お降り (富正月)    169句

御降といへる言葉も美しく    高野素十

雨の季語  お降り 春の雨  春雨 春霖 春時雨 夏の雨 五月雨

 さみだれ 菜種梅雨 半夏雨  夕立 喜雨 虎が雨 秋の雨 秋雨 

秋時雨 秋霖 冬の雨 初時雨 時雨  青時雨  青葉時雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
御降りの埃じめしで終りたり 保坂加津夫 会者定離 199900
お降りや座敷箒に布掛けて 代田青鳥 風土 199903
お降の白瑞兆と思ひけり 石井たを子 199903
御降を纏ひ六甲明け初むる 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
お降りにうらとけあひて空と海 山仲英子 200001
朝ひと時お降りりてやすらぎぬ 能村登四郎 200001
御降りの滴露となりし樹の尖り 鈴鹿仁 京鹿子 200002
お降りや天声のごと頂きぬ 保坂加津夫 いろり 200003
お降りや休日診療静けくて 岡田万壽美 雲の峰 200003
御降りや鉾蔵鉾名きらめきて 橋添やよひ 風土 200004
かすかなるお降り万物喜べり 久保田一豊 いろり 200004
北国のお降り白く舞ひはじむ 山口速 200005
御降りの強雨となれば川濁る 金子兜太 海程 200101
御降りの音をふたりで聞いてをり 小林あつ子 火星 200104
お降りや肩なだらかに京の山 石田邦子 祭笛 200109
朝ひと時お降りありてやすらぎぬ 能村登四郎 羽化 200110
お降りのふり足らざるを吉とせむ 鷹羽狩行 200202
御降りや歩が金となる駒冥利 鈴鹿仁 京鹿子 200202
お降りや枯あぢさゐの辺りより 山尾玉藻 火星 200202
お降りの霰に変る韻きかな 都筑智子 200203
お降りや薄茶の香りしみじみと 久保田一豊 いろり 200203
お降りや頼家の墓参りたり 久保田一豊 いろり 200203
お降りやみどりの屋根の町役場 植松美根子 200204
御降りと云うてゐる間に上がりけり 大山文子 火星 200204
お降や神の大樟匂ひたち 岸本久栄 雨月 200204
お降や病床六尺など読まむ 浜崎壬午 円虹 200204
おさがりに店混み合いしおうどん屋 池田久恵 ぐろっけ 200204
おさがりや犬もかれんなマントきて 鈴木多枝子 あを 200204
お降りの本降りとなることもなく 天岡宇津彦 200205
御降やおもちやの部屋の狭くなり 市川伊團次 六花 200207
御降や父の口もと拭いてをり 市川伊團次 六花 200207
御降の後に日の差す机かな 市川伊團次 六花 200207
椎茸の榾にお降り霽れにけり 山尾玉藻 火星 200302
御降りや黒谷あたり人も絶え 瀧梢 雨月 200302
御降りの朝を時雨の如く過ぐ 松崎鉄之介 200303
お降りの雪積るなりおのが松 村越化石 200303
お降りや路面電車のチンと鳴り 山尾玉藻 火星 200303
御降の町の静かに暮れにけり 三代川次郎 雲の峰 200303
自堕落に御降の音聞きをりぬ 伊藤とら 雲の峰 200303
お降りの静けさよ世もかくあらな 林翔 200303
お降りのかそけさ松を浄めけり 佐久間由子 200303
御降や後光のさせる恩師の碑 谷合青洋 酸漿 200303
御降りや轍ますぐに伸びてをり 菊地英雄 酸漿 200303
お降りや僧読んでゐる文庫本 岡和絵 火星 200304
お降りのしづかなりけり庭に鳥 戸栗末廣 火星 200304
御降りや封書の色の美しきこと 若生まりあ 遠嶺 200304
御降りの薄雪にさす朝日かな 飯島尚子 酸漿 200304
御降りの四條大橋渡りけり 武田眞砂 百鳥 200304
白銀の富正月の山河かな 川端実 遠嶺 200304
看取りゐて夕べいつしかお降りに 杉山瑞恵 雨月 200305
旅先のお降ありしそれも嘉し 松尾緑富 ホトトギス 200307
御降や虚子館固く閉されて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200311
御降りや吾も元素の集合体 伊藤早苗 200401
お降りや土佐の潮の立ち上がり 山尾玉藻 火星 200402
御降と名を変へてまた降りきたり 朝妻力 雲の峰 200402
御降や走り根に磴傾きて 渡辺周子 雲の峰 200403
お降りが雨具嫌ひの頭を濡らす 笠嶋陽子 築港 200403
