秋時雨 1     273句

秋しぐれいたくな降りそ浄瑠璃寺  伊丹三樹彦   読本・歳時記

春時雨  秋時雨  初時雨  時雨  青時雨 青葉時雨

村時雨  片時雨  時雨雲

作品
作者
掲載誌
掲載年月
隠岐を去る秋の時雨に海泡立つ
松崎鉄之介
199811
秋時雨蜀の桟道目指す暁ヶ
松崎鉄之介
199811
摘みためしものをかざして秋時雨
八染藍子
199901
すつぽんのひよいと貌出す秋時雨
小澤克己
遠嶺
199901
秋時雨ふたゝび抜けて日本海
稲畑汀子
ホトトギス
199908
秋しぐれ浪花は晴れてをりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
199910
不来方の歌碑の肩打つ秋時雨
大場燈児
風土
199911
捨女像振り返りゐる秋しぐれ
山田六甲
六花
199911
若き死の枢になへば秋時雨
水原春郎
馬醉木
199912
葛城の尾根をけぶらす秋時雨
中川晴美
俳句通信
199912
秋時雨遺影の主人に智恵かりて
大平保子
いろり
200001
過客とは肩へと秋のしぐれかな
小澤克己
遠嶺
200001
海原の片方に秋の時雨雲
豊岡清子
遠嶺
200001
二条晴四条烏丸秋時雨
稲畑廣太郎
ホトトギス
200004
秋時雨皇居石垣古りにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200010
叡山を下れば祇園秋時雨
稲畑廣太郎
ホトトギス
200010
番傘の音からからと秋時雨
稲畑廣太郎
ホトトギス
200010
杉苗のまばらに立ちて秋時雨
中原幸子
遠くの山
200010
闘鶏の眼のくれなゐに秋時雨
神蔵器
風土
200012
秋をしぐれて長堤の蕪村句碑
大橋敦子
雨月
200012
おのが身のさらに細身へ秋時雨
小澤克己
遠嶺
200101
娘(こ)を頼り都会に住めど秋時雨
柴田美佐子
いろり
200101
暇ありて暇もてあます秋時雨
大平保子
いろり
200102
まぶしみて仰ぐ高野の秋時雨
長山あや
円虹
200110
秋しぐれ思惑といふ怖さあり
鈴鹿仁
京鹿子
200111
秋時雨われより若き友逝きて
久保田一豊
いろり
200111
目黒より目白へまはり秋時雨
松崎鉄之介
200111
湯の街の人もまばらに秋時雨
高樋洋子
いろり
200112
胡弓の音止めば未明の秋しぐれ
小澤克己
遠嶺
200112
北吉の秋も時雨の宿りかな
小澤克己
遠嶺
200112
繰り言をただきくばかり秋時雨
鎌倉喜久恵
あを
200112
秋時雨犬にひかれて一人づれ
芝宮須磨子
あを
200112
宿傘に京の音あり秋しぐれ
福山広秋
200201
見送りて手に残る傘秋時雨
徳永真弓
百鳥
200201
秋時雨狭庭に地球の暗さかな
島崎晃
遠嶺
200201
掛け干しの片側ぬらし秋しぐれ
鈴木とおる
風土
200201
秋時雨三千院にやり過す
鈴木とおる
風土
200201
秋時雨鳥のぶらんこ買ひにけり
奥田筆子
京鹿子
200202
涙もろき師の忌いくたび秋しぐれ
窪田佳津子
雨月
200202
建てかけの家に灯の入る秋時雨
石崎宏子
百鳥
200202
姫垣のうちがは温し秋時雨
小澤克己
遠嶺
200209
京近き美山の秋の時雨かな
稲畑汀子
ホトトギス
200210
秋時雨とはもういへぬ降りとなる
稲畑汀子
ホトトギス
200210
君も濡れ吾も濡れ湖畔秋時雨
林翔
200211
秋時雨また降りいづる柳生越え
熊岡俊子
雨月
200211
瓦斯灯に秋時雨くる北野坂
田中重子
雲の峰
200211
秋しぐれ病人の掌の柔らかく
田中藤穂
あを
200211
俳壇の灯の一つ消え秋時雨
塩川雄三
築港
200212
秋時雨烈士の墓標烟りたり
梅谷昌弘
雲の峰
200212
便り書くカフェのテーブル秋時雨
塩田博久
風土
200301
窯変の妖しき色や秋時雨
柏本初代
百鳥
200301
