13      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
千本の桜の空や塔暮るる 関口英子 河鹿 200608
大正の灯のまた一つ消え夕桜 木原紀幸 河鹿 200608
西行桜夕づく蕊を降らしける 安達実生子 馬醉木 200608
桜咲き人のこころはゆらゆらと 山田弘子 ホトトギス 200608
み吉野の雨の閑かを散る桜 長山あや ホトトギス 200608
千本の桜に千の雨の彩 長山あや ホトトギス 200608
一輪は天上に置く峰桜 矢崎すみ子 200608
坪庭は神の掌峰桜 矢崎すみ子 200608
父の忌の櫻吹雪や北の嶺々 山田怜子 遠嶺 200608
白河の関にて桜足止めに 工藤ミネ子 風土 200608
夜桜や余生の旅の北枕 松田都青 京鹿子 200608
二荒登山口閉ざしあり遅桜 金居欽一 万象 200608
名物の八重桜咲く饅頭屋 岡田房子 酸漿 200608
支へ木が見守られをり老桜 佐原正子 六花 200608
老桜に山の天日惜しみなく 室伏みどり 雨月 200608
舟運をしのぶ櫻の絵巻かな 環順子 夢帽子 200608
夜桜へ懸かつてをりぬ吾妻橋 青山丈 200608
灯の一つともる夜道や八重桜 青山丈 200608
遠にして桜動かぬ水辺あり 木内憲子 200608
遅桜音なく僧とすれ違ひ 木内憲子 200608
樹間てふよき距離桜満開に 真保喜代子 200608
怖きほど桜が咲いて冷えつづく 真保喜代子 200608
鳥獣は眠り桜は星のもの 山田弘子 ホトトギス 200609
戦とは桜とはとて語るなり 鷲巣ふじ子 ホトトギス 200609
全山の桜の景が濡れてゐる 今井千鶴子 ホトトギス 200609
黄桜の変化宇宙の一変化 桑田青虎 ホトトギス 200609
夕桜浜の男の桶がゆく 南一雄 200609
門柱に紙の表札夕桜 大山文子 火星 200609
桜咲く八幡堀の石畳 田中きよ子 酸漿 200609
五分咲きの左近の桜間近にす 田中きよ子 酸漿 200609
遊学の地なりし京の桜満つ 田中きよ子 酸漿 200609
シドニー櫻はや新宿を恋ひにけり 堀内一郎 あを 200609
夕桜ポケットにある陀羅尼助 服部早苗 200610
轆轤から壺立ち上がる桜かな 辻直美 200611
鶴の墓五月の桜咲いてをり 西村梛子 馬醉木 200612
中継車止まる桜の花の下 中嶋陽子 風土 200612
桜咲き夜目に白きよ明日ゆかな 鈴木榮子 春燈 200703
卒業の記念の桜いま大樹 辰巳比呂史 200704
老松に高さをゆづり老桜 鷹羽狩行 200704
吉野山雁字搦めにして桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
夜桜となり雨上る星現るる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
桜見てほしきくぐり戸開けて置く 稲畑汀子 ホトトギス 200704
桜見るまでは吉野を語られず 稲畑汀子 ホトトギス 200704
夜桜に庭の奥行生れけり 稲畑汀子 ホトトギス 200704
刻々とふふむくれなゐ黄桜に 稲畑汀子 ホトトギス 200704
いづこにも青山のあり桜咲く 神蔵器 風土 200704
十二束三伏せ矢の貫けり桜満つ 神蔵器 風土 200704
吉野桜に西行の空ありにけり 小泉貴弘 春燈 200704
たつぷりとこの世見せたる桜かな 堀内一郎 あを 200704
櫻花いくつも電車やりすごす 加藤みき 200705
名の桜満月を待ち開くといふ 伊藤白潮 200705
灯台のいかにも暗き桜の夜 鷹羽狩行 200705
さくら季染井桜といふ銘酒 鈴木榮子 春燈 200705
城山に桜咲き出し物理室 百瀬七生子 海光 200705
病み下手の泣いて笑つて桜二分 百瀬七生子 海光 200705
一の枝二の枝と咲き夕桜 百瀬七生子 海光 200705
桜から退る家々平泉 百瀬七生子 海光 200705
水ありて桜のありて会津晴 百瀬七生子 海光 200705
けものらの速歩はじまる夕桜 百瀬七生子 海光 200705
踊り子の宿や河津の早桜 木暮剛平 万象 200705
桜咲く夫天国へ行きしまま 伊藤真代 200705
庭桜逃げぬ野鳥は夫ならむ 品川鈴子 ぐろっけ 200705
死におくれ千鳥ヶ淵に夕桜 神蔵器 風土 200705
