糸 桜        188句

腹筋をよりてや笑ふ糸桜    季吟

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜

花疲れ  花守    花の雲  花影   花の影  余花

残花  花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝  初桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
また風が鳴らす卒塔婆糸桜 皆川盤水 春耕 199905
鵜の潜く水面ゆれをり糸ざくら 沢聰 馬醉木 199906
観音のすがたに夜の糸桜 鷹羽狩行 199906
暁闇の揺るると見しは糸桜 和田和子 馬醉木 199907
糸桜そよぎの中の器量好し 井沢ミサ子 京鹿子 199907
絲桜一花に騒ぐ鯉の群 沢坂芳山 京鹿子 199909
ゆらぎつつ日をいとふかに糸桜 阿部ひろし 酸漿 200005
色も香も空ときそはず糸ざくら 阿部ひろし 酸漿 200005
糸ざくらふと角隠おもひ出づ 阿部ひろし 酸漿 200005
糸桜狛犬の顔撫でてをり 石塚ユリ 春耕 200005
濃き黒子このごろ太る糸桜 塩見恵介 虹の種 200005
天衣よりほつれ出でたる糸桜 森麟 銀化 200006
一枝もおろそかにせず糸桜 吉原一暁 200007
糸櫻くぐりて天女遊びかな 野口香葉 遠嶺 200007
風孕み鵬となる糸櫻 小山徳夫 遠嶺 200007
しかと杖突きうち仰ぐ糸ざくら 大橋宵火 円虹 200007
糸ざくら大揺れの止みさゆれ尚 大橋宵火 円虹 200007
遠ざかるほど糸ざくら風の見え 阪上多恵子 雨月 200007
噴きあげてしつとり流る糸桜 丸井巴水 京鹿子 200007
糸ざくら種子曼茶羅の謝恩の碑 横林誠二 200007
結び文揺るる氷室の糸桜 谷野由紀子 春耕 200007
糸ざくら湖愁に胸を揺らされて 小澤克己 遠嶺 200008
月据ゑし円蔵院の糸櫻 小澤克己 遠嶺 200008
狛犬の背を掃く風の糸桜 遠藤アサ子 赤井 200103
屈む背にはらりと触れて糸ざくら 高垣和恵 雨月 200105
糸ざくら大寺に月まどかなり 益本三知子 馬酔木 200107
虚子の忌や翳蒼ざめて糸ざくら 安達実生子 200107
人のすれ違ふにも揺れ糸桜 丁野弘 200204
深閑と真昼の寺や糸桜 阿部文子 酸漿 200206
琴糸の白のはなやぎ初ざくら 高橋さえ子 200206
水底の日のほのかなり糸櫻 土岐明子 遠嶺 200207
糸桜糸の一葉をはなしけり 阿部ひろし 酸漿 200211
夕日さす身延枯糸ざくらかな 阿部ひろし 酸漿 200302
糸ざくら風ある如くなき如く 稲畑汀子 ホトトギス 200303
この樹下にわが揺籃期糸ざくら 岡本眸 200304
月揚ぐる円蔵院の糸櫻 小澤克己 春の庵 200305
衣擦れの音とも風の糸桜 岩月優美子 200306
佇めば紅さし初むる糸櫻 吉村春風子 遠嶺 200306
玉音を聴きしあたりの糸ざくら 中島あきら 200306
大櫛を入れたるごとく糸桜 小黒加支 酸漿 200306
糸桜かがよひ垂るる糸の雨 大島寛治 雨月 200307
朝に黒服夕に黒帯糸ざくら 山崎靖子 200307
糸櫻きらりきらりと陽のあふれ 吉野のぶ子 遠嶺 200307
別の世の扉ありけり糸櫻 清水晃子 遠嶺 200307
糸櫻影を地上に垂らしけり 森ふみ子 遠嶺 200307
夕波に影を遊ばせ糸ざくら 橋本良子 遠嶺 200307
真砂女逝く風の抱きよす糸桜 大島翠木 200307
糸櫻閼伽井の水の薄濁り 竹中一花 200307
糸桜真下に佇てば個室めく 稲田節子 200307
糸桜仰げば顔の誰も佳き 稲田節子 200307
散るほかはなき糸桜雨上り 稲畑汀子 ホトトギス 200404
糸ざくら一枝揺るればことごとく 岡本眸 200405
根を剪られ血の気さしたる糸桜 品川鈴子 ぐろっけ 200405
枝先のからまる大糸桜かな 日余敏子 雨月 200406
糸桜の傘の内なる空揺るる 星野淑子 200406
糸桜水面に垂れて細字書く 磨家泉 築港 200406
音なにもなき夜の冷や糸桜 永田二三子 酸漿 200406
咲き満ちて静けさのあり糸桜 鈴木幾子 酸漿 200406