テロも拉致も映像のなか秋時雨
栗田武三
ぐろっけ
200301
秋時雨伊都の山並かく晴れて
松尾緑富
ホトトギス
200302
秋時雨に巡りあぐねし「おせんげんさま」
山田をがたま
京鹿子
200302
秋時雨「水飲み龍」の所在なげ
山田をがたま
京鹿子
200302
釣月軒をさらに暗めて秋時雨
安達風越
雨月
200302
くさび打つ音のありけり秋しぐれ
松下八重美
200304
鳥影も島影も秋時雨かな
小澤克己
遠嶺
200310
秋時雨裏日本と今云はず
山田六甲
六花
200310
島の灯へ向ふ舳先や秋時雨
宮井保八郎
帆船
200310
更けてより友の訪ひけり秋しぐれ
滝本香世
百鳥
200311
ありしともなきとも京の秋時雨
稲畑汀子
ホトトギス
200311
秋しぐれ煉瓦茶房の木の扉
小澤克己
遠嶺
200311
秋しぐれのぞきて和紙の背負籠
小澤克己
遠嶺
200312
鷺舞の像の鈍色秋しぐれ
大澤君予
遠嶺
200312
大内氏の墓訪ふ廃寺秋時雨
松崎鉄之介
200312
山頭火の故郷で秋の時雨浴ぶ
石田砧女
200312
秋時雨傘閉じ寿司屋の人となる
吉成美代子
あを
200312
秋しぐれ茶房も閉じる河岸の昼
芝尚子
あを
200312
廃屋の松の樹齢や秋時雨
岩波ふみ子
雲の峰
200312
住宅はみな同じ向き秋時雨
上田亜矢
対岸
200312
何待つとなく老ひにけり秋時雨
岩上とし子
200401
秋時雨ネオンの唸る午前二時
山本無蓋
200401
盃に遊ぶ唐子や秋時雨
有村明子
百鳥
200401
秋しぐれ家より高き垣根かな
射場智也
六花
200401
劇場を出て戸惑へり秋時雨
奥村光子
築港
200401
鱶鰭の湯気の恋しき秋時雨
島崎久美子
酸漿
200401
葛飾の草より秋のしぐれける
湯浅康右
草の花
200401
巫女と撮る写真に秋のしぐれかな
恒川澄子
草の花
200401
球根を植ゑかへをれば秋時雨
伊藤恭子
草の花
200401
積まれゆく薪の切り口秋しぐれ
松尾規子
200402
秋時雨浜へのつそり弥五郎どん
沼口蓬風
河鹿
200402
かへりみる茶掛の一詩秋しぐれ
小澤克己
遠嶺
200402
船だまり売り舟もあり秋時雨
大西和子
ぐろっけ
200402
白衣観音襞うつくしき秋時雨
山元志津香
八千草
200404
茅葺は繭ごもりかも秋しぐれ
佐藤喜孝
あを
200407
湯もみ唄洩れくる湯畑秋しぐれ
橘澄男
山景
200408
秋時雨雲が火星に近づきぬ
稲畑汀子
ホトトギス
200409
青空を押し戻しては秋時雨
稲畑汀子
ホトトギス
200410
相合傘とりどり街の秋時雨
林翔
200411
寺屋根の黒く光りて秋時雨
大塚隼人
対岸
200411
秋時雨棺と供に帰りけり
須佐薫子
帆船
200411
秋しぐれ刄となりしKき石
佐藤喜孝
あを
200411
秋時雨草は真珠をもらひ受く
東亜未
あを
200411
身近なものまとめて盡きず秋しぐれ
堀内一郎
あを
200411
地下の灯を抜けて路上の秋しぐれ
岡本眸
200411
エノケンの映画観に行く秋時雨
岡野イネ子
春燈
200412
夕暮のやうな夜明けや秋時雨
高橋としを
酸漿
200412
秋時雨ミサのベールを濡らし過ぐ
久保栞
200412
能登杉の幹は濡らさず秋しぐれ
鷹羽狩行
200412
秋時雨割りしばかりの薪ぬらす
菅原末野
風土
200501
秋時雨竹屋に今年の竹並び
柿沼盟子
風土
200501
秋時雨セーヌが街をつらぬけり
富沢敏子
200501
秋しぐれ笈に鎌倉彫のあり
宮澤さくら
遠嶺
200501
秋時雨切手を忘れ小走りに
鈴木政子
雲の峰
200501
電線を栗鼠走りゆく秋時雨
庄中健吉
200501
古里のなく東京そだち秋時雨
岸幸子
帆船
200501
水門の杭の影揺る秋しぐれ
廣畑忠明
火星
200501
石佛の語りかけそな秋しぐれ
岡田幸弘
栴檀
200502
亀山てふ昔難所や秋時雨
林雪江
春燈
