秋 雨     206句

秋雨の瓦斯がとびつく燐寸かな   中村汀女   汀女句集

雨の季語  お降り 春の雨  春雨 春霖 春時雨 夏の雨 五月雨 さみだれ 菜種梅雨 

半夏雨  夕立 喜雨 虎が雨 秋の雨 秋雨 秋時雨 冬の雨 初時雨 時雨  青時雨

青葉時雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
秋雨に黒着て佇てば塑像めく 小澤克己 遠嶺 199901  
足投げ出して秋雨の底にゐる 津田このみ 船団 199903  
邂逅のそびら秋雨のビッグベン 村上光子 馬醉木 199911  
わが骨に鬆を殖やしゆく秋雨か 白岩三郎 馬醉木 199912  
秋雨や歯医者は明日のことにせむ 武井清子 199912  
秋雨に濡れて万歩を果たしけり 高橋作之助 俳句通信 199912  
秋雨にほどかれてゆく蜘蛛の糸 川副民子 船団 199912  
秋雨に舌ひっこめるアサリちゃん 黒田さつき 船団 199912  
秋雨の匂い阪急神戸線 津田このみ 月ひとしずく 199912  
晴女集へど今日の秋雨かな 関口房江 酸漿 200001  
秋雨に廊下で大工する主人 熊谷みどり いろり 200001  
秋雨や道化の糸を君が織る 尾上有紀子 わがまま 200002  
秋雨や出たとこ勝負のバスに乗る 星野早苗 空のさえずる 200002  
武蔵野に秋雨上り路黒ぐろ 笹田元一 翡翠吟行 200010  
秋雨や終らぬ話後にして 松沢久子 いろり 200011  
秋雨や煙る湖より舟の音 小滝奈津江 酸漿 200012  
秋雨や雨蛙まだ寝ねぬらし 和田敏子 雨月 200012  
秋雨や昨日のことが嘘のごと 福田みさを いろり 200012  
秋雨に膨らむ川の黒光り 安徳由美子 200101  
思い出すままの童謡秋雨前線 金子皆子 海程 200102  
秋雨がまっすぐに降る夫婦なり 笠学 船団 200102  
秋雨の門に出でたるかたつむり 永見博子 酸漿 200111  
秋雨や母の背なかを濡らしをり 福田みさを いろり 200111  
秋雨や音なく止まる救急車 金子つとむ 俳句通信 200111  
昼の燭点け秋雨の骨董屋 能村研三 200112  
秋雨や土と草との縺れあひ 市川伊團次 六花 200112  
宿の窓秋雨伝ふ一人旅 岡田芳子 ぐろっけ 200112  
秋雨や子規の臥せりし六畳間 浜崎良彦 円虹 200201  
秋雨に消えて樹間の比枝姿 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202  
秋雨に朝はモノクロ微熱気味 尾上有紀子 船団 200202  
秋雨となる気配なく祝ぎ日和 稲畑廣太郎 ホトトギス 200210  
常臥しの父秋雨の香を言へり 中村房枝 六花 200210  
秋雨に浮かんで来たる海月かな 山尾玉藻 火星 200210  
秋雨や来ぬかも知れぬ人を待ち 尾崎恭子 雨月 200211  
絵葉書は秋雨に濡れて届きたる 宇田喜美栄 200212  
しんしんと秋雨を聴く果報かな 川崎洋吉 遠嶺 200212  
逝きませしよりの秋雨あきの風 窪田佳津子 雨月 200301  
秋雨や静かに刻を濡らしゆく 長山あや ホトトギス 200302  
秋雨の広場にひびくチヤペルの音 川口利夫 ホトトギス 200302  
秋雨やどこへ行くにも和服着て 吉田小幸 ホトトギス 200302  
秋雨や秋雨色の天守閣 丹後浪月 ホトトギス 200302  
秋雨も視界も動きはじめけり 丹後浪月 ホトトギス 200302  
秋雨に合はす仕事もありにけり 丹後浪月 ホトトギス 200302  
秋雨や外に小道具大道具 高田令子 200302  
深々と秋雨に沈む椅子ひとつ 矢野千佳子 京鹿子 200302  
