12      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雲寄するやち一面に雛桜 菊地惠子 酸漿 200510
雲刷きしお花畑や雛桜 永田二三子 酸漿 200510
雛桜がれ場に楚楚とまばらなる 渡辺玄子 酸漿 200510
校門の変はる桜の切られたり 秋千晴 200510
生涯に一日のさくら汝が桜 今井千鶴子 ホトトギス 200511
一すぢの桜の道を歩き出す 今井千鶴子 ホトトギス 200511
建長寺柏桜師軸星涼し 鈴木石花 風土 200511
院展の夜桜大画賞に入る 牧原佳代子 酸漿 200511
誘はれて遅桜見る旅日和 守屋井蛙 酸漿 200511
遅桜四五戸の里の生活かな 守屋井蛙 酸漿 200511
会式桜備前に古き法華寺 松崎鉄之介 200512
この桜開花標準木であり 河井富美子 ぐろっけ 200601
一山の田打櫻のけさひらく 黒田杏子 百鳥 200603
玄関に桜とミモザ活けてあり 山田六甲 六花 200603
水の淵櫻はここにならびをり 佐藤喜孝 あを 200603
桜咲き池の緋鯉を俄にす 堀内一郎 あを 200603
石割つて雪割つて立つ桜の木 今瀬剛一 対岸 200603
夜桜に闇の呟きありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
夕桜夜桜となる身拵へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
恐いもの見たさ半分夜桜に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200604
黄桜に雨上りゆく光かな 稲畑汀子 ホトトギス 200604
伊賀越の山路彩る遅桜 稲畑汀子 ホトトギス 200604
喪へ急ぐ髭剃つてをり夕桜 淵脇護 河鹿 200604
桜より桜へ夜の歩道橋 山尾玉藻 火星 200604
桜木の雨後の紅潮合格す 北川英子 200604
手鏡にどつと桜のなだれ込む 中村房枝 六花 200604
嘘をつきとほす覚悟や夜の桜 中村房枝 六花 200604
夜桜をきりあげて肉食べに行く 中村房枝 六花 200604
桜咲くはて何々の日か国旗立つ 堀内一郎 あを 200604
一年生桜ちるまで落ちつかず 堀内一郎 あを 200604
八重桜人は誘ひにのり易く 堀内一郎 あを 200604
くわんのんへ風の青める夜の桜 淵脇護 河鹿 200605
遅桜名残の雨をいざなへる 稲畑汀子 ホトトギス 200605
地球儀に小さき日本の桜どき 千手和子 馬醉木 200605
庭桜咲いて夜風に敏くゐる 鷹羽狩行 200605
耳たぶを灯して桜仰ぎけり 柴田佐知子 200605
漣のきらめき透し河津桜 高野明子 風土 200605
遠目にも正月桜の赤さかな 高野明子 風土 200605
島櫻みな童心の車椅子 稲嶺法子 遠嶺 200605
猫たちの逢瀬の路地の島櫻 稲嶺法子 遠嶺 200605
満齢を祝はれてをる桜かな 伊藤白潮 200605
桜は葉に泥染めの泥なめらかに 渡辺清子 200605
貝釦つくる工場に八重桜 品川鈴子 ぐろっけ 200605
海に出て仰ぐ巌の桜かな 酒井忠正 百鳥 200605
席取つて飯食ひにゆく桜かな 山田六甲 六花 200605
折れ枝に風の揺れゐる桜かな 山田六甲 六花 200605
枝々に揺り戻さるる桜かな 山田六甲 六花 200605
枝振りを誰も言はざる桜かな 山田六甲 六花 200605
散桜流れしままの形なる 山田六甲 六花 200605
天もまた花のさかりの桜色 阿部ひろし 酸漿 200605
隅田川桜橋より観る桜 須賀敏子 あを 200605
新任の先生と遇ふ桜かな 竹内弘子 あを 200605
徒櫻囁いてつぶやいて散りゆきし 吉弘恭子 あを 200605
桜時臨時停車は各駅に 赤座典子 あを 200605
桜愛でつ義母との時を重ねけり 斉藤裕子 あを 200605
夜櫻やすぐ鳴きやみし青葉木菟 瀧春一 常念 200606
屋根替の棟を葺きをり四手櫻 瀧春一 常念 200606
馬醉木若葉鬱金櫻と照り匂ふ 瀧春一 常念 200606
はたた神鬱金櫻の閃々と 瀧春一 常念 200606
炭燒に祭一と日や四手櫻 瀧春一 常念 200606
牡丹櫻俄かに春の深まりぬ 瀧春一 常念 200606
桜咲く日本野球世界一 平山風鳥 河鹿 200606
ちちははに見せたき桜みてをりぬ 太田慶子 春燈 200606
絵手紙の吉鳥の飛ぶ桜かな 植竹惇江 春燈 200606
遠く遠くマンション灯る夕桜 林翔 200606
