30      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
搦め手を来て二の丸の花吹雪 大竹欣哉 200907
花満月くらきを水の過ぎゆけり 奥山絢子 風土 200907
重箱に水を満たせば浮く花びら 天谷翔子 火星 200907
旅ごころ西行ごころの花に佇つ 水谷靖 雨月 200907
来し方の華やぎ暫し残り花 中本吉信 200907
満開の花にしみこむ小糖雨 木下雅游 200907
花万朶幹の太さの昏きかな 古林阿也子 200907
癒えし目をもて先づ花の富士仰ぎ 山口まつを 雨月 200907
花吹雪この道どこに抜けるみち 前川明子 200907
紋付を吊す古着屋花の昼 山本耀子 火星 200907
修道院門を被ひて花満開 坂口三保子 ぐろっけ 200907
主婦どちの青春切符花巡り 金井香ル 200907
花明かり杉戸絵の雉子こちら向く 谷村幸子 200907
花満つる湖に開けをり疏水口 佐用圭子 200907
花万朶仰ぎゐる間も散るを見ず 山口まつを 雨月 200907
花万朶旧友といふあけすけに 木下もと子 200907
寿限無じゆげむと花の吹雪を打ちかむり 大島翠木 200907
木曽長良繋ぐ閘門花万朶 水谷靖 雨月 200907
花鎮め神にいただく水美(うま)し 本多俊子 200907
花早きことを喜びかつ恐れ 三村純也 ホトトギス 200907
花雪洞弓形吊りに浅草寺 和田照海 京鹿子 200907
花吹雪浴び来し夜の微熱とも 柴崎英子 200907
花吹雪浴びて高嶺へ第一歩 平居澪子 六花 200907
花吹雪鳥居の先の鳥居かな 高橋秋子 炎環 200907
花吹雪地をももいろにころがして 竹内悦子 200907
花吹雪校庭に向く大時計 片野美代子 酸漿 200907
花吹雪渓より湧きて吉野建 谷口芳江 200907
花吹雪メロスの影のひた走り 横山義恭 200907
花吹雪に巻き込まれたる別世界 倉持梨恵 200907
花吹雪とらへむと子は手をくぼめ 渡部志津子 200907
花人を離れてひとり土筆摘む 大坪景章 万象 200907
花枝垂れ影に風ある日和かな 水谷芳子 雨月 200907
花咲きて苑に暮色を寄せつけず 金山藤之助 200907
霧笛橋飛花を流れと渡るなり 土藤けんじ ろんど 200907
花月夜母亡き家を通り過ぐ 柳生千枝子 火星 200907
無尽蔵とはこのことか花吹雪 田中春生 200907
花の寺昼餉代りに団子食ぶ 大西八洲雄 万象 200907
花屑のつきし自動車うごきだす 岡田由季 炎環 200907
花過ぎの心しばらく白きかな 近藤喜子 200907
満開の花の向うに人の声 牧原佳代子 酸漿 200907
満を持す花に気温の定まらず 園多佳女 雨月 200907
花愛でる歳の数だけ幸を受け 新実貞子 200907
花を追ひ湖一周の一日旅 名取袿子 200907
花を待つ煙ひとすぢくすぶりぬ 岡田由季 炎環 200907
花まばら老木蔓に絡まれて 先山実子 ぐろっけ 200907
花また花倭一国花のなか 三輪温子 雨月 200907
自転車で思わずころぶ花の下 長瀬節子 ぐろっけ 200907
花びらの空をながるる月夜かな 松村光典 やぶれ傘 200907
花びらの一つ一つに風の抄 三橋泥太 遠嶺 200907
枕辺の一輪挿しに花愁 筒井八重子 六花 200907
花の道時々出会うメダリスト 北畠明子 ぐろっけ 200907
花の昼新聞全紙流れゆく 浜口高子 火星 200907
花の鐘湖上三里に響きけり 宮田香 200907
花の山の入口にある駐在所 岩下芳子 200907
花の屑舞はすビル風退社ベル 長谷川友子 春燈 200907
花の下知己の如くに言交し 長谷川友子 春燈 200907
時しも花吹雪先師の声とこそ 柴崎英子 200907
花の雨浚渫船の碇泊灯 國保八江 やぶれ傘 200907
女人堂は幽きが慣ひ花明り 小林成子 200907
花に飽きまた花に寄る一日かな 原田達夫 200907
花に酔ひ昭和のことは省略す 苑田ひろまさ 200907
花に隔たり字余りの多佳子句碑 佐方敏明 ぐろっけ 200907
花かすみ樹々の上なる蔵王堂 谷口芳江 200907
方舟や観音とり巻く花の山 中島陽華 200907
梢にて呼びかふ小鳥花の山 高橋敏 200907
補聴器に噂を拾ふ花の昼 舩越美喜 京鹿子 200907
補助線を消し忘れたる花の奥 柳川晋 200907
しらじらと残月はあり花の須磨 堀井英子 雨月 200907
枝垂れたる花を久遠の伽藍かな 小澤克己 遠嶺 200907
風一陣渓より空へ花の散る 彦坂ハツ子 200907
風に揺る枝垂桜の花重し 橋本ふさ子 200907
残花散る巡礼古道の潦 岩木茂 風土 200907
残されし者に歳月花吹雪く 黒部祐子 200907
燦々と洛中洛外花に満つ 舩越美喜 京鹿子 200907
人間の衣脱ぎ捨て花の中 中田禎子 200907
散る花を受くる下草やはらかき 大坪景章 万象 200907
散る花に六腎の舞や阿修羅像 中島節子 春燈 200907
人波に押されて花の通り抜け 木野本加寿江 火星 200907
牛馬もほとけとなりて花の下 大山里 200907
山宿の玻璃戸をたたく花吹雪 小澤昭之 200907
白髪をこぼれてよりの花びらぞ 守屋井蛙 酸漿 200907
来し方もこれより先も花おぼろ 吉田もと子 200907
おもかげや葉かげに青む夜の残花 渡邉友七 あを 200907
