17      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
よごれたる両手さし出すさくら受く 吉弘恭子 あを 201105
もう飽きたと言ひて桜を待ちにけり 高倉恵美子 201105
向学心なほある白寿さくら咲き 前川ユキ子 201106
公園の崖より伸びる初桜 角谷美恵子 ぐろっけ 201106
ひともとの残る桜に足る齢 コ田千鶴子 馬醉木 201106
玄海の風を力に桜の芽 宮井知英 201106
この海の平らかにあれ朝桜 清水節子 馬醉木 201106
見る人の心ごころの桜かな 高橋和女 春燈 201106
喧騒を隔つ土塀や庭桜 飯田角子 酸漿 201106
空青き棚田を守る桜かな 笹井康夫 201106
かみしむるこのよろこびに咲く桜 三浦カヨ子 酸漿 201106
たましひのあそぶ御衣黄桜かな 神蔵器 風土 201106
かな文字のたおやかなりし櫻かな 石脇みはる 201106
海よりの朝日さしきて桜咲く 川崎俊子 馬醉木 201106
花便り宅の犬の名「さくら」です 森下康子 201106
車椅子の夫とさくらに囲まるる 山田暢子 風土 201106
疾く北へ桜前線急かさばや 藤原若菜 春燈 201106
糸桜心の揺れと共に揺れ 中村喜美子 春燈 201106
糸桜この急坂を登り来て 青木政江 酸漿 201106
師の小学校とや桜濃かりけり 安居正浩 201106
しあはせと思へる幸や桜咲き 杉本綾 201106
山桜土の匂ひの豊かなり 岡佳代子 201106
山の音海の音して櫻かな 雨村敏子 201106
桜木の蕾色見せ九段坂 田野倉和世 酸漿 201106
咲満ちし桜水漬ける景開く 飯田角子 酸漿 201106
咲き初めし桜に見ゆる眉の月 内藤美重子 酸漿 201106
咲き充ちて月の匂ひの桜かな 大木清美子 201106
菜の花の桜に映ゆるお濠端 梶井和呼 酸漿 201106
おばしまに凭たるる肩の糸桜 吉弘恭子 あを 201106
遠桜画布立てかけて橋の上 東芳子 酸漿 201106
嵯峨天皇車返しの桜かな 神蔵器 風土 201106
黒壁の交番楊貴妃桜かな 高橋泰子 201106
さくら咲くまた生きること励まされ 山田暢子 風土 201106
黒々と水脈ありさくら大樹かな 辻美奈子 201106
さくらさくらその他は耳目覆ひたし 北川英子 201106
高僧は女人好めり山桜 小林朱夏 201106
雲は天才紅白きそふ八重桜 神蔵器 風土 201106
校庭の桜下枝より咲けり 空音 六花 201106
バス停に子猫が二匹桜咲く 赤羽陽子 春燈 201106
ふるさとの山中櫻はまだ莟 東亜未 あを 201106
故郷や淡墨桜の下に立つ 村上昌子 201107
玄関に桜一枝寓舎かな 国分千恵 風土 201107
原発記事たたむ閑かな桜の夜 村上すみ子 201107
結界に面売りのゐる山桜 深澤鱶 火星 201107
「さくら・さくら」三春の桜地震に耐ヘ 中村ふく子 201107
勤行の鐘の音やさし朝桜 山本とく江 万象 201107
強風に満開の桜散りもせず 山田孝枝 酸漿 201107
虚子の忌や日うら日おもて櫻濃き 安達実生子 201107
居乍らにして病窓の遠桜 蓮尾みどり ぐろっけ 201107
吉野まだ知らず多摩なる桜山 三井公子 酸漿 201107
がんばれと言はず桜を届けたし 永塚尚代 ぐろっけ 201107
帰るさの咲き進みゐし桜かな 椋本一子 雨月 201107
幾重にも風はらみたる大桜 中田のぶ子 ろんど 201107

