23      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
シナモンティー花の一日を持て余し 高田令子 200706
花の下いつも遅れる人を待ち 飛鳥由紀 200706
花の山ホットケーキの宙を舞ひ 飛鳥由紀 200706
誰がために花盗人となりてゐし 岩木茂 風土 200706
里びとの花いとほしむ弘川寺 代田青鳥 風土 200706
黒潮の怒濤や島の花盛り 宮崎見昭 遠嶺 200706
どの道も海の見ゆるや花遍路 大西淘子 遠嶺 200706
太閤の数寄屋も荒れて花の雨 大井邦子 ぐろっけ 200706
花散るやお伊勢詣での化粧坂 松崎鉄之介 200706
花のかげ花を啄む鳥隠れ 宮津昭彦 200706
花待つに天気予報のはづれ勝ち 清水淑子 200706
花待つに国家試験の合格報 清水淑子 200706
白味噌のうどんを食うべ花遍路 丸山照子 火星 200706
焦げ深き仏身坐せり花の雨 山田美恵子 火星 200706
紅き桶運ぶ自転車花ぐもり 山田美恵子 火星 200706
馬車まはし一巡したり花の雨 岡和絵 火星 200706
松花堂の塀の内より芽吹きたる 村上留美子 火星 200706
のどぐろの喉に包丁花ぐもり 渡邊美保 火星 200706
占ひを立ち読みしをり花の雨 藤田素子 火星 200706

