花 曇 1       98句

ゆで玉子むけばかがやく花曇    中村汀女

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ

花守  花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ

花屑・花の屑  花篝  初桜  花筵  花衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
手で量る物の重さや花曇り 能城檀 船団 199811
花曇ナイルのカバの涙かな 能勢京子 船団 199811
花曇り賞味期限の今日の肉 菊池和子 京鹿子 199901
道化師のまるき赤鼻花ぐもり 三輪温子 雨月 199901
異人館のテーブルO脚花曇 今城知子 船団 199902
昼席の跳ねし太鼓や花曇 水原春郎 馬醉木 199904
白足袋に染みし鼻緒や花ぐもり 能村登四郎 199905
先師の家へ御無沙汰長し花曇 松崎鉄之介 199905
花曇バス降りし人駅へ行き 宮津昭彦 199905
球場に昼の喚声花曇 松宮幹彦 俳句通信 199905
花曇り少し焦げさす玉子焼 木村てる代 俳句通信 199905
花曇り静かに刻の過ぎゆけり 桑垣信子 いろり 199906
関跡の小径をたどる花ぐもり 屋代弧月 遠嶺 199907
鯉跳ねし後の静寂や花ぐもり 川端和子 遠嶺 199907
子のつむじの不思議に見入る花曇 柳生正名 海程 199907
軒で鳴く番ひの雀花曇 赤池貴のえ 春耕 199907
花曇り片っぽ残すパンの耳 黒田さつき 船団 199908
花ぐもり肉屋がコロッケ揚げ始め 小倉喜郎 船団 199909
新聞に活け魚くるみ花曇り 佐々木峻 船団 199909
気休めにひもどく一書花曇 宇田喜代子 200000
暗闇を蠢くわがまま花曇り 尾上有紀子 わがまま 200002
爪脆くなりしと思ふ花曇 夏秋明子 ヒッポ千番地 200003
花曇り黙って遺書を手渡され わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
気紛れな吉野の空や花曇 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
花曇吉野の景は百態に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
花曇如意輪寺より解け初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
花曇り小さき肺のレントゲン 松木知子 ヒッポ千番地 200004
どこが宮どこから寺領花曇 朝妻力 俳句通信 200004
カバはおばさんサイはおじさん花曇 三宅やよい 玩具帳 200004
螺髮すぐ糞の化粧や花曇 中原道夫 銀化 200005
花曇り明日の天気を願ひつつ 熊谷みどり いろり 200005
ポケットの『阿Q正伝』花曇 塩見恵介 虹の種 200005
味噌パンをかじつてゐたり花曇 阿部紀子 俳句通信 200005
花ぐもり西郷像に入日射す 長屋せい子 馬醉木 200006
針山に糸のたなびく花ぐもり 甲州千草 200006
花曇りやけにかさばるスナック菓子 木戸渥子 京鹿子 200006
花曇り待ちくたぶれてしまいたり 篠田三七子 いろり 200006
身ほとりに病む友増ゆる花ぐもり 山本潤子 いろり 200006
コーヒーの香に人を待つ花曇 小島美智子 風土 200007
眉剃つて眉描きけり花曇 飯塚ゑ子 火星 200007
鈴の音の近づいて來る花曇 小山森生 200007
油地蔵の目鼻を探す花曇 阪上多恵子 雨月 200007
千駄ヶ谷四ツ谷市ヶ谷花曇 曽根久順 200007
啄木鳥の木を掘る音や花曇 桑久保奈美子 酸漿 200007
唇触れてちぢむ綿飴花曇り 田口俊子 200007
伊那谷の老子に逢へず余花曇 旦昭三 俳句通信 200008
花曇天を指したる平和像 佐渡美佐子 ヒッポ千番地 200008
ちぎり繪の湖の波立つ花曇 安原ときこ 遠嶺 200009
たんねんに歩く巻尺花曇り 南村健治 船団 200011
花曇別れを惜む心とも 稲畑汀子 ホトトギス 200104
花曇きらめき失せて目黒川 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
先行車初心者マーク花曇 大久保白村 円虹 200104
花ぐもり血の精製を思ひつく 中原道夫 銀化 200104
地下足袋にこはぜ仰山花ぐもり 夏秋明子 火星 200105
血圧の高きを忘れ花曇り 保坂加津夫 いろり 200106
貧血は血圧の視野花ぐもり 保坂加津夫 いろり 200106
濡縁に置く背負籠や花曇 柴原保佳 円虹 200106
花曇り干烏賊は足余しをり 中根美保 風土 200106
花曇大川逆に流れをり 加藤みき 200106
花曇公園の椅子ふさがれる 富田志げ子 酸漿 200106
愁ふなと雉鳩が鳴く花曇 和田祥子 馬酔木 200107
花曇幹に凭れて眠りをり 福本めぐみ 円虹 200107
蔓折れの芙美子の眼鏡花ぐもり 井上菜摘子 京鹿子 200107
双塔の駅舎遠目に花曇 鵜飼紫生 雨月 200109
花曇少し寝不足してをりぬ 塩出眞一 ぐろっけ 200109
舌先がじんじんとして花曇 やのかよこ 船団 200110
花ぐもり吉野はいまだ素顔かな 中田敏子 船団 200201
はらわたを晒したき日や花曇 朱間繭生 銀化 200204
花ぐもり吉祥天は慈悲深き 齋藤幸子 酸漿 200204
蛤が舌出す不安花曇 栢森定男 あを 200204
マカロニに箸添へてあり花曇 中村房枝 六花 200204
湯のたぎる音待ちてをり花曇 西山美枝子 酸漿 200205
おん胸は霽れて在すや花曇 高沢昌江 ぐろっけ 200205
師の筆を真似し文来て花ぐもり 大塚邑紅 200206
聞き役にをれば安けし花曇 湯橋喜美 200206
耳塚に小さき折り鶴花曇 大柳篤子 雲の峰 200206
花曇天守に群るる鳩鴉 堀田知永 雲の峰 200206
いなりずし膝にひろげて花曇 及川澄江 風土 200206
船頭の荒息聞こゆ花曇 江原正子 春耕 200206
花曇箸でほぐしてしまひけり 暮岸江 銀化 200206
温室に人影動く花ぐもり 小島みつ代 200206
文鎮に鉄のつめたさ花ぐもり 山口速 200207
塩ふつて魚の目にごる花曇 平野静 京鹿子 200207
伸びやかにテニスの打音花曇 玉川悠 遠嶺 200207
喪の帯の緩んできたり花ぐもり 大東由美子 火星 200207
職を得てよりの不遇や花曇 田村はじめ 銀化 200207
花曇大川逆に流れをり 加藤みき 200207
大仏の瞼あたりの花曇り 岩月優美子 200207
ドロップスの音缶底に花曇 藏本博美 ぐろっけ 200207
返信をポストに落とす花曇 中島みどり 帆船 200208
花曇細き指立つ思惟ぼとけ 小川文子 京鹿子 200208
珈琲にたっぷりミルク花ぐもり 宮原みさを 花月亭 200208
息かけて実印捺せり花曇 梅村達子 帆船 200301
花曇ともいへさうに咲き初むる 稲畑汀子 ホトトギス 200303
致死量の農薬溶かす花曇 本宮哲郎 百鳥 200304
花曇駅過ぎるたびうとうとと 三澤福泉 雲の峰 200305
花曇軍靴が胸を踏みにじる 田中藤穂 あを 200305
猫だけが住んでゐる町花ぐもり 小澤克己 春の庵 200305
花曇 2      

2021年4月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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