 東日本大震災

幹刳られし桜ほころぶ般若かな

延広禎一 201107
かはほりに音なかりけり夕桜 山本耀子 火星 201107
たもとほる桜並木の富尾川 植田雅代 ぐろっけ 201107
角曲る度に京の桜かな 西村節子 火星 201107
あの桜今日が見ごろと子のメール 伊吹之博 京鹿子 201107
そこにだけ風吹いてゐる夕桜 藤田素子 火星 201107
せせらぎや蕪村の句碑へ散るさくら 柴野静 201107
首塚に瀬音かむさる夕桜 奥田順子 火星 201107
花島の滝桜咲くみちのくは 鶴巻誉白 ろんど 201107
花人のみな去りてこそ山桜 大崎ナツミ 雨月 201107
いつの間に一樹の桜重き花 池田いつ子 酸漿 201107
家桜仏の母に先づ一枝 服部珠子 雨月 201107
死者生者さくらのもとに寄りにけり 石脇みはる 201107
散るさくら髪湿るまで立ち尽す 荒井書子 馬醉木 201107
散り惜しむ桜よ田端文士村 吉田政江 201107
散り競ふ桜いくさの日にも似て 田中芳夫 201107
山巓に一ト本ともり山桜 菅野日出子 末黒野 201107
桜並木差し交す枝の咲き初むる 溝内健乃 雨月 201107
桜並木まわりてよりの朝の膳 谷村幸子 201107
桜散る枝のあはひに昼の月 尾野奈津子 春燈 201107
桜散る汚れし水に土に散る 大坪景章 万象 201107
桜散るみちのくの祖の哀しみに 福永尚子 ろんど 201107
桜散るあふるる水のごとくなり 藤井昇三 六花 201107
桜咲く地震のりくに踏ん張りて 田中一美 ろんど 201107
桜咲き平和つづけよ戦車道 家塚洋子 酸漿 201107
桜見る骨の髄まで日本人 中田寿子 ぐろっけ 201107
咲くを愛で散るを風情と桜かな 山崎幸夫 末黒野 201107
坂の桜丘の桜や空へ散り 浜福惠 風土 201107
催しを終へたるテント夕桜 大崎紀夫 やぶれ傘 201107
遠く来て鎌倉産の桜愛づ 田中貞雄 ろんど 201107
今生の桜を見つつ国憂ふ 三井公子 酸漿 201107
さくら湯にひらく御移りまつしじま 佐藤美紀 ろんど 201107
国中の喪中に桜そつと咲き 樋口正輝 ぐろっけ 201107
さくらの名こまめにメモし花疲れ 田中貞雄 ろんど 201107
さくらさくら白きさくらや地震の年 大坪景章 万象 201107
さくらさくら国も山河も破れけり 相良牧人 201107
さくらさくら吉野の里の和紙工房 和田幸江 春燈 201107
さくらさくらこの一景を風呂敷に 川井秀夫 ろんど 201107
香り高き白き花々夕櫻 西垣順子 201107
校庭の大樹桜に人笑みて 東秋茄子 京鹿子 201107
おくれ咲くさくらを悼みごころとも 辻美奈子 201107
広重の小金井桜歩みけり 竹久みなみ 風土 201107
みちのくの桜は逝つてしもうたか 栗栖恵通子 201107
キャリーバッグ立てて湖岸の遅桜 中川すみ子 201107
宇治川の桜ラインの幾曲がり 山口キミコ 201107
宇治川の流れゆたかや遅桜 花岡豊香 酸漿 201107
みちのくはわが故郷や桜咲け 安井和恵 201107
コアラ舎の天窓さくら吹雪なる 米澤光子 火星 201107
よろこびに哀しみにつけ桜かな 小倉正穂 末黒野 201107
雲のかたちゆつくり変はる八重桜 國保八江 やぶれ傘 201107
胸反つて太鼓を一打山桜 矢野百合子 201108
とどまるも行くも川面に散るさくら 熊切光子 末黒野 201108
休日の校庭広し桜散る 北川キヨ子 201108
観音を抱きてしだるるさくらかな 矢野百合子 201108
いのちあるさくらの古木咲きそめし 浅井青陽子 ホトトギス 201108
花散りて山に戻りし桜かな 小林朱夏 201108
花の精いづこに棲むや八重桜 小川玉泉 末黒野 201108
子を攫ふ魔女のごとくに糸桜 竹田ひろ子 ろんど 201108
散るさくら水面に京の空蒼く 桜三奈子 201108
山桜満ちて山容ととのへり 熊切光子 末黒野 201108
桜散るアトリエにいま誰もゐず 涼野海音 火星 201108
桜咲き奥の院まで賑はへる 秋千晴 201108
桜の芽小事手厚くして疲る 河村啓花 ろんど 201108
黄みどりの欝金桜と阿修羅かな 延広禎一 201108
猿沢の池にしだるる桜かな 堀江惠子 201108
おそ桜いつしか独りだけの庭 杉本綾 201108
み寺より笛復習ふ音や夕桜 杉山瑞恵 雨月 201108
また訪ねん夫の背丈の糸桜 北村和代 ぐろっけ 201108
烏跳びの御苑のからす初桜 有賀昌子 やぶれ傘 201108
鍬振るふ街中の畑桜散る 中村則夫 やぶれ傘 201110
あかときの月のせてゐる櫻かな 長憲一 201110
そこにある桜の頃の非常口 星野早苗 船団 201110
手を触れてさくらの大樹影涼し 浅川幸代 末黒野 201110
桜咲く道を選びて行きにけり 貫井照子 やぶれ傘 201110