御降りの花のごとくに降りにけり 丸山敏幸 200403
御降りやプールサイドに鴉ゐて 丸山照子 火星 200404
御降りのスコールめける滑走路 近藤倫子 ぐろっけ 200404
お降りを大仰に受け八手の葉 安養寺美人 200405
甃お降晴れし城下町 松尾緑富 ホトトギス 200406
お降りの小橋を帰る鈴の音 遠藤和彦 遠嶺 200406
お降りの雪撫牛の背をすべる 増田幸子 万象 200409
御降や父の着物の身に添ひて 岩崎憲二 京鹿子 200503
お降りと思ひし音のすぐ止みぬ 戸栗末廣 火星 200504
お降りや河原に滑る靴の跡 長村雄作 六花 200504
お降りの樹々の静かや国旗出す 小野田和世 200504
お降りや向ひの窓に人の影 鹿野佳子 200505
お降に混じり来し白はや消ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 200601
お降りや静かな街の隅に住み 戸村よねこ 遠き海 200602
善積むに似て御降りを舌へかな 伊藤白潮 200602
お降りに雀の声の聞かれざる 矢口さわ 200603
映画館出て御降りの街をゆく 中里信司 酸漿 200603
御降や夫居眠の最中なり 村田さだ子 酸漿 200603
お降りやあかごの髮のふはふはと 佐藤喜孝 あを 200603
御降りや老いどちの足覚束な 芝宮須磨子 あを 200603
お降りや文殊の知恵を授かりに 助口弘子 火星 200604
お降りのおしめりほどの菜畑かな 栗林房子 風土 200604
お降りに眼のうるむ孕み馬 須永トシ 栴檀 200604
お降りや昼を灯して大手門 土川照恵 栴檀 200605
御降りのはじめひとつぶ神の庭 前田貴美子 万象 200610
お降りのにはたづみ踏む犬の足 布川直幸 200705
お降りに子の傘立となる茶壺 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200705
御降りのやみし朝の舗道かな 松本文一郎 六花 200705
お降りといふ雪片のうつくしき 田口紅子 200712
射干玉の夜のお降りに手をかざす 山田六甲 六花 200801
天からはお降りひと日賜りぬ 山田六甲 六花 200801
お降りや虹といふ名の松林 野中亮介 馬醉木 200803
お降りのひと重といへるほどならむ 佐藤博美 200804
お降りの虹や子もなし夫もなし 奥田茶々 風土 200804
御降のやがて吹雪となる湯宿 檀原さち子 酸漿 200804
御降りの雪降る中に梅匂ふ 牧原佳代子 酸漿 200804
お降りの伊予柑山をしめらせる 忽那みさ子 やぶれ傘 200805
お降りや奉納太鼓唐突に 桜三奈子 200805
お降と云うてはをれぬ降り様に 稲岡長 ホトトギス 200806
雪のお降り何んと言っても遠刈田 堀内一郎 あを 200902
薄日さす中御降りの黄金糸 四條進 200903
お降りとなりきし夫の大根畑 高橋芳子 火星 200903
お降りや宴のごとく城灯り 中田みなみ 200903
御降りの雨だれ母の心音や 武田巨子 春燈 200904
御降りのさーつと走りし山と街 改正節夫 ぐろっけ 200904
御降に瑞気満ち満つ御所の松 服部珠子 雨月 200904
禊雨てふお降りを賜ひたし 田中貞雄 ろんど 201001
お降や雀鴉も静かなり 吉弘恭子 あを 201001
お降りや大きく年の明けにけり 伊藤敬子 201002
御降のわが名の雪を頭に受くる 久保田雪枝 雨月 201003
天地を浄めて白き御降が 加藤北天 雨月 201003
お降りやお包みの嬰深抱きす 根本ひろ子 火星 201004
罅走る素焼の壺やお降りす 代田青鳥 風土 201004
しめやかな昨夜の御降り松しづく 田中一美 ろんど 201004
御降りを吉としてゆく参詣道 米田正弘 201004
お降りの白の嬉しき小半日 伊藤紫都子 201004
おさがりの土にしみゆくすばやさよ 太田寛郎 201004
お降りの水輪つぎつぎ生れけり 白数康弘 火星 201101
天界の随喜の涙富正月 加藤みき 201101
お降りや雲間に空の暖かき 松本周二 かさね 201203
お降りや無事の夜明けの雨戸繰る 数長藤代 201204
お降りや袴引き上げ禰宜出仕 高橋ひろ 万象選集 201205
お降りにお札捧げて巫女走る 稲森敏江 万象選集 201205
お降もめでたき色でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
