春 雨 2    87句

春雨のしくしく降るに高円の山の桜はいかにかあるらむ    河辺東人

雨の季語  お降り 春の雨  春雨 春霖 春時雨 夏の雨

五月雨 さみだれ 菜種梅雨 半夏雨  夕立 喜雨 虎が雨

秋の雨 秋雨 秋時雨 冬の雨 初時雨 時雨  青時雨  青葉時雨

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春雨やわが影はづむガラス窓 柿沼盟子 風土 201505
月に暈遺し春雨あがりけり 井上石動 あを 201505
春雨やローズマリーを扱きやる 田尻勝子 六花 201505
春雨に包まれた駅帰宅せり 溝渕弘志 六花 201506
春雨や病院前は仏壇屋 大坪景章 万象 201506
春雨や傘傾げ合ふ先斗町 大森道生 春燈 201506
春雨や森は密かに息づきぬ 本間せつ子 末黒野 201506
春雨や土鈴の音の籠り鳴り 栗山よし子 馬醉木 201506
音もなく降りつぐ春雨明かりかな 武藤嘉子 201507
春雨や湿りわづかな傘たたむ 住田千代子 六花 201507
春雨やみなまたたける水たまり 木下夕爾 春燈 201508
春雨に木花之開耶姫覚めず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201603
春雨が乾きふくらむ新聞紙 高橋将夫 201605
春雨や甘苦の分かつ処かな 瀬川公馨 201606
春雨にしばし別れの子を送る 滝澤圭子 雨月 201606
春雨や弁天さまを遠拝み 太田昌子 馬醉木 201606
春雨の児の地上絵を消さぬほど 山本久江 201607
春雨にひねもす煙る与謝の海 竹内喜代子 雨月 201607
春雨や核の傘から出ずにをる 高橋将夫 201607
色街の春雨傘の幅の路地 三村純也 ホトトギス 201608
春雨の音を吸い込む御所の草 杉本薬王子 風土 201611
春雨にいとはん濡れて行かはつた 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
春雨の児の地上絵を消さぬほど 山本久江 201702
春雨に歩道歪んでをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201704
春雨を髪に含みてしまひけり 本多俊子 201705
春雨に濡れてゆきけり死者生者 高橋将夫 201705
春雨をききつまどろむ懈怠かな 伊藤由良 末黒野 201707
春雨に山の目覚めの色深む 宮平静子 雨月 201707
ときをりは春雨眺め書く手紙 大川ゆかり 201707
春雨に鎮もるフットサルコート 稲畑廣太郎 ホトトギス 201803
春雨や向かひの窓に映るひと 雨宮桂子 風土 201805
春雨や虹出てゐると知らさるる 永田万年青 六花 201806
ちよい呑みが好き春雨の街に出る 谷口一献 六花 201806
春雨や爪掛け下駄に傘かしげ 永田万年青 六花 201806
春雨に煙りてもなほ明るしや 大橋晄 雨月 201806
降り始むる春雨の中ポストまで 小巻若菜 やぶれ傘 201806
傘を打つ春雨の音に歩を止める 竹内文夫 やぶれ傘 201808
春雨の黒板塀の路地に入る 田中藤穂 201902
春雨や屋号行燈夜を待つ 植木やす子 201902
春雨の音なき音に暇つぶす 鈴鹿仁 京鹿子 201905
春雨や模糊と上総の崎の光 安斎久英 末黒野 201906
春雨の水烟となる丹波かな 延川笙子 六花 201906
春雨や小庭の猫のしのび足 中澤弘 春燈 201906
春雨やまだ覚めやらぬ野の仏 今村千年 末黒野 201906
春雨や干されし魚網にほひ立つ 木村あさ子 201907
春雨の一と日続きて上がりけり 大橋晄 雨月 201907
春雨の降りみ降らずみ芦屋川 大橋晄 雨月 201907
春雨や釧路湿原また濃ゆく ふなかわのりひと 201907
春雨の音のかはりし二十五時 松下道臣 201907
春雨に濡れて平成最後の日 出口誠 六花 201908
春雨やハンカチの花濡れそぼち 堺昌子 末黒野 201908
春雨の平成の世を浄めけり 安斎久英 末黒野 201908
春雨や検査結果を妻へ告ぐ 阿部さちよ 201908
美しくなる春雨に会ふたびに 和田華凛 ホトトギス 201908
春雨の止んで街騒戻り来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202003
春雨のさて来るらしき気配あり 大橋晄 雨月 202003
春雨や命といふ字傘を着て 山田六甲 六花 202004
春雨やこの頃評判パン買いに 小沢えみ子 202006
春雨に土の匂ひの混じりけり 武藤節子 やぶれ傘 202006
春雨や紅茶に落とすブランデー 浅嶋肇 やぶれ傘 202007
エアコンと春雨の音巣籠す 松本善一 やぶれ傘 202007
春雨といふやはらかき音したる 山本則男 202010
春雨の降りしきる音だけがして 小山よる やぶれ傘 202105
春雨の湯気立ちのぼる畑かな 大辻美知女 末黒野 202105
春雨や灯されてゐて黒き傘 篠田大佳 あを 202106
春雨やさよなら言へず黙り合ふ 西村白杼 京鹿子 202106
春雨や花街の角やはらかい 鷺山珀眉 京鹿子 202107
春雨や後れまじとて歩を合はす 本郷公子 京鹿子 202107
春雨や都心に人を遠ざけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202203
春雨や窓をあけると春の風 佐藤竹僊 あを 202204
春雨や引越すひとにあたたかく 秋川泉 あを 202205
春雨や芭蕉も濡れし坩満寺 石井美智子 風土 202206
春雨や濡れてはならぬ書をかかへ 森清堯 末黒野 202206
春雨の隈なし破壊されし街に 山中志津子 京鹿子 202208
ひさびさの春雨聴きつ熱き茶を 畑田久美子 202210
春雨にその日を遠くしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202303
春雨におよよおよよと足乱る 田尻りさ 六花 202308
春雨や御ニューの傘をさす日暮 渡辺富士子 末黒野 202307
春雨やお前に何がわかるのだ 篠田大佳 あを 202306
春雨に濡れて港の一過客 山田佳乃 ホトトギス 202307
春雨 →1

 

2024年3月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。