29     200句

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜

花疲れ  花守  花の雲  花影   花の影  余花  残花

花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝  初桜  花筵  花衣  花見

作品
作者
掲載誌
掲載年月
玉湯川瀬音かすかに花六分 杉本薬王子 風土 200906
坐忘とよやたら花散る中にゐて 荒井和昭 200906
西行の蹤跡なくば花虚空 西村純太 200906
生憎や降り込められし花の宴 鎌倉喜久恵 あを 200906
生真面目な父には似ざる花と酒 上田幸夫 ぐろっけ 200906
生きてこそこのふるさとの花万朶 加藤克 200906
花をめで幹をもめでつ老桜 篠原普美子 酸漿 200906
水煙は花の上なり古き塔 鈴木阿久 200906
水も陽もありジャスミンの花盛り 四條進 200906
逆光の海に一塊花吹雪 掛井広通 200906
吉野指しどの道とるも花の旅 仙石君子 雨月 200906
人力車の学生ガイド花の寺 中川すみ子 200906
人寄せて幹ぼろぼろに花尽す 小林碧郎 馬醉木 200906
散る花の白川に立つ鷺の脛 杉本薬王子 風土 200906
観音の瓔珞揺らす花の風 小林成子 200906
照り賜ふ花の面を観世音 伊丹さち子 馬醉木 200906
ちちははに逢ふかも知れず花の闇 秋葉貞子 やぶれ傘 200906
女人堂は幽きが慣ひ花明り 小林成子 200906
鴨川を遡上の鯉や花の昼 中川すみ子 200906
法話聞く金剛峯寺へ花の風 小林成子 200906
花の夜や水めく夜気に身をまかす 西川織子 馬醉木 200906
篝火や花の宴の声透る 田下宮子 200906
花愛でつ御苑のベンチにぎり飯 中川すみ子 200906
花盈ちて人の不幸を聞く夜かな 田中藤穂 あを 200906
眦を上ぐればわれも花の鬼女 高橋たか子 馬醉木 200906
花屑の中を飛び石伝ひして 丑久保勲 やぶれ傘 200906
氣象変る花の開花も従ひて 長崎桂子 あを 200906
花吹雪ブレーキ踏んでしまひけり 吉田政江 200906
老木に女ばかりの花の宴 小林碧郎 馬醉木 200906
老大樹花の万朶に鎮もれる 町田政子 酸漿 200906
老幹の瘤に短き花の枝 鎌倉喜久恵 あを 200906
零れ日や宝珠を掠め花の散る 小林成子 200906
夕となる西行塚へ花の舞ふ 田下宮子 200906
外つ国の花人増ゆる京の寺 竹内悦子 200906
住職の自ら開門花の寺 須藤トモ子 200906
来てみれば黒文字の花盛りかな 石垣幸子 雨月 200906
花明り曳きて下るや吉野山 小林成子 200906
友恋へばふはりと訪へる花の精 森永洋子 200906
友からの田植たのむと花便り 仁平則子 200906
癒えし嫁さそひ来りし花の寺 濱田カノエ 酸漿 200906
花吹雪浴びて菩薩となる心地 加藤克 200906
花爛漫信じ来しこと信じたし 木村風師 馬醉木 200906
花吹雪吹き溜りをる角屋かな 四條進 200906
眦を上ぐればわれも花の鬼女 高橋たか子 馬醉木 200906
花屑の中を飛び石伝ひして 丑久保勲 やぶれ傘 200906
氣象変る花の開花も従ひて 長崎桂子 あを 200906
花吹雪ブレーキ踏んでしまひけり 吉田政江 200906
老木に女ばかりの花の宴 小林碧郎 馬醉木 200906
老大樹花の万朶に鎮もれる 町田政子 酸漿 200906
老幹の瘤に短き花の枝 鎌倉喜久恵 あを 200906
零れ日や宝珠を掠め花の散る 小林成子 200906
夕となる西行塚へ花の舞ふ 田下宮子 200906
外つ国の花人増ゆる京の寺 竹内悦子 200906
住職の自ら開門花の寺 須藤トモ子 200906
来てみれば黒文字の花盛りかな 石垣幸子 雨月 200906