200502
崩れたる魞に湖北の秋しぐれ
竹内喜代子
雨月
200503
君が居や楢山負うて秋時雨
瀧春一
菜園
200509
西行の歌碑の背濡るる秋時雨
菅野末野
風土
200511
客一人板前一人秋時雨
吉原一暁
200512
東大構内バスの間遠に秋時雨
鈴木榮子
春燈
200512
秋時雨日の当りたる山の色
谷岡尚美
200512
ひつそりと商ふ米屋秋時雨
竹山みや子
築港
200512
白山や音なき音の秋しぐれ
鷹羽狩行
200512
山杉の鉾けぶらせて秋しぐれ
鷹羽狩行
200512
寝たきりの母に癒さる秋時雨
野崎昭子
四葩
200601
ひとり寝の寝付けぬ夜の秋時雨
太田佳代子
春燈
200601
鍵束の重きなりはひ秋時雨
左官治郎
200601
ゆつたりと帯締め直す秋しぐれ
大石たか
遠嶺
200601
琴平の階段黙し秋しぐれ
安部美和子
ぐろっけ
200601
大護摩の燃ゆる古刹や秋時雨
三反田輝夫
河鹿
200602
癌病棟むしろ明るし秋時雨
次井義泰
200602
忌に集ひ沓脱石に秋時雨
岩田登美子
ぐろっけ
200603
年尾師を偲びし書写の秋時雨
蔭山一舟
ホトトギス
200604
金山の遺構に立てり秋時雨
内山弘幸
八千草
200604
秋時雨万華鏡見てまた見入る
秋千晴
200611
秋時雨望む彦根の天守閣
芝尚子
あを
200611
秋時雨の音のかむさる能舞台
芝尚子
あを
200611
二階よりつよき筬音秋しぐれ
大坪景章
万象
200612
満載のコンテナ船や秋しぐれ
松下八重美
200612
遠山を見てゐるに来る秋時雨
平田美知子
200612
秋しぐれ二人の距離のちぢまらず
三沢蘭
遠嶺
200612
秋時雨幼馴染みの忌が明ける
足利ロ子
ぐろっけ
200612
せせらぎの魚影まばらに秋時雨
山田六甲
六甲
200612
外つ国の巨船の灯る秋時雨
中山皓雪
200701
秋時雨小ぶりの椀の潤み塗
橋本良子
遠嶺
200701
秋時雨故宮ねぎらふ軒ひさし
古川洋三
遠嶺
200701
日の差すも一掃きほどの秋時雨
松崎鉄之介
200701
孕女の姿やさしき秋しぐれ
青木民子
酸漿
200701
頬杖や音となりたる秋しぐれ
林田江美
馬醉木
200702
秋時雨またあきしぐれ山の黙
稲岡長
ホトトギス
200702
大津絵の店の軒借る秋時雨
木暮剛平
万象
200702
苔生せる茅葺屋根や秋時雨
松本蓉子
六甲
200703
地下足袋の土払ひけり秋時雨
小浦遊月
酸漿
200703
秋時雨医師待つ席はがらんどう
真木早苗
八千草
200705
秋時雨雲の走つてをりにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200710
駅ふたつほどの上州秋しぐれ
内野俊子
春燈
200711
山上湖模糊となりゆく秋時雨
水原春郎
馬醉木
200712
友は旅に吾は病床に秋時雨
林翔
200712
紙垂の縄に貼り付く秋時雨
笹村政子
六花
200712
秋時雨打ち水が程ぬらしけり
加藤君子
火星
200712
写生子を一掃したり秋時雨
泉田秋硯
200801
烏賊徳利つらね丹後の秋しぐれ
芝山喜久子
馬醉木
200801
神事釜すゑて堅田の秋しぐれ
渕上千津
200801
音もなき幻住庵の秋しぐれ
座古稔子
200801
渡御神輿納めし杜に秋時雨
橋本梢明
200801
船頭の岩に竿さす秋時雨
岡本芳子
馬醉木
200802
秋時雨雲の明るき辺りより
稲畑汀子
ホトトギス
200811
不夜城の灯へ紛れ入る秋時雨
貞布兵
炎環
200811
ひと言に心揺らぎぬ秋しぐれ
石本百合子
馬醉木
200812
月山の坂の険しや秋時雨
増田一代
200812
墓移すことのためらひ秋時雨
佐々木暢
炎環
200812
秋時雨写経にわが身正しをり
高尾幸子
遠嶺
200812
愚痴に慣れ夫はうとうと秋時雨
木原今女
ぐろっけ
200812
折れ竹の鋭角模様秋しぐれ
