春の雨 5     82句

少年のかくれ莨よ春の雨   中村汀女   汀女句集

雨の季語  お降り 春の雨  春雨 春霖 春時雨 夏の雨

五月雨 さみだれ  菜種梅雨 半夏雨  夕立

喜雨 虎が雨 秋の雨 秋雨 秋時雨 秋霖

冬の雨 初時雨 時雨  青時雨  青葉時雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春の雨連れ来し如く上京す 稲畑汀子 ホトトギス 201602
計画はふたたび三たび春の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201603
やうやくに木々をうるほす春の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201603
今し方光ありしを春の雨 秋川泉 あを 201604
春の雨濡れて行かふは昔々 七郎衛門吉保 あを 201604
辞めるより別れ淋しき春の雨 根岸善行 風土 201605
立春の雨だれの音やはらかし 佐藤三男 万象 201605
春の雨ふるとしもなくふりにけり 山内四郎 春燈 201605
家つつむ音してきたり春の雨 白石正躬 やぶれ傘 201605
川沿ひはうすみどり色春の雨 白石正躬 やぶれ傘 201605
せつせつと草木潤す春の雨 蒲田豊彦 雨月 201605
良き音の柱時計や春の雨 山田佳子 201606
春の雨ショパンに溺るる刻もよし 大橋伊佐子 末黒野 201606
青銅の鯱の大鴟尾春の雨 福田禎子 末黒野 201606
濡れる石濡れざる石や春の雨 山本素竹 ホトトギス 201607
惜春の雨透きとほる中有かな 三宅文子 春燈 201607
昨夜の火の匂ひを沈め春の雨 山田佳乃 ホトトギス 201608
揶揄さるるかに狐の嫁入り春の雨 東野鈴子 雨月 201608
我が街はみんなおぼろや春の雨 井上石動 あを 201704
チャイム鳴るもう降り出して春の雨 安藤久美子 やぶれ傘 201705
町並に潤ひ戻る春の雨 片岡良子 雨月 201706
尼寺の釜のたぎりや春の雨 吉田きみえ 末黒野 201706
春の雨深夜に及ぶ物思ひ 亀卦川菊枝 末黒野 201706
田の神の目覚め促す春の雨 及川照子 末黒野 201706
露座仏の衣緩やか春の雨 早川八重子 末黒野 201707
春の雨白く満ちをり日曜日 高田令子 201707
春の雨秘佛開扉の夢殿に 数長藤代 201707
看取りにも終る日のあり春の雨 北村梢 京鹿子 201801
結局は帰路に及びぬ春の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201802
切株の年輪著き春の雨 荒井ハルエ 春燈 201803
たたなづく山を煙らせ春の雨 磯貝尚孝 清閑 201804
やさしげに降つて冷たき春の雨 高橋将夫 201805
山裾に張り付く家並春の雨 安斎久英 末黒野 201805
軒のなき数メートルを春の雨 小山陽子 やぶれ傘 201806
話にもならぬ過労や春の雨 眞田忠雄 やぶれ傘 201806
境内の土俵にシート春の雨 篠崎志津子 やぶれ傘 201806
春の雨夜の献立決めてをり 石森理和 あを 201805
二階より手を出してみる春の雨 溝渕弘志 六花 201807
名優の面影偲ぶ春の雨 竹村淳 201808
整へし畝にたつぷり春の雨 高倉和子 201808
春の雨マントルピースに本伏せて 中居由美 船団 201809
春の雨黒板塀の艶めける 都築繁子 201902
春の雨止みさうに止みさうに止む 稲畑汀子 ホトトギス 201903
立春の雨粒あまし土鳩鳴く 石田阿畏子 馬醉木 201904
世を憂ふ後醍醐帝か春の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 201904
覚悟してゐしが悲しき春の雨 稲畑汀子 ホトトギス 201904
回送の続くバス停春の雨 大霜朔朗 末黒野 201904
春の雨ぬれ煎餅の舌ざはり 大日向幸江 あを 201904
酒蔵の娘に見送らる春の雨 延川五十昭 六花 201905
山頭火句碑に夕べの春の雨 増成栗人 201905
熱き茶を飲みほつほつと春の雨 坂入喜代枝 201905
茅葺に春の雨降る記念館 福岡かがり 雨月 201905
春の雨をはらはぬうちの薄日差 赤座典子 あを 201905
露座仏のなで肩光る春の雨 市村明代 馬醉木 201906
広重の線とも違ふ春の雨 森岡正作 201906
春の雨あべのハルカスにょきりにょきり おーたえつこ 201906
覚め初むるものにやさしく春の雨 石黒興平 末黒野 201906
本を読む刻は忘我や春の雨 及川照子 末黒野 201906
コンビニの中にポストや春の雨 山田暢子 風土 201907
春の雨スープにパンを浸しゐる きくちきみえ やぶれ傘 201907
涸れ井戸に釣瓶遺るや春の雨 大霜朔朗 末黒野 201908
春の雨仮設足場に猫の居て 石塚清文 やぶれ傘 201908
春の雨例に読み入る古語辞典 青木朋子 201909
春の雨上がり父待つ天上へ 三宅久美子 ホトトギス 201909
島日和昨日は遠し春の雨 稲畑汀子 ホトトギス 202002
春の雨しのび入りたる鐘撞堂 佐藤恭子 あを 202004
リクルートスーツ重たし春の雨 大日向幸江 あを 202004
瞑想の午睡に変はる春の雨 杉本薬王子 風土 202004
立春の雨はやさしき恋の水 杉本薬王子 風土 202004
からかさは紙の音立て春の雨 市村健夫 馬醉木 202005
春の雨にレゴとぬり絵とプラレール 赤座典子 あを 202005
うっすらと地をながれゆく春の雨 佐藤喜孝 あを 202005
捨て鉢を濡らしてゐたる春の雨 きくちきみえ やぶれ傘 202005
花街もしずもるそやの春の雨 根來隆元 202006
閑さや畑土濡らし春の雨 森なほ子 あを 202006
青銅の馬に涙の春の雨 廣畑育子 六花 202006
御陵の実生のくぬぎ春の雨 増成栗人 202006
花切手並べ留守居の春の雨 本郷公子 京鹿子 202006
廃線の残る城跡春の雨 小林和子 202006
さしかけて丈の差仰ぐ春の雨 治部少輔 202006
春の雨塔頭つなぐ石畳 橋添やよひ 風土 202006
木屋町の図書館のカフェ春の雨 風土 風土 202006
春の雨 →1

 

2021年3月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。