14      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
桜もう来年が始まつてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200710
咲き満ちて少し暗みしさくらかな 立石萌木 雨月 200710
飲食の湯が沸きにけり桜どき 服部早苗 200710
サイタサイタ桜の母校今はなし 藤原りくを 八千草 200710
もう逢へぬ思ひは桜吹雪かな 高木智 京鹿子 200711
はるかなる音叉へ応ふさくらの芽 井上菜摘子 京鹿子 200801
いよいよの快楽なりけり峯櫻 雨村敏子 200801
お会式待つ会式桜の堂に満つ 高久清美 200802

 悼 近藤様

芦屋川桜まつりに君在さず

稲畑汀子 ホトトギス 200802
この会に見るが慣ひの初桜 稲畑汀子 ホトトギス 200803
タクシーを飛ばす桜の道選び 稲畑廣太郎 ホトトギス 200803
口あけて全国の河馬桜咲く 坪内稔典 稔典句集 200804
建和美穂女青虎よ夕桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
のつそりと呑むは十兵衛夕桜 俵藤正克 春燈 200804
空へ散る音の光って山桜 坪内稔典 稔典句集 200804
枝延べし桜も木々も花を待つ 阿部ひろし 酸漿 200804
桜散る男はことに座礁して 坪内稔典 稔典句集 200804
桜散る空ばかり見て銅像は 坪内稔典 稔典句集 200804
桜散る河馬と河馬とが相寄りぬ 坪内稔典 稔典句集 200804
桜散るでんぐりがえりのあとはさて 坪内稔典 稔典句集 200804
桜散るちょっと舌出す癖が好き 坪内稔典 稔典句集 200804
桜咲く幹のうつろに日がさして 坪内稔典 稔典句集 200804
桜もう来年が始まつてゐる 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
咲きそめて散るほかはなきさくらかな 稲畑汀子 ホトトギス 200804
遠き世へ少年誘ふ桜かな 白数康弘 火星 200804
さくらさくら後ろ歩きの子がまろぶ 山尾玉藻 火星 200804
さくら・桜・淡墨櫻咲き揃ふ 東良子 首座星 200804
ころがって海辺の老人桜散る 坪内稔典 稔典句集 200804
一日のどこにも桜とハイヒール 坪内稔典 稔典句集 200804
ゐないやうでゐるニホンリス遅桜 堀内一郎 あを 200804
絢爛と呼ぶにはやさし山桜 ことり 六花 200804
スケートのジャンプ連発桜咲く 坪内稔典 稔典句集 200804
み吉野のさくらの心問うて来し 稲畑汀子 ホトトギス 200804
厚焼の卵に桜吹雪かな 柴田佐知子 200805
光陰や娘桜と同い歳 東亜未 あを 200805
語りべが主役となれり桜もち 仁平則子 200805
顧みてすでに晩年夕桜 熊岡俊子 雨月 200805
はやばやと咲く庭桜まづ夫に 森山のりこ あを 200805
階をトントントンの桜の朝 東亜未 あを 200805
わが峡を引締めて立つ朝桜 阿部ひろし 酸漿 200805
糸桜幼木ながら垂れをり 阿部ひろし 酸漿 200805
支へなき古木の櫻神の膝 延広禎一 200805
産土の桜に朝日ゆたかなり 阿部ひろし 酸漿 200805
散る桜つぎつぎ押え子犬かな 吉成美代子 あを 200805
三方五湖左右に展くさくらの芽 大上充子 馬醉木 200805
鎌倉は桜の頃か鄙暮し 鎌倉喜久恵 あを 200805
妻のこと思ふ上野の桜かな 朝倉富次 酸漿 200805
さくらさくら三行半を反故にする 篠田純子 あを 200805
高橋の雨の葉桜通りかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200805
おことわりしてもいいかな初桜 篠田純子 あを 200805
宇野千代を読む老桜に見ゆべく 伊藤白潮 200805
幻想や桜織り成す夜の絵巻 松田和子 200806
見えざりし海のひびけるさくらかな 中田みなみ 200806
句碑二つ訪うて桜の平間寺 仁平則子 200806
句碑守り桜はいろを濃くしたり 藤森すみれ 200806
久々の琴爪かたし夕桜 築城京 馬醉木 200806
鬼子母神おせんだんごに桜散る 印南美紀子 酸漿 200806
癌病めば句作は祷りさくらの夜 冨岡夜詩彦 200806
観桜の後は至福の男酒 松田和子 200806
いまひとりの吾が死ねよと桜の夜 冨岡夜詩彦 200806
あの世まで夢追ひかけて散る桜 穐好樹菟男 馬醉木 200806
そばすする桜吹雪を眺めつつ 仁平則子 200806
すこし泣いてさくらの下を過ぎにけり 辻美奈子 200806
借景の桜見下ろす血天井 松田和子 200806
花びらの桜合戦地を這ひぬ 原田信治 酸漿 200806
糸桜ゆれて女性の墓と知る 服部早苗 200806
しとやかに桜前線北上中 武田美雪 六花 200806
残照を貴きいろにさくら満つ 戸田和子 200806
散るさくら観音の手に足もとに 峰幸子 200806
何時迄も幼笑顔の桜かな 加藤利勝 酸漿 200806
山桜峽に杖つく尉と姥 竹内悦子 200806
音立てて雨葉桜を揺らすなり 宮津昭彦 200806
桜満つかつて被爆の校庭に 中島久子 馬醉木 200806

