山 桜 3       100句

松伐しあとの日なたや山桜    几董

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑  花篝

初桜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
千樹よし一樹またよし山桜 小林紗智子 200606
走り根に腰掛けてをり山桜 黒坂紫陽子 馬醉木 200607
日に一回集めるポスト山桜 代田幸子 200607
父母のセピアの写真山櫻 松本静江 遠嶺 200607
句読点のやうに咲きけり山桜 田尻勝子 六花 200607
艨艟の栄枯見つむる山桜 谷村修二 200608
山桜野良着を干せり勝手口 林陽子 万象 200608
山桜背にして杣夫鉈を研ぐ 小松敏郎 万象 200608
田楽の舞に吹雪の山桜 阿部月山子 万象 200608
閉ざされし杣小屋沈め山桜 峯高子 万象 200608
山桜己れ律する白をもて 木内憲子 200608
伊豆急は海に沿ひゆき山桜 嶋田一歩 ホトトギス 200609
熊汁の屋台行列山桜 安部暘子 四葩 200609
山桜阿Qの首が舌を出す 南一雄 200609
角突きの牛静かなる山桜 深澤鱶 火星 200609
父の忌のみささぎの山さくら噴く 浅田光代 風土 200611
山ざくら昨日もけふも散る構へ 西村滋子 京鹿子 200701
旅にゐて旅の話を山桜 宮尾直美 200702
吉野山桜いかにと旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 200704
吉野山さくらさくらと暮れにけり 小泉貴弘 春燈 200704
胴ながく兎抱かるる山桜 百瀬七生子 海光 200705
溜池に渦なす鯉や山ざくら 谷田部栄 万象 200705
朝日さすうすべにすがた山桜 阿部ひろし 酸漿 200705
山桜散り敷く道に風の紋 松下幸恵 六花 200705
全山も一木もよし山ざくら 布川直幸 200706
筑波路の誰にほほゑむ山桜 岡野ひろ子 200706
撮り得たり朝日に匂ふ山桜 松崎鉄之介 200706
雨あとの空白みけり山桜 八木下巌 200706
乙女らがまどひしづかに山ざくら 瀧春一 200706
衆目に触れず孤高の山桜 中田ひさ 200707
昼すこし眠りて遠方の山ざくら 水野恒彦 200707
谷に秘す観音像や山桜 柴田佐知子 200707
山桜白昼猪の出る峠 赤松丹山 雨月 200707
ひつそりと咲いて散り行く山桜 並木重助 酸漿 200707
高速道急ぐにあらず山ざくら 浅井青陽子 ホトトギス 200708
山櫻平家は唄をのこしける 野口香葉 遠嶺 200708
山桜一流気分でダム鏡 丸山佳子 京鹿子 200708
誰に手を振るでもなくて山桜 井上菜摘子 京鹿子 200708
絢爛と呼ぶにはやさし山桜 ことり 六花 200804
空へ散る音の光って山桜 坪内稔典 稔典句集U 200804
箱根路に笑む母ありし山櫻 岡田弘子 遠嶺 200806
山ざくら田毎は水を待ちてをり 藤森すみれ 200806
山桜峽に杖つく尉と姥 竹内悦子 200806
トンネルを出て突然の山桜 神田一瓢 雨月 200806
塔裏は夕日斜めに山桜 伊東和子 200807
山桜透きてゆるりと飛行船 高谷栄一 200807
山ざくら合掌建の灯のうるみ 渡邉英子 馬醉木 200807
法螺の音や夕日まぶしき山桜 谷村幸子 200807
十和田湖を姿見にして山桜 大坂せうじ 200807
朝穫りの青果野辺市山桜 西村純代 200807
チョコレート銀紙光り山ざくら 中山純子 万象 200807
頂に小さき城や山桜 赤堀洋子 万象 200807
雲の湧く山を近景老桜 高橋道子 200807
山桜墨たつぷりの書簡なる 岩井ひろこ 火星 200807
山桜地卵の殼ざらざらす 関根洋子 風土 200807
山桜散る廃屋の粗むしろ 生田作 風土 200807
穴太積の石に刻印山桜 内藤静 風土 200807
日本の突端にゐて山ざくら 馬崎千恵子 春燈 200807
頂を雲の触れゆく山ざくら 三輪温子 雨月 200807
谷一つ埋めつくせり山桜 大西和子 ぐろっけ 200807
崇るてふ塚は小さし山桜 柴田佐知子 200808
白雲にのる塔一つ山桜 石崎浄 風土 200808
舌頭千転して山桜の一句 宮地れい子 春燈 200809
杣みちの曲りを曲り山ざくら 國保八江 やぶれ傘 200809
初嵐玻璃いつぱいの山ざくら 太田昌子 馬醉木 200812
湾口を囲み万朶の山桜 大槻右城 ホトトギス 200812
カーブするたび山桜里桜 大槻右城 ホトトギス 200812
ヤッホーの声吸うてをる山桜 中田禎子 白猪 200901
すめらぎの隠れたまひし山桜 稲畑汀子 ホトトギス 200904
山桜朝日を抱きはじめけり 稲畑汀子 ホトトギス 200904
両雄のごとくに月と山桜 山仲英子 200904
紀の国に一足早き山桜 増田一代 200905
護摩木焚く音たかだかと山桜 加藤克 200905
咲き満ちて空になりきり山桜 井上かつ美 炎環 200905
鉄橋にトロッコ電車山桜 赤座典子 あを 200905
近きより遠き一樹の山桜 神蔵器 風土 200905
夜明けたる前に丘あり山桜 阿部ひろし 酸漿 200905
隆盛を偲ぶ城山桜満つ 増田一代 200906
山桜あはし夕餉の母ひとり 伊東和子 200906
山桜磐座しるべに日をかへす 豊田都峰 京鹿子 200906
名桜や峡は色濃き山桜 須藤トモ子 200906
遠山の簪となる山桜 加藤克 200906
山桜碑は牧水の旅の歌 片野美代子 酸漿 200906
山桜賢治世界の熊母子 坂根宏子 200907
山桜吹かれゆく先京近江 伊藤洋子 200907
非番なるひとと見上ぐる山桜 小林成子 火星 200907
山桜逃げる猿の赤い尻 宮崎知恵美 万象 200907
銀鉱山洞窟抜けて山桜 藏本博美 ぐろっけ 200907
朽ちてなほ芽吹かんとする山桜 小林武弘 200907
遠き世のささやき聞ゆ山桜 平野千江 200907
泣いて鬼さらに奥へと山桜 柴田佐知子 200907
越後路は今を盛りよ山桜 和智秀子 酸漿 200907
関跡に風の道あり山桜 坂本節子 200908
老残の宣長になし山桜 大谷長道 炎環 200908
遠目にも心ひかるる山桜 加藤兵四郎 200908
山桜より抜け出して来し人も 稲畑汀子 ホトトギス 201004
一山の要となりぬ山桜 森清尭 末黒野 201004
機関車の地鳴り近づく山桜 柴田志津子 201005
万葉へ訪ふ夕ベ山ざくら 原桂子 201005
今生を刻むかのごと山桜 池田光子 201006
山桜 →4      

 

2021年3月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。