 寺島順子を悼みて

お別れの後や先なり花ふぶく

大橋敦子 雨月 200706
花咲けば花をよすがの余生かな 水野節子 雨月 200706
花散るや長子の声の夫に似て 樺山翠 雨月 200706
花なれば京へ吉野へ旅重ね 熊岡俊子 雨月 200706
下千本花の坩堝となる駅舎 熊岡俊子 雨月 200706
深沈と散りくる花や如意輪寺 熊岡俊子 雨月 200706
蔵王権現万朶の花に厨子ひらき 熊岡俊子 雨月 200706
片時も放せぬ薬花ぐもり 足立典子 雨月 200706
播州の山まろまろと花うたげ 豊田都峰 京鹿子 200706
播州は玉晴として花山河 豊田都峰 京鹿子 200706
花しだれしだれてあまりばかりなる 豊田都峰 京鹿子 200706
花散らしいま遠国へ発ちゆけり 豊田都峰 京鹿子 200706
花ふぶきあびたちまちに遠ざかる 豊田都峰 京鹿子 200706
名にし負ふ幸は花神の掌にゆだね 奥村鷹尾 京鹿子 200706
牛という眠りの塊花曇 貝森光洋 六花 200706
花の寺今鳴る鐘は会者定離 横山迪子 六花 200706
客待のクレープ屋台花の下 森山のりこ あを 200706
SLのもくもくもくと花の昼 須賀敏子 あを 200706
久能山千百段に花ふぶき 須賀敏子 あを 200706
鴉らも恋をしてゐる花の空 鈴木多枝子 あを 200706
真砂女逝き安房鴨川の花ぐもり 鈴木多枝子 あを 200706
新しき靴履いてきし花の客 田中藤穂 あを 200706
新聞を広げたままで花の昼 須賀敏子 あを 200706
末広亭一番太鼓花ちるや 堀内一郎 あを 200706
内股に亡母来る九段花ざかり 中田みなみ 200706
お干菓子で荼毘の順待つ花の雨 荒井千佐代 200706
加護祈る人溢れけり花の寺 野畑小百合 200706
花を待つ雨の一夜の深眠り 坪井洋子 200706
蛇籠あみ花の堤のはづれなる 瀧春一 200706
花ちるやたゞにゆきゝのしげき道 瀧春一 200706
途々の暮春の花を憶へけり 瀧春一 200706
窓を入るのこんのさむさ花の雨 瀧春一 200706
高槻の芽ぐむけしきに花曇 瀧春一 200706
花追ひの旅津軽にて折返す 泉田秋硯 200707
還暦を過ぎし教へ子花に集ふ 松村富子 200707
ネクタイを鉢巻に変へ花の酔 峰尾秀之 200707
このときに死にたきものよ花万朶 宮入河童 200707
乙女座の九州男子花の下 苑田ひろまさ 200707
還暦も通過点なり花に佇つ 藤本章子 200707
花一週遅れさせたる春の冷え 増田善昭 ホトトギス 200707
花霞磴百段をゆるゆると 佐々木新 春燈 200707
あちこちに花咲き一人言増えて 伊吹之博 京鹿子 200707
あるなしの風にも聡く花の散る 北村香朗 京鹿子 200707
花山へ直登といふ鎖かな 和田照海 京鹿子 200707
島の上に島を重ねて花の山 和田照海 京鹿子 200707
配送車万朶の花の中駆ける 伊藤希眸 京鹿子 200707
やんはりとしつぺ返しの花曇 松田都青 京鹿子 200707
古稀と言ふ若き頃あり花遍路 松田都青 京鹿子 200707
佐保軈て花の瀬となる寺域経て 奥村鷹尾 京鹿子 200707
通院の往還花の佐保路とし 奥村鷹尾 京鹿子 200707
花の上弘前城の天守閣 佐藤三男 万象 200707
津軽三味叩けば花の散り急ぐ 佐藤三男 万象 200707
どこからも白山見ゆる花の昼 佐藤三男 万象 200707
マジシャンの明日も鳩だす花曇 米山喜久子 200707
花の昼コットン水車の音冷える 鴨下昭 200707
脱衣籠花の疲れのものあふれ 城孝子 火星 200707
花どきの水着絞つてをりにけり 米澤光子 火星 200707
犀の背の泥乾びゐる花の下 渡邉美保 火星 200707
持ち上げし薬罐からつぽ花の昼 岩井ひろこ 火星 200707
大天狗置かれありけり花の雨 石脇みはる 200707
絃切れの琵琶なほ弾じ花の山 中島陽華 200707
恐竜の化石出でたり花の山 雨村敏子 200707
幻日や花にかの世のありにける 雨村敏子 200707
花ふぶき鬼の玉梓かもしれず 天野きく江 200707
花満開雲中供養菩薩かな 犬塚芳子 200707
台秤の針振れ止まず花の昼 井上静子 200707
花の気を前頭葉にもらひたる 井上静子 200707
花の寺現代彫刻展覧会 近藤公子 200707
散る花やいづこも水の羽後の国 辻直美 200707
冷めてゆくアイロンに音花の昼 林昭太郎 200707
花びらのほころぶ風に母召さる 内山花葉 200707
鳥影の右へ左へ花七分 小林輝子 風土 200707
ほろ酔うて花を笑はす時事放談 小野寺節子 風土 200707
花の宴貫入いりの井戸茶碗 中村洋子 風土 200707
花満ちて身に一鱗の憂ひ無し 小沢克巳 遠嶺 200707
花びらを大いに浴びむ無帽にて 小沢克巳 遠嶺 200707
花は八重風は七重に新都晴れ 小沢克巳 遠嶺 200707
花万朶詩の密室に鳥の影 小沢克巳 遠嶺 200707
花照りの樹間は淡し佳人来る 小沢克巳 遠嶺 200707
花散るや意中の鯉の身を染めて 小沢克巳 遠嶺 200707
花の下少女が長き脚を組む 小沢克巳 遠嶺 200707
花銀河なぞり明日への詩生まむ 小沢克巳 遠嶺 200707
花残る近江に水の殖えゆけり 小沢克巳 遠嶺 200707
黒ずみし樹幹や雨の花近江 小沢克巳 遠嶺 200707
花塵を波の運べる浮御堂 小沢克巳 遠嶺 200707
花梢の散るも散らぬも無常かな 小沢克巳 遠嶺 200707
日の暮れの庵柱に花一片 小沢克巳 遠嶺 200707
花月夜ひそと己れの影畳む 小沢克巳 遠嶺 200707
花星のあらば北斗を憧憬に 小沢克巳 遠嶺 200707
句を杖に十五の年を花万朶 小沢克巳 遠嶺 200707
花満ちて大海原へ真理の帆 橋本良子 遠嶺 200707
師を呼べば風がふりむく花の門 遠藤和彦 遠嶺 200707
やすらぎを胸一杯に花の中 高尾幸子 遠嶺 200707
