春の雨 4     100句

少年のかくれ莨よ春の雨   中村汀女   汀女句集

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半夏雨  夕立 喜雨 虎が雨 秋の雨 秋雨 秋時雨 秋霖 冬の雨 初時雨 時雨

  青時雨  青葉時雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春の雨部屋薄暗き連子窓 郡山真帆 かさね 201204
祝宴の少し落ち着き春の雨 小林朱夏 201204
浮舟の碑に春の雨降りそそぐ 荒井書子 馬醉木 201204
らふそくを捧げてよひの春の雨 豊田都峰 京鹿子 201205
傘すぼめ手に確かめる春の雨 野口喜久子 ぐろっけ 201205
春の雨焼梅干に喉癒し 山田夏子 雨月 201205
早春の雨のにほひて朝まだき 溝内健乃 雨月 201205
寄り掛かる人はもう亡し春の雨 白石善子 雨月 201205
大仏の鼻より垂るる春の雨 宮アみゆき 万象選集 201205
春の雨うしろに母がゐてまねく 吉弘恭子 あを 201205
春の雨足跡浅く濁りをり 成田美代 201205
春の雨なれど細かく降りにけり 坂上じゅん かさね 201206
黒黒と田の土動く春の雨 岩下芳子 201206
天地の目を細めたる春の雨 岩下芳子 201206
春の雨しつかりと噛む古代米 宮内とし子 201206
蘩蔞の句碑にあがりぬ春の雨 大坪景章 万象 201206
文政の石臼春の雨溜めて 福島せいぎ 万象 201206
ランナーの背を染めてゆく春の雨 小林あけみ 万象 201206
点滴にショパンながるる春の雨 野澤あき 火星 201206
執拗なびわ湖マラソン春の雨 北村香朗 京鹿子 201206
電線に丸くなる鳩春の雨 稲垣佳子 末黒野 201206
芸者新道芸者に逢はず春の雨 田中藤穂 あを 201206
鞍馬石の綺羅ほのかなり春の雨 日下部亞こ 万華鏡 201206
春の雨ぬれせんべいの醤油味 久世孝雄 やぶれ傘 201206
やはらかきシャンソン音色春の雨 藤本秀機 201207
春の雨庭の緑も増しにけり 吉田博行 かさね 201207
春の雨東支那海みはるかす 飯田ひでを 201207
春の雨心の刺を溶かしけり 後藤マツェ 201207
春の雨朝の手順の茶を入るる 吉田きみえ 末黒野 201207
池の面に水輪を重ね春の雨 加藤八重子 末黒野 201207
バス停のトタンの屋根に春の雨 藤井美晴 やぶれ傘 201207
土寄せをしたき畑や春の雨 白石正躬 やぶれ傘 201207
春の雨烏野豌豆もじやもじやと 佐藤喜仙 かさね 201208
立つことに始まるリハビリ春の雨 高倉恵美子 201208
春の雨伊予青石の深き青 松本アイ ぐろっけ 201208
春の雨柩を覆ふ旭日旗 三橋早苗 ぐろっけ 201208
春の雨止んでポプラの種子の雨 松村光典 やぶれ傘 201209
燈を消して音の生まるる春の雨 頓所友枝 冬の金魚 201209
雨音を楽しんでをり春の雨 赤松赤彦 六花 201212
春の雨起きてはみたが又寝床 赤松赤彦 六花 201212
暮れてより落着く春の雨の音 稲畑汀子 ホトトギス 201303
田の滋養畑の滋養の春の雨 布川直幸 201303
クレソンの白和といふ春の雨 佐藤喜孝 あを 201303
明るくてやはり寂しき春の雨 武藤嘉子 201303
万蕾にゆさぶりかける春の雨 国包澄子 201304
野仏の膝に溜れる春の雨 田中浅子 201305
行人の言葉少なき春の雨 山本孝夫 201305
瀬田川に沿ひたる墓石春の雨 山口キミコ 201305