浜口高子
火星
200812
秋時雨ビニール傘をまたも買ふ
竹内悦子
200901
秋しぐれ和蘭カステラ厚切りに
高橋道子
200901
秋しぐれ義士祭近き遺髪塚
門伝史会
風土
200901
トルストイ邸を巡れば秋時雨
木暮剛平
万象
200901
釣られたる魚の船酔ひ秋時雨
松田都青
京鹿子
200901
秋時雨水尾ふれあひしのみなれど
田村みどり
京鹿子
200901
もう誰も迎へに来ない秋しぐれ
梶浦玲良子
六花
200902
ワイパーを廻さぬほどの秋時雨
稲畑汀子
ホトトギス
200909
秋時雨夕日すとんと落しけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
秋時雨虚子に二つの忌日かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
嵐山真紅に染めて秋時雨
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
京上り下り迷うて秋時雨
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
秋時雨三度抜け来て湖北かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200910
ますほ貝片身ばかりに秋時雨
水谷洋子
200911
秋しぐれ苫屋へ小貝吹き寄する
谷中弘子
200911
秋時雨松のかくまふ親子鹿
水原春郎
馬醉木
200912
終章のピリオドとせむ秋しぐれ
豊田都峰
京鹿子
200912
秋時雨語り尽せぬふるさとを
芝宮須磨子
あを
200912
ブティックにしばし立ち寄る秋時雨
和田郁子
201001
秋時雨読めぬ字多き芭蕉展
山野惣一郎
遠嶺
201001
秋しぐれ八坂の塔を見返りつ
川井秀夫
ろんど
201001
秋しぐれ叡山淡くなりにけり
西村雪園
風土
201001
秋しぐれ裾ぬれてくるわびしさや
松木溪子
201001
人間が薄あじとなる秋時雨
松田都青
京鹿子
201002
秋しぐれ弔旗いちにち村を守り
梶浦玲良子
六花
201002
歩せば坂多き東京秋時雨
嶋田一歩
ホトトギス
201004
小刻みに変はる土色秋時雨 ことり 六花 201010
秋時雨やみて杜の香生まれけり 宮田豊子 春燈 201012
写経終へ返す寺苑の秋時雨 加藤北天 雨月 201012
励ましを励まし返す秋時雨 森山のりこ あを 201012
秋時雨湖鳥陣を解かぬまま 竹内悦子 201101
手術後の傾く肩や秋時雨 井上正子 春燈 201101
鈴が森刑場跡や秋時雨 太田良一 末黒野 201101
秋時雨百人番所の深廂 吉田政江 201101
秋時雨凌ぐにプラタナスがよし 大橋晄 雨月 201101
秋時雨新聞重くするニュース 鎌倉喜久恵 あを 201101
胎内でまはれ右する秋時雨 篠田純子 あを 201101
秋時雨軒に干されしままの靴 石川裕美 ぐろっけ 201102
秋しぐれ猿の母性の授乳時 塩路隆子 201112
秋時雨交番何時も人気なく 藤見佳楠子 201112
出棺の夫に手向けや秋しぐれ 戸田澄子 末黒野 201112
秋時雨甘味処の一人席 桑名さつき ろんど 201112
辞儀ふかき僧のつむりや秋しぐれ 那須淳男 馬醉木 201201
誰が為に啼く夕鴉秋しぐれ 塩路隆子 201201
秀野忌の秋の時雨となりにけり 河合とき 末黒野 201201
秋時雨寂しさのみを残し過ぐ 山田天 雨月 201201
青空の見えゐる秋の時雨かな 志方章子 六花 201201
寺多き湖北山里秋しぐれ 長濱順子 201202
秋時雨大念珠繰り連句の座 三橋早苗 ぐろっけ 201202
秋時雨出がけの用の二つ三つ 岩岡中正 ホトトギス 201204
秋時雨点滅のある工事の灯 秋葉貞子 やぶれ傘 201203
手話ニュース秋の時雨れを描きけり 鈴木セツ 201208