散る花のなじみや雨のうすけむり 中川雄作 遠嶺 200707
母の手の血管細し花明り 飯田明己 遠嶺 200707
花が咲く只それだけで嬉しかり 大西洵子 遠嶺 200707
僧坊に泣き虫地蔵花曇 黒須洋子 遠嶺 200707
花の雨勧請縄の竜頭めく 須賀遊子 200707
花ぐもり離島じめりの靴を脱ぐ 中山皓雪 200707
場所取りの膝抱へをる花の下 折橋綾子 200707
猿の芸纏まつて見る花の下 富沢敏子 200707
存らへて今言へること花の下 田原陽子 200707
花仰ぐ人の真中に服喪中 田原陽子 200707
バスに道ゆづられてゐる花の山 服部早苗 200707
人逝けば花に飾られ春の闇 樋口みのぶ 200707
花桟敷どぢやう掬ひの笊はたく 池田かよ ぐろっけ 200707
上野駅花人ならむ遊び声 市橋章子 ぐろっけ 200707
向ふ岸花に寄りそふ二人連 浮田胤子 ぐろっけ 200707
がんばれと庭師の撫でる花古木 大井邦子 ぐろっけ 200707
たまさかの忘我といはむ花の山 大川冨美子 ぐろっけ 200707
讃美歌の裡に花散る墓一基 岡有志 ぐろっけ 200707
花枝を啄み合ひて番ひ鳩 井上加世子 ぐろっけ 200707
草田男の虚子の碑に会う花の寺 井上あき子 ぐろっけ 200707
恐竜の里に吊り橋花つなぐ 岩木眞澄 ぐろっけ 200707
くじびきの行列にいる花の下 岩木眞澄 ぐろっけ 200707
花ふふむ吾妻小富士に雪うさぎ 岩松八重 六花 200707
通学路子に教へ込む花の下 岩松八重 六花 200707
散る花のひとひら酒に浮かべけり 永田勇 六花 200707
幸せの証母娘の花の旅 若江千萱 雨月 200707
花燗漫傘寿の誕日祝げるかに 大橋淳一 雨月 200707
淡墨の花に傘寿の杯挙ぐる 大橋淳一 雨月 200707
花明りもて調教の馬磨く 下平しづ子 雨月 200707
逢へば足るこころを花に姉いもと 岡淑子 雨月 200707
今生の花の別れにならむとは 岡淑子 雨月 200707
カメラ携へ花に召されてゆかれしか 岡淑子 雨月 200707
汝悼み花散り止まず風止まず 磯野しをり 雨月 200707
忘れ得ぬ人を心に花名残 加地芳女 雨月 200707
移りゆく日に花翳を深くしぬ 加地芳女 雨月 200707
病床に花の便りを聞きをりぬ 山本漾子 雨月 200707
退院の許可の下りたる花の昼 山本漾子 雨月 200707
校庭をとりまく花の小学校 赤松丹山 雨月 200707
我が町の円形広場花月夜 山田夏子 雨月 200707
花狂ひ君に逢ふべく駆けむかな 山田夏子 雨月 200707
山間の花に埋れし家四五戸 石垣幸子 雨月 200707
花こぼすまじく饒舌つつしめる 出口賀律子 雨月 200707
花堤二級河川の誇りとも 出口賀律子 雨月 200707
花の命つくして風に片々と 東野鈴子 雨月 200707
逢ひに来て風生の花浴びゐたり 落合絹代 雨月 200707
船頭を継ぐ子に花のおぼろかな 村上美智子 雨月 200707
歳月は流るるばかり花おぼろ 村上美智子 雨月 200707
奥の院の名残の花の惜しまるる 藤田誉子 雨月 200707
神鏡に花あかりある式内社 川崎良平 雨月 200707
リボンせし犬に逢ひけり花の下 近藤てるよ 酸漿 200707
花をへて雨に蕊降る城下町 関まさを 酸漿 200707
骨壺と過す幾日や花の後 阿部悦子 酸漿 200707
五分咲きの花に集へり車椅子 上藤八重子 酸漿 200707
花の下親子三代犬も居て 金子八重子 酸漿 200707
花多き町と思ひぬ花の頃 山村修 酸漿 200707
空いつか岳の消えゆく花の雨 永見嘉敏 酸漿 200707
母と子のかくれんぼうや花の下 荻原麗子 酸漿 200707
鳥たちの帰りし後の花の雨 平島利男 酸漿 200707
待ちわびてゐしとねりこの花をはる 小島三恵 酸漿 200707
仏具屋がぶつちやう面で花曇 定梶じょう あを 200707
三河路のむらさきの花業平忌 長崎桂子 あを 200707
同窓の真砂女もゐたり花の土手 芝宮須磨子 あを 200707
花の舞ふ城ふかきより笛太鼓 長沼三津夫 200707
ダ・ヴィンチ展出でて此の世の花明り 灘秀子 200707
花過の雲しろじろと匂ひたつ 藪長傳 200707
花散つて来る花散つて来るのです 蔦三郎 ホトトギス 200708
この冷に花の足ぶみあらまほし 山田弘子 ホトトギス 200708
花の気を朝の山気を胸深く 山田閏子 ホトトギス 200708
吉野山奥へ進みし花を追ふ 安原葉 ホトトギス 200708
面映ゆき朝の一事も花の宿 安原葉 ホトトギス 200708
下萌の狭庭に花の鉢あまた 浅井青陽子 ホトトギス 200708
巡り見る城址しきりと花散れる 松尾緑富 ホトトギス 200708
花散つて城址静かさ又元に 松尾緑富 ホトトギス 200708
散る花の樹下に動かぬ車椅子 吉原一暁 200708
花狂ひ三日三晩を花の中 竹中一花 200708
水底の貝の相寄る花月夜 野口香葉 遠嶺 200708
ひとひらの花や大悟の人あらむ 小山徳夫 遠嶺 200708
雷神へこきざみに揺れ花の影 田中久仁子 万象 200708
散る花や少しぬるめの露天風呂 中條今日子 万象 200708
蜜蜂の背ナが開ける花弁かな 奥太雅 万象 200708
花しぐれ黙しがちなる詩の族 品川鈴子 200708
単線のここに尽きたる花明かり 品川鈴子 200708
花の下夫を看取る話など 高倉恵美子 200708
友逝けり煙となりて花の中 高倉恵美子 200708
逢魔が刻咲き満つ花の魔性ふと 池田倶子 雨月 200708
酸素吸入器命かけます花の寺 丸山冬鳳 京鹿子 200708
甲冑はまだ怒涛なり花しんしん 井上菜摘子 京鹿子 200708
里訛り弾んで花の坂下る 長野珠江 京鹿子 200708
花 →24      

 

2021年4月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。