馬小屋の馬もまどろむ花の頃 田中喜久子 酸漿 200907
濃姫の眼差しに降る花の雨 恒川とも子 200907
咲き満つる花喰ふ鳥を疎みけり 三輪温子 雨月 200907
咲き満ちて公園墓地ぞ花浄土 土藤紅泉 ろんど 200907
咲き初むを散りゆく花を賞づるかな 長井君春 雨月 200907
入学児迎へる八分咲きの花 筒井八重子 六花 200907
乳母車花天井に置きざりす 川嶋ひとみ ろんど 200907
うたかたの恋よ長堤花万朶 折橋綾子 200907
座敷より眺めてをりぬ花の山 小澤昭之 200907
左内忌の市民の吟詠花吹雪 西出俊子 酸漿 200907
道場に吠えてゐるなり花の頃 松村光典 やぶれ傘 200907
道一本空へじやがいも花盛り 柴崎英子 200907
あたたかや金の成る木に花満ちて KOKIA 六花 200907
さきがけて幹に一花開きけり 小林優子 酸漿 200907
永久に欲し花の天蓋おさむ句碑 田中貞雄 ろんど 200907
対岸を点す灯のいろ花の色 環順子 遠嶺 200907
稿つつむ絹の風呂敷花の雨 藤原はる美 200907
一樹より闇に湧きつぐ花吹雪 柴田佐知子 200907
一山の花の曼陀羅吉野山 谷口芳江 200907
闇に活ぶ花の妖艶池めぐり 新実貞子 200907
み吉野の花の曼陀羅心素に 三浦百合子 200907
阿修羅像外に出て受けよ花吹雪 岩木眞澄 ぐろっけ 200907
ベランダより朝日受けたる花みごと 山田をがたま 京鹿子 200907
護送車の来てゆるゆると花の下 卓田謙一 万象 200907
シタールの奏者の痩躯花の寺 大曽根育代 遠嶺 200907
シタールを持たせてもらふ花の昼 小澤克己 遠嶺 200907
寝そべれば微熱まとへり花の影 佐用圭子 200907
長生きはマーガレットの花の風 井上信子 200908
厳かに全山の花黙したる 稲岡長 ホトトギス 200908
この花に会ひたくて来し吉野山 安原葉 ホトトギス 200908
俗世棄て花の庵に酒を酌む 金山藤之助 200908
江の電の一日切符花巡り 木村幸 200908
橋赤し山霊飛花を導びきて 松本鷹根 京鹿子 200908
吉野建花吹き上ぐる谿ふかし 宮野百合子 200908
風といふものに間のあり花吹雪 嶋田一歩 ホトトギス 200908
花の風古今伝授の里爛漫 古田かつみ 200908
花供養「内八文字」の足捌き 小阪律子 ぐろっけ 200908
回向柱触れて御縁を花吹雪 深谷ひろみ 200908
翼廊をせかせか歩く僧に飛花 小阪律子 ぐろっけ 200908
花人の帰路にアメ横ありて混む 嶋田摩耶子 ホトトギス 200908
花散るや惑星あまたありながら 橋本くに彦 ホトトギス 200908
野辺送る一人ひとりに花の風 大信田梢月 万象 200908
花零る榊の方へ歩み寄る 加藤みき 200908
花満ちて子の命日のやつて来る 白水良子 200908
花万朶大願成就のごと仰ぐ 武政礼子 雨月 200908
花一句あたへたまへよ鐘一打 谷口芳江 200908
花吹雪少年の日の万華鏡 高橋宏行 遠嶺 200908
花巡りめぐりて老いを深うせり 小林輝子 風土 200908
明けそめてはや花人を迎ふ山 安原葉 ホトトギス 200908
花散るや次咲くまでの待ち時間 橋本くに彦 ホトトギス 200908
花の路地人それぞれの曲り角 小阪律子 ぐろっけ 200908
花行脚こころに塔を築きつつ 長戸路子 春燈 200908
花一片橋を掠めて水の上 仲山秋岳 万象 200908
花おぼろフリー切符の途中下車 松井千鶴子 200908
万葉の調べ聞きをり花吹雪 下野啓子 200908
車椅子押すに徹しぬ花の道 松田都青 京鹿子 200908
花びらを真横に飛ばし桜ちる 白水良子 200908
母郷かな花下に放歌や乱舞の日 泉田秋硯 200908
花の旅花よりも濃きピンク着て 鈴木照子 200908
花の径試歩の二人に鳥語降る 野中啓子 200908
花の下身をやはらかに潜りけり 東良子 遠嶺 200908
自分似の羅漢探して花の蔭 小阪律子 ぐろっけ 200908
母の忌の夫の忌の花仰ぎては 園多佳女 雨月 200908
散る花に日和つづきの軽さあり 稲岡長 ホトトギス 200908
散る花のそのひと片の軽さかな 稲岡長 ホトトギス 200908
散ることを忘れてをりし花ばかり 岩垣子鹿 ホトトギス 200908
咲き満ちて羽音こぼるる花の下 加藤美貴 200908
「よう生きた生きた」と花びらごと乾杯 木田千女 200908
奈良朝の花のうてなに吾在りぬ 瀧青佳 ホトトギス 200908
句碑目覚む花の散り込むその谷に 長山あや ホトトギス 200908
先陣の力漲る花吹雪 東良子 遠嶺 200908
渡船場の風緩みゐる花の昼 徳井節子 馬醉木 200908
み吉野の旅の期待を語る花 安原葉 ホトトギス 200908
鉄塔の裾をひろげて花の山 塚越美知子 200908
明けそめてはや花人を迎ふ山 安原葉 ホトトギス 200908
ぎやうさんに海鼠が出たと花便り 坂本野歩 200909
ふたり酒花と満月占めてをり 岩本紀子 200909
花の精すでに通へる句碑ならむ 山田弘子 ホトトギス 200909
花霞この道なりにお行きやす 中原幸子 船団 200909
花仰ぐ後姿に声かけず 今橋眞理子 ホトトギス 200909
仰ぎてもふりかへりても花の中 大平和男 200909