花明り曳きて下るや吉野山 小林成子 200906
友恋へばふはりと訪へる花の精 森永洋子 200906
友からの田植たのむと花便り 仁平則子 200906
癒えし嫁さそひ来りし花の寺 濱田カノエ 酸漿 200906
花吹雪浴びて菩薩となる心地 加藤克 200906
花爛漫信じ来しこと信じたし 木村風師 馬醉木 200906
花吹雪吹き溜りをる角屋かな 四條進 200906
いつせいに花咲き出づる聖週間 片山由美子 200906
満月を借景として花吹雪 森山のりこ あを 200906
満月の光伴ふ花吹雪 森山のりこ あを 200906
母よりも長生きをして花吹雪 須賀敏子 あを 200906
満願の階を踏みしめ花の山 乗鞍三彦 春燈 200906
満開の花慌し旅衣 斉藤裕子 あを 200906
暮れなづむ大和路の花白々と 仙石君子 雨月 200906
花びらを掃き寄せてある夜の土 山尾玉藻 火星 200906
花びらのごと幼子は風に乗る 辻直美 200906
花ひらひら学童を守る爺の影 四條進 200906
花はみな月の火種を秘めにけり 辻直美 200906
花の夜東結びの贈りもの 吉弘恭子 あを 200906
花の夜の背負ひ紐のあるチェロケース 丸山照子 火星 200906
花の土手そぞろ歩きとなりにけり 吉沢陽子 200906
花の朝煙管のこして逝き給ふ 奥田順子 火星 200906
花の昼さくらいろして童かな 長崎桂子 あを 200906
花の中陶狸は徳利ぶら提げて 塩路五郎 200906
花の寺戦国の世の連判状 田中藤穂 あを 200906
花の散る木洩れも長き馬場の址 豊田都峰 京鹿子 200906
本山の読経の揃ひ花卍 須藤トモ子 200906
花の後日差しんみりしてゐたる 井上信子 200906
花の丘一組づつの恋散らし 中田みなみ 200906
花の下露店の一つ異邦人 阿部悦子 酸漿 200906
花の下知らぬ同志の語りをり 土屋喜美代 酸漿 200906
花の下声美しき人と会ふ 鎌倉喜久恵 あを 200906
花の雨回転ドアの茶房かな 本田修子 炎環 200906
花に酔ひこの世に酔うてひよつとこに 延広禎一 200906
花に会ひ黒猫に会ふ御苑かな 本田修子 炎環 200906
花どきの空にさざめく雲の綾 柿本麗子 200906
花どきのいつしかみどり広げけり 藤原さちよ 酸漿 200906
花ちるをふめば名妓の墓のみち 豊田都峰 京鹿子 200906
花ちらす風とくぐりぬ吉野門 豊田都峰 京鹿子 200906
亡き友と會て来し里花盛り 笠井清佑 200906
舞込みし花びら化する諸子かな 高橋たか子 馬醉木 200906
文机の窓辺ながるる花吹雪 青木陽子 酸漿 200906
福島の四月旬五の花の山 須賀敏子 あを 200906
顔に出る答のひとつ花の雨 竹内美穂 炎環 200906
子ら戻り愛媛の花の咲くを言ふ 井関祥子 酸漿 200906
病みてすぐ知りたる花の姿情かな 小澤克己 遠嶺 200906
山国の夜の棲み処や花の洞 西川織子 馬醉木 200906
斬りむすぶロケの刀や花ふぶき 那須淳男 馬醉木 200906
散る花を捉へ病者の眼澄む 小澤克己 遠嶺 200906
散る花を鯉ゆつたりとうけゐたり 四條進 200906
散る花に鐘の音欲しき夕べかな 小林碧郎 馬醉木 200906
秘仏なる如意輪拝す花の寺 山口キミコ 200906
半眼の仏に花の舞ひ止まず 高橋たか子 馬醉木 200906
鳩ときて鳩と下りたる花の坂 吉弘恭子 あを 200906
山昏れて高野大門花明り 小林成子 200906
白無垢の近づいてくる花あかり 鈴木梨枝子 炎環 200906
傘寿・喜寿・古稀の兄弟花の下 宇賀令子 春燈 200906
拍手を打つここよりは花鎮め 柳川晋 200906
三代で終りし系図花の陰 毛利すみえ 炎環 200906
日落ちる塞鼻にかへて花の酒 吉弘恭子 あを 200906
桜並木未だ二三分の花仰ぐ 岡田房子 酸漿 200906

