはたづみ 今成公江 200107
初花や夭折の忌のめぐり来て 阪上多恵子 雨月 200107
初花に落慶成りし櫻壽院 小田ひろ 円虹 200107
初花や藍まだ深き伊豆の海 赤羽正行 遠嶺 200107
初花の白玉椿剪るも幸 能村登四郎 羽化 200110
初花を見し目に何もつながらず 稲畑汀子 ホトトギス 200203
咲き進むもう初花といへぬほど 稲畑汀子 ホトトギス 200203
初花の旅路よ今日は雨降る日 稲畑汀子 ホトトギス 200203
初花や水路めぐらす佐太の村 中川晴美 雲の峰 200205
初花の空従へてをりにけり 横尾桂子 銀化 200205
初花や五升の酒の酔ひごこち 長谷川守可 百鳥 200206
初花の中なる鵯が喉鳴らす 金子つとむ 春耕 200206
初花の一輪白き忌日かな 阪上多恵子 雨月 200207
菜園の西瓜初花手に掬ふ 成宮紀代子 200209
初花のたちまちにして旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 200303
初花と思ふ間もなく散りそめし 稲畑汀子 ホトトギス 200304
初花と聞くも旅程の変へられず 稲畑汀子 ホトトギス 200304
初花へ佛頂面をさし出すも 伊藤白潮 200305
なによりも初花飾らんわが山河 豊田都峰 京鹿子 200305
初花や馬勇み立つ馬場の口 木村仁美 馬醉木 200306

