半夏雨  82句

医通ひの片ふところ手半夏雨   大野林火   読本・歳時記

雨の季語  

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作品
作者
掲載誌
掲載年月
半夏雨茶どころにして藪どころ 吉田島江 火星 199809
半夏雨の雄心で切る傘雫 能村研三 199909
不得手なる書類作りや半夏雨 中森百合子 199909
船といふ容れ物が出る半夏雨 奥田節子 火星 200008
鯉の吐く泥のいくばく半夏雨 岡崎るり子 銀化 200008
ジーンズの青を濃くして半夏雨 藤井みち子 200009
独学の庵鞘堂に半夏雨 市橋章子 ぐろっけ 200010
眠らむと都発ちしが半夏雨 伊藤格 200109
茫洋と屈斜路湖畔半夏雨 今井松子 遠嶺 200110
屑籠の屑のつぶやく半夏雨 野口香葉 遠嶺 200209
体温を猫とわかちて半夏雨 うまきいつこ 200210
半夏雨貧乏ゆすりはじめたり 小田島成子 百鳥 200211
ころころと蛙の讃歌半夏雨 長沼冨久子 馬醉木 200309
蝋涙の固まる早さ半夏雨 風間史子 200310
鮑の目どこにあるのか半夏雨 岩瀬満里子 草の花 200409
山祇は石の祠や半夏雨 豊田都峰 京鹿子 200410
マーロンブランドへ降るさよならの半夏雨 野村智恵子 八千草 200501
半夏雨紅茶をまはす匙の音 菊地光子 200508
土に棲むものにも恵み半夏雨 村越化石 200509
気付かずに干物濡らす半夏雨 梅原美子 200509
ももいろに透く耳朶濡らす半夏雨 荻野千枝 京鹿子 200510
晴耕雨読の鎌の錆びつく半夏雨 井上あい 風土 200610
百姓の恐るゝ半夏雨の来し 滝沢伊代次 万象 200707
半夏雨こころのどこか軋みをり 後藤眞由美 春燈 200809
子も夫も先に死なせし半夏雨 野澤あき 火星 200809
コンサート余韻のなかの半夏雨 塩田京子 遠嶺 200811
温血の人と握手す半夏雨 能村研三 200908
病む人と時わかち合ふ半夏雨 長谷川歌子 春燈 200909
半夏雨夢の中でも詩を作り 市ヶ谷洋子 馬醉木 200910
聖堂の絵硝子濡らす半夏雨 宮木忠夫 200910
五線譜にやがて広がり半夏雨 犬丸勝子 200911
半夏雨山椒の実の青さあり 坂本幸子 酸漿 200911
まつぶさな仕事をつんで半夏雨 能村研三 201008
診療所けふは混みをり半夏雨 北尾章郎 201009
下車駅の足湯に浸る半夏雨 片野美代子 酸奬 201009
叩きつつ雨戸を繰れり半夏雨 鈴木浩子 201010
浄瑠璃の首の百態半夏雨 末田洋 201010
幸せかと子に問ふ半夏雨の夜 小澤利子 201101
半夏雨筒癖つきし表彰状 能村研三 201107
半夏雨回覧板の窓より来 鴨下昭 201110
神苑の池面を叩き半夏雨 杉山弥生 末黒野 201110
廃校に地震の瓦礫や半夏雨 大村かし子 万象 201110
半夏雨旅の小銭はかさばりし 能村研三 201208
半夏雨骨壺すこし揺らしみる 大湾宗弘 万象 201208
半夏雨正の字の芯何故曲がる あかさか鷹乃 ろんど 201310
歩まねば膝さびゆけり半夏雨 溝内健乃 雨月 201310
老い夫を少し過保護に半夏雨 西村操 雨月 201310
出そびれしままに読書の半夏雨 中原敏雄 雨月 201410
半夏雨通夜の香煙絶やさじと 山本漾子 雨月 201410
師を悼む日々の無口に半夏雨 中原吟子 雨月 201410
半夏雨帰路も近江路降りやまず 中原吟子 雨月 201410
象の鼻もてあましゐる半夏雨 寺田すず江 明日葉 201505
樹の匂ひ風の匂ひや半夏雨 犬塚李里子 201509
別れ難き本もありけり半夏雨 加藤良子 春燈 201509
半夏雨今月も載る追悼句 福島照子 京鹿子 201510
二百字詰二枚の仕事半夏雨 山崎靖子 201510
かにかくに祇園白川半夏雨 井田幸子 雨月 201510
甘噛みをおぼゆる猫や半夏雨 小倉陶女 春燈 201609
老犬の浅き眠りや半夏雨 森俊人 201610
法華寺の紅さすほとけ半夏雨 桐山甫 201610
読んでまた蔵ふ文なり半夏雨 山崎靖子 201610
半夏雨バッグの中の万華鏡 浦川哲子 201612
復元の土器見つめをり半夏雨 阪倉孝子 201709
裏山の獣の匂ひ半夏雨 猿賀郁子 馬醉木 201709
裏山の獣の匂ひ半夏雨 猿賀郁子 馬醉木 201709
半夏雨浅間さまの花火ドン 岩藤礼子 やぶれ傘 201709
瀬の音の転がり濁る半夏雨 米田紀子 201710
半夏雨昼間につける書斎の灯 齊藤實 201808
仏頭のごとき木の瘤半夏雨 菊地光子 201808
五体いつもどこか痛みて半夏雨 田代民子 201812
笹団子バナナのごと剥く半夏雨 七郎衛門吉保 あを 201908
木杓子に沁みる汚れや半夏雨 池田光子 風土 201909
いい人で終りたくなし半夏雨 石黒興平 末黒野 201910
鬼の里野くれ山くれ半夏雨 西村白杼 京鹿子 201910
半夏雨烟る古民家ずつしりと 森清信子 末黒野 201911
半夏雨一言多きこと悔ゆる 渡辺美智子 末黒野 201911
生き様をリセットしたき半夏雨 中貞子 202009
半夏雨たんすにねむるパスポート 鷺山珀眉 京鹿子 202010
半夏雨テールライトのにじむ街 釜田敬司 202109
半夏雨昨夜のものなど煮返して 小池かつえ 京鹿子 202110
半夏雨鴨居に吊るす農暦 佐俣まさを 春燈 202110
銀化せしホテルの鏡半夏雨 木暮陶句郎 ホトトギス 202202
爪先に冷え忍び寄る半夏雨 菅原末野 風土 202208
いつまでも気にかかる本半夏雨 河崎祐二 202210
杉戸絵のうすれし翳や半夏雨 大西逸子 京鹿子 202301
流れ矢の地球ほしを蝕む半夏雨 鈴鹿呂仁 京鹿子 202306

 

2023年7月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。