16      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
みよし野の桜に心つながりし 稲畑汀子 ホトトギス 201004
みよし野の旅の近づく初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201004
ひらき初むひとへ桜に清む嫁御 森理和 あを 201005
見惚れゐる魯山人描く桜花の図 小澤淳子 201005
空瓶を提げ振り向かば散るさくら 丸井巴水 京鹿子 201005
あさざくら夕ざくらこの夕桜 阿部ひろし 酸漿 201005

 藤野寿子追悼句

貴女は空から一緒に桜見ませうね

篠田純子 あを 201005
機関車の地鳴り近づく山桜 柴田志津子 201005
つくづくと最晩年や遠櫻 井上信子 201005
ちる桜手を結ぶ子と結ばぬ子 堀内一郎 あを 201005
かへろかへろ天神様の夕桜 柴田志津子 201005
たそがれの河津桜の色深め 池田達二 風土 201005
芽桜の遠く近くに水の音 高野春子 京鹿子 201005
花魁に間夫あり櫻吹雪かな 小澤克己 遠嶺 201005
河津桜中に目白の目白押し 横川泰子 酸漿 201005
何人へ枝を伸ばせる桜かな 山田六甲 六花 201005
桜から桜へ橋を渡りけり 加藤克 201005
校門に桜咲きたる双子かな 中島陽華 201005
圧巻の千本桜山を染め 秦和子 201005
オリンピック選手の妙技桜咲く 杉本綾 201005
雨含みぼてりと撓む桜かな 篠田純子 あを 201005
御影石研く音せる初桜 山本耀子 火星 201006
この風に満を持したる桜かな 中島あきら 201006
原つぱの子規記念球場初桜 荒木甫 201006
見上ぐれば視線を返す桜かな 空音 六花 201006
隅田川どての桜の満開す 阿部泰子 春燈 201006
「山門不幸」さくら吹雪の頻りなる 藤井寿江子 馬醉木 201006
仰向いて櫻見てをる田舟かな 竹内悦子 201006
丘の上を電車が通る桜かな 竹内弘子 あを 201006
街灯に浮ぶ母子像桜咲く 友野よし子 酸漿 201006
絵画展出でて桜を仰ぎけり 須藤美智子 風土 201006
かぜふいてさくらのシャワーきれいだな 森下千聖 201006
過疎の村しばしにぎはふ里桜 鈴木むつ子 201006
朱の残る臼杵の石仏山桜 鈴木むつ子 201006
あゝ朧失語自嘲し眺む桜かな 四條進 201006
写真とて淡墨桜に息を呑む 大橋敦子 雨月 201006
花の下「桜に錨」口ずさみ 塩路五郎 201006
火の命水のいのちや桜咲く 雨村敏子 201006
家系図のなき家系なる糸櫻 吉弘恭子 あを 201006
お揃ひの萌葱の着物桜どき 加藤はな野 201006
SLの鉄の魂さくら散る ほんだゆき 馬醉木 201006
四阿にあまた人呼ぶ糸桜 西田史郎 201006
散る桜ばかりを褒むる日のありぬ 鈴木阿久 201006
山風をひと日纒へる糸桜 辻知代子 201006
しあはせの色あけぼのの初桜 松本圭司 201006
山桜明治生まれの伊予かすり 空音 六花 201006
桜咲く刻の静けさ母許に 前原早智子 春燈 201006
桜五弁父の描きし筆使ひ 高木千鶴子 酸漿 201006
翁に山嫗に谷のさくらかな 栗栖恵通子 201006
今年また桜の咲いて胃を病めり 松本圭司 201006
今生を刻むかのごと山桜 池田光子 201006
さくら散る遊女の鳴咽風に消ゆ 鈴鹿仁 京鹿子 2017006
さくら散る鉄截る首を挽歌とし 中島あきら 201006
さくら散る四十年も一期一会 神蔵器 風土 201006
さくらさくら朝のメールの古びたる 戸栗末廣 火星 201006
高瀬川一の舟入桜舞ふ 山口キミコ 201006
一竿は赤ん坊のもの初桜 大西八洲雄 万象 201006
アイロンにまだある余熱夕桜 林昭太郎 201006
アトリエの窓は鎧戸家桜 白石善子 雨月 201006
一望も一木もいま桜かな 雨村敏子 201006
またひとり桜の下の立ち話 三木千代 201006
みよし野に此の世の桜共に見し 今井千鶴子 ホトトギス 201006
一族の墓を被へり糸桜 須賀敏子 あを 201006
まなうらに消えぬ醍醐の桜かな 三浦百合子 201006
慰霊碑のひとつの心さくら咲く 大西よしき ろんど 201006
ライト受け紙片の如く散る桜 塩路五郎 201006
ひょろひょろの若木にぽつりミニ桜 先山実子 ぐろっけ 201007
ひよどりの桜散らせる醍醐かな 西村節子 火星 201007