桜咲くあふるるほどに飯炊いて 辻直美 200606
照らされて濠へなだるる夕桜 上谷昌憲 200606
轟きにいのち噴き上ぐ滝桜 安藤しおん 200606
病院の桜かむさる喫煙所 大西八洲雄 万象 200606
一陣の風に湧き立つ八重桜 松村多美 四葩 200606
河津桜眺む幸せ噛み締めて 奥村香都子 四葩 200606
夕桜肩寄せ合ひて樽と娘と 鈴木歌子 四葩 200606
寸渡ずんどうに桐の紋ある櫻かな 竹内悦子 200606
水の尾の湖心に消えて夕櫻 小澤克己 遠嶺 200606
夜櫻のまはりは湖の匂ひかな 小澤克己 遠嶺 200606
真つ白な磁器松代の姥櫻 小澤克己 遠嶺 200606
肩の荷をひとつ下ろして遅櫻 村田菊子 遠嶺 200606
八重桜本読むひとをその樹下に 宮津昭彦 200606
雲行のにはかに嶮し八重桜 宮津昭彦 200606
鬱金桜満開なれど幹細し こばやしきょうこ 200606
夕桜男の下駄に蹤いてをり 城孝子 火星 200606
櫻満開尿臭の中におでんの墓 瀧春一 瓦礫 200606
鳥がきて桜をつつく真昼かな 今瀬剛一 対岸 200606
満開の桜の上も桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
手を伸ばし脚を伸ばして桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
列島はしたたる形桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
東京を溢れて桜散りにけり 今瀬剛一 対岸 200606
咲き満ちし桜の力枝揺らす 今瀬剛一 対岸 200606
遅れ咲く桜に人の集ひけり 今瀬剛一 対岸 200606
雲もまた飽和状態桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
中空に道あり桜吹雪かな 今瀬剛一 対岸 200606
一身の水脈引いて出る桜山 今瀬剛一 対岸 200606
身動きもならむ桜の咲き満てり 恒川絢子 対岸 200606
溢れ出す水のごとくに桜咲く 成井侃 対岸 200606
咲き満ちて桜古木の重き揺れ 赤尾杉昌子 対岸 200606
さよならの後に必ず桜咲く 飯島かほる 対岸 200606
子の暮らす街の桜の見えて来し 飯島かほる 対岸 200606
近道に踏切二つ桜咲く 安田青葉 対岸 200606
尼寺が原風の集まる桜の木 安田青葉 対岸 200606
容赦なき雨の桜となりにけり 椋本一子 雨月 200606
しづかかな桜大樹の下にゐて 斉藤小夜 風土 200606
何もかも峠越え来ぬ遅桜 佐藤よしい 風土 200606
音もなく雲か霞か夕桜 落合絹代 風土 200606
大鯉は大きくめぐる桜かな 柴田佐知子 200606
しばらくは桜吹雪の中に立つ 三村武子 酸漿 200606
雨雲に触れつつ桜咲きにけり 林敬子 酸漿 200606
校庭の桜も祝ふ母子かな 名取すみ子 酸漿 200606
大鷹の天に舞ひをる桜かな 坂本知子 酸漿 200606
子を育て仕事せし街桜咲く 中緒和子 酸漿 200606
桜咲き水辺親しき神田川 中緒和子 酸漿 200606
桜咲き人撩乱の中行けり 牧原佳代子 酸漿 200606
陸奥の桜と過ごし長閑なり 牧原佳代子 酸漿 200606
在りし日の夫も桜もセピア色 牧原佳代子 酸漿 200606
桜咲きただ一人にて歩きたし 浜中トキ子 酸漿 200606
夕桜ベンチ一つの無人駅 内山巳代子 酸漿 200606
咲き満ちし桜ひとひら零れけり 町田政子 酸漿 200606
移る日を追ひて満ちたる桜かな 海老名ムツヱ 酸漿 200606
咲き満ちて散らむばかりの桜かな 海老名ムツヱ 酸漿 200606
夫とゐて夜桜に酔ふ誕生日 海老名ムツヱ 酸漿 200606
をちこちに桜満ちをり其角の忌 大西八洲雄 万象 200606
夜桜を見上ぐたこ焼あつ熱し 内海良太 万象 200606
巡礼の鈴遠ざかる桜かな 三澤いつ子 万象 200606
受胎して楊貴妃桜まぶしみぬ 水野恒彦 200606
天領の木橋を渡る櫻守 延広禎一 200606
この山に牛の神ゐて櫻かな 竹内悦子 200606
ふた道に踏み惑ひたる櫻かな 雨村敏子 200606
桜咲く回想シーンより始まる 黒田咲子 200606
観音の光背のずれ桜かな 篠田純子 あを 200606
滑台桜吹雪のただなかに 芝尚子 あを 200606
誰袖棚赤絵水指夜桜棗 東亜未 あを 200606
背景に空よし松よし桜よし 東亜未 あを 200606