 林翔先生唐辛子句碑建立

桜満ちあふれていまや除幕の碑

柴崎英子 絹の波 200806
桜大樹揺れて大空ゆるがせり 若松一男 200806
桜散る海人舟舫ふ奥琵琶湖 小林成子 200806
桜咲くいつもどつしり閻魔さん 坪内稔典 船団 200806
咲き初めし桜の下の昼餉かな 青木政江 酸漿 200806
おほかたは俯くさくら抱く山 山崎靖子 200806
押し合ひて咲き圧し合ひて散る桜 永峰久比古 馬醉木 200806
犀星の庭石を踏む八重櫻 篠田純子 あを 200806
さくら満月力を抜いてをりにけり 竹内悦子 200806
さくら満ち雨にも色香移りけり 三村禮子 酸漿 200806
黒壺に桜生けたる書展かな 印南美紀子 酸漿 200806
黒縁の眼鏡の遺影さくらの夜 上谷昌憲 200806
行者堂へ降りる小駅のさくらかな 大竹淑子 風土 200806
ブーメラン投げ合ふ親子夕桜 坂上香奈 200806
みほとけの遠見にさくらさくらかな 大竹淑子 風土 200806
トンネルを出て突然の山桜 神田一瓢 雨月 200806
御仏に彼岸桜の手向かな 三村禮子 酸漿 200807
ひともとの櫻に会ひにゆく夢路 松野睦子 遠嶺 200807
湖底の小石透きたる朝櫻 野口香葉 遠嶺 200807
原爆の火を灯籠に朝桜 内田郁代 万象 200807
見覚えの峯の櫻の根方かな 延広禎一 200807
犬の目の高さに子の目桜散る 徳丸峻二 風土 200807
剣道の強豪校の桜かな 小林奈穂 200807
はじめての補聴器つけて桜狩 神谷耕輔 200807
穴太積の石に刻印山桜 内藤静 風土 200807
ここよりは空海のみち朝桜 田村愛子 万象 200807
九重桜誇る老舗や鹿たむろ 松田和子 200807
近辺の桜集めし写真帳 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200807
暁に浮かびて白し庭桜 稲岡長 ホトトギス 200807
魚の目の濡れて売らるる夕櫻 野口香葉 遠嶺 200807
久能山東照宮の桜かな 矢野百合子 200807
帰国子に日本の桜さくらかな 三輪温子 雨月 200807
寄りそひて仰ぎし人よさくら咲く 神山志堂 春燈 200807
間に合うて桜のための一輌車 高橋道子 200807
幹巌となりて神代桜咲く 内藤静 風土 200807
「幾松」は商ひ中よ散るさくら 大竹淑子 風土 200807
たましひの息づく山のさくらかな 竹内悦子 200807
掛札の白木清しき宮桜 中原吟子 雨月 200807
絵葉書は桜堤の転居先 高田令子 200807
海崎や湖へ撓むる大桜 深澤鱶 火星 200807
花落し尽し老桜安らけし 木野裕美 ぐろっけ 200807
受けて立つ桜吹雪となりにけり 高橋澄子 200807
種の浜はのこして帰るさくらかな 雨村敏子 200807
漆絵にたましひのある櫻かな 石脇みはる 200807
賜ると言ふべく桜吹雪かな 緑川啓子 馬醉木 200807
糸桜見上ぐ反り腰一歩二歩 岡野峯代 ぐろっけ 200807
しばらくは座して櫻の火灯窓 西氏宣子 遠嶺 200807
師の墓所に桜吹雪のほしいまま 木野裕美 ぐろっけ 200807
市道開通さくらまつりのど真ん中 高田令子 200807
散る桜墓碑銘永久に二等兵 辰巳比呂史 200807
山桜墨たつぷりの書簡なる 岩井ひろこ 火星 200807
山桜透きてゆるりと飛行船 高谷栄一 200807
山桜地卵の殼ざらざらす 関根洋子 風土 200807
山桜散る廃屋の粗むしろ 生田作 風土 200807
桜時結婚せし子祝ひけり 伊藤セキ 酸漿 200807
桜散り吾が句碑の辺は無音界 泉田秋硯 200807
おほかたは峪に迫り出し桜宿 深澤鱶 火星 200807
細身にて満開といふ夜の桜 井上信子 200807
今生の桜を待てず逝きにけり 三澤治了 万象 200807
さくらよりさくらへまはる五眼かな 栗栖恵通子 200807
さくらさくら句碑の歳月始まりぬ 山口順子 200807
さくらさくらサ行はさびしき音ばかり 佐々木良玄 春燈 200807
荒魂の社に詣でさくら散る 大竹淑子 風土 200807
雲の湧く山を近景老桜 高橋道子 200807
校庭の桜と坊主の運動部 伊藤希眸 京鹿子 200807
み吉野や桜の宿の細柱 深澤鱶 火星 200807
闇を梳くライトアップの糸桜 次井義泰 200807
一棟の毀たれ始む大桜 河崎尚子 火星 200807
一切の音遠ざけて御所桜 根本眞知子 200807
一本の化石桜の飛花落花 村越化石 200807
雨粒の色を鎮め昼桜 小林正史 200807