交信の宙のあをめる桜の夜 小林成子 火星 201007
ひもろぎになだるる崖の山桜 中村恭子 201007
御殿桜てふ城跡の桜かな 青木政江 酸漿 201007
ひと本の山桜見てけふ足れり 村上絢子 馬醉木 201007
ひと山の青空隠す遅桜 丸井冬星 201007
湖を這ひ山を這ふ雲八重桜 大崎紀夫 やぶれ傘 201007
元勲の花押に櫻吹雪かな 延広禎一 201007
鍵かけて桜の夜にまぎれ込む 浜口高子 火星 201007
健忘症のやうに雨中の桜かな 菅谷たけし 201007
隅田川さくらの帯を流しけり 近藤牧男 春燈 201007
空覆ふコヒカン桜古城なる 松岡和子 201007
空酒を桜大樹と分かち合ふ 阪本哲弘 201007
曲るたびこゑに青畝の山桜 高橋道子 201007
胸中にさくら降らせば先師の句 小山紫乃布 末黒野 201007
との曇る大原の里遅桜 小林久子 201007
うかうかと介護に暮れぬ庭桜 小川玉泉 末黒野 201007
岩に弥勒かがめば山の桜かな 佐藤凉宇子 ろんど 201007
幹を這ふ苔のさみどり初桜 藤原冬人 火星 201007
ちちとはは吉野桜となりにけり 近藤公子 201007
開放の基地のさくらや海へ散り 松本三千夫 末黒野 201007
それぞれが紅引き直す桜陰 三村紀子 万象 201007
その駅の名を塩の華さくらかな 後藤那生 ろんど 201007
花満ちし桜並木をバス来る 工藤美和子 酸漿 201007
若桜銀杏の裂けしところより 新妻奎子 万象 201007
写メールで届きし京の桜かな 加藤良子 春燈 201007
児等歌ふ大きな桜の木の下で 石川友江 風土 201007
支へ遣りたき満開の八重桜 松井倫子 火星 201007
しばらくは閉ざすに惜しき夕桜 武藤嘉子 201007
思ひ深く秘めてぞ桜咲き満つる 堀田こう 雨月 201007
師の誕辰知るや挙れる八重桜 岸本久栄 雨月 201007
子規館を訪うて札所へ遅桜 坂根宏子 201007
残雪の浅間背に桜かな 青木政江 酸漿 201007
残雪に高遠桜紅を差す 上辻蒼人 風土 201007
散る桜鯱鉾の金まぎれなし 飯田ひでを 201007
散る桜忘るることも生きること 飯田ひでを 201007
散る桜細氷のごと煙めきて 熊切光子 末黒野 201007
散る気配絶えて見せざり遅桜 東芳子 酸漿 201007
散るときの性のはげしき桜かな 中村房子 馬醉木 201007
散るさくら明日散るさくらひと本に きくちきみえ やぶれ傘 201007
散り敷きて露曼陀羅の桜かな 熊切光子 末黒野 201007
山門の桜まゐりの日照雨かな 佐藤凉宇子 ろんど 201007
山桜木立の中を埋め咲く 浅野恵美子 酸漿 201007
山桜淵に散る他なかりけり 西村節子 火星 201007
山桜散りゆく難の深さかな 青山正英 201007
桜満開黒留袖を注文す 近藤公子 201007
桜吹雪朱のひざかけの舞妓さん 池田加寿子 201007
桜散る白紙に戻す話にも 宮井知英 201007
桜散る読経も過ぎゆくもののうち 松嶋一洋 201007
桜散る提灯ゆれて灯のうるむ 大澤洋子 酸漿 201007
桜撮るうしろに茫と奈良時代 菅谷たけし 201007
桜咲く山を掲げて漁師町 石川友江 風土 201007
桜咲き詩ごころはた旅ごころ 磯野しをり 雨月 201007
桜花無き静けさや戦士墓地 三村紀子 万象 201007
桜より押し出されたる霊柩車 柴田佐知子 201007
咲き初めし桜の幹やあたたかく 川中佐知子 風土 201007
咲ききって力緩める滝桜 鈴木多枝子 あを 201007
奥鬼怒の一会のさくら惜しみけり 鈴木静恵 春燈 201007
奥の間に女杜氏や初桜 小林愛子 万象 201007
歳々の一枝の桜供華として 井田実代子 雨月 201007
最果ての下北遅き桜かな 鷲見たえ子 201007
佐用川の刑場あとの桜かな 乗鞍三彦 春燈 201007
昏れなづむ山に溶け入る桜かな 木下和代 末黒野 201007
さくら並木ゆっくり走る路線バス 木下和代 末黒野 201007
さくら浄土ヘスイッチバックして行かん 田中貞雄 ろんど 201007
さくら咲くこの悲しみのいづこより 後藤那生 ろんど 201007
合戦を見してふ櫻芽吹き初む 江見悦子 万象 201007
雲水の鉄鉢に散るさくらかな 鈴木静恵 春燈 201007
紅の濃き百万石の桜かな 山田春生 万象 201007
ふつくらと色増す蕾八重桜 筒井八重子 六花 201007
江の島の隅なく晴るる桜どき 黒滝志麻子 末黒野 201007
