21      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花愛でて囁き羅漢おはしけり 伊藤白潮 200605
花どきの羅漢五百と刻過ごす 伊藤白潮 200605
先生はひと列車あと花の山 山尾玉藻 火星 200605
磯小屋は花にあづけて漁へ出づ 品川鈴子 ぐろっけ 200605
山頭火の句軸に酔へる花の宿 松村多美 四葩 200605
花咲くと江戸に先んじられ難波 大橋敦子 雨月 200605
娘の顔の現れて花咲くと言ふ 大橋麻沙子 雨月 200605
太陽の塔に翼のありて花 大橋麻沙子 雨月 200605
花も過ぐ茶房の卓に物書いて 岡本眸 200605
年年の花を見尽し死なむかな 大串章 百鳥 200605
歯にしみる六甲の水花の昼 山田六甲 六花 200605
滝音の中に水音花曇 山田六甲 六花 200605
ライターの風に消えたり花嘆き 山田六甲 六花 200605
木の股を溢れし雨や花万朶 山田六甲 六花 200605
車椅子車輪に花を付けゆけり 山田六甲 六花 200605
わたくしの壊れる音か花の雨 ことり 六花 200605
流し目のやうな筆跡花の雨 ことり 六花 200605
咲き満ちて万朶の花のゆらぐなし 阿部ひろし 酸漿 200605
花は花人は人にて賑はしき 阿部ひろし 酸漿 200605
花人にかかはりもなき四十雀 阿部ひろし 酸漿 200605
天もまた花のさかりの桜色 阿部ひろし 酸漿 200605
投函の帰路はゆつくり花も過ぎ 岡本眸 200605
喪の花の水よく揚ぐる春の夜 四宮一子 200605
花の宴日時は追つて御連絡 赤座典子 あを 200605
音たてて喉をゆく水花の昼 今瀬剛一 対岸 200605
花過ぎて句碑巡礼の水奔り 能村研三 200605
花びらのいちまい隔て死者生者 辻美奈子 200605
花の晝たつきの繪筆子が洗ふ 瀧春一 常念 200606
花の幹に凭れば梢の風こたふ 瀧春一 常念 200606
花の幹かたぶく池の花明り 瀧春一 常念 200606
みささぎや花人あらず雨繁し 瀧春一 常念 200606
花人のすぐこころみし陀羅尼助 瀧春一 常念 200606
雨の花傳ふひかりとどまらず 瀧春一 常念 200606
懸命に生きて傘寿の花に逢ふ 泉田秋硯 200606
靡きつつ花は散らさず初桜 林翔 馬醉木 200606
軒下のしばしもよけれ花の雨 林翔 馬醉木 200606
亡き人に叙勲報さむ花の雨 市ヶ谷洋子 馬醉木 200606
明日館学舎やことに花の雨 鈴木榮子 春燈 200606
金毘羅王兜目深や花軍はないくさ 綱徳女 春燈 200606
み仏に弱音吐くまじ花供ふ 綱徳女 春燈 200606
小面のくすくす笑ふ花明り 太田慶子 春燈 200606
大仏のやうに脚組む花の下 佐渡谷秀一 春燈 200606
花散つて少し遅れし蔵時計 能村研三 200606
花の雨をみな優しき眼もつ 清水公治 200606
花月夜濡れ髪乾くまで仰ぐ 松村多美 四葩 200606
花の光に利き腕を差し伸べし 市川勇人 四葩 200606
宴の前静かに秘かに花二分 山下雅子 四葩 200606
花に酔ひ弁天様に逢はず来し 松本美子 四葩 200606
花の舞ひ業は確かに消え去りぬ 秋定パンク 四葩 200606
寧日や花の名所を梯子して 森ヒロコ 四葩 200606
肌光るインド人一行花巡り 佐藤文昭 四葩 200606
結願の鐘に合掌花の山 冨松寛子 200606
たん瘤を飾りとしたり花の山 加藤みき 200606
回廊の花明りして布袋かな 近藤きくえ 200606
門を出て釈迦と出遭ひぬ花夕べ 小澤克己 遠嶺 200606
抱星の一樹に花の満ちむとす 小澤克己 遠嶺 200606
水に散り火に舞ふ花の一二片 小澤克己 遠嶺 200606
死がひとつ過つてゆけり花かがり 小澤克己 遠嶺 200606
花万朶ゆさと解脱の風一陣 小澤克己 遠嶺 200606
救はるる思ひ花塵掬ひけり 小澤克己 遠嶺 200606
禅林に入る光輪の花の苑 小澤克己 遠嶺 200606