桜にはやつぱり青空が似合ふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201110
さくら樹下空ラの柩の運ばるる 野沢しの武 風土 201110
工事場に無人の重機夕桜 野沢しの武 風土 201110
まづひかる高木の梢や朝桜 稲岡長 ホトトギス 201110
海もまだ眠りの中や朝桜 コ田千鶴子 花の翼 201111
死に下手でよし見開きて桜浴ぶ コ田千鶴子 花の翼 201111
三の糸締めなほす間も散る桜 コ田千鶴子 花の翼 201111
みなぎりて若木の桜とは真白 稲岡長 ホトトギス 201111
咲き満てる欝金桜の陰日向 上崎暮潮 ホトトギス 201112
糸桜のんどり空を廻しをり 樽井明子 京鹿子 201201
山神の化身うすずみ桜咲く 上辻蒼人 風土 201201
四季桜田中絹代の若き顔 田中一美 ろんど 201202
思ひ出は母の破顔の滝桜 内山光 末黒野句集 201203
子のこゑをとほくに雨の桜かな 松橋利雄 光陰 201203
三度目にやつと河津の桜かな 橋本章 末黒野句集 201203
桜立つ百年の枝四方に張り 布川直幸 201203
嬰二人桜の園に眠り落つ 志方章子 蟋蟀 201203
やうやくに葉を落とし切る桜かな 小川玉泉 末黒野 201203
引く波へ涙さながら桜散る 布川直幸 201203
残花ともいはむ黄桜さくらいろ 稻畑汀子 ホトトギス 201204
黄蘗林きは立ててゐる朝桜 稻畑汀子 ホトトギス 201204
刻々と朝日漲りゆく桜 稻畑汀子 ホトトギス 201204
み吉野のはや帰路となる初桜 稻畑汀子 ホトトギス 201204
一畳の御堂千畳の山桜 吉田葎 201204
ひと枝といへどもうれし桜花なり 大橋敦子 雨月 201205
このさくら花弁大きく勿体なく 大橋敦子 雨月 201205
月明かり蕾開くは桜かな 丸山酔宵子 かさね 201205
境内の風抜くる道桜散る 安田孝子 万象選集 201205
義理捨ててさて夜の白川桜かな 山田六甲 六花 201205
開花待つ桜の小枝空を突く 丸山酔宵子 かさね 201205
我が庭のさくらと一枝頂きぬ 大橋敦子 雨月 201205
家出でて十歩に園の桜花あり 大橋敦子 雨月 201205
山桜佛ごつそり盗まれし 山尾玉藻 火星 201205
屋上の人が綺麗に桜咲く 堀内一郎 あを 201205
桜追ふあと幾度の旅ごよみ コ田千鶴子 馬醉木 201205
桜咲く海へ出るまで隅田川 大西八洲雄 万象選集 201205
桜の芽一回生の制作展 高木篤子 ぐろっけ 201205
遠目にも桜またたき吾が行方 堀内一郎 あを 201205
さくら守今年も同じ樹齢言ふ 中田みなみ 201205
さくら桜柩にも散る永別わかれかな 渡辺安酔 201205
さくら咲くとひと枝の花見てゐたる 大橋敦子 雨月 201205
さくら咲いてマイナス思考ふき飛ばせ 早崎泰江 あを 201205
さくらの芽万年魞に舟の出て 岩城茂 風土 201205
さくらちるだれか數へてゐるやうに 佐藤喜孝 あを 201205
一本は退屈さうな遅桜 小林正史 201205
カトレアと日本国花のさくら花 大橋敦子 雨月 201205
逢ひたくて桜前線越えにけり 苑実耶 201205
誇らしく嵐の後に咲く桜 末吉治子 春燈 201206
言わんとこゴクンと水を桜咲く 鶴濱節子 始祖鳥 201206
玄関の花びらどこの桜とも 大西八洲雄 万象 201206
月満ちし肢体の自在さくら季 塩路隆子 201206
近づけば芯のくれなゐ桜の芽 池田光子 風土 201206
どこまでも桜並木の川土手を 筒井八重子 六花 201206
散るさくら暗闇坂にそば粉の香 吉弘恭子 あを 201206
山櫻非核三原則自爆 篠田純子 あを 201206
山桜又兵衛の名をいただきて 服部鹿頭矢 馬醉木 201206
乙女等の遊ぶカヤック桜散る 菅原孟 かさね 201206
三日月に彼岸桜のほのとあり 川崎雅子 春燈 201206
桜満開だれかに呼ばれゐるやうな 安居正浩 201206
桜散る背中合はせの駅の椅子 中山静枝 201206
桜咲き吹雪となりて幕おろす 辻香秀 201206
咲くを待ち散れば惜まるる櫻かな 安藤虎酔 かさね 201206
咲き満ちて青空に映ゆる桜かな 柳田皓一 かさね 201206
遠目にも薄墨桜西の京 笠井清佑 201206
さくら咲くこの国富むや貧しきや 松井志津子 201206
さくら芽木紅の空醸し出す 鈴木直枝 ろんど 201206
さくらいろてふしずかなる桜かな 本多俊子 201206
こんなにもさくらが咲いてゐて静か 近藤牧男 六月 201206
紅の濃き桜一本ありにけり 田尻勝子 六花 201206
雨降れば雨の気品のさくらかな 柴田久子 風土 201206
みちのくに威儀を正して桜咲く 鈴木セツ 201206
桜→18      

 

2021年4月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。