一病といふも万苦や八重桜 小川玉泉 末黒野 201007
ツアーバス着いて桜の褪せにけり 西村節子 火星 201007
ランドセル背負ふ練習さくら咲く 河村啓花 ろんど 201007
一燈も月影さへもなき桜 風間史子 201007
ぼかし絵のごとく吉野の山桜 大橋晄 雨月 201007
ふりむけば昏き光のさくらかな 宇都宮敦子 201007
まづ見ゆる桜まつりのアドバルーン 大島英昭 やぶれ傘 201007
もつれてはするりとほぐれ糸桜 井田実代子 雨月 201007
安達太良の山懐や遅桜 田中章子 酸漿 201007
ひとひらは柩へと散る桜濃し 田中道江 万象 201008
検校に見せたき島の緋の桜 倉橋千代子 末黒野 201008
結納を確かに納め八重桜 堤堅策 201008
決断は早きがよけれ朝桜 古賀しぐれ ホトトギス 201008
群青の夜空に桜青ざむる 岡崎春菜 万象 201008
巌頭は玉座のごとし山桜 金子つとむ ろんど 201008
「外出許可」と主治医優しく桜どき 高根照子 201008
死者が吹く篠笛ならん夜のさくら 佐藤美紀 ろんど 201008
枝先に日ざしふるへて朝桜 今橋眞理子 ホトトギス 201008
山桜立ち退き喫茶今日限り 長瀬節子 ぐろっけ 201008
桜前線辿りて北緯四十度 高田令子 201008
桜咲く報に目薬さしこぼす 岸田爾子 201008
桜の夜姫ともなれば蛇ともなる 長節子 201008
細道をきさの小川へ山桜 塩出眞一 ぐろっけ 201008
此の地にも馴染みて育つ滝桜 田宮勝代 酸漿 201008
さくら満開名水は花鏡 川崎よしみ 201008
さくら咲く国のまほろば裾野かな 吉弘恭子 あを柳 201008
ふと君の在すか風の初桜 河野美奇 ホトトギス 201008
ゆつくりと香煙撓ふさくらかな 矢野百合子 201008
一本の大山桜道の駅 羽賀恭子 201008
みよし野の桜の句集編むと聞く 今井千鶴子 ホトトギス 201008
妻さびしがらせてならぬ夕桜 岩岡中正 ホトトギス 201009
ゆさゆさと枝ゆすらせて八重桜 増田甚平 ろんど 201009
観音のおはす道の辺山桜 有賀昌子 やぶれ傘 201010
結葉の陰の守れる桜の根 網野茂子 酸漿 201011
耳も目もさくらに盗られ姥ざかり 伊藤希眸 京鹿子 201101
うめさくら蕾つぼみの梢月夜 鳥居おさむ ろんど 201102
還りませさくらも帰り咲きせしに 中島知恵子 雨月 201102
三角舎知覧の桜三分咲 長谷川鮎 ぐろっけ 201102
校庭は桜もみじの周りよし 北川詠子 ぐろっけ 201102
仰ぎ見て又見下ろして初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201103
口中に桜の香りゆく干菓子 稲畑汀子 ホトトギス 201104
見慣れたる景色なれども初桜 稲畑汀子 ホトトギス 201104
くつくつと桜の開き初めにけり ことり 六花 201104
快晴の吉野のさくら散りそめし 稲畑汀子 ホトトギス 201104
回想の濡れて生き生き櫻貝 竹貫示虹 京鹿子 201104
花嫁のブーケめく朝桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201104
散るほかはなし命とは桜とは 稲畑汀子 ホトトギス 201104
可惜夜の櫻ながむるふたりかな 吉弘恭子 あを 201104
桜見し夜の眠りの寧からず コ田千鶴子 馬醉木 201104
魂帰りたまへ桜の忌日来し 稲畑汀子 ホトトギス 201104
さくら一句たどり着けずに日暮かな 外川玲子 風土 201104
み吉野の初桜とはもういへぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201104
一葉忌観音裏の桜鍋 久世孝雄 やぶれ傘 201104
一本のさくら詠へば応へけり 外川玲子 風土 201104
みよし野の桜の精となられしや 稲畑汀子 ホトトギス 201104
御当所や締は一ぽん夕桜 山本鬼之介 201105
この峡の奥へとさそふ夕桜 阿部ひろし 酸漿 201105
金婚に日時計まぶし初桜 上原重一 201105
喫茶去の一期一会や櫻人 中島陽華 201105
手をつなぐフォークダンスや初桜 中山静枝 201105
河津桜水面の青き空へ伸ぶ 田所節子 201105
桜の芽しかと雨露受け光る 近藤豊子 雨月 201105
桜→17      

 

2021年4月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。