一山の桜に脚下照顧かな 神蔵器 風土 200705
桜濃し墓にきざみて恩とのみ 神蔵器 風土 200705
夕月は空のぼんぼり雛桜 山路紀子 風土 200705
老幹を据ゑて神代桜かな 阿部ひろし 酸漿 200705
四方山の桜呼びあふ如く咲く 関戸国子 酸漿 200705
霧走る谷に満ちたる桜かな 山田六甲 六花 200705
扇屋のガラス囲ひに夕桜 山尾玉藻 火星 200705
夜桜へふたたび開かず白障子 山尾玉藻 火星 200705
如月のましろき子福桜かな 丸山照子 火星 200705
徒櫻ひとひらひらと池の花 吉弘恭子 あを 200705
桜ちる拈華微笑といふことば 定梶じょう あを 200705
五稜郭桜の莟かたかりし 早崎泰江 あを 200705
万葉の世よりの田打桜とも 鷹羽狩行 200706
妹のあはくなりたる桜かな 橋本榮治 馬醉木 200706
京菓子の最も似合ふ桜どき 西川五郎 馬醉木 200706
夜桜の余呉湖に人魚住むといふ 永井雪狼 200706
城跡に紅白の幕桜かな 東福寺碧水 万象 200706
ゆるやかに吐く息桜ちらしけり 横田初美 春燈 200706
観桜の宴も終りの塩茶かな 横田初美 春燈 200706
ビル林立そのなかなる桜の木 布川直幸 200706
バイパスの桜眼下に歯科の椅子 本藤みつ 200706
有頂天の桜を散らす風湧けり 本藤みつ 200706
夜の桜無人になりし厨裏 鴨下昭 200706
嵐電に乗つて御室の遅桜 岩下芳子 200706
まつ白な手拭ひ浸す桜かな 栗栖恵通子 200706
終電のあとに夜桜残さるる 倉持梨恵 200706
狂ふなら桜吹雪のあかつきに 片山タケ子 200706
本箱の本のたて横桜どき 倉持梨恵 200706
木と同じ息して桜人となる 岩木茂 風土 200706
夜桜や隣にははの座りをり 岩木茂 風土 200706
出湯の町河津桜の紅散らす 相沢有理子 風土 200706
回廊の山肌に添ふ夕桜 代田青鳥 風土 200706
堂守へ桜吹雪のはじまりぬ 代田青鳥 風土 200706
桜散る鶴島と亀島の上 杉本薬王子 風土 200706
八重桜房のそれぞれ手毬ほど 宮津昭彦 200706
夕桜人影の無き庄屋跡 堀すみ恵 200706
桜まだ蕾のままに頬に触れ 神田一瓢 雨月 200706
父母ありし世の家桜なつかしみ 青垣和子 雨月 200706
碧落に揺るぎなきかな大桜 青垣和子 雨月 200706
老桜の息吹に鳥語華やげる 池田倶子 雨月 200706
二つ三つ結ひあるみくじ若桜 出口賀律子 雨月 200706
塩害や桜片側だけに咲く 横山迪子 六花 200706
桜山ひととせの雨幾そ許 小林幹彦 200706
神将のみんな怒つて桜かな 柴田佐知子 200706
さくら桜ちちははの骨細りゆく 荒井千佐代 200706
桜散る昨日の道を歩いてをり 青山丈 200706
言葉溜めゐて雨あとの八重桜 加瀬美代子 200706
佳き庭や普賢櫻の春わびし 瀧春一 200706
恍惚と海津桜は湖へ散る 泉田秋硯 200707
城黒きだけに桜の殊に映ゆ 浜田南風 200707
夕映えや又兵衛桜艶増せり 伊藤稔代 200707
夜桜の光曼陀羅池の面 金山藤之助 200707
少年の快心一打桜散る 石岡祐子 200707
招かねどスケッチ帳に桜ばな 楯野正雄 200707
観桜の十石舟にエールかな 河本利一 200707
万蕾の漲ることも老桜 藤浦昭代 ホトトギス 200707
観桜や濁世の声は聞き流し 曽根京子 春燈 200707
歯応えのメニユーや峠の大桜 丸山佳子 京鹿子 200707
船頭の唄と橋ぬけ遅桜 布川直幸 200707
八重桜背らに古寺めぐりかな 佐藤健伍 200707
寄席出でしこゑの過ぎゆく夜の桜 杉浦典子 火星 200707
夜桜やあしかの水の真つ平 浜口高子 火星 200707
梵鐘のかたへの桜ふくれたる 米澤光子 火星 200707
ヨイトマケ櫻隠しの夜明けかな 延広禎一 200707
櫻茶を所望したるは太閤か 中島陽華 200707
桜大樹抱きし山の雲動く 岩下芳子 200707
身の洞に降りこむ桜吹雪かな 中野京子 200707
牛肉のつめたく重し夕桜 林昭太郎 200707
身障者一級我に桜咲く 竪山道助 風土 200707
送り出す母のことばの櫻かな 大曽根育代 遠嶺 200707
櫻より濃き少女子の帯の色 土岐明子 遠嶺 200707
