22      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花下にあり孔雀は羽を拡げたる 村生翠 雨月 200607
桜橋言問橋と花の土手 堀田こう 雨月 200607
幹うつくし花を了へたる桜の木 久保栞 200607
道行を脱ぐに桜の花こぼる 伊澤政子 200607
満開の花の暗みに瞑想す 安田とし子 ぐろっけ 200607
音頭取りが先づ酔ひ潰れ花の宴 梁瀬照恵 ぐろっけ 200607
三弦の手元くるはす花吹風 梁瀬照恵 ぐろっけ 200607
花のなか檀家総出の晋山式 梁瀬照恵 ぐろっけ 200607
北国は花のさかりと旅戻り 山崎辰見 ぐろっけ 200607
英語にて自己紹介する花の下 秋田直己 ぐろっけ 200607
途中まで相傘頼む花の雨 中村碧泉 ぐろっけ 200607
流鏑馬の一矢をはずす花曇 中村碧泉 ぐろっけ 200607
花よりも高みにありて蔵王堂 国永靖子 ぐろっけ 200607
花びらは羽摶きながら川へ散る 高橋大三 ぐろっけ 200607
句座帰り見知らぬ人と花仰ぐ 水上貞子 ぐろっけ 200607
花の下泣きべそかきつ親を追う 四葉允子 ぐろっけ 200607
いみじくも花の吉野に友と会ふ 大里快子 酸漿 200607
病む人に静かに開く花の窓 朝倉富次 酸漿 200607
学内のどの道行くも花の道 梶井和呼 酸漿 200607
まだ花は蕾ぞ雪の岩手山 梶井和呼 酸漿 200607
花嵐折れし小枝を拾ひける 設楽唱子 酸漿 200607
立ち代り花をそびらに「はい、チーズ」 守屋井蛙 酸漿 200607
花過ぎのフルーツの園風ばかり 守屋井蛙 酸漿 200607
花びらに追ひ駆けらるるばかりなり 永田勇 六花 200607
花万朶大道芸を人囲ひ 五ヶ瀬川流一 六花 200607
我一人のみが一人よ花の宴 平居澪子 六花 200607
花の雨明日は入学式なりぬ 霜嵜恵美子 六花 200607
行き交うて若き母なり花あかり 今本よしえ 六花 200607
花満つや枕流亭に貴人口 大竹淑子 風土 200607
水煙に触れて雲ゆく花の空 大竹淑子 風土 200607
本陣の威を太梁に花明り 天野みゆき 風土 200607
手をとれば手のあたたかき花曇 禅京子 風土 200607
花なるも爺と呼ばるる蕗のたう 松村多美 四葩 200607
鳥声の花に埋もるるひと日あり 伊藤伴子 四葩 200607
霊場の花に遊ぶも秩父なる 高橋さえ子 200607
人の訃を告ぐ満開の花の下 上林孝子 200607
花人となる石橋を渡りけり 鹿野佳子 200607
母の手を振りきつて子は花の中 鹿野佳子 200607
花遠く老いの宴のひそやかに 千葉栄子 200607
木洩れ日よ花の影よと墓地迷ひ 千葉栄子 200607
掃くほどに花散りまさる昨日今日 千葉栄子 200607
彼の花へ近しと芝生つつきりぬ 千葉栄子 200607
此の度は三十人で花の寺 芝宮須磨子 あを 200607
鴉らも恋をするらし花の空 鈴木多枝子 あを 200607
葬果てて花あはあはと京鹿子 淵脇護 河鹿 200608
花の香や客の帰りしあとの部屋 中元英雄 河鹿 200608
散る花やクルスの影をうかと踏み 関口英子 河鹿 200608
久に逢ふ花の峠を越えにけり 関口英子 河鹿 200608
花了るきのふの雨と風のあと 木原紀幸 河鹿 200608
花かがり瞳かがやくひとに逢ふ 田畑時男 河鹿 200608
花行脚など滅相な杖みがく 千坂千津恵 200608
夫の背が老いてゆくなり花名残 千坂千津恵 200608
一年の逢瀬を散らで待ちし花に 稲岡長 ホトトギス 200608
吉野駅花に溺れてゐたりけり 稲岡長 ホトトギス 200608
みよし野の闇に攫はれゆきし花 黒川悦子 ホトトギス 200608
花仰ぎ星を仰ぎて部屋に入る 黒川悦子 ホトトギス 200608
あつといふ間の一年ぞ花吉野 柴原保佳 ホトトギス 200608
黙といふ花の言葉を聞いてをり 稲岡長 ホトトギス 200608
仏は無慈悲神は嘘つき花は他人 滝沢幸助 春燈 200608
しなやかに白壁ゆれて花の影 小島とよ子 遠嶺 200608
花散つて大樹はふつと黙しけり 小島とよ子 遠嶺 200608
花すでに散るべき風にさからはず 小島とよ子 遠嶺 200608
伊那谷にバスの連なる花の昼 玉川悠 遠嶺 200608
断崖の根方の二人花の酒 玉川悠 遠嶺 200608
花びらのよぎりて白州正子かな 中島陽華 200608
夕暮れの雀かたまる花の下 青山悠 200608
水張つてダムの入江の花予報 丸山冬鳳 京鹿子 200608
方向音痴花の浄土を遠くせり 吉田多美 京鹿子 200608
まだ知らぬ闇があるかも花のあと 松田都青 京鹿子 200608
文豪のかつて飯炊く花の路地 柴田朱美 京鹿子 200608
石棺の二座横たはる花の山 峯高子 万象 200608
引き出しに失せ物の出で花ぐもり 赤木真理 ぐろっけ 200608
どの宿も空き部屋はなく花の京 秋田直己 ぐろっけ 200608
粧ふも行く当のなき花日和 足利ロ子 ぐろっけ 200608
み吉野や静御前の花小袖 伊藤マサ子 ぐろっけ 200608
庭先の花綻びて退院日 竹内千春 ぐろっけ 200608
雨の降る花の御寺に参りけり 橋本光子 酸漿 200608
谷埋めし花眺めをり花の山 岸野美知子 酸漿 200608
おしやべりを暫く止めて花惜しむ 岸野美知子 酸漿 200608
車窓ごし三分咲きなる花の城 佐原正子 六花 200608
生き死にの大悟つらつら花の下 本城布沙女 雨月 200608
花充つることの静けさ眉目にも 木内憲子 200608
つつがなし昨日につづく今日の花 真保喜代子 200608
病み抜けし身に人の情花の情 岩松草泊 ホトトギス 200609
病み抜けし命しづかに花の下 岩松草泊 ホトトギス 200609
深々と花に包まれ眠る宿 安原葉 ホトトギス 200609
花の色ならざるはなき雨しづく 山田弘子 ホトトギス 200609
灯を消して花の奈落となる旅寝 山田弘子 ホトトギス 200609
酌むも亦花を愛する姿かな 湯川雅 ホトトギス 200609
半世紀前この花に別れしよ 村松紅花 ホトトギス 200609
その先は考へぬこと花を愛づ 東野太美子 ホトトギス 200609
昨夜の雨花の余力はおとろへず 武井良平 ホトトギス 200609
花明り星より霽れてゆく吉野 水田むつみ ホトトギス 200609
今生の花慈しむ父母と坐し 水田むつみ ホトトギス 200609
花の怪を象の小川へ流しけり 長山あや ホトトギス 200609
花の一途は咲くときも散るときも 岩岡中正 ホトトギス 200609
身ほとりにして花のこゑ風のこゑ 岩岡中正 ホトトギス 200609
花の雨孔雀高みに止まりをり 大山文子 火星 200609
酒蔵に目の慣れて来し花の昼 大山文子 火星 200609
満開の花に機嫌のありにけり 戸栗末廣 火星 200609
花の昼母の手を引く父がゐし 坂口夫佐子 火星 200609
村あげて瀬音の中の花田植 藤井佐和子 200609
極楽の花や如何にと旅立たる 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200609
花終へて千本槍の槍の立つ 関戸文子 酸漿 200609
花の前雨の琵琶湖の姿なき 田中きよ子 酸漿 200609
天蓋の花白妙よ御衣黄よ 本城布沙女 雨月 200609
花点前せる幼さのぼんのくぼ 本城布沙女 雨月 200609
朽ちかけし橋より花へ手を伸べる ことり 六花 200609
み吉野やうしろの正面花の闇 佐土井智津子 ホトトギス 200610
み吉野の逢魔が時や花の雨 佐土井智津子 ホトトギス 200610

