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人と犬引張りあへる花の昼    佐久間純子

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ

花屑・花の屑  花篝  初桜  花筵  花衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
悌を又引き寄せて花朧 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
来年をもう予約して花を発つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
花びらをかはして豆腐掬はるる 千田百里 巴里発 199911
花夕べ堅田蜆といふ貰ふ 能村登四郎 芒種 199911
花に花重ねし贅の中にをり 能村登四郎 芒種 199911
花あまた見し夜の瞼熱もてり 能村登四郎 芒種 199911
花充ちて祝ぎの刻まつ句碑しづか 能村登四郎 芒種 199911
花時の石鼎旧居竈冷ゆ 能村登四郎 芒種 199911
花すべて散りたる後の熟睡かな 能村登四郎 芒種 199911
キャンパスにリヤカー二台花の風 小枝恵美子 ポケット 199911
鯉の名に憲一・幸子花終わる 朝日彩湖 船団 199912
花便聞くは故郷より早く 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
シューマンにクライスラーに花に会ひ 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
地下鉄の出口は花の入口に 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
花埃払ひ忽ち主婦となる 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
花偲び人を偲びてこそ吉野 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
白靴の爪先立ちて花を盗る 川島ひとみ 船団 199912
言い訳をしていて花に遅れたる 星野早苗 船団 199912
仄々とまた寥々と花満てり 佐藤国夫 馬醉木 200001
はかられぬ花の予測といひながら 稲畑汀子 ホトトギス 200001
み吉野の待たるる峡の花便 稲畑汀子 ホトトギス 200001
はや心吉野の花に溺れゐし 稲畑汀子 ホトトギス 200001
花裏やなべてをうつす水の性 峯尾文世 銀化 200001
花旺ん無期限切符手に入れむ 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
結末は急がず花の予約席 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
花の頃訪ひたき句碑の披かるる 稲畑汀子 ホトトギス 200002
まだ遠き花の消息聞かまほし 稲畑汀子 ホトトギス 200002
花襖幾重の奥の昏さかな 雨宮照代 風土 200002
花の寺寂と写経の一座敷 田中藤穂 水瓶座 200002
満山の莟をみたる花の旅 田中藤穂 水瓶座 200002
留学生より母の日の花もらふ 田中藤穂 水瓶座 200002
花の夜の無言電話は黄泉よりか 田中藤穂 水瓶座 200002
シャンシャンと馬車の鈴の音花の土手 田中藤穂 水瓶座 200002
膝掛の百花を抱いて個展守 鷹羽狩行 200002
花ざかり動物園に迷い込み 星野早苗 空のさえずる 200002
猛獣は時々起きる花の昼 星野早苗 空のさえずる 200002
鮮血が一雨に咲く花の宵 尾上有紀子 わがまま 200002
咲き初めし花の心を問ふことも 稲畑汀子 ホトトギス 200003
み吉野の花の遅速のはかられぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200003
早咲きの花に吉野を恋ふことも 稲畑汀子 ホトトギス 200003
薄墨の花の気配を置きそめし 稲畑汀子 ホトトギス 200003
刻々の花の命と仰ぐ日よ 稲畑汀子 ホトトギス 200003
花咲かす陽気気まぐれなりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200003
花の夜寂しさばかりつもる窓 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
いちまいの闇を脱ぎ捨て花の夜 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
深呼吸花真っ盛りの肺の色 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
母上よ御酒を召しませ花月夜 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
花びらの揺らぎにも似て未来 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
やわらかに腕に抱えし花心 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
置床の花ととのへる六日過ぎ 小田悦子 雲の峰 200003
どの旅も花の遅速をいひ乍ら 稲畑汀子 ホトトギス 200004
これよりは花の旅路となりぬべし 稲畑汀子 ホトトギス 200004
花の道抜けて来しことあきらかに 稲畑汀子 ホトトギス 200004
み吉野の花に魁けをりし旅 稲畑汀子 ホトトギス 200004
みよし野の花へ心をつなぐ旅 稲畑汀子 ホトトギス 200004
早々と乗り込む花の屋形船 稲畑汀子 ホトトギス 200004
花を見ぬうちの乾杯屋形船 稲畑汀子 ホトトギス 200004
変幻は花に降るとて晴るゝとて 稲畑汀子 ホトトギス 200004
み吉野の風禍をなげき花をめで 稲畑汀子 ホトトギス 200004
返す歩の花に呼ばれて又のぼる 稲畑汀子 ホトトギス 200004
花の旅吉野の狐嫁入す 稲畑汀子 ホトトギス 200004
み吉野の花を鎮めて夜の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200004
天候はあるがままなり花の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200004
話したく秘めておきたく花の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200004
降らるるを風情と見るも花吉野 稲畑汀子 ホトトギス 200004
雨一日花の記憶の遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 200004
ここで又別るる帰路や花の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200004
み吉野の花に曇るも降らるるも 稲畑汀子 ホトトギス 200004
思ひ出をつなぎ吉野の花に又 稲畑廣太郎 ホトトギス 200004
花どきのゆるがせならぬ一忌日 松尾緑富 ホトトギス 200004
深吉野の花の斑つけしランドセル 松本恭昂 火星 200004
交際を迫るがごとき花電車 中村安伸 海程 200004
花まつさかり一対の鯛の鯛 岡井省二 200004
花まつさかり白象の肌かな 岡井省二 200004
ひともとの花盛りなる神の杜 武岡東西 俳句通信 200004
太鼓楼くぐれば花の比翼塚 辻井桂子 俳句通信 200004
花の昼仕事ある顔にて歩く 朝妻力 俳句通信 200004
まだ濡れてゐる牛の子に花の風 朝妻力 俳句通信 200004
濡れ鼻に花びらぺタリ犬走る 三宅やよい 玩具帳 200004
法螺貝の音がけなるい花の山 岡井省三 200005
花の駅座席の掃除すぐ終る 岡本高明 200005
身ほとりの亢りあれど花固し 鈴鹿仁 京鹿子 200005
隠れんぼ見つけし鬼が花に泣く 宇都宮滴水 京鹿子 200005
わずかなる狂気が花を散らしけり 宇都宮滴水 京鹿子 200005
わが庭にいづこの花か降る日なり 阿部ひろし 酸漿 200005
鳥のように花食んでみる達治の忌 三神あすか ヒッポ千番地 200005
小面や花は真夜にも吹雪かんと 中塚龍之介 銀化 200005
見ても見ぬふりして通る花の夜 保坂加津夫 いろり 200005
花の下一緒に笑ふ遠い耳 保坂加津夫 いろり 200005
花終る無能なをとこ穴掘って 保坂加津夫 いろり 200005
花三分祝う第二の人生を 小川花久 いろり 200005
強がりは口先ばかり花の夜 大平保子 いろり 200005
満開の花のかげりを見届けて 山本潤子 いろり 200005
若者はくちづけ上手花の園 熊谷みどり いろり 200005
軍医病み黙して笑みぬ花咲けば 久保田一豊 いろり 200005
花散る中一つ歳とる港町 塩見恵介 虹の種 200005
花 4→      

 

2021年3月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

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