学生のあふるる駅の桜かな 早崎泰江 あを 200606
川べりに夜桜眺む焼肉屋 早崎泰江 あを 200606
五分桜越後の白き山を背に 赤座典子 あを 200606
鎮魂歌ひとり桜に聞かせけり 泉田秋硯 200607
大道芸アメリカ村の桜浴ぶ 泉田秋硯 200607
名桜の一生ひとよ千年酌みて聴く 泉田秋硯 200607
磨るほどに匂ふ奈良墨桜の夜 和田照子 200607
爆心碑囲む如くに桜咲く 苑田ひろまさ 200607
湯の溢れのぞくばかりに夕桜 得田武市 河鹿 200607
乱心の老いの桜の吹雪きけり 尾堂Y 河鹿 200607
父とまた今年見てゐる桜かな 森永敏子 河鹿 200607
夜桜やささやくほどの堰のこゑ 問宮陽夫 馬醉木 200607
葛城は神奈備の里遅桜 末吉治子 春燈 200607
山城のライトアップや八重桜 尾崎貞 春燈 200607
病棟に夫置いてきし夜の桜 北川英子 200607
八重桜空の青さが重すぎる 佐々木よし子 200607
桜の夜たつぷり水を飲みにけり 浜口高子 火星 200607
一木の桜いちにち了りけり 深澤鱶 火星 200607
裏庭の桜のつぼみ見てあかず 小池槇女 火星 200607
桜見てその空を見てもどりけり 城孝子 火星 200607
手作りのきらずを提げて夕桜 大城戸みさ子 火星 200607
水かさの増えし堤の夕桜 根本ひろ子 火星 200607
円山へ京を引き寄す夕櫻 岩崎憲二 京鹿子 200607
夕櫻見上ぐる人に邪心なし 岩崎憲二 京鹿子 200607
渋滞の街道並木夕桜 高木智 京鹿子 200607
桜吹雪片脚立ちのフラミンゴ 片山タケ子 200607
桜散る姉と私と妹に 竹下昌子 200607
交番に鉛筆借りる桜どき 富沢敏子 200607
応ふるは小江戸の風と舞ふ櫻 堀本祐子 遠嶺 200607
外出の出来ぬ妻へと櫻挿す 石山民谷 遠嶺 200607
櫻咲く櫻の国の夜明けかな 松隈絹子 遠嶺 200607
櫻咲く一期一会の吉野山 松隈絹子 遠嶺 200607
車窓より残る櫻の夕日映え 松隈絹子 遠嶺 200607
西行の現れさうな夕櫻 鈴木久香 遠嶺 200607
櫻花咲いて十日の気負ひかな 渡辺隆 遠嶺 200607
老いてなほ紅引くゆとり夕櫻 窪田米子 遠嶺 200607
骨となり戻れる夫へ庭桜 森脇貞子 雨月 200607
風向きの変りて川に散る桜 上田明子 雨月 200607
籠りがちの夫を誘ひて夜の桜 上田明子 雨月 200607
み吉野の見の限りなる桜かな 味村志津子 雨月 200607
淡墨桜の不撓の幹を鑽仰す 味村志津子 雨月 200607
泣くことの少なくなりて桜咲く 高倉恵美子 200607
幹うつくし花を了へたる桜の木 久保栞 200607
道行を脱ぐに桜の花こぼる 伊澤政子 200607
行き逢ふは美女とかぎらず夕桜 八木柊一郎 ぐろっけ 200607
夜櫻に茶屋より三味の音流る 秋田直己 ぐろっけ 200607
夜桜に夫と腕組み歩きたる 水上貞子 ぐろっけ 200607
夜桜や田舎役者の村芝居 関まさを 酸漿 200607
制服の紺色の良し桜時 岡久枝 酸漿 200607
墨堤の桜過ぎけり梅若忌 野口みどり 酸漿 200607
大雨の本丸跡や八重桜 大西裕 酸漿 200607
白壁の城趾静もる遅桜 片野美代子 酸漿 200607
名の桜岳がぐるりと遠巻きに 守屋井蛙 酸漿 200607
神代桜かくも古るるは頼もしき 守屋井蛙 酸漿 200607
真つ青な空にくひこむ八重桜 永田勇 六花 200607
ごつごつと年輪刻む老桜 延川笙子 六花 200607
夜桜の息づかひあび眠られず 宮川みね子 風土 200607
太閤桜幹に魅せられゐたりけり 大竹淑子 風土 200607
子らの声残す運梯夕桜 大竹淑子 風土 200607
夜桜の闇に濃淡ありにけり 大竹淑子 風土 200607
夜桜や肌に染み込む闇ありて 大竹淑子 風土 200607
風速計速し戦友桜咲く 大竹淑子 風土 200607
飛鳥U宵に発ちたる桜かな 天野みゆき 風土 200607
空揺する風の立ちそめ夕桜 宿谷晃弘 200607
母病めば桜の花も涙いろ 岩井桂子 四葩 200607
母看るテレビの中に桜散る 松本綾子 四葩 200607
靖国の桜に我も兵たりし 大澤青霞 四葩 200607
闇へ散る桜や明日がすぐそこに 坪井洋子 200607
大寺の没日に桜吹雪かな 関口英子 河鹿 200608
桜→13      

 

2021年4月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。