 悼句

天心へ花いざなひし風の道

山元志津香 八千草 200610
花の昼盲導犬と英会話 八塩グレース 八千草 200610
千姫の夢揺り醒ます花嵐 八塩グレース 八千草 200610
抱き寄する犬の体温花ぐもり 服部早苗 200610
町会の班長会議花の庭 尼嵜太一郎 ぐろっけ 200610
振り向けば花にこもれる父郷かな 樋口みのぶ 200611
花の雨会へずじまひの紅を拭く 樋口みのぶ 200611
千里丘陵花狂ひして駆けたしや 大橋麻沙子 雨月 200612
中継車止まる桜の花の下 中嶋陽子 風土 200612
花三日ものの境の淡く溶け 直江裕子 京鹿子 200701
花の奥その又奥へ人力車 奥田茶々 風土 200701
咲きすゝむほかなき花の日和かな 稲畑汀子 ホトトギス 200703
道迷ふことも承知の花の風 稲畑汀子 ホトトギス 200703
遅刻する男の胸に年の花 加藤峰子 200703
幇間のかつぽれに酔ふ花の宿 太田絵津子 200703
いつ死ぬか知らぬがよろし花の下 尾崎省三 ぐろっけ 200703
靖国の奴呼びよせて花の宴 尾崎省三 ぐろっけ 200703
見る人に万差の思ひ花ふぶき 尾崎省三 ぐろっけ 200703
訣れ会までは散らじと宇陀の花 品川鈴子 ぐろっけ 200703
ぼんぼりを点け夜としたる花の城 鷹羽狩行 200704
向ひの子けふもの言はず花曇 丁野弘 200704
花を訪ふ遠隔の子を訪ふやうに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
花咲きて蕉心会は七年目 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
淡々と忌日の花でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
一佳人花の命のやうに逝く 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
北を向く後醍醐帝に花の雨 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
花の黙解く雨脚でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
忌心を残んの花にをさめけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
風神の休息花の吉野かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200704
盛りには旅にありしと花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
一日で咲き進みたる花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
花の旅花の遅速にかゝはらず 稲畑汀子 ホトトギス 200704
みよしのの花の旅待つ忌日かな 稲畑汀子 ホトトギス 200704