秋雨ぽつりイルカ一回転す 中島陽華 200303  
秋雨や円月橋の石擬宝珠 朝妻力 雲の峰 200309  
秋雨にお歯黒獅子に初詣 安部里子 築地吟行 200310  
秋雨に合掌の屋根みなけぶる 手島靖一 馬醉木 200311  
秋雨やガラシャ婦人の欠け灯篭 中野薫 雲の峰 200311  
秋雨や曲真似叩く「ラベル」の扉 中田みなみ 200311 フランス
秋雨の中に驟雨のあまたたび 稲岡長 ホトトギス 200312  
秋雨の音なき音に目覚めけり 廣島啓子 雲の峰 200312  
耳塚の秋雨しげく流をつ 山田耕子 京鹿子 200401  
秋雨や体育大学静かなり 寺門武明 あを 200401  
秋雨や生命あがなふ脚一本 横山迪子 六花 200402  
秋雨や指しなやかな檻の猿 黒田咲子 200412  
秋雨や火伏の幣の薄湿り 山口トシ 酸漿 200412  
秋雨の小江戸にひびく時の鐘 阿部文子 酸漿 200412  
秋雨や今日は銭湯定休日 藤井美代子 帆船 200412  
秋雨や前も後ろも草千里 田尻勝子 六花 200412  
秋雨や臥せゐて思ふこと多く 二瓶洋子 六花 200501  
秋雨の瓦斯が飛びつく燐寸かな 中村汀女 200507  
秋雨や齟齬ともならず着陸す 稲畑汀子 ホトトギス 200509  
秋雨の予報旅路に縦いて来ず 稲畑汀子 ホトトギス 200509  
秋雨を楽しむ心少しあり 小黒加支 酸漿 200511  
支那そばと書いてあるゆゑ秋雨やどり 鈴木榮子 春燈 200512  
秋雨に強弱ありて今は強 倉持梨恵 200512  
秋雨の湖上に競ふ大花火 小林幸子 酸漿 200512  
秋雨の銀座に女占ひ師 鈴木照子 200601  
秋雨の波路きてまだ船心地 武藤縁 ぐろっけ 200601  
秋雨の桟橋あゆむ波路きて 武藤縁 ぐろっけ 200601  
秋雨に母の形見の傘さして 綿谷美那 雨月 200601  
秋雨や山の畑の土肥えて 射場智也 六花 200601  
秋雨去り緑いやます皇居かな 徳田正樹 河鹿 200602  
秋雨の街を練り行く踊り笠 三反田輝夫 河鹿 200602  
秋雨やカーペンターズ聴きながら 高安勝三 遠嶺 200602  
秋雨にぬれて冴えたる閣美し 山田耕子 京鹿子 200603  
東京にだけ秋雨といふ予報 稲畑汀子 ホトトギス 200610  
秋雨の寺苑あをあを竜の髭 阿部ひろし 酸漿 200611  
秋雨の窯元土の香薪の香 浜田南風 200612  
秋雨の滲む新聞飲酒事故 佐久間はるみ 200612  
天平の簷に秋雨やりすごす 狭川青史 馬醉木 200612  
世の中がまた変はる秋雨の川よ 丸山佳子 京鹿子 200612  
秋雨に鈍つてをりぬ拡声器 高田令子 200612  
秋雨や傘を一振りして入る 永田勇 六甲 200612  
秋雨の窓辺を被ふ百日紅 名取すみ子 酸漿 200701  
秋雨に煙る湯宿や道祖神 大須賀容子 遠嶺 200702  
榧の木に降る秋雨を見てをりぬ 野沢しの武 風土 200702  
秋雨や小走りにゆく絵画展 松下幸恵 六花 200705  
秋雨は眼に沁む雨や森を背に 林翔 200710  
提燈の中も秋雨降りをりぬ 佐藤喜孝 あを 200711  
恙なく終へ秋雨の帰路につく 小澤克己 遠嶺 200712  
秋雨に濡れ琅玗の輝けり 田中清子 遠嶺 200712  
秋雨も子の言ひ分も筋のあり 秋千晴 200801  
秋雨や指の数だけ爪を切る 竹下昌子 200801  
秋雨や窓に映りし顔白く 真保喜代子 200801  
秋雨やテレビ画面に波郷兄 林翔 200810 八月三十一日
秋雨を走りぬけるぞゴーカート 高野綸 200811  
秋雨の激して後は照りにけり 椿和枝 200811  