 悼三好ようこさんご夫君

初花を汝がかなしみの色と見ん

山田弘子 円虹 200306
初花にためらふ息の濁りさえ 笠間圭子 京鹿子 200306
初花に逢ひ師の傘寿祝ぐ日かな 阪上多恵子 雨月 200306
万華鏡に初花一花入れてゐる 山野洋子 百鳥 200307
初花や時しも歌舞伎四百年 石川英利 百鳥 200307
初花の枝に触れたるあぎとかな 岡井省二 省二全句集 200312
漆黒の門を抜け来て初花に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200403
初花といへど視線のつながらず 稲畑汀子 ホトトギス 200403
初花となるきつかけの口なるか 稲畑汀子 ホトトギス 200403
まなざしは初花の一点にあり 稲畑汀子 ホトトギス 200403
初花や牛若丸と言ふ俥 伊藤葉 雲の峰 200405
初花や手のきれさうな師の句集 熊倉志津 200405
喪帰りの雨の初花なりしかな 伊藤白潮 200405
初花に風吹いてゐる登山口 山田美恵子 火星 200405
なびくなど知らぬ初花棚の藤 長谷川鉄夫 200406
みちのくの初花ひとつふたつみつ 小林共代 風土 200406
初花や二級河川の透明度 伊藤以玖子 対岸 200406
初花に花の光陰流れそむ 佐藤淑子 雨月 200408
初花の咲きふえて客ふえて午後 山田弘子 ホトトギス 200408
初花に見えて卒寿なりし吾 桑田青虎 ホトトギス 200408
初花といふ落着きにある芦屋 稲畑廣太郎 ホトトギス 200503
初花の近しと聞きて諾へる 稲畑汀子 ホトトギス 200503
初花を誰もが仰ぎゆく高さ 稲畑汀子 ホトトギス 200503
刻々と咲き初花ともういへず 稲畑汀子 ホトトギス 200503
逆光の視野に初花紛れけり 稲畑汀子 ホトトギス 200503
初花といひ旬日の過ぎてゐし 稲畑汀子 ホトトギス 200504
初花へひた寄せにけり翁眉 伊藤白潮 200505
ミーテイングまづ初花の噂から 石川英利 百鳥 200506
初花やまだ定まらぬ空の青 足立典子 雨月 200506
初花の平常心に迷なし 瀧青佳 ホトトギス 200508
初花や清しきひと日始まれり 竹内文子 遠嶺 200508
初花や空の青きに泪して 立石萌木 雨月 200508
初花の遅るることも承知して 稲畑汀子 ホトトギス 200603
降り出して初花ほどく雨となる 稲畑汀子 ホトトギス 200603
初花はまだかと問うて旅予約 稲畑汀子 ホトトギス 200604
初花にはぐるるように別れけり 品田弘子 四葩 200605
初花や遺愛のグラス酒あふれ 市ヶ谷洋子 馬醉木 200606
講義書を閉ぢ初花の空眺む 小澤克己 遠嶺 200606
初花に空のひろごる思ひかな 三崎由紀子 遠嶺 200606
初花を見ることもなく召されけり 高安勝三 遠嶺 200607
初花はもののふの花青ざめて 松村多美 四葩 200607
初花を匂はせてゐる月と星 安原葉 ホトトギス 200608
初花へ般若心経流れ来る 峯高子 万象 200608
初花の朝こそよけれ盗み酒 市場基巳 200609
初花の気配に視線集りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200703
初花のふえつつありぬ旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 200703
一盞は父に一盞は初花に 岡本敬子 万象合同句集 200703
予報より早き初花いとほしむ 泉田秋硯 200706
初花は薄紙仕立予後の身も 山崎靖子 200706
八幡の初花を来し息であり 大山文子 火星 200706
初花の雨となりけり播磨坂 八木下巌 200706
初花を点じさゆらぐ枝の先 安原葉 ホトトギス 200707
初花や弓立てて来る女子学生 大坪景章 万象 200707
初花や野辺の送りを済ませ来て 山口千代子 万象 200707
初花の人目に触るるところより 戸栗末廣 火星 200707
天界の初花に母在すらん 内山花葉 200707
一輪の初花を暾に眩しめる 西千代江惠 雨月 200707
初花や午後しばらくを些事にあり 木内憲子 200707
初花や用事ついでの夕歩き 真保喜代子 200707
初花や雲に溶けさう眠りさう 長山あや ホトトギス 200708
初花と呼ばれて白き夜を迎ふ 岩垣子鹿 ホトトギス 200708
初花や木地師にひとり女弟子 岩崎真理子 遠嶺 200708
初花を見て来し午後の事務多忙 染谷晴子 200801
初花の期待に今日のありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200803
初花の消息一喜一憂す 稲畑汀子 ホトトギス 200803
初花を賜る朝や吾子嫁ぐ 能村研三 200805
初花の枝の先あり万葉碑 福澤乙 酸漿 200806
手を取れば初花の下去り難く 小國佐世子 遠嶺 200807
初花の次の便りに間のありて 大槻右城 ホトトギス 200811
初花を雨に見つけし人に蹤く 稲畑汀子 ホトトギス 200903
初花や将軍しのぶ地酒の名 柴崎富子 春燈 200905
初花やまづその幹のほめらるる 一ノ木文子 炎環 200906
初花や埴輪を焼きし窯跡に 石垣幸子 雨月 200906
初花に会ひ雨傘の軽くなる 足立典子 雨月 200906
み仏に初花の冷えありにけり 奥山絢子 風土 200907
辻神のあすへ初花あかりかな 井尻妙子 京鹿子 200907
初花の一気といへる鼓動かな 山田弘子 ホトトギス 200908
初花を見したかぶりは満ちてなほ 稲岡長 ホトトギス 200909

