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ひと魚の如く月下の花に漂へり    高浜虚子

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝

初桜  花筵  花衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花は雨宿し雨滴は花宿す 山田弘子 春節 199503
遠き花よりも遥かなものを見る 山田弘子 春節 199503
花は地に還りて天に箒星 山田弘子 春節 199503
この花をもて復興の完成す 山田弘子 春節 199503
鎌倉の花の忌日に発ちしとや 山田弘子 春節 199503
花終へし幹寂寞とありにけり 山田弘子 春節 199503
うつうつと花咲きしかと妻が言ふ 皆川盤水 春耕 199805
先陣をきそひ花びら流れゆく 岡星明 青湖 199805
花咲けりみどりの一枝まじりたる 岡星明 青湖 199805
わが唇に来しひとひらの花温し 小澤克己 遠嶺 199806
花酔ひの身を夕風の突き抜ける 小澤克己 遠嶺 199806
満願の杖納めたる花の下 岡部名保子 馬醉木 199806
この花をもて復旧を完成す 山田弘子 円虹 199806
花びらのまた流れ来し安曇かな 山尾玉藻 火星 199806
臘涙や花は真昼をふぶくもの 野田田美子 海程 199807
花びらと水くれなゐのパゴダかな 小菅佳子 199807
花済みの桜の膚撫でにけり 吉田島江 火星 199807
電線の黒き交錯花も過ぎ 前田陶代子 199807
咲きそめし花に恨みの不時の雪 鈴木一睡 黄鐘 199808
朝日浴び花のこぼるるばかりにも 鈴木一睡 黄鐘 199808
男老い花の魔性を遠見かな 吉田巾子 京鹿子 199808
花散るや川の底まで空の色 兼久ちわき 馬醉木 199808
花の墓地風よ根の国語らむか 竹市悠紗 京鹿子 199809
露ふふむ花も葉も日に応へけり 稲畑汀子 ホトトギス 199810
夢殿の北扉の開かず花しだれ 神蔵器 199810
焼鳥を食べたい人と花の中 佐伯のぶこ 船団 199811
花の下蛇口があって手を洗ふ 橋場千舟 船団 199811
もののふも踏みしや花の石畳 野口光枝 高籬 199812
思ひ佗ぶ花のいのちの酢牡蛎かな 丸山海道 京鹿子 199901
のけぞつて花は蕾の歓喜天 奥田筆子 京鹿子 199901
つかぬこと蝶よ花よの近江かな 小堀寛 京鹿子 199901
玉の緒の花のくれなゐ葉のくれなゐ 大橋敦子 雨月 199901
花仰ぎ更に仰ぎてビル幾つ 藤井光子 199901
桃色に花染まる頃恋の予感 黒田まち子 ぐろっけ 199901
花びらの風歩みして法華尼寺 長谷川翠 馬醉木 199902
繰り言をやんはりかはす花の昼 斉藤由美子 ぐろっけ 199902
刻々の花の予測の届き来し 稲畑汀子 ホトトギス 199903
咲く如く花に魁け現はれし 稲畑汀子 ホトトギス 199903
花ひとひらふたひら君を忘れない 黛まどか 船団 199903
昏き扉の少しひらきて花の昼 鷲谷七菜子 船団 199903
計画は疎に花心密にして 稲畑汀子 ホトトギス 199904
花追うて追うて旅程を組み直す 稲畑汀子 ホトトギス 199904
花惜む雨待つてほし待つてほし 稲畑汀子 ホトトギス 199904
花の忌と語り継がれて我等今 稲畑汀子 ホトトギス 199904
咲き替る花へ浮かるる心あり 稲畑汀子 ホトトギス 199904
花はもう終りましたと吉野駅 稲畑汀子 ホトトギス 199904
沈みたる花の気息を踏む山路 稲畑汀子 ホトトギス 199904
花々々巾着形の団子かな 岡井省二 199904
倉が飛びまた倉がとび花の空 岡井省二 199904
霧重し聖苑の花遠く飛ばず 丸山海道 京鹿子 199904
花しぐれやどり吉野の水分社 品川鈴子 ぐろっけ 199904
お忍びの大使も記帳花の寺 品川鈴子 ぐろっけ 199904
かんばせに花散るかぎり城の内 岡本眸 199904
生きること終りにしやう花咲けば 保坂加津夫 いろり 199904
花あれば死をなつかしむ西行忌 神蔵器 風土 199905
もののふも踏みしや花の石畳 野口光江 遠嶺 199905
フラスコから蒸気の上がる花の昼 小林あつ子 火星 199905
散り際の花蒼白でありにけり 小林あつ子 火星 199905
握手後の熱が残れり花の下 能村登四郎 199905
花しぐれ黙しがちなる詩の族 品川鈴子 ぐろっけ 199905
川べりに被爆慰霊碑花は八重 朝妻力 俳句通信 199905
告知には受胎そのほか花の嵐 中原道夫 銀化 199905
膠嚢カプセルに花びら詰めてみそかごと 中原道夫 銀化 199905
花の午後いつもの飴を舐めている 中林明美 ヒッポ千番地 199905
千年の色を絞りて花の峡 安田晃子 馬醉木 199906
老の道八十八里や花峠 稲木款冬子 ヒッポ千番地 199906
雪洞を連ねて花を待つばかり 岩瀬操舟 円虹 199906
花莚より声かかりたる出会 岩瀬操舟 円虹 199906
少年やすべての花は空の傷口 上原祥子 海程 199906
やはらかきことばつかへり花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
くれなゐのころもまとうて花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
うすももの闇へと誘ふ花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
樹のもとに星を散らして花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
二の腕の現つの白さ花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
花狩女風をいだけば匂ひけり 小澤克己 遠嶺 199906
潮騒や花狩る女の影ひとつ 小澤克己 遠嶺 199906
幽明の雨の細さを花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
花狩女ひかりの野辺を辿り来し 小澤克己 遠嶺 199906
海原に陽の道ありし花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
死へ遠き帯しめなほす花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
くちびるに風をうかがふ花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
夜は一糸まとはざるらむ花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
星影に髪解き放つ花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
焚かれたる焔の中の花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
蝋涙のひとすぢ紅し花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
木の裏へ姿するりと花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
黄昏と黄泉とは近し花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
夢見て夢見てその後知らず花狩女 小澤克己 遠嶺 199906
古稀を越え幾つか花の誕生日 大橋敦子 雨月 199906
降り出しの雨粒花にやさしかり 久保田一豊 いろり 199906
雪竿の汚れて立てり花三分 登嶋弘信 春耕 199906
胸突八丁西行の花などは見ず 中原道夫 銀化 199906
俗離れけり杉落葉踏み花を踏み 中原道夫 銀化 199906
蒟蒻の串を引き抜く花の晝 中原道夫 銀化 199906
花 2→      

 

2021年3月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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