3       200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
濡れている仔馬の瞳遠桜 富沢秀雄 船団 200010
昼月の鱗のごとく桜散る 鳥居真里子 船団 200010
わっと白髪桜に月の上がるとき 鳥居真里子 船団 200010
あの桜消ゆれば明日はただの山 中尾杏子 船団 200010
逝き給ふ母の旅路に夜の桜 阿部寒林 200010
この雨に終るさくらと思ひけり 内山和江 奧嶺 200010
胸中に描く序の舞初ざくら 内山和江 奧嶺 200010
蝶々を神隠しするさくらかな 鬼頭桐葉 春蘭 200010
鉄棒を一回転すさくらかな 鬼頭桐葉 春蘭 200010
咲きそめてよりの存在八重桜 嶋田一歩 ホトトギス 200011
白じろとうはみづ桜伯耆富士 長澤健子 酸漿 200011
足音はいつもからっぽ桜散る 南村健治 船団 200011
つむじ風そこに発見さくら散る 山本純子 船団 200011
牡牛座の髪にひとひら桜花 芳野ヒロユキ 船団 200011
スロースロークイックスローさくらの夜 橘場千舟 船団 200011
音楽やさくら散るとき澄みわたる 廣嶋美恵子 船団 200011
一椀の味噌溶きてをり初桜 戸田春月 光陰 200012
初桜牛舎に近き一枝より 朝妻力 春耕 200012
川蛇行山道蛇行遅桜 大久保白村 ホトトギス 200101
散るさまを見せて桜の別れかな 大久保白村 ホトトギス 200101
黒谷のうてななりけるさくらかな 岡井省二 200101
桜とは青い手術台かも知れぬ 吉川真実 海程 200101
初晦日河津桜の盛りなる 松崎鉄之介 200101
学校のにはとり鳴けり八重桜 真保喜代子 200101
たらちねや畳の上に桜花 芳野ヒロユキ 船団 200101
河津桜みな手のとどく枝延べて 阿部ひろし 酸漿 200103
川沿を海へと河津桜かな 阿部ひろし 酸漿 200103
七島の利島が立てる桜かな 阿部ひろし 酸漿 200103
大砲を引き出すように桜咲く 児玉硝子 船団 200103
中年の居場所眠たく桜咲く 児玉硝子 船団 200103
繃帯や秋のさくらの木を叩く 鳥居真里子 船団 200103
東司より眺むる濁世さくら咲く 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
さくらさくら一紘琴に悟らるる 柳未央 いろり 200104
夜桜や紅の蹴出しが笑ひ出す 柳未央 いろり 200104
み吉野の桜いかにと旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 200104
み吉野のそぼ降る雨の桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
雨雫消ゆる早さに散る桜 稲畑汀子 ホトトギス 200104
咲き満ちて黄桜になほ秘むる色 稲畑汀子 ホトトギス 200104
み吉野の奥に届きし桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
太陽に挙りて桜咲きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
この風に耐ゆる術なき桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
夜桜やはらと天鼓の舞に触れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
満開の桜散らねばならぬかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
咲く前の気息ととのへさくら山 小川匠太郎 200104
酒の手の落ちしとおもふ八重桜 小川匠太郎 200104
昼風呂の欠伸聞えてさくらどき 小川匠太郎 200104
船笛の尾のきれぎれに夕ざくら 磯田富久子 200104
桜咲く使つて見たき良きことば 能村登四郎 200104
海ちかき河津桜の花の雨 阿部ひろし 酸漿 200104
雨しづく光りはじめし桜なり 阿部ひろし 酸漿 200104
河津桜吊し雛売る店も出て 阿部ひろし 酸漿 200104
雨となり色を加へし桜かな 阿部ひろし 酸漿 200104
桜咲き人の哀しみ見えて来る 内藤悦子 あを 200104
夜桜やあっといふ間に一生過ぐ 田中藤穂 あを 200104
歸りゆく櫻の木からなん人も 佐藤喜孝 あを 200104
晝さくら口を合はせてゐる烏 佐藤喜孝 あを 200104
根に石を抱き千年の桜咲く 品川鈴子 船出 200104
夜桜の一と枝は手をさし伸べし 藤田宏 200104