山の気のかすかに動き糸櫻 挾川青史 馬醉木 200407
しなやかに風受けながし糸桜 福田千代子 築港 200407
糸桜見てよ見てよと揺れゐたり 福田千代子 築港 200407
糸櫻夜の古木に憑かれける 大島翠木 200407
きざはしは二百八十七段糸桜 中村洋子 風土 200407
それぞれの糸に地あり糸桜 城孝子 火星 200408
糸桜しだるる奧も糸桜 橘澄男 山景 200408
昨夜よりもけふの寂しき糸桜 徳田千鶴子 馬醉木 200506
小江戸へと時空の舟を糸ざくら 津田礼乃 遠嶺 200506
糸桜風の道なる土手の下 山口秀子 酸漿 200506
子が泣くやたちまち回る糸桜 寺門丈明 あを 200506
あめつちへ噴きあふれたる糸ざくら 太田寛郎 200507
欄干の湿りし夜の糸桜 奥田茶々 風土 200507
糸桜支柱に支柱ありにけり 中里とも子 百鳥 200507
絲ざくら夕べは鏡のぞきこむ 佐藤喜孝 あを 200507
糸ざくら人におくれ毛ありにけり 小澤克己 遠嶺 200606
糸桜くぐりて見れば幹のあり 松山直美 火星 200607
手を打てばはらりはらりと糸櫻 高尾幸子 遠嶺 200607
糸ざくら解き放たれし誕生日 井内佳代子 遠嶺 200607
園児らの手を触れゆけり糸桜 中島伊智子 酸漿 200607
近く寄り見よとばかりや糸桜 守屋井蛙 酸漿 200607
傘なして大糸桜八ヶ岳の前 守屋井蛙 酸漿 200607
地に刷きし影淡々と糸桜 大竹淑子 風土 200607
一斉に揺れいつぽんの絲桜 鈴木多枝子 あを 200607
遠くより見つつ来て立つ糸桜 阿部ひろし 酸漿 200705
糸桜川原の径は行き止まり 東福寺碧水 万象 200706
しばし見て離りて仰ぐ糸桜 下川智子 200706
悠久の高麗の郡や糸櫻 鈴木清子 遠嶺 200707
寺町の猫とじやれ合ふ糸櫻 星野道子 遠嶺 200707
橋の名で道教へらる糸桜 服部早苗 200707
いましがた雨の過ぎたる糸桜 内山芳子 雨月 200707
ふれあはぬ縁いくつや糸ざくら 鷹羽狩行 200805
糸桜幼木ながら垂れをり 阿部ひろし 酸漿 200805
糸桜ゆれて女性の墓と知る 服部早苗 200806
写真家の立てし三脚糸ざくら 吉沢陽子 200806
天からの花の椎や糸桜 浅野恵美子 酸漿 200806
天界にあそびしここち糸櫻 邑橋節夫 菊揃へ 200806
糸ざくら地につくまでをしだれけり 藤井昌治 200806
水晶のブレスレットや糸桜 庄司久美子 200807
揺れ足りぬおもひに暮れて糸ざくら 八染藍子 200807
闇を梳くライトアップの糸桜 次井義泰 200807
糸桜見上ぐ反り腰一歩二歩 岡野峯代 ぐろっけ 200807
雨あとの空匂ひたつ糸ざくら 高橋さえ子 200807
糸ざくら咲き満ちて空濁りなし 高橋さえ子 200807
しなやかな風かはしけり糸桜 井口初江 酸漿 200808
風よりも灯色にこぼれ糸桜 水田むつみ ホトトギス 200809
小鳥にも好きな枝あり糸桜 小島左京 ホトトギス 200809
今一度逢ひたし祇園の糸桜 大橋敦子 雨月 200905
夜の水のひたに沈める糸桜 山尾玉藻 火星 200905
風あらば風に素直や糸桜 田下宮子 200906
病みてなほ潰えぬ命いとざくら 小澤克己 遠嶺 200906
大空に吊られて咲けり糸櫻 小峯千枝子 遠嶺 200906
しなやかに浮世に生くる糸櫻 小峯千枝子 遠嶺 200906
一糸より揺れの広ごる糸桜 北川英子 200906
影もまたまどかに揺ぎ糸桜 舛田初惠 酸漿 200906
糸さくら百八号の保護樹木 村高卯 200907
川風をゆつくり紡ぐ糸ざくら 長谷川友子 春燈 200907
夕されば幽花となりぬ糸桜 長戸路子 春燈 200907
方丈のやさしき説話いとざくら 小澤克己 遠嶺 200907
糸ざくら座禅の僧の影淡し 小澤克己 遠嶺 200907
たましひの抜けゆく揺れを糸櫻 小澤克己 遠嶺 200907
糸桜去りゆく人を見送りぬ 内藤秀子 200907
比丘尼寺散り萎れたる糸桜 壁谷猪一 200907
青天に咲き満ちてをり糸桜 山崎澄子 酸漿 200907
糸桜くぐりてゆける風のあり 岸野美知子 酸漿 200908