丑三つの己が明かりの桜かな 大内恵 酸漿 200807
ひこばえの桜も咲けり霊山寺 大信田梢月 万象 200808
はちきれんばかりの櫻不動堂 府川房江 母の空 200808
経巻を開けば櫻吹雪かな 小山徳夫 遠嶺 200808
仰ぎつつ桜の大樹廻りけり 苑実耶 200808
つたへたきことの山ほど八重櫻 横松しげる 遠嶺 200808
核の生む灯は青ざめて夜の桜 藤田宏 長城 200808
しなやかな風かはしけり糸桜 井口初江 酸漿 200808
散るさくらおのが翳りへ散り重ね 佐久間多佳子 京鹿子 200808
花に酔ひ桜に遊ぶていたらく 木村真魚奈 京鹿子 200808
温泉の街の艶めくさくらさくらかな 山下佳子 200808
桜咲くまでの旬日桜坂 三谷道子 万象 200808
桜とは似ても似つかぬ花愛でる 伊吹之博 京鹿子 200808
さの音のやさしき響きさくらさく 内藤呈念 ホトトギス 200808
その名「さくら」淡きいのちの泉透く 小澤克己 遠嶺 200808
栄転も左遷もさくらさくらかな 宮崎すみ 神々の交信 200808
これよりは距離ちぢまらず夕桜 あさなが捷 200808
ゆるゆると桜吹雪の路を行く 片野光子 ぐろっけ 200808
みよし野や別れの桜なぜ散らぬ 今井千鶴子 ホトトギス 200808
たまゆらの露解きそめし朝桜 山田弘子 ホトトギス 200809
逢ひみてののちのさくらを見にゆかむ 遠藤若狭男 200809
眼老いたるも氷室の櫻かな 伊丹さち子 馬醉木 200810
古戦場の雨脚ほそし初桜 片山博介 春燈 200812
月の道大き櫻を従へて 井口ふみ緒 風土 200812
カーブするたび山桜里桜 大槻右城 ホトトギス 200812
もう少し起きて桜の夜のラヂオ 吉岡一三 200812
山なみや百万噸の桜咲く 伊藤希眸 京鹿子 200901
さくらさくら風を欲しがる日本丸 北島和奘 風土 200901
一年忌近し行子のさくらたで 浜福恵 風土 200901
ヤッホーの声吸うてをる山桜 中田禎子 白猪 200901
山眠る夢はおぼろに四季桜 大森尚子 風土 200903
しあはせの二乗三乗八重桜 荒井慈 春燈 200903
エキストラに弁当とどく桜かな 山尾玉藻 火星 200903
みよし野へつなぐ桜の絵巻かな 稲畑汀子 ホトトギス 200903
はるか行く山路桜の又現るる 稲畑汀子 ホトトギス 200904
すめらぎの隠れたまひし山桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
散る桜吹雪く桜を見るまでは 稲畑汀子 ホトトギス 200904
散りたくて咲き満ちてゐる桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
山路行く遠き一点より桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
山桜朝日を抱きはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 200904
黄の主張紅に譲りてゆく桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
咲きつぎてつぎて桜もその中に 稲畑汀子 ホトトギス 200904
さし交はし舞楽のごとし櫻の芽 岡本眸 200904
さくら咲き千鳥ヶ淵は水鏡 鷹羽狩行 200904
国宝の城に孤高のさくらかな 稲畑汀子 ホトトギス 200904
刻々といふ時間あり初桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
またの日のおほかたはなき桜かな 堀内一郎 あを 200904
一本の桜に水尾の乱れかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904
一本の桜全山花の雲 稲畑汀子 ホトトギス 200904
みよし野に心つなぎて桜見る 稲畑汀子 ホトトギス 200904
一枚の闇をおぼろにする桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
護摩木焚く音たかだかと山桜 加藤克 200905
うつむいて咲く桜花いとしけれ 大橋敦子 雨月 200905
軽く開く個室の扉桜の芽 近恵 炎環 200905
近きより遠き一樹の山桜 神蔵器 風土 200905
仰ぎたる彼岸桜に深空あり 牧原佳代子 酸漿 200905
桜 →15      

 

2021年3月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。