花過ぎて梢艶めける桜かな 能村登四郎 200105
遠き遠き遠き青春さくら散る 林翔 200105
初ざくら太子の散骨ぐもりかな 神蔵器 風土 200105
沐浴や桜前線北上す 村越化石 200105
枝打ちに行きて帰らずさくらかな 岡井省二 200105
追叉手の渚をゆけり櫻咲く 岡井省二 200105
身密の袖濡れてをるさくらかな 栗栖恵通子 200105
初桜灰のひとひら舞ひにけり 岩月優美子 200105
余生こそ一刻千金さくら咲く 山中宏子 200105
先入観なしのさくらを咲かすべし 中原道夫 銀化 200105
脇目ふらずゆく岡持櫻の夜 中原道夫 銀化 200105
オブローモフ外は櫻の園と謂ふに 中原道夫 銀化 200105
おそ櫻反古を開けば山と谿 中原道夫 銀化 200105
金物にもれなく桜散り敷ける 篠原俊博 銀化 200105
老いてなほ愛する心夕桜 栢森敏子 あを 200105
余生なほ生きる証や初桜 河合笑子 あを 200105
木の間よりぬっと妙高山みょうこう遅桜 田中藤穂 あを 200105
桜散るきのふのゴミの山の上 松村美智子 あを 200105
けふあすと思ひし桜けふも待つ 阿部ひろし 酸漿 200105
日をくだく千鳥ヶ淵の桜かな 阿部ひろし 酸漿 200105
靖国の宮居のさくら鳩白し 阿部ひろし 酸漿 200105
さくらさくら醍醐の塔の沈みけり 水原春郎 馬酔木 200106
大殿の甍のそりや散る桜 水原春郎 馬酔木 200106
間合いよく桜の花の散ることよ 小野喬樹 馬酔木 200106
夜桜の風重くなる城下町 鷹羽狩行 200106
夕ざくら夜ざくら篝まだ入れず 鷹羽狩行 200106
風なくて西行桜花こぼす 小林たけし 200106
落慶の手筈ととのひ初ざくら 梶田敬子 200106
万蕾のさくらの幹の息づかひ 梶田敬子 200106
ひとひらのあとの一気に散るさくら 梶田敬子 200106
いつの世も咲けば咲いたで桜馬鹿 保坂加津夫 いろり 200106
父のさくら母のさくらの花つぶて 石橋翠 いろり 200106
夕桜一年前をふと思ふ 侭田伊都希 いろり 200106
夕桜西へ東へ人散りて 山田弘子 円虹 200106
初桜俳句学びて五十年 柴原保佳 円虹 200106
くれなゐの音さかのぼる滝ざくら 神蔵器 風土 200106
咲き満ちて音失へり滝ざくら 神蔵器 風土 200106
くれなゐの空のさざなみ滝ざくら 神蔵器 風土 200106
衣ずれのよもつひらさか滝ざくら 神蔵器 風土 200106
滝ざくら少し離れて青き踏む 神蔵器 風土 200106
「一力」に盛り塩聳てり夕ざくら 神蔵器 風土 200106
八重桜ぎをんの西に川流れ 神蔵器 風土 200106
稚魚のごと鳥の流るるさくらかな 高橋とも子 百鳥 200106
石畳濡れて峠の初桜 渡辺政子 俳句通信 200106
初桜氷室杜に朱の匂ひ満ち 原茂美 俳句通信 200106
裏山に風鳴るばかり遅桜 成重佐伊子 俳句通信 200106
チャルメラの聞えし櫻衣かな 飯塚ゑ子 火星 200106
傘持つて出て降らぬまま桜咲く 加藤真起子 火星 200106
うはみづざくら花穂白々みどりの日 阿部ひろし 酸漿 200106
手のとどく河津桜の紅の色 東芳子 酸漿 200106
暫は桜吹雪に身を任す 大塚民枝 酸漿 200106
ひたごころはたしづごころ満つさくら 藤岡紫水 京鹿子 200106
青空の奥の方まで桜かな 星野早苗 船団 200106
出来るだけ桜見にゆく日々休日 堀内一郎 あを 200106
私が桜呼べば応へて散ってくれる 堀内一郎 あを 200106
振り向くと桜の間に繊き月 松本米子 あを 200106
夜桜に息白くして佇みぬ 松本米子 あを 200106
遅桜渡り坑夫の墓の辺に 杉阪大和 春耕 200107
鐘楼に残る夕日や初桜 西川よし子 春耕 200107
夜桜のけふが過ぎゆく波の音 藤木竹志 馬酔木 200107
病む脚の一歩や今は桜びと 藤木竹志 馬酔木 200107
千歳の梢より桜吹雪かな 田中干鶴子 200107
綿菓子のやうに描きて遠桜 泉田秋硯 200107
網膜の剥離はさくら見過ぎたる 泉田秋硯 200107
矢狭間の視野平成の桜満つ 達山丁字 200107
死んでから判る晩年さくら咲く 山下青坡 200107
夜桜に開け放ちけり大手門 垣尾美智子 200107
染付のアート体験さくら咲く 垣尾美智子 200107
空小さくなりけり桜咲き満てり 林翔 200107
まばたきをしてまた見入る初ざくら 赤川孝子 200107
つらつらと自分探しのさくら径 林多佳子 200107
磨る墨にかすかな油紋さくら季 林多佳子 200107
わたくしの髪青黒く桜散る 上原祥子 海程 200107