 「牡丹」祝句

初花に未来展けて行きにけり

稲畑汀子 ホトトギス 200909
初花を見したかぶりは満ちてなほ 稲岡長 ホトトギス 200909
須臾の間を花の佐保なり只の溝 奥村鷹尾 京鹿子 200909
浚渫の船の行き交ふ春の河 岡田史女 末黒野 201806
多宝塔揺れてはをらず花揺るる 上崎暮潮 ホトトギス 200909
谷渡りとは鶯も花びらも 河野美奇 ホトトギス 200909
暮れてゆく花に御僧まだ着かぬ 山田弘子 ホトトギス 200909
満開の花に押るるを怖れけり 山田弘子 ホトトギス 200909
面会の了る二十時花時雨 熊谷かをる 200909
練習の球児らに花越しの風 久永つう 六花 200909
俎の水切れ早し花は実に 荒井千佐代 200909
金屏や花の千本吉野建 水谷洋子 十進法 200911
散る花に袖ひるがへるしづやしづ 水谷洋子 十進法 200911
別れうた一節花の下に立ち 水谷洋子 十進法 200911
湧水も花明りして徒士屋敷 木村公子 花貝母 200911
涙せり花の盛りの三角田 神蔵器 風土 200911
ひとひらの花影あはき常夜燈 吉岡知香 京鹿子 201001
ともに座す花のベンチの冷ややかに 佐野功 遠嶺 201001

 菅原淑子『篝火』序句

花よりも人うつくしき篝かな

鷹羽狩行 201001
寺巡り花を愛でたる波郷の忌 赤座典子 あを 201001
塵となり掃く花びらの逃げやすし 山本耀子 火星 201001
衣紋坂こして花咲く大門へ 佐藤恭子 あを 201002
花すぎの雨あをあをと禅寺なる 豊田都峰 土の唄 201002
流眄の坂本冬美花散らす 佐藤喜孝 あを柳 201002
この陽気一気に花をいざなへり 稲畑汀子 ホトトギス 201003
引き返す勇気花の咲くは遠し 長崎桂子 あを 201003
花待てば華甲に一歩近づきぬ 片山由美子 201003
快晴といふ初花に出逢あり 稲畑汀子 ホトトギス 201003
開花豫報からだのどこかむづむづす 竹貰示虹 京鹿子 201003
塵となり掃く花びらの逃げやすし 山本耀子 火星 201003
浅草の初花くぐり掛小屋へ 品川鈴子 ぐろっけ 201003
大入りの浅草芝居花綻ぶ 品川鈴子 ぐろっけ 201003
花→31      

 

2021年4月10日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年4月10日