糸ざくら都落ちせし表札よ 八田木枯 晩紅 200908
ますらをの松たをやめの糸桜 竹内すま子 200909
那智石の濡れてゐるなり糸桜 山尾玉藻 火星 201004
山風をひと日纒へる糸桜 辻知代子 201006
四阿にあまた人呼ぶ糸桜 西田史郎 201006
年経れど変わらぬ樹齢糸桜 鈴木阿久 201006
一族の墓を被へり糸桜 須賀敏子 あを 201006
家系図のなき家系なる糸櫻 吉弘恭子 あを 201006
魂を天にゆだねし糸ざくら 橋添やよひ 風土 201007
頬にふれ胸へしだれて糸桜 千坂美津恵 201007
風生の句を彷彿の糸桜 河本利一 201007
夕暮の道ばかりなり糸桜 柴田佐知子 201007
もつれてはするりとほぐれ糸桜 井田実代子 雨月 201007
糸ざくらを散華となして磨崖仏 笠井清佑 201106
糸桜心の揺れと共に揺れ 中村喜美子 春燈 201106
糸桜この急坂を登り来て 青木政江 酸漿 201106
おばしまに凭たるる肩の糸桜 吉弘恭子 あを 201106
繚乱の大糸桜風を呼ぶ 山口順子 201107
また訪ねん夫の背丈の糸桜 北村和代 ぐろっけ 201108
子を攫ふ魔女のごとくに糸桜 竹田ひろ子 ろんど 201108
糸桜のんどり空を廻しをり 樽井明子 京鹿子 201201
絲ざくら指をからめてみたくなり 佐藤喜孝 あを 201204
御佛のおよびのやうに絲ざくら 佐藤喜孝 あを 201204
岬の日に力収めし糸桜 服部鹿頭矢 馬醉木 201206
喉ごしの御薄まつたり糸ざくら 益本三知子 馬醉木 201206
糸ざくら天幕を張る露天商 森理和 あを 201206
料亭へ入る細露地糸桜 田中藤穂 あを 201206
糸ざくらの覆ふ十六羅漢かな 五十嵐勉 201207
ままごとの客は母御や糸桜 山田春生 万象 201207
青き闇より一本の糸ざくら 岩月優美子 201207
糸桜のうちより仰ぐ翁がほ 深澤鱶 火星 201207
糸桜満開の下客となる 濱田ヒチヱ ぐろっけ 201207
糸ざくら崩れ土塀の城下哉 三枝邦光 ぐろっけ 201207
何時になく胃薬ききぬ糸桜 加藤八重子 末黒野 201207
糸桜不意打ち鯉の跳ね上り 森理和 あを 201305
糸桜風に遊ばれ枝垂れけり 大湊栄子 春燈 201306
糸桜砂利に一筋轍かな 和田勝信 かさね 201306
芽吹き初め中将姫の糸桜 磯野しをり 雨月 201404
微風に送り出さるる糸桜 斉藤裕子 あを 201405
篝火の煙残れり糸桜 石川かおり 201406
糸桜蒼天に色解れ初め 塩見英子 雨月 201407
天を衝く枝もありけり糸桜 石川賢吾 201602
天を衝く枝もありけり糸桜 石川賢吾 201602
暮れ際の灘のいろ帯び糸桜 石本百合子 馬醉木 201606
糸桜揺れてブラジル便りかな 岡田桃子 201607
帯低く結ぶ齢や糸桜 深川淑枝 201608
糸さくら地に一面のいとさくら 杉本薬王子 風土 201611
風吹くと命の揺らぐ糸さくら 杉本薬王子 風土 201611
円周率ここで切り上げ糸桜 町山公孝 201706
枝先にただ一つ咲く糸桜 出口誠 六花 201707
糸桜風のもつれを風の解き 森清信子 末黒野 201708
鳥ごゑのゆさぶつてゐる糸桜 西住三惠子 201707
白髪となる糸桜くぐるたび 遠山陽子 201805
地に触るるばかりに揺らぎ糸ざくら 秋葉雅治 201806
大樹なす宙いつぱいに糸桜 山下健治 春燈 201906
山風のこぼしてゆきぬ糸桜 大谷満智子 春燈 201906
ウェハースしゃぶる赤ちゃん糸桜 大槻春美 201907
山寺の甍をしのぎ糸桜 森清堯 末黒野 201908
ひと枝も天に向かはず絲ざくら 佐藤喜孝 あを 201909
糸桜「令和」へ向けて咲かんとす 佐々木麻里 船団 201910
糸桜風しなやかに受け流す 高木邦雄 末黒野 202007
糸桜婆の出てくる曲がり角 江見巌 六花 202007
透明になつてゆく吾糸ざくら 沼田巴字 京鹿子 202104
枝垂れつつ光を零し糸桜 池乗恵美子 末黒野 202104
糸桜雨の重みを負ひにけり 山田正子 202112

 

2022年3月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。