秋雨に岩波文庫読み耽る 能勢栄子 200812  
秋雨の音せぬ音を目に見たり 小野木雁 酸漿 200812  
秋雨の運動場を横切りぬ 十川たかし 200901  
秋雨の止みし樹々より栗鼠の群 久本久美子 春燈 200901 滞米
秋雨や糶まつ屋久の貯木場 河村泰子 ぐろっけ 200901  
再訪の屋久は秋雨夫婦杉 島純子 ぐろっけ 200901  
すつぽりと秋雨に入る家並かな きくちきみえ やぶれ傘 200901  
秋雨や休耕田に鷺並び 白石正躬 やぶれ傘 200901  
秋雨にひきて短かき七分袖 斎藤弘行 遠嶺 200902  
天地に淡き秋雨老い進む 高橋泰子 200911  
秋雨の音の幽かな夜の紅茶 國保八江 やぶれ傘 200911  
秋雨や所在なき身に妻の声 日山輝喜 200912  
読経悲し秋雨に煙る能登の海 日山輝喜 200912  
指折りて秋雨を待つ砂漠町 伊吹之博 京鹿子 200912  
秋雨に真面目な猫と大あくび 中谷仁美 船団 200912  
また今日も五分で許してしまう秋雨 中谷仁美 船団 200912  
秋雨に海坂のなき沖を舟 柴野静 201001  
秋雨に湖はけぶりて音もなし 小島三恵 酸漿 201001  
秋雨に引越の荷の濡れて着き 伊藤トキノ 201002  
地の渇き潤ふ秋雨旅恋し 相沢有理子 風土 201002  
秋雨の湖上に競ふ大花火 小林幸子 酸漿 200512  
厨にも秋雨の音傳ひくる 滝沢伊代次 万象 201008  
秋雨を得て長咲きの牽牛花 増田一代 201012  
秋雨や珈琲豆を挽くかをり 西岡啓子 春燈 201012  
秋雨や今はいのちを癒やすとき 泉田秋硯 201012  
秋雨に淀川の猛るといふことも 大橋晄 雨月 201012  
待ちわびし秋雨の音激しかり 島﨑久美子 酸漿 201012  
秋雨や蜂蜜色の羅馬市街 小林愛子 万象 201102  
秋雨の旧街道を迷ひ来し 山田佳乃 ホトトギス 201103  
秋雨に昼を灯して紅をさす 丹生をだまき 京鹿子 201112  
秋雨の秘めし音する淡海かな 本多俊子 201112  
電線の鳥秋雨に動かざり 蟻蜂 六花 201112  
ひとしきり秋雨太く降る益子 飯田ひでを 201201  
秋雨や楽譜に残るめくり跡 浅木ノヱ 春燈 201201  
秋雨のしきりに池の舫ひ船 國保八江 やぶれ傘 201202  
船頭の笠に秋雨ふりやまず 志方章子 蟋蟀 201203  
地蔵堂新た秋雨明るうす 赤座典子 あを 201211  
秋雨の水面にぎはし日がな降る 山本達人 かさね 201212  
力なき秋雨に濡れ柏崎 池内とほる かさね 201212  
秋雨中傘さして乗るたらひ舟 竹内悦子 201301  
秋雨に鳩の濡れ来てはたはたと 小川滋 やぶれ傘 201301  
秋雨や鏡に写るぬひぐるみ 小山陽子 やぶれ傘 201311  
秋雨に傘なく濡るる夜道かな 丸山酔酔子 かさね 201312  
秋雨の磴のぼり継ぎ二月堂 渡邉孝彦 やぶれ傘 201312  
秋雨やかがる糸選る手芸店 西岡啓子 春燈 201312  
秋雨や改札口にキムチの香 藤田素子 火星 201312  
秋雨を纏ひて鹿島詣でかな 仁平則子 201312  
秋雨に濡るるもよけれ「魔笛」果つ 荻野嘉代子 春燈 201401  
秋雨にけぶる臨海大洗 羽賀恭子 201401  
秋雨や駅の小箱の時刻表 太田佳代子 春燈 201401  
秋雨や句を展示する市民祭 中山静枝 201401  
秋雨のそぼ降る音に寝入りけり 枝みや子 やぶれ傘 201402  
秋雨の戸口の孫に笑美返す 神田惣介 京鹿子 201402  
御胸に秋雨流れ野の仏 植村よし子 雨月 201402  
秋雨の止めばすぐ田に人の出て 松田泰子 末黒野 201402  