 祝・「遠嶺」十四周年

花坂をつめゆく海の見ゆるまで

小澤克己 遠嶺 200606
花散るや三鈷寺京の裏鬼門 松崎鉄之介 200606
花散るや五名しか来ぬ戦友会 松崎鉄之介 200606
会下僧の連れ立ち入れり花の下 池田光 200606
花の昼ダンス教室玻璃戸越し 池田光 200606
花咲きて上野公園夜昼なし こばやしきょうこ 200606
幇間のかつぽれに酔ふ花の宿 太田絵津子 200606
ラグラン袖好きで似合はず花曇 高橋道子 200606
過客とて八十路に入りぬ花便り 田原陽子 200606
大勢で来て一列に花の山 松たかし 火星 200606
花の昼帯の重さを持てあます 加藤君子 火星 200606
花三分さそひに風のあそびだす 豊田都峰 京鹿子 200606
花さくやひとしほ信づることふやさむ 豊田都峰 京鹿子 200606
花ざかり同じぶんだけ裏とかげ 豊田都峰 京鹿子 200606
日をひとつほりあげてゐる花曇 豊田都峰 京鹿子 200606
花蔭に逢ふや邪恋といふは無し 瀧春一 瓦礫 200606
かぼちや花ざかり一家の誰も不具 瀧春一 瓦礫 200606
一と花の白き平安にすがりつく 瀧春一 瓦礫 200606
髪結ふ老女遺愛の花卉は放埒に 瀧春一 瓦礫 200606
抱へ切れずにひらひらと花落とす 今瀬剛一 対岸 200606
花散らす雨海上に来てゐたり 今瀬剛一 対岸 200606
タオルもて嬰を包めり花の夜 今瀬剛一 対岸 200606
花の夜動いて風呂の湯をこぼす 今瀬剛一 対岸 200606
礎石二十のひとつに立てり花の風 恒川絢子 対岸 200606
花月夜師の句碑ひとり遊びせり 岡崎桂子 対岸 200606
たましひににほひありけり花の下 成井侃 対岸 200606
たつぷりと時間のありて花明り 伊藤晴英 対岸 200606
花明りどれも空つぽ観覧車 赤尾杉昌子 対岸 200606
唐草の風呂敷包み花の雨 安田青葉 対岸 200606
思ひ思ひに風にそよげる花なれや 大橋敦子 雨月 200606
花散るとも雨に散りたくなかりけれ 大橋敦子 雨月 200606
千里丘陵花狂ひして駆けたしや 大橋麻沙了 雨月 200606
船屋形悌ゆれて花散れる 福盛悦子 雨月 200606
散る花の浮遊に心添はせゐて 福盛悦子 雨月 200606
花咲かすとて花散らすとての雨 椋本一子 雨月 200606
咲きすすむ花に水琴窟を聞く 田所洋子 雨月 200606
賀茂川に沿へば北山花隠れ 三由規童 雨月 200606
花の闇重し八十路へあゆみ入る 斉藤小夜 風土 200606
水底の花の上ゆく流れかな 落合絹代 風土 200606
朝夕べ花の機嫌を見てや佇つ 落合絹代 風土 200606
花の昼時鐘に一礼一打して 近藤幸三郎 風土 200606
墓山に束子を使ふ花の昼 柴田佐知子 200606
田の神がぶらつく花の夜なりけり 柴田佐知子 200606
ぞくぞくと信者入りくる花の門 高倉和子 200606
花好きの残りて花の中の鵯 西山美枝子 酸漿 200606
亀泳ぐ花のさざなみたぐりつつ 西山美枝子 酸漿 200606
花の下寡黙の人も語りだす 広瀬敏子 酸漿 200606
花人となりて社に手を合はす 福澤乙 酸漿 200606
故郷は今し柳暗花明なり 牧原佳代子 酸漿 200606
朝の日に万朶の花のあふれけり 町田政子 酸漿 200606
風立ちて垂桜の花の波 町田政子 酸漿 200606
鵯も花を待ちしか飛び来たる 海老名ムツヱ 酸漿 200606
学園の街たそがれの花あかり 井出やすはる 酸漿 200606
花の下深き眠りの乳母車 内海良太 万象 200606
花曇海へ突き出る城の跡 田辺みのる 万象 200606
一切の影の消えたる花曇 高橋将夫 200606
水分に魂呼び合へる花時雨 延広禎一 200606
花の色しゃっきりしゃっきり男あり 中島陽華 200606
天網や身ぬち舞ひゆく花浴びて 大島翠木 200606
午後は憂し花のふぶきのみだれかな 大島翠木 200606
漆絵のゑのぐの乾く花の風 岩下芳子 200606
花の揺れ雲中菩薩おりて来し 近藤喜子 200606
バッカスも猩々もゐる花の下 岩月優美子 200606
花ふぶく真ただなかの磨崖佛 近藤きくえ 200606
どこまでも続く花蔭父母の墓 芝尚子 あを 200606
花曇あなたは居ないバスの中 芝宮須磨子 あを 200606
眼の青い兎を抱く子花曇 田中藤穂 あを 200606
ふんはりと花の向うの五重塔 木村茂登子 あを 200606
覗き見る探鳥窓の花万朶 小阪喜美子 二輪草 200606
花恋の鳥匿ひし老樹かな 塩路隆子 200607