手に櫻うけてめぐらす月日かな 村瀬八干代 遠嶺 200707
夜櫻のさそひのままに迷ひこむ 安田三千代 遠嶺 200707
人々に夢を与へて散る櫻 安田三千代 遠嶺 200707
ゆつたりと膨らみをりぬ八重櫻 安田三千代 遠嶺 200707
夜櫻や料亭裏の半のれん 黒須洋子 遠嶺 200707
開拓地でありしが町に桜咲く 大沼トシ子 200707
荒使ふ修正液や桜の夜 吉田明子 200707
屑鉄を積み出す港八重桜 数長藤代 200707
牡丹桜襞の蔵せりふかき闇 椿和枝 200707
術後の眼千歳の桜見そなはす 高久清美 200707
遺言を書く程でなし八重桜 宮崎高根 200707
人に蹤き大桜へとたどりつく 出木裕子 200707
幹廻り六メートルてふ大桜 出木裕子 200707
大桜触れる距離まで近づけず 出木裕子 200707
桜の夜心さわぐは何ならむ 出木裕子 200707
死にしこと知らざる仏八重桜 高橋道子 200707
皇后の会釈たまはる桜二分 田村園子 200707
橋詰の桜吹雪を左折せり 高田令子 200707
夕桜このアルバムは封印す 田原陽子 200707
眼裏の牡丹桜のなほ濃かり 成田美代 200707
列島が桜の中を曲がりけり 柴田佐知子 200707
楊貴妃桜の下に群れゐる男たち 服部早苗 200707
車窓より犬が貌出す桜かな 樋口みのぶ 200707
空見えず地も見えずして桜花 井上加世子 ぐろっけ 200707
入学すすべて桜の中のこと 岩松八重 六花 200707
もろともに過ぎし生涯家桜 植村よし子 雨月 200707
誦経して合はす双掌に桜散る 森脇貞子 雨月 200707
いつの間の刻いつの間の桜かな 樺山翠 雨月 200707
水嵩のふえて張り出す桜かな 村上美智子 雨月 200707
束の間の夕日をとどめ庭桜 西千代江惠 雨月 200707
富士桜静かに咲けり雨催 渡辺玄子 酸漿 200707
城跡に来てふり仰ぐ桜かな 瀬沼利雄 酸漿 200707
学舎の古りて古木の桜咲く 瀬沼利雄 酸漿 200707
旅立ちを見送る寺の桜かな 荻原麗子 酸漿 200707
夕桜少女と犬の物がたり 平島利男 酸漿 200707
暫くは桜吹雪の中に立つ 平島利男 酸漿 200707
飛行機に乗つて桜の届きけり 中村輝子 酸漿 200707
桜散るちる帽子屋の丸鏡 野路斉子 200707
子の重さいとしと抱へ八重桜 生方ふよう 200707
桜散るひとひらごとの光かな 灘秀子 200707
門川に入り汐匂ふ八重桜 松原ふみ子 200707
東郷邸趾桜吹雪の中にあり 千坂美津恵 200708
図書館の桜あかりに寝てしまふ 山中宏子 200708
流れてふ桜の散りたがるところ 木村淳一郎 ホトトギス 200708
ざらざらの櫻の幹のひこばへる 竹中一花 200708
峰俳誌明るさ増すや八重桜 佐藤健伍 200708
松前城咲き競ひ合ふ桜と梅 三戸千佐子 200708
八重櫻人の情けにつつまれて 吉野のぶ子 遠嶺 200708
さまざまな夢の途中で櫻散る 大村真佐子 遠嶺 200708
若き死を悼む言葉や里櫻 大村真佐子 遠嶺 200708
オルセー展の余韻を胸に夕櫻 二羽永治 遠嶺 200708
桜満つ百万石の城下かな 原田しずえ 万象 200708
桜舞ふ夫の帰り待つ戸口 須貝恵子 万象 200708
殺傷の闇に浮かべる桜かな 柴田佐知子 200708
暦にはないことおこり桜咲く 丸山佳子 京鹿子 200708
奥坊へいつぷく石や遅桜 和田照海 京鹿子 200708
心配事少し抱えて遅桜 櫻木道代 ぐろっけ 200708
青空の力ゆるびて桜散る 内山けい子 200708
夜桜の底に結びし夢のいろ 山田弘子 ホトトギス 200709
美女桜庭に咲かせて美人妻 松崎鉄之介 200709
明日は明日二人で仰ぐ夕桜 土屋啓 馬醉木 200710
桜もう来年が始まつてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
飲食の湯が沸きにけり桜どき 服部早苗 200710
サイタサイタ桜の母校今はなし 藤原りくを 八千草 200710
投光器無き夜桜に威容あり 大滝香釈 八千草 200710
桜咲く久々に研ぐ肥後守 平きみえ 船団 200710
桜 →14      

 

2021年4月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。