花 篝      74句

花篝戦争の闇よみがえり   鈴木六林男   雨の時代

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花篝

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花篝すぐそばにある危な道 小澤克己 遠嶺 199905
花篝消えて虚子の忌終りけり 河合城太 銀化 199906
薪足して傾き直る花篝 飯塚ゑ子 火星 199907
花篝鉄きしませて薪を組む 丸山海道 天弦 199910
人は夜に生まれ夜に死し花篝 塩見恵介 虹の種 200005
花篝熊野の心中かき乱し 三村禮子 酸漿 200006
花篝火に刻々のありにけり 粟津松彩子 ホトトギス 200008
花篝弾けし中をシテ出づる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
星の座の遠く退りて花篝 磯田富久子 200104
まんさくのまつしぐらなる花篝 神蔵器 風土 200104
声かけしひとも旅びと花篝 益本三知子 馬酔木 200107
花篝折目正しきズボン着き 嵯峨根鈴子 火星 200107
切能の闇ふかめたり花篝 檜山孝子 百鳥 200107
身の内の鬼と共存花篝 津田このみ 船団 200201
花篝姉を泣かせる野外劇 宇都宮滴水 京鹿子 200202
昼月を西へ傾け花篝 有山八洲彦 200205
絶え間なく夜の散りくる花篝 川名将義 銀化 200206
千金の刻をとどめて花篝 公山礼子 200207
炎にも情のあるなり花篝 粟津松彩子 ホトトギス 200208
焼べ足して舞ふ灰神楽花篝 稲畑汀子 ホトトギス 200304
薪の香を立たせて崩れ花篝 稲畑汀子 ホトトギス 200304
花篝床踏み鳴らす能の仕手 永井雪狼 200307
花篝風に揺らぎしとき暗し 田中子 円虹 200307
西行も定家も来る花篝 若生まりあ 遠嶺 200307
花篝り微醺を帯びて逍遥す 原田竜子 河鹿 200406
臈たけし人のまじれる花篝 若山実 雲の峰 200406
花篝火竜生れては闇に消ゆ 禰寝瓶史 京鹿子 200407
信長は振り向かざりし花篝 湯浅夏以 遠嶺 200407
花篝橋の形に点りけり 清水ミツコ 200407
花篝雨の名残はありながら 三村純也 ホトトギス 200408
花篝まで二三歩の袴かな 飯塚ゑ子 火星 200408
はじまりは煙くさくて花篝 鷹羽狩行 200504
花篝花から遠くありにけり 高橋将夫 200505
いとはんもこいさんもゐる花篝 岡部名保子 馬醉木 200506
塩瀬の帯へ姉デザインの花篝 安井和子 200506
花篝あかあかと浴び誕生日 淵脇護 河鹿 200507
花篝水面に火の粉こぼしけり 寺沢千都子 万象 200507
ゆらゆらと幻を見し花篝 荻野千枝 京鹿子 200507
大檜馬の武士のまなじり花篝 安原ときこ 遠嶺 200508
花篝もんどり打つて榾落つる 鍬形ゆきこ 百鳥 200508
水面まだ明るきうちに花篝 鷹羽狩行 200605
花篝両性具有の面テかな 延広禎一 200606
遠まきに鬼が見てゐる花篝 清水晃子 遠嶺 200607
花篝八坂の塔の影浮かし 柴村郁子 遠嶺 200607
オカリナの乙女の小指花篝 相田和泉 春燈 200806
花篝夫似の人とすれ違ひ 秋葉貞子 やぶれ傘 200806
海風に爆ぜて匂へる花篝 飯田角子 酸漿 200808
 荻原正三『花篝』

火の揺れをみづから正し花篝

鷹羽狩行 200903
しばらくは色なきほのほ花篝 鷹羽狩行 200904
花篝めつきり月の出の遅し 山仲英子 200904
心地良き風享ける頬花篝 岡佳代子 200906

 鈴木悦子『篝火草』序句

よろこびの火の粉をあげて花篝

鷹羽狩行 200906
おもしろき浮世今宵の花篝 環順子 遠嶺 200907
花篝水面の闇を押し遣りぬ 山本右近 万象 200907
花篝に花のみ応へ真暗がり 内田俊弘 201007
昭和去り模糊となりゆく花篝 安達実生子 201007
川筋の視野のさゆらぎ花篝 本多正子 雨月 201007
宮址野に誰が横笛や花篝 小林成子 201206
能面に愁ひを刻む花篝 小池清司 かさね 201206
花篝爆ぜて刹那の影法師 宮田香 故郷 201207
花篝靴の先まで正装し 福島松子 ぐろっけ 201207
花篝くろがねの闇焦がしをり 山崎青史 ろんど 201207
滅びたる者のさざめき花篝 森岡正作 201306
花篝吉弥むすびの伊達姿 中島陽華 201408
花篝あの世この世を分かちたる 菊川俊朗 201506
ジルコンの輝きの増す花篝 中田禎子 201507
花篝爆ぜて土竜の寝てをれぬ ふけとしこ 船団 201512
芳一の耳のゆくへや花篝 角野良生 201608
花篝ひとにはぐれて人混みに 竹内弘子 あを 201608
B級グルメの屋台と並ぶ花篝 七郎衛門吉保 あを 201905
しんしんと花篝夜の更けてゆく 増成栗人 202006
玉響のまぼろしの君花篝 鈴鹿呂仁 京鹿子 202006
花篝二つの闇の引き合へり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202205
存分に暮れあかあかと花篝 増成栗人 202206

 

 

2023年4月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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