花影 花陰     63句

花影婆娑と踏むべくありぬ岨の月    原石鼎

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

初花  花の闇  花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵

花過ぎ  花屑・花の屑  花篝 花は葉に  花筵  養花天  飛花落花 落花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花影の牛に真顔のありにけり 小澤克己 遠嶺 199806
花影や白チョウザメは寝返れり 野田田美子 海程 199807
花陰にささやき合へる御苑かな 宮倉浅子 遠嶺 199907
花影に敷くハンカチの指定席 山田禮子 きらら 199810
ふるさとの花影映ゆるや句碑の面 水原春郎 馬醉木 199906
まぼろしのごとき花影水にあり 三枝かずを ホトトギス 199909
花影の風を纏いて旅人よ 北条巽 船団 200006
花影や寺紋乾かすドライヤー 水野邦夫 俳句通信 200007
如意輪寺までを花影踏みてゆく 熊岡俊子 雨月 200107
蜆花影やはらかく揺らぎをり 梅田秀子 酸漿 200107
花影を面にやどし立話 鵜飼紫生 雨月 200109
花影として肉片として波乗りサーフアー 村山半信 海程 200112
如意輪寺までの花影踏みてゆく 熊岡俊子 雨月 200201
咲くほどに花影淡くなりゆくか 横尾桂子 銀化 200205
花影に添ふ水のあり灯あり 橋本良子 遠嶺 200207
花影や細工の飴の鳥けもの 後藤志づ あを 200305
ねんごろに花陰に入る貸ボート 篠田鶴之助 帆船 200306
花影にひらく昭和の歌唱集 出口賀律子 雨月 200307
泉下とふ花影映るところかな 西川織子 馬醉木 200405
義士の碑に花影揺る夾竹桃 有島扇水 河鹿 200410
水中で燃ゆる花影曼珠沙華 三関浩舟 200412
花影に凭ればしめりぬ西行忌 石田厚子 馬醉木 200506
花影に行厨開く贅を愧づ 大橋晄 雨月 200506
灯さるる花影映す玻璃戸かな 和智秀子 酸漿 200506
花影に漱ぎて名妓に合掌す 豊田都峰 京鹿子 200508
花影を葉に乗せてをる岩鏡 菊地惠子 酸漿 200510
朝の日を揺らし花影伸びて来し 稲畑汀子 ホトトギス 200604
花影は鯉の口音するところ 山尾玉藻 火星 200605
花影へ枝垂桜の散り初むる 山田六甲 六花 200705
花影に漱ぎ名妓に合掌す 豊田都峰 草の唄 200805
花影の障子の内の占ひ師 奥田順子 火星 200906
花陰に十三詣の父子在り 金澤明子 火星 200807
ひとひらの花影あはき常夜燈 吉岡知香 京鹿子 201001
木屋町の花影にあり茶房の灯 横田矩子 201006
友偲ぶ西行庵の花影に 笠井清佑 201006
天に鳶地に花影のありにけり 前原早智子 春燈 201006
花影といふ白妙に入りゆくも 廣谷総子 201007
花影をはんなり流す高瀬川 雨宮しをん 201008
神の田のいま花影の徒鴉 丸山照子 火星 201102
花影の一畳におく茶筅かな 堀江惠子 201108
花影や人を待たせてあるごとし 佐藤喜孝 あを 201109
白昼の花影昏き分校舎 田村一翠 ぐろっけ 201207
菖蒲田に花影の薄き雨催ひ 松本信子 かさね 201208
花影を天に映したやうな雲 稲岡長 ホトトギス 201208
花影に晶子の歌碑や生家跡 山口キミコ 九十九島 201209
西行の話聞きたし花影に 笠井清佑 201306
花影の無情の中へ身を委ね 齋藤晴夫 春燈 201506
花陰のバス停待たうか歩かうか 赤岡茂子 春燈 201507
花影に佇つポスターの自衛官 石田きよし 201507
花影やゆつくり進む車椅子 高橋和女 春燈 201607
花影や水のことばを聞いてゐる 高野春子 京鹿子 201607
花影や逝きたる君の老ゆるなし 高橋和女 風紋 201709
花影やゆつくり進む車椅子 高橋和女 風紋 201709
花影を辿り湖国の浮御堂 松本鷹根 京鹿子 201806
花影に刻を委ねて湖眩し 松本鷹根 京鹿子 201806
花へ花影置く花の息づかひ 橋本くに彦 ホトトギス 201808
駅前の花影伸びたる足湯かな 尾崎千代一 末黒野 201907
大枝の花影に二人づつ座る 青木朋子 201911
花影やひやりと触るる斧の柄 辻美奈子 202106
花影に吾の影も入れふぶきたる 浜田はるみ 202108

 

2022年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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