終焉があればこそ佳し花万朶 千坂美津恵 200607
花の宴真田抜け穴そびらにし 田中芳夫 200607
業平橋傘に音なき花の雨 名取袿子 200607
今年又長寿一族花の宴 鈴木照子 200607
青春切符花の紀州のひとり旅 山口順子 200607
讃美歌に始まる婚儀花明り 山本康夫 200607
花曇り地に一兵の骨残る 淵脇護 河鹿 200607
花どきの旅に過ぎゆく誕生日 淵脇護 河鹿 200607
花の雨檻のライオン欠伸継ぐ 沼口蓬風 河鹿 200607
深空より鳶の笛降る花万朶 上薗櫨夫 河鹿 200607
神々のやさしさ里は花の中 得田武市 河鹿 200607
花降るや鯉の一連来て帰る 得田武市 河鹿 200607
川底に日はうらうらと花の昼 西屋敷峰水 河鹿 200607
花の雨キリンの首を滑り落つ 森永敏子 河鹿 200607
相応に今年の花も見了せり 斎藤道子 馬醉木 200607
花行脚西行墳を結びとし 窪田粧子 馬醉木 200607
江田島の花澎湃と揺れにけり 片山博介 春燈 200607
綿菓子は風のかたちや花の宮 木田千女 200607
病床日記形見となりぬ花あかり 吉田陽代 200607
夫との会話胸に生れて花の下 吉田陽代 200607
再びの花を潜りし北帰行 森岡正作 200607
寺寺を放ちて花の吉野なり 深澤鱶 火星 200607
階にぼんぼり寝かす花の雨 山田美恵子 火星 200607
JRの事故一周忌花万朶 金澤明子 火星 200607
花を見る笑ひ上戸と泣き上戸 大東由美子 火星 200607
墓塚も陵もまた花の雨 西畑敦子 火星 200607
名城も花未だしと敬遠す 山田をがたま 京鹿子 200607
花に早く團子一箱旅終へる 山田をがたま 京鹿子 200607
疏水に散る花も「蹴上」のしがらみに 奥村鷹尾 京鹿子 200607
志賀・山科花の水嚥む京わらべ 奥村鷹尾 京鹿子 200607
ほこほこと土こぼれけり花曇 舩越美喜 京鹿子 200607
京も北花があるのに雪を見る 岩崎憲二 京鹿子 200607
満開の花のそびらを陽が沈む 高木智 京鹿子 200607
花仰ぐ肩より浮気心去る 高木智 京鹿子 200607
そらにみつ花の石段やはらかき 中村恭子 200607
花に風溜め先生の誕生日 齋籐厚子 200607
花どきの頬丈羅漢寄り目なり 齋籐厚子 200607
たてがみに花びら集め乾門 吉田明子 200607
もう誰もゐなくなりたる花の夜 竹下昌子 200607
それぞれの花の駅より合流す 富沢敏子 200607
口渇く花のトンネル抜けてより 笠井敦子 200607
満開の花や安吾を書棚より 川崎洋吉 遠嶺 200607
散りゆける花に一会の名残の句 荻野照 遠嶺 200607
一幅の名画とならん花吉野 柴村郁子 遠嶺 200607
花万朶二連水車のくるくると 鈴木久香 遠嶺 200607
蹲踞の花ひとひらや席に入る 半谷弘子 遠嶺 200607
花の宴興に愁ひの隣り合ふ 渡辺隆 遠嶺 200607
花の風今昔カメラの博物館 長瀬恒子 遠嶺 200607
生ひたちの何処か似てゐし花堤 窪田米子 遠嶺 200607
乾坤や四六時中の花明り 野田梅月 遠嶺 200607
釈迦が指す天上天下花万朶 服部菰舟 雨月 200607
花信得て心弾める旅支度 大島寛治 雨月 200607
明日咲くとさざめく花の蕾かな 浅井青二 雨月 200607
山門の花に通夜の灯及びけり 岸本久栄 雨月 200607
花月夜惜命の肩冷え来り 磯野しをり 雨月 200607
花下に拝す仏足石の十指かな 磯野しをり 雨月 200607
西行に倣ひてや夫花に逝く 森脇貞子 雨月 200607
磴のぼりつめて真盛り花の寺 赤松丹山 雨月 200607
花散るや母の来し方しみじみと 淡地和子 雨月 200607
花ゆふべ写し絵よりの母のこゑ 淡地和子 雨月 200607
自転車をゆるめてもみむ花堤 椋本一子 雨月 200607
おほらかにしだれしだれて花万朶 溝内健乃 雨月 200607
黙深し花にこころを奪はれて 田所洋子 雨月 200607
花に酔ひ子の名間違へゐる母で 綿谷美那 雨月 200607
紀三井寺万朶の花に磴百余 和田一 雨月 200607
旧き街覆ひて花の大並木 岸本林立 雨月 200607
南朝の哀史を想ひ花に佇つ 味村志津子 雨月 200607
目瞑れば壺坂山の花の声 三由規童 雨月 200607
婚の鐘ひびく青空花満つる 村生翠 雨月 200607
花→22      

 

2021年4月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。