お降といふほどもなき石畳 稲畑汀子 ホトトギス 201301
お降りの松の心音あをあをと 鈴鹿仁 京鹿子 201302
お降りのこの世を濡らし過ぎにけり 雨村敏子 201304
おさがりや万蕾蔵す男山 坂口夫佐子 火星 201304
お降りの庭木冬芽を確かむる 瀧春一 花石榴 201312
お降りに滲む灯も祝心 山田天 雨月 201403
お降りの音に霑ふ蛇の目傘 丸井巴水 京鹿子 201404
松ヶ枝をお降りの玉飾りかな 山田六甲 六花 201501
お降りや本堂すべて黄金色 田代貞枝 201503
塗師町にお降りおから二十円 高貴美子 201503
お降りを掃き清めては便り待つ 園部早智子 ろんど 201504
お降りや明けて真白き林泉の景 錫木妙子 馬醉木 201504
お降りの来さうな木々の匂ひかな 原田しずえ 万象 201504
お降りを隔てて人とすれ違ふ きくちえみこ 港の鴉 201510
お降りや殉教・被爆の産土に 荒井千佐代 201604
お降りや大王松の青々と 安野眞澄 201604
お降の中を出掛けて来たりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201611
御降りやほてりし顔をうち鎮め 加藤みき 201703
お降りや母は聖者のごとく座し 三井所美智子 201704
御降りの槙を濡らして晴れ着にも 雨村敏子 201704
御降りの光みるみる七色に 中島昌子 201704
お降りの睫毛眉毛に消ゆる雪 中谷富子 201704
御降りを肩に鳥居を潜りけり 市川夏子 末黒野 201704
御降りの雪を背負ひて巡拝す 高山誓英 万象 201704
御降りや満珠干珠の島模糊と 川上恵子 雨月 201704
御降りの水玉模様直ぐ乾き 川村みよき 万象 201705
欄干にお降りあとの日当たりぬ 山田六甲 六花 201801
奥山の御降り晴るる嶺祝 山田六甲 六花 201801
御降りの滴露となりて樹の尖り 鈴鹿仁 京鹿子 201801
お降りの雨脚見ゆる程もなく 佐藤淑子 雨月 201802
お降りのみくじを拾ふ天のこゑ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201803
お降りにほうと息つく五官かな 森なほ子 あを 201804
お降りにしばらく濡れてゐたりけり 藤生不二男 六花 201804
嵯峨野路やお降りあとの竹の艶 藤岡紫水 京鹿子 201804
御降のほのと香の立つほどにかな 近藤牧男 春燈 201804
御降や音滴らす鎖樋 佐俣まさを 春燈 201804
御降や庭ぬち抜くるけもの跡 小林輝子 風土 201805
お降や生田神社の御朱印所 鈴木みのり 201806
お降といへぬ八日でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201901
御降りや物の怪につく森の中 江見巌 六花 201904
御降も六甲輝かすものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
御降の輝きとして庭の景 稲畑廣太郎 ホトトギス 202001
お降りや今年は忘れものすまじ 加藤みき 202002
お降の水琴を聞く社かな 川崎登美子 202004
お降りや新しき傘開きける 中島昌子 202004
御降や六甲よりの風甘し 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
御降に命目覚めし大地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
御降や摩耶の稜線整へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202101
御降りのあかるき夜となりにけり 天野美登里 やぶれ傘 202103
お降りの吹き降りとなり熾火爆ぜ 小原芙美子 風土 202104
御降りや素十の一句掲げあり 山田健太 風土 202104
御降りの頬へみぞれてきたりけり 善野行 六花 202104
御降を引き摺つてゐる雨男 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112

 

2022年1月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。