ゆれる傘戸隠山の秋しぐれ 菅原孟 かさね 201209
比翼塚の魂鎮めとも秋しぐれ 千出百里 201210
秋しぐれ遠き過去置く京町屋 田代貞枝 201210
秋時雨みちのくに酌む「男伊達」 酒井秀郎 返り花 201211
秋時雨連れ呼ぶ鳩の高鳴きに 水野弘 ぐろっけ 201212
秋しぐれ馬車道の灯のにじみけり 杉浦典子 火星 201212
秋時雨ダム千丈は藍に染み 山内節子 201301
鈴鹿路の変らぬものに秋時雨 小澤菜美 201301
いちにちを縦割りにして秋しぐれ 山崎靖子 201301
秋時雨引佐細江の澪標 小山繁子 春燈 201301
秋しぐれ甍ばかりを洗ひけり 藤丸誠旨 春燈 201301
朱の橋の転ぶなとあり秋しぐれ 竹内悦子 201301
秋時雨寂びれし宿に聴く夜かな 和田勝信 かさね 201301
十勝野を掠めて秋の時雨かな 斉藤マキ子 末黒野 201301
牛群るる開拓の村秋時雨 斉藤マキ子 末黒野 201301
杉木立のぼり幡うつ秋時雨 菊谷潔 六花 201301
しぐれねばならぬ如くに京の秋 稲畑汀子 ホトトギス 201310
忽ちに青空消して秋しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 201310
金山に咳く坑夫秋時雨 川崎利子 201311
兵の涙雨かな秋しぐれ 小野寺節子 風土 201312
どの石も考の声沁む秋時雨 米尾芳子 馬醉木 201401
男鹿岬鬼が連れ来る秋時雨 石井美智子 風土 201401
但馬へと越ゆる狭山や秋時雨 伊東和子 201401
大宮の鵯が鵯追ふ秋しぐれ 原田しずえ 万象 201401
スカイツリーの尖より濡るる秋しぐれ 安田とし子 ぐろっけ 201401
秋時雨垂れを絡めて伊勢うどん 松本三千夫 末黒野 201401
秋時雨傘ささず行く縄のれん 丸山酔宵子 かさね 201401
秋時雨看護師の語尾やはらかし 今井春生 201401
秋しぐれ出羽三山を隠しける 坂根宏子 201401
鳥辺野を秋の時雨と歩きをり 間島あきら 風土 201402
待たす身と待つ身の間秋時雨 江島照美 201402
神鶏のひそむ木陰や秋時雨 菅野日出子 末黒野 201402
秋時雨淋しさは山越えてくる 岩岡中正 ホトトギス 201402
秋しぐれ茶碗蒸しよりいただきぬ 原友子 201402
秋しぐれ坂おりてくる子守唄 梶浦玲良子 六花 201402
鳴らしみる新調の杖秋しぐれ 吉村摂護 201402
遠き旅祝ぎの心も秋時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201410
今日までは持たぬ陽気や秋時雨 稲畑汀子 ホトトギス 201410
この石も仏なるべし秋時雨 伊藤憲子 201411
雌鶏のくくくと鳴けり秋時雨 廣瀬雅男 やぶれ傘 201411
石仏に紅幽かなり秋時雨 笠井清佑 201412
軒下をちよっと借ります秋時雨 森下康子 201412
秋しぐれ三崎町に千代紙屋 田中藤穂 あを 201412
秋時雨言葉以前の怒りかな 常田希望 201412
秋しぐれ黒々として溶岩台地 伊藤純子 201501
ともしびのもるる街道秋時雨 平野加代子 春燈 201501
花山峠越さば故郷秋しぐれ 堀田清江 雨月 201501
鳥辺野を秋の時雨と歩きけり 間島あきら 風土 201501
香具山の草木艶めく秋しぐれ 山田春生 万象 201501
秋時雨グーチョキパーや水溜り 森山あつ子 六花 201501
秋しぐれをいくたび京の由緒塚 伊東和子 201502
本堂を響もす法鼓秋時雨 菅野日出子 末黒野 201502
友人と知人の間秋時雨 鶴濱節子 船団 201505
ワルシャワの人は美し秋時雨 南北佳昭 船団 201505
秋時雨→2      

 

2022年11月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。