 山田耕子氏追悼

歳月のはかなさ花の便りなく

鈴鹿仁 京鹿子 200906
日の没りて花に光陰残りたる 大橋晄 雨月 200906
妻とわれ歩む月下の花吹雪 水原春郎 馬醉木 200906
空襲を逃れて今日の花の下 鈴木良戈 200906
川縷々と空深々と花固し 中村恭子 200906
突風に町青ざめし花の昼 高橋和女 春燈 200906
道場に吠えてゐるなり花の頃 松村光典 やぶれ傘 200906
園児等の声高らかや花吹雪 片野美代子 酸漿 200906
疎と密の糾ふ谷の花吹雪 久染康子 200906
東西南北いづれ選ぶも花の道 水船みどり 200906
投了の棋士の指先花の色 石田静 200906
堰こゆる水の蒼白花吹雪 ほんだゆき 馬醉木 200906
園児載せ花の中より箱車 藤原はる美 200906
行乞の黒衣は壁に花いまだ 鈴木阿久 200906
月さして定家かづらの花匂ふ 福田申子雄 ぐろっけ 200906
びわ灸の治療に執し花の昼 伊藤憲子 200906
転がれる石も仏ぞ花ほつほつ 風間史子 200906
校庭を花駆け廻る四月かな 黒澤登美枝 200906
タカラジエンヌになりたかつた花吹雪 石原みどり 炎環 200906
孝子仏の「佐吉双六」花吹雪 小野寺節子 風土 200906
庭そぞろ花の遅速を仰ぎては 須藤トモ子 200906
ふぶく花の行方見守るおくりびと 秋葉雅治 200906
テポドン発射花の日本へ曲ります 関根誠子 炎環 200906
宇宙船の見守る大地花おぼろ 宮田香 200906
みちのくは花もかぶくか啄木忌 秋葉雅治 200906
またの春花に囲まれバースデー 泉田秋硯 200906
エイサ舞ふ幼ひたむき花の下 芝宮須磨子 あを 200906
ビールケースを天地逆さに花の宴 丑久保勲 やぶれ傘 200906
チェ・ゲバラ日記の掠れ花明り 石寒太 炎環 200906
一人見る花の盛りの八重桜 菊地惠子 酸漿 200906
挨拶を交しながらの花の道 鈴木多枝子 あを 200906
混浴の風呂に人気なく花の影 杉本薬王子 風土 200906
かんばせをすつとすぎたる花の影 吉弘恭子 あを 200906
ひらがなで記す橋の名花吹雪 環順子 遠嶺 200907
長堤の万朶の花に疲れけり 片岡良子 雨月 200907
ひとり来て手ぶらで花の真中に 佐々木秀子 200907
湖の飛花ティンカーベルを肩に乗せ 関根誠子 炎環 200907
一花だに散らぬ桜の静かなる 中本吉信 200907
ひとときの魔法でありし花吹雪 岩月優美子 200907
池一枚花びらの覆ふ竹林院 谷口芳江 200907
ひそかなる水音何処や花月夜 石田克子 馬醉木 200907
淡墨や花の光の観世音 上田義子 200907
滝と塔重なる熊野花ざかり 平居澪子 六花 200907
見上ぐれば花のむこうも桜かな 田中喜久子 酸漿 200907
胎内ももいろ花の風吹き抜く 雨村敏子 200907
結構なお服加減や花の下 岩下芳子 200907
うつし世の出逢ひと別れ花吹雪 石田克子 馬醉木 200907
素人の舞妓の酌や花の下 伊庭玲子 200907
にはたづみ縁どりをなす花芥 原田達夫 200907
戦はぬ国宝の城花万朶 泉田秋硯 200907
国宝の城も脇役花万朶 峰尾秀之 200907
川底に影を従へ花の旅 五十嵐勉 200907
千本の花の下来て忠治の温泉 鈴木石花 風土 200907
切り出さる杉の丸太に花吹雪く 三輪温子 雨月 200907
金鯱城花咲き満ちて無風なり 鈴木隆子 200907
石舞台に花散り敷かば神天降(あも)る 泉田秋硯 200907
石段の石に斑あり花の塵 渡邉孝彦 やぶれ傘 200907
南極の氷からんと花の夜 齋藤朝比古 炎環 200907
惜しげなく散る花片を惜しみをり 藤原さちよ 酸漿 200907
青墨の乾きやすきや花月夜 環順子 遠嶺 200907
西行のまなざし置くか花一枝 渡邉友七 あを 200907
声あげて児の掌に受ける花吹雪 桂敦子 200907
胸騒ぎ始まる花のつぼみかな 荒尾茂子 京鹿子 200907
狂言と花を観賞嵯峨の寺 飯田美千子 200907
制服の白線しろし花の中 小林朱夏 200907
京に遊び淡海に泊り花月夜 水谷芳子 雨月 200907
水を渡り花をくぐりて花の山 延広禎一 200907
図書館に風の連れくる花の弁 彦坂ハツ子 200907
塵となり掃く花びらの逃げやすし 山本耀子 火星 200907
身のうちにをさめたきこの花吹雪 近藤きくえ 200907
起上るたび眩むも花のころ 竹内弘子 あを 200907
深川は橋多き町花盛り 岡谷栄子 200907
深吉野の渓を流るる花の塵 小澤昭之 200907
残花にも絵島の雅び魅せらるる 増田一代 200907
乗り継いで来て鎌倉の花の雨 北畠明子 ぐろっけ 200907
観覧車の宙より花の浄土かな 大原絹子 遠嶺 200907
風一陣一陣花吹雪花吹害 堀井英子 雨月 200907
ちちははのこゑの聞こゆる花の下 山路紀子 風土 200907
ちちははに逢ふかも知れず花の闇 秋葉貞子 やぶれ傘 200907
鎌倉の花の万朶の虚子忌かな 高木典子 雨月 200907
「蟹工船」読継ぐ花の車中かな 藤原繁子 春燈 200907
花の山時の大河にとどまりし 中野京子 200907
老幹の残りし枝に今日の花 掛江淳司 酸漿 200907
花屑を踏みて見上ぐる石舞台 木野本加寿江 火星 200907
花散るやひろき額の男の子 涼野海音 火星 200907
花→ 30      

 

2021年3月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年3月31日