 「牡丹」祝句

初花に未来展けて行きにけり

稲畑汀子 ホトトギス 200909
快晴といふ初花に出逢あり 稲畑汀子 ホトトギス 201003
浅草の初花くぐり掛小屋へ 品川鈴子 ぐろっけ 201003
哲学の道初花の二三輪 森山のりこ あを 201005
初花の便りの後の嵐かな 山本無蓋 201006
初花を彼の世の母の便りとも 鷹崎由未子 春燈 201006
初花や野仏在せば手を合はす 鷹崎由未子 春燈 201006
初花にたつきの音をひかへけり 鷹崎由未子 春燈 201006
初花や高からずして吉野門 田中佐知子 風土 201006
家中を整へ浄め初花へ あかさか鷹乃 ろんど 201006
初花といふは古典を秘めてゐし 竹下陶子 ホトトギス 201007
盃に初花浮かべ供へけり 稲木住江 末黒野 201007
咲ききらぬ初花の冷えまさりけり 奥山絢子 風土 201007
初花をくるくる回す万華鏡 高田令子 201007
初花にこころ染まりて昏れにけり 金澤明子 火星 201007
初花に集ふ一人を悼みつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201103
初花は天使の笑まひ慈悲の色 岩永充三 201106
初花やおはぎのきな粉膝に散り 西山美枝子 酸漿 201106
初花や炭焼小舎の冷え冷えと 永田二三子 酸漿 201107
初花の一つの何と誇らしく 木村享史 ホトトギス 201110
初花をうながす雨となりにけり 市川玲子 春燈 201206
初花のフライングならゆるさるる 坂場章子 201207
初花に明日は出あへる並木かな 大橋伊佐子 末黒野 201207
初花といへる光の如きもの 木村淳一郎 ホトトギス 201209
初花の遅れゐしこと納得す 稲畑汀子 ホトトギス 201303
川づつみ初花啄む小鳥かな 田中清秀 かさね 201305
初花やひんやり乾く夜泣石 大沢美智子 201306
初花やほつと心の開く音 柳川晋 201306
初花や平和と思ふ今のあり 宮崎高根 201306
初花や平城宮の大甍 山本無蓋 201306
初花や先師の教へ芳しく 東野鈴子 雨月 201306
ここからは初花となる迅さかな 安原葉 ホトトギス 201307
初花のあるやも知れずありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201403
初花に視線を高く置く日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
初花に逢ひしその日の訣れかな 岡淑子 雨月 201406
初花や急げば踊る足二本 吉村摂護 201406
初花や散切り髪の前頭 中川久仁子 201406
初花をきのふに今日の風雨かな 大坪景章 万象 201406
初花と言ふも五輪や朝日影 木下晃 末黒野 201407
初花や湾一望のレストラン 辻井ミナミ 末黒野 201407
初花に迎へられたるけふの客 安原葉 ホトトギス 201408
初花の咲きゆく早さとどめたく 稲畑汀子 ホトトギス 201503
初花に気づかぬ人のなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201503
初花や鴫立沢の水ゆたか 小川玉泉 末黒野 201506
一樹二樹初花探す杜の道 西川みほ 末黒野 201507
夕めける風初花の辺りより 今橋眞理子 ホトトギス 201508
初花や雨のきのふはもう昔 木村享史 ホトトギス 201509
初花の無垢のくちなし雨上る 三澤治子 万象 201510
初花が咲いてゐますと庭に客 稲畑汀子 ホトトギス 201603
初花やをんなに生れて気はづかし 鷹崎由未子 春燈 201606
初花にゆつくり古都の日は暮れぬ 黒川悦子 ホトトギス 201608
初花の生れし光放ちけり 木村享史 ホトトギス 201609
名を知らぬ草の初花摘みにけり 石田きよし 201701
初花を背に集合写真かな 高田令子 201707
初花を目指して蕾挙りをり 飛高隆夫 万象 201707
初花のちよつと足踏みする日和 今橋眞理守 ホトトギス 201708
句会場てふ初花の華やぎに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
初花に鳥の狼籍始まれり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
初花に山の表情緩びゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
初花にみ吉野の時動き出す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
初花や江戸の歳月重ねつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201804
初花や池を隔てて呼び合うて 辻美奈子 201806
初花やさみしき刻を同じうす 浅田光代 風土 201806
初花を手折りし吾は大悪人 久保夢女 201807
初花を見て出掛け来し雨催ひ 稲畑汀子 ホトトギス 201903
初花に冷たき雨となつて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201903
東京は雨と聞きつつ初花に 稲畑汀子 ホトトギス 201903
初花やどこまで続くわが命 沼田巴字 京鹿子 201903
初花や横浜に住み五十年 大霜朔朗 末黒野 201904
初花の君影草をみ仏へ 小川玉泉 末黒野 201907
初花を仰ぐときめき老にあり 木村享史 ホトトギス 201909
初花と思ふ間もなくほどけ来し 稲畑汀子 ホトトギス 202003
初花に古刹の歴史重ねゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
わが庭にはじまる月日初花に 稲畑汀子 ホトトギス 202004
初花や形見分けなる花器三つ 前田美恵子 202005
初花 →2      

2022年4月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
22/04/13 2022年4月13日 2022年4月13日