夕 立 7       80句

ぢゝと鳴く蝉草にある夕立かな   高浜虚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
雨音のはじめ静かに大夕立 吉田悦子 201902
スイッチを入れたるがごと大夕立 大霜朔朗 末黒野 201904
レーダーに韋駄天走りの大夕立 千田敬 201908
古書店の間口一間夕立来る 早川俊久 馬醉木 201909
夕立やはやばや心変りして 加藤みき 201909
ナイーブに澄ます途端に夕立かな 柳川晋 201909
夕立や千の列なす赤鳥居 中川のぼる 201909
夕立の見舞ひなけれど蝉しぐれ 山田六甲 六花 201909
夕立や四阿に坐しずぶぬれに 北村ちえ子 六花 201909
夕立のみるみる色の消ゆる街 山田天 雨月 201909
夕立の雨の匂ひの残る町 山田天 雨月 201909
夕立ち止み間延びしてなるオルゴール 有賀昌子 やぶれ傘 201910
ブラウスの青の深まる夕立風 はしもと風里 201910
隠沼の歌ひ出したる夕立かな 岡野里子 末黒野 201910
ここまでと確と印して夕立去る 高木嘉久 201910
夕立の来て献立を変へにけり 大石よし子 雨月 201910
夕立のはげし鉛筆の芯匂ひけり 樺山翠 雨月 201910
用ひとつ終へて戻るや大夕立 堀田こう 雨月 201910
番傘に昭和の匂ひ夕立晴 松本鷹根 京鹿子 201910
夕立の側溝に水走りけり 藤生不二男 六花 201910
夕立の来さうな雲行き風の向き 大内幸子 六花 201910
投網して夕立の中を帰りけり 出牛進 201911
大夕立町はすつぽり雨の檻 出利葉孝 201911
夕立雲の行方占ふキーパーソン 中西厚子 201911
田の神の大喝采の夕立かな 及川照子 末黒野 201911
大夕立流人の多き佐渡島 及川照子 末黒野 201911
夕刊の見出し立ち読み夕立あと 梅田武 末黒野 201911
さきがけて風の湿りや夕立来る 鍋島武彦 末黒野 201911
よろこんで地べたを叩く夕立かな 戸栗末廣 201912
夕立来て軒下を借る縁かな 田代貞香 202002
オフィス街ひつくり返し大夕立 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
大夕立都心の電波塔歪め 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
夕立の水玉模様沈下橋 中野千代子 末黒野 202008
夕立や醤油の匂ふ雨宿り 太田良一 末黒野 202009
夕立去る羽虫一匹窓に残し 土井三乙 風土 202009
見開きの絵の鳥動くかに夕立 卯木尭子 春燈 202009
友の住む本郷台に夕立雲 田中藤穂 あを 202009
ベビーカー追ひかけてくる夕立かな 土井三乙 風土 202010
大夕立バイオリンの不協和音 国分千恵 風土 202010
灘の色変へて夕立来りけり 柴田佐知子 202010
田の水の大波小波夕立風 押田裕見子 202010
海原の銀を引き割き夕立来る 里村梨邨 202010
夕立あと高田馬場に虹ふたへ 松村光典 やぶれ傘 202010
地下街の出口を叩く大夕立 堅山道助 風土 202011
諍ひて飛び出す我を夕立打つ 工藤邦子 202011
露天湯に浸つてをれば大夕立 林徹也 202101
天守打つ十万石の大夕立 林徹也 202101
家居して夕立は快きものよ 稲畑汀子 ホトトギス 202106
夕立の予報当たるも当たらぬも 稲畑汀子 ホトトギス 202106
考への二転三転夕立晴 稲畑汀子 ホトトギス 202106
用意して結局夕立来ぬ帰路に 稲畑汀子 ホトトギス 202106
夕立雲出すを躊躇ふ手紙あり 浜崎喜美子 202107
夕立や古書肆の棚の稀覯本 林紀夫 春燈 202108
一切の音の失せたる夕立かな 関根揺華 202109
夕立来て回送バスが空で過ぐ 有賀昌子 やぶれ傘 202109
夕立呼ぶ帝釈天の稲妻紋 福田肇 202110
夕立来や戸障子多き家に棲み 浜福惠 風土 202110
閉店の美容院そと大夕立 秋川泉 あを 202110
北口のからくり時計夕立かな 関道子 春燈 202110
スマホ繰る得意不得意夕立来る 岡山敦子 京鹿子 202111
夕立や巡回ポリスと雨宿り 辻泰子 春燈 202112
夕立後の傘を离して仁王立ち 高木晶子 京鹿子 202112
大夕立雷先立てて来たりけり 角野良生 202112
地下街の出口を塞ぐ大夕立 林徹也 202112
夕立あと紫蘇の香のせし母の胸 亀田虎童子 あを 202208
夕立の大ふところの石屋の石 甲州千草 202208
夕立来て島半分を覆ひけり 辻泰子 春燈 202209
夕立のつかのま六区灯しけり 鈴木としお 春燈 202209
畑道に土ぼこりたて夕立ち来る 白石正躬 やぶれ傘 202209
角打ちの肩を寄せ合ふ夕立かな 町山公孝 202209
駅前に救急車来る夕立来る 日高みち子 やぶれ傘 202210
ユーミンの流るる古書肆大夕立 木村純子 末黒野 202210
夕立ちの波紋に鯉の背鰭かな 針谷忠郎 202210
しばらくは胡坐を解かず夕立後 土井三乙 風土 202210
夕立あと欅大樹の若返る 三好康子 風土 202210
夕立や濡れて帰らば雨上がり 永田万年青 六花 202210
橋一つ越えて夕立おさまりぬ 時澤藍 202210
喧噪も吸ひたるごとく大夕立 伊吹之博 京鹿子 202211
夕立の来さうな草の匂ひかな 大西乃子 202212
一幕の劇見るごとく大夕立 大坂正 末黒野 202304
句碑洗ひ上げる刹那や大夕立 稲畑廣太郎 ホトトギス 202307
夕立 →1

 

2023年7月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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