笠置その秋雨に濡れ磨崖仏 難波篤直 201404 笠置山
静かさや秋雨づつみにさざれ石 布川直幸 201410 平成二十五年豪雨の鹿島神宮
秋雨や地をすれすれに舞ふ黄蝶 上原重一 201411  
秋雨や込み合ふ郷の診療所 武政礼子 雨月 201412  
秋雨に梲洗はれ蔵の街 小川玉泉 末黒野 201501  
秋雨の花壇を囲む煉瓦の朱 杉浦典子 火星 201501  
秋雨に手水の水の溢れけり 市川伊團次 六花 201501  
秋雨やかがる糸選る手芸店 西岡啓子 春燈 201503  
近づきし秋雨降りて雨降りて 稲畑汀子 ホトトギス 201508  
秋雨に鳴咽すまいぞ弟よ 山田六甲 六花 201509 母みさ女死去8月29日午後四時十五分
秋雨のかくもひんがし襲ふとは 大橋晄 雨月 201511  
セルビアに来ても秋雨降りやまず 松村光典 やぶれ傘 201512  
秋雨やつながれてゐる寺の犬 高野春子 京鹿子 201512  
秋雨や小児科医院廃業す 吉村摂護 201512  
秋雨や大清の獅子物悲し 王岩 あを 201511  
秋雨に負けず国会デモの群 吉野夢宙 201512  
秋雨や傘と竹刀の二刀流 松村光典 やぶれ傘 201602  
秋雨の一人に余す男傘 押田裕見子 201602  
秋雨に迷ひ因幡のそばすする 山田六甲 六花 201610  
秋雨にしかと根付けり御柱 杉本光 201611  
秋雨の豪雨となりぬこの三日 大坪景章 万象 201611  
秋雨の瓦濡らして過ぎゆけり 出口誠 六花 201612  
秋雨や身の内どこか淋しくて 佐藤三男 万象 201612  
秋雨や肩叩かれる渋谷駅 竪山道助 風土 201701  
秋雨や枯山水の石光る 長谷川はるみ 万象 201701  
秋雨に須磨の汀の昂り来 善野烺 六花 201702  
秋雨来て包丁を研ぐたっぷりと 川添光代 船団 201707  
秋雨も茶室彩るものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201710  
秋雨して七光年はどのあたり 山田六甲 六花 201710 66兆2200億キロ
秋雨のやうやく止みて闇潤む 岡崎春菜 万象 201712  
秋雨の始発電車に赤子ゐて 上谷昌憲 201712  
秋雨に落ちついてをり瓦屋根 出口誠 六花 201801  
秋雨の軒に生飯台万福寺 吉田万喜子 雨月 201801  
秋雨や滴る波紋風見えて 市川村欽子 雨月 201801  
秋雨に軽く駆け出す麒麟の子 中嶋陽子 風土 201801  
外湯へと秋雨少し来てゐたり 安藤久美子 やぶれ傘 201710  
秋雨や丁寧に拭くヨガマット 小山陽子 やぶれ傘 201711  
秋雨に乳房重たき野犬かな 赤松有馬守破天龍正義 六花 201712  
秋雨にけぶる初島伊豆は晴れ 松村光典 やぶれ傘 201712  
秋雨にうたるるもよし露天の湯 松村光典 やぶれ傘 201712  
秋雨に皇居の緑より深く 枝みや子 やぶれ傘 201712  
秋雨の庭に鳥来る晴るるらし 奥田温子 やぶれ傘 201712  
秋雨や木馬は瞳潤ませて 斉藤マキ子 末黒野 201802  
秋雨の降りみ降らずみ句会へと 大橋晄 雨月 201802  
秋雨に汽笛くぐもり出航す 高濱朋子 ホトトギス 201803  
秋雨に摘むラベンダーしばし手に 岩井京子 201802  
秋雨の砂に染みゆく早さかな 高倉和子 201803  
秋雨前線自由席はどこですか 東英幸 船団 201806  
秋雨や芭蕉史跡に石一つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809  

2018年10月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。