又兵衛桜万朶とは腸軋むか 柳生正名 海程 200107
ほのとあをみてうづたかきさくらかな 岡井省二 200107
ちちははの声遠くなる櫻かな 谷口佳世子 200107
産土のテニスコートと遅桜 安原楢子 200107
くにうみの鎮めの碧に初桜 嵯峨根鈴子 火星 200107
醍醐櫻薬塗られて咲きにけり 高尾豊子 火星 200107
ピザ出前頼みてゐたる桜かな 堀義志郎 火星 200107
桜散り来る喫泉を開きけり 江木紀子 雨月 200107
大奥の址と万朶の八重桜 江木紀子 雨月 200107
奥琵琶の深き入江の遅桜 池田草曷 雨月 200107
湖の水の豊かに桜散る 池田草曷 雨月 200107
グリニッヂのぼたん桜に旅愁濃し 武政礼子 雨月 200107
象の影象より出でず桜散る 萩谷幸子 雨月 200107
北曲輪吉野桜の老樹咲く 門伝史会 風土 200107
勅使門内より見たる八重桜 門伝史会 風土 200107
散るさくら空の明るさ地に移す 門伝史会 風土 200107
手を通す衣のつめたき桜かな 川井政子 風土 200107
修羅の声快楽の声のさくらかな 川井政子 風土 200107
搾乳に牛の目つむる夕ざくら 橋添やよひ 風土 200107
妙義嶺の懐にゐて遅桜 横田晶子 風土 200107
満願の絵馬に桜のふぶきけり 佐野益子 百鳥 200107
打たれたる飛車に桂馬にさくらちる 保科次ね子 百鳥 200107
小羊のうすうす紅し夕桜 荻島雪子 百鳥 200107
桜馬鹿いつか葉になるときあるに 保坂加津夫 いろり 200107
わが町もを人目立つ桜どき 熊谷みどり いろり 200107
老桜より母の声祖母のこえ 藤原紅 いろり 200107
桜散る風なき夜のそのなかに 熊谷みどり いろり 200107
夜桜や三味線の音聞こえくる 林田加杜子 いろり 200107
満開の桜並木に酔ひしれて 林田加杜子 いろり 200107
師と愛でてナイスショットの桜かな 物江昌子 六花 200107
新生児室よりさくら吹雪かな 浜麻衣子 六花 200107
焼肉のにほひの中へ散るさくら 浜麻衣子 六花 200107
死んだ気にさせてくれる桜かな 浜麻衣子 六花 200107
さくらさくら香りはどこに置いて来た 松田裕子 六花 200107
桜散る雀の声の夕べかな 伯井茂 春耕 200107
遅桜棚田の畦の石積に 安藤孝助 200107
凱旋桜遠き明治の百間道 安藤時子 200107
漁港祭桜蝦汁ふるまはれ 藤田千代江 200107
真青なる空のさざ波さくら散る 山田弘子 円虹 200107
散る桜舎利の色して地に還る 作山泰一 200107
さくら咲く空よりファールボールかな 掛井広通 200107
風誘ひさくら名残の夕堤 林多佳子 200107
夕ざくら寂寥すこし持ち重る 林多佳子 200107
さくら咲く舟を静かに水へ置き 渡部ひとみ 船団 200107
桜月夜余計な人がひとりゐる 木戸渥子 京鹿子 200107
プレザーのさくら湿りや逢瀬果て 木戸渥子 京鹿子 200107
切株やさくらでありし日のことを 井上菜摘子 京鹿子 200107
月残し桜すとんとちりにけり 村上瑪論 銀化 200107
人の生の男時女時をさくらかな 小澤克己 遠嶺 200107
今生の櫻吹雪に嬲らるる 小澤克己 遠嶺 200107
地球より月へと櫻吹雪かな 小澤克己 遠嶺 200107
予後の身をさくら吹雪の中へかな 橋本良子 遠嶺 200107
咲き満ちしさくらと櫻つなぐ橋 田中矢水 遠嶺 200107
夢あらば一つ増やして八重櫻 有山光子 遠嶺 200107
告白の口動きけり遅櫻 上田希実 遠嶺 200107
鐘の音や母の歩ゆるむ夕櫻 高瀬チエ子 遠嶺 200107
散る櫻翁の画布にやさしかり 高瀬チエ子 遠嶺 200107
ふつくらと膨らむ地表櫻時 土岐明子 遠嶺 200107
直面のもののふ若し初桜 高橋とも子 200107
亀の子の桜田門に泳ぎ着く 高橋とも子 200107
宮中は奈良よりつづく八重櫻 長谷川登美 ぐろっけ 200107
離任式児の握手攻め桜散る 水野弘 ぐろっけ 200107
休日も働く小店桜どき 梅田泰正 ぐろっけ 200107
遥か来て桜の夕べ桜の夜 今井千鶴子 ホトトギス 200108
夜桜の息聞いてゐる静寂かな 稲岡長 ホトトギス 200108
夕桜夕とは空の色のこと 後藤立夫 ホトトギス 200108
緑蔭や戦友ざくら一つ一つ 神蔵器 風土 200108
北国の桜吹雪の五月かな 野口年江 酸漿 200108
ひらく書の第一課さくら濃かりけり 能村登四郎 200108
桜 →4      

2021年4月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。