田の面に漲る力春の雨 米田文彦 かさね 201305
立春の雨に濡れたるダンボール 竹内悦子 201305
やはらかに心眼洗ふ春の雨 中田禎子 201305
春の雨春の空気を濡らしけり 辻美奈子 201305
踝や箒目白し春の雨 佐藤凉宇子 ろんど 201305
傘ひらき立春の雨弾きたる 小林成子 火星 201305
蝙蝠傘濡れてるままに春の雨 吉弘恭子 あを 201305
歌舞伎座のこけらおとしは春の雨 木村茂登子 あを 201305
早春の雨に膨らみ来たる嶺々 宮平静子 雨月 201305
この街のコンビニいくつ春の雨 甕秀麿 201306
淀君のそびら烟るや春の雨 土居通子 ろんど 201306
春の雨蛇の目女人の先斗町 三枝邦光 ぐろっけ 201307
惜春の雨音加ふ過疎の郷 小山繁子 春燈 201307
縁先の音なき音の春の雨 安藤虎酔 かさね 201307
杉枯葉著莪の葉群に春の雨 瀧春一 花石榴 201312
俺なみに海牛急ぐ春の雨 平井奇散人 船団 201403
春の雨なり下町の芳しき 辻美奈子 201404
春の雨傘さす男にはならじ 山田六甲 六花 201404
まづ終へて確定申告春の雨 仙田孝子 風土 201405
春の雨服喪の家に音もなく 大橋晄 雨月 201405
阿弥陀ヶ峰の稜線かくす春の雨 飯田美千子 201406
桟橋の端のけぶりたる春の雨 西村しげ子 雨月 201406
手術後の疲れに春の雨を聴く 笹倉さえみ 雨月 201406
春の雨一日灯してミシン踏む 波田美智子 火星 201406
春の雨物干台も濡れにけり 定梶じょう あを 201406
欅戸の木目潤す春の雨 峰崎成規 201406
焙じ茶やさういう春の雨もある 西田孝 ろんど 201406
屋島寺に「屋島絵巻」や春の雨 佐野つたえ 風土 201407
春の雨豊後の牛を濡らしけり だいじみどり 201407
言葉なき妣とゐる夜や春の雨 片岡久美子 201407
野仏の膝に溜まれる春の雨 田中淺子 璦別冊 201408
半盲の卒翁にやさし春の雨 滝沢幸助 春燈 201408
西方へたたるる叔母よ春の雨 堺昌子 末黒野 201408
化粧水のごとく古葉へ春の雨 布川直幸 201503
ゆつくりと軒樋伝ひ春の雨 小川玉泉 末黒野 201505
本降りや待ちゐし春の雨なれど 松田泰子 末黒野 201505
智の神の智を開かむと春の雨 平松うさぎ 201505
いのちあるもの膨らみて春の雨 椿和枝 201505
春の雨下枝の先が傘に触れ 大島英昭 やぶれ傘 201505
やはらかに水輪を重ね春の雨 多方清子 雨月 201505
むつかしき言葉は要らず春の雨 野村鞆枝 京鹿子 201505
肌よりも心を濡らす春の雨 高橋将夫 201506
転勤の知らせ遠くに春の雨 岩下芳子 201506
春の雨宝の池に浮くボール たかはしすなお 201506
農道の猫の屍に春の雨 仁平則子 201506
草に降るやはらかく降る春の雨 臼井珊瑚 201506
筆買うて小町通りの春の雨 福永みち子 馬醉木 201506
赤松の幹の色増す春の雨 石井清一郎 馬醉木 201507
春の雨レッドワインを選びをり 成田美代 201507
春の雨古都に律儀な珈排店 高島正比古 京鹿子 201507
春の雨野は雑草の階をなす 中島悠美子 京鹿子 201507
折紙で何折らうかと春の雨 國保八江 やぶれ傘 201508
聖堂の磴の鑿あと春の雨 福島せいぎ 万象 201508
唐橋にリボン結んで春の雨 佐藤恭子 あを 201511
春の雨 →5      

 

2021年3月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。