32     100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花の昼加賀の老舗に「あめ」のれん 田下宮子 201006
花の庭犬と主を待ちにけり 空音 六花 201006
花の舞ひ古都に優しき嘘ひとつ 小田明美 春燈 201006
花の風車に入れつ走りけり 三村武子 酸漿 201006
花の夜のボタンの穴の疲れをり 服部郁史 京鹿子 201006
花の翳一枝のことに水鏡 上田義子 201006
花は満開安達太良山は雪残し 鈴木多枝子 あを 201006
花びらの己の重さより散りぬ 空音 六花 201006
花ふぶき百万石といふ一陣 豊田都峰 京鹿子 201006
花ふぶく吾に天寿をいましばし 中尾杏子 201006
花も見ずほんと必死で働きし 泉田秋硯 201006
花を見し後の冥さや女人堂 鈴木照子 201006
花を詩に指しなやかに人を待つ 服部郁史 京鹿子 201006
花を尋ねて西行の日なりけり 奥山絢子 風土 201006
花咲いて全山動く構へかな 松嶋一洋 201006
花咲くををちこちを見る農夫かな 三浦カヨ子 酸漿 201006
花咲けり将軍手植月桂樹 阿部ひろし 酸漿 201006
花時のをとこ料理へ杖の母 石田きよし 201006
花時の散骨のぞむ友遠し 鈴木阿久 201006
花前線ひたひた磁石針揺るる 千田百里 201006
花添へて絵心こもる和菓子かな 池部久子 酸漿 201006
花万朶生前葬などしてみたき 須山登 201006
花万朶百万石を盗りし槍 豊田都峰 京鹿子 201006
花未だ蕾も固し荻窪辺 松木清川 ぐろっけ 201006
花明りいのち明りと思ひけり 松本圭司 201006
花明りジャンパースカート嬰に似合ひ 大松一枝 201006
画家一人花の宴をよそに見て 加藤北天 雨月 201006
開店の報せのビラを花の下 小山紫乃布 末黒野 201006
看取る身に老いさりげなし花の昼 窪田粧子 馬醉木 201006
忌の膳に一片の花今し散る 篠原幸子 春燈 201006
急ぐ世を椅子にまどろむ花の昼 吉沢陽子 201006
虚空より花のひとひら汝が魂か 中尾杏子 201006
空海の手馴れの佛具花明り 狭川青史 馬醉木 201006
見納めの花とのたまふ白寿翁 浅井清香 201006
黒谷に砦の世あり花かすみ 久保田雪枝 雨月 201006
今生の限りの花や娘と仰ぎ 高橋照子 雨月 201006
咲き登る花を追ひけり吉野山 小滝奈津江 酸漿 201006
作務僧と会釈を交す花の寺 三浦百合子 201006
散る花の飛天となりて神楽殿 近藤きくえ 201006
散る花や水子地蔵の赤帽子 小滝奈津江 酸漿 201006
散る花を帽子の中へ受けにけり 鈴木多枝子 あを 201006
産土神の花満ち満ちし荘厳さ 小澤菜美 201006
初花にたつきの音をひかへけり 鷹崎由未子 春燈 201006
一景に松を添へたる花の山 加藤北天 雨月 201006
初花の便りの後の嵐かな 山本無蓋 201006
初花や高からずして吉野門 田中佐知子 風土 201006
初花や野仏在せば手を合はす 鷹崎由未子 春燈 201006
初花を彼の世の母の便りとも 鷹崎由未子 春燈 201006
蕉翁の歩きし道も花咲けり 松嶋一洋 201006
蕉翁よ花よと巡りちと老いぬ 千田百里 201006
杖先に渦巻寄れり花の風 鈴木多枝子 あをかき 201006
真間の井へ飛石伝ふ花の昼 宮内とし子 201006
人とゐて話すことなき花の昼 小山紫乃布 末黒野 201006
人の世話やくが楽しき花笑ふ 鷹崎由未子 春燈 201006
図書館の道を聞かれて花の風 鈴木多枝子 あを柳 201006
酔ふほどに花も忘るる宴かな 川出浩之 201006
地図の上指で歩いて花の道 鈴木多枝子 あを柳 201006
池の辺を花よ花よと巡りけり 大島みよし 201006
鳥たちが花よ花よと戯るる 坂根宏子 201006
天上の花の茶会に招かれて 神蔵器 風土 201006
鈍行の旅も楽しき花の頃 三浦百合子 201006
熱気球花の岸辺に影落し 池部久子 酸漿 201006
念珠よりさくらの花のこぼれけり 神蔵器 風土 201006
俳諧に花の生涯惜しみなく 桑田永子 ホトトギス 201006
武家屋敷式台に散る花ひとひら 豊田都峰 京鹿子 201006
風に乗り散り行く花の天の舞 岡田麻枝 酸漿 201006
風姿花伝花の鼓動の中にゐる 大島翠木 201006
風吹くな吹かねど花は散るものぞ 浅井清香 201006
法要や花は去年と変らざり 西田史郎 201006
満開の花に照り映ゆ磨崖佛 三浦百合子 201006
夜の花賽銭弾む音のして 飯田ひでを 201006
立てばすぐ花びら占むる午后の席 甲州千草 201006
旅すれば美し日の本花絵巻 和田森早苗 201006
冷たい日あたたかい日と花を追ふ 鎌倉喜久恵 あを 201006
藁納豆買うて花の下を行く 仁平則子 201006
花が散る花に追はれてゐるごとく 野口風子 201006
花の屑けふはいっぱい遊んだね 篠田純子 あを 201006
花の山古刹の塔の見え隠れ 伊東和子 201006
花過ぎの海の疾風をまのあたり 遠藤真砂明 201006
花過ぎの湯をすすりゐる黙の午後 小田明美 春燈 201006
花散って四年の月日流れけり 間宮澄 201006
散る花のまぶしき朝となりにけり 野口風子 201006
吊橋の灯れるあたり花の山 青木陽子 酸漿 201006
天に鳶地に花影のありにけり 前原早智子 春燈 201006
北京語の会話行き交ふ花の園 加藤北天 雨月 201006
木屋町の花影にあり茶房の灯 横田矩子 201006
友偲ぶ西行庵の花影に 笠井清佑 201006
あの世まで花追ひかけて逝きにけり 柴田久子 風土 201007
ぼんぼりの今日より灯る花の山 西出俊子 酸漿 201007
ランナーも暫し花人お堀端 三村紀子 万象 201007
たれかれと溶け合うてをる花の下 冨松寛子 201007
ひとひらの花にゆるびし掌 笹村政子 六花 201007
ひとひらの名残の花の散りにけり 奥山絢子 風土 201007
もろびとへ一目散に花ふぶく 風間史子 201007
ゆくりなく花の吉野の坊泊り 博多永楽 雨月 201007
ゆで卵五六個広げ花の下 三村紀子 万象 201007
ライオンの仮面で眠る花の下 陶山泰子 ぐろっけ 201007
一灯を献じて花の闇を緊む 藤岡紫水 京鹿子 201007
一本の花のしたかげ兵の塚 塩見治郎 雨月 201007
雨音や花はさかりを過ぎたれば 菊谷潔 六花 201007
雨上る西行墳へ花の道 中村洋子 風土 201007
往き交ひし軍靴の響き花万朶 有田蟻太 201007
黄昏に花を巡りて花由来 坂根宏子 201007
下町を都電の行けり花の風 川島澄子 酸漿 201007
加速して花の散りくる肩鞄 高橋道子 201007
花 →33

 

2023年3月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2023年3月12日