 悼句

咲けば散る花の命と知りゐても

稲畑汀子 ホトトギス 200704
この辺の花の遅速におしはかる 稲畑汀子 ホトトギス 200704
満開の花に傾く桟敷かな 稲畑汀子 ホトトギス 200704
止みさうに止みさうに又花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
みよしのの雨の風情を花に置く 稲畑汀子 ホトトギス 200704
太陽の所在のありし花の雨 稲畑汀子 ホトトギス 200704
全山の花散らす風待つばかり 稲畑汀子 ホトトギス 200704
家路へと切り替へゆける花心 稲畑汀子 ホトトギス 200704
み吉野の旅はや遠し花曇 稲畑汀子 ホトトギス 200704
花の旅終へてつゞきのごと家居 稲畑汀子 ホトトギス 200704
栞り来し花の旅路を語らばや 稲畑汀子 ホトトギス 200704
咲き継げる花の遅速を問うて旅 稲畑汀子 ホトトギス 200704
もう花の消息消えて行きにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200704
花月夜西行贔屓つどひけり 小泉貴弘 春燈 200704
花明りたつた一度の命なり 小泉貴弘 春燈 200704
一目千本谷風に舞ふ花びらよ 小泉貴弘 春燈 200704
花の下唇に花びら触るるまで 小泉貴弘 春燈 200704
たましひの抜けてたゆたふ花の下 小泉貴弘 春燈 200704
光りつつ陰りつつ花散りにけり ことり 六花 200704
ひとひらの花びら浮かぶ茶碗かな 金月洋子 六花 200704
かんばせに垂れきて花の影ゆらぐ 岸風三樓 200704
花びらの舞ひこむ厨なりしかな 宇田喜美栄 200705
夢二の字誰かに似てゐし花鎮め 鈴木榮子 春燈 200705
水底の魚にとほるや花の雨 百瀬七生子 海光 200705
花の谷花の堤や水を引く 百瀬七生子 海光 200705
花の中念仏踊りの跳びもして 百瀬七生子 海光 200705
土蔵より薬臭漏れし花曇 能村研三 200705

 祝玄界支部五周年

玄海の荒風に花満を持す

北川英子 200705
花時の町ゆき野ゆき山を行く 阿部ひろし 酸漿 200705
花どきの裾を広げて富士はなし 阿部ひろし 酸漿 200705
舞鶴の松命おとろへ花の中 阿部ひろし 酸漿 200705
青鷺の頭重げに花の昼 山田六甲 六花 200705
目を絞り花満月を仰ぎけり 山田六甲 六花 200705
花散らす雨より現るる霧風巻 山田六甲 六花 200705
流さるる浮き名逆手に花便り ことり 六花 200705
絵手紙に花のデッサンしてをりぬ 松下幸恵 六花 200705
座る場所どこでもいいよ花の昼 松下幸恵 六花 200705
方丈は衣かけながし花の昼 山尾玉藻 火星 200705
空つぽの鵜小屋の隅の花埃 山尾玉藻 火星 200705
花びらを肩に飛石伝ひ行く 森山のりこ あを 200705
「能登半島地震」と名づく花曇 定梶じょう あを 200705
花時を憂きことに会ふ兄いもと 小野恵美子 馬醉木 200706
飛鳥仏細身におはし花しぐれ 藤井寿江子 馬醉木 200706
人だれも遠くを見つむ花の頃 堤京子 馬醉木 200706
何はともあれ一献の花月夜 松本幹雄 馬醉木 200706
リスト弾く十指の乱舞花の宵 高瀬史 馬醉木 200706
流鏑馬の白馬に花の散りかかる 名取袿子 200706
若き等の太鼓の弾む花の下 名取袿子 200706
花の雨城下の町の鍵曲り 名取袿子 200706
やつちや場を洗ひ上げたり花月夜 田村愛子 万象 200706
鳥どちも溺れてをるや花の中 横田初美 春燈 200706
釣人の魚籠のうごくよ花ぐもり 茅貴美子 春燈 200706
海近くなりて常陸の花万朶 鴨下昭 200706
母真似て小さき手合はす花の寺 小城綾子 200706
検査後の医師の頷き花の昼 小城綾子 200706
のつぺりと干さるる鱓花遍路 延広禎一 200706
花曇りがよし酔生夢死がよし 小形さとる 200706
花→ 23      

 

2021年4月28日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。