7       200句

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵

花過ぎ  花屑・花の屑  花篝  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木の間よりぬっと妙高山みょうこう遅桜 田中藤穂 あを 200105
桜散るきのふのゴミの山の上 松村美智子 あを 200105
けふあすと思ひし桜けふも待つ 阿部ひろし 酸漿 200105
日をくだく千鳥ヶ淵の桜かな 阿部ひろし 酸漿 200105
大殿の甍のそりや散る桜 水原春郎 馬酔木 200106
間合いよく桜の花の散ることよ 小野喬樹 馬酔木 200106
夜桜の風重くなる城下町 鷹羽狩行 200106
風なくて西行桜花こぼす 小林たけし 200106
いつの世も咲けば咲いたで桜馬鹿 保坂加津夫 いろり 200106
夕桜一年前をふと思ふ 侭田伊都希 いろり 200106
夕桜西へ東へ人散りて 山田弘子 円虹 200106
八重桜ぎをんの西に川流れ 神蔵器 風土 200106
裏山に風鳴るばかり遅桜 成重佐伊子 俳句通信 200106
傘持つて出て降らぬまま桜咲く 加藤真起子 火星 200106
手のとどく河津桜の紅の色 東芳子 酸漿 200106
暫は桜吹雪に身を任す 大塚民枝 酸漿 200106
青空の奥の方まで桜かな 星野早苗 船団 200106
出来るだけ桜見にゆく日々休日 堀内一郎 あを 200106
私が桜呼べば応へて散ってくれる 堀内一郎 あを 200106
湯疲れの浴衣の肩に桜散る 河合笑子 あを 200106
振り向くと桜の間に繊き月 松本米子 あを 200106
夜桜に息白くして佇みぬ 松本米子 あを 200106
遅桜渡り坑夫の墓の辺に 杉阪大和 春耕 200107
夜桜のけふが過ぎゆく波の音 藤木竹志 馬酔木 200107
病む脚の一歩や今は桜びと 藤木竹志 馬酔木 200107
千歳の梢より桜吹雪かな 田中干鶴子 200107
綿菓子のやうに描きて遠桜 泉田秋硯 200107
矢狭間の視野平成の桜満つ 達山丁字 200107
夜桜に開け放ちけり大手門 垣尾美智子 200107
空小さくなりけり桜咲き満てり 林翔 200107
わたくしの髪青黒く桜散る 上原祥子 海程 200107
又兵衛桜万朶とは腸軋むか 柳生正名 海程 200107
ちちははの声遠くなる櫻かな 谷口佳世子 200107
産土のテニスコートと遅桜 安原楢子 200107
醍醐櫻薬塗られて咲きにけり 高尾豊子 火星 200107
ピザ出前頼みてゐたる桜かな 堀義志郎 火星 200107
桜散り来る喫泉を開きけり 江木紀子 雨月 200107
大奥の址と万朶の八重桜 江木紀子 雨月 200107
奥琵琶の深き入江の遅桜 池田草曷 雨月 200107
湖の水の豊かに桜散る 池田草曷 雨月 200107
グリニッヂのぼたん桜に旅愁濃し 武政礼子 雨月 200107
象の影象より出でず桜散る 萩谷幸子 雨月 200107
北曲輪吉野桜の老樹咲く 門伝史会 風土 200107
勅使門内より見たる八重桜 門伝史会 風土 200107
手を通す衣のつめたき桜かな 川井政子 風土 200107
妙義嶺の懐にゐて遅桜 横田晶子 風土 200107
満願の絵馬に桜のふぶきけり 佐野益子 百鳥 200107
墓守の雑巾白き桜かな 田中正子 百鳥 200107
小羊のうすうす紅し夕桜 荻島雪子 百鳥 200107
桜馬鹿いつか葉になるときあるに 保坂加津夫 いろり 200107
わが町もを人目立つ桜どき 熊谷みどり いろり 200107
老桜より母の声祖母のこえ 藤原紅 いろり 200107
桜散る風なき夜のそのなかに 熊谷みどり いろり 200107
夜桜や三味線の音聞こえくる 林田加杜子 いろり 200107
満開の桜並木に酔ひしれて 林田加杜子 いろり 200107
師と愛でてナイスショットの桜かな 物江昌子 六花 200107
死んだ気にさせてくれる桜かな 浜麻衣子 六花 200107
桜散る雀の声の夕べかな 伯井茂 春耕 200107
遅桜棚田の畦の石積に 安藤孝助 200107
凱旋桜遠き明治の百間道 安藤時子 200107
散る桜舎利の色して地に還る 作山泰一 200107
月残し桜すとんとちりにけり 村上瑪論 銀化 200107
今生の櫻吹雪に嬲らるる 小澤克己 遠嶺 200107
地球より月へと櫻吹雪かな 小澤克己 遠嶺 200107
咲き満ちしさくらと櫻つなぐ橋 田中矢水 遠嶺 200107
夢あらば一つ増やして八重櫻 有山光子 遠嶺 200107
告白の口動きけり遅櫻 上田希実 遠嶺 200107
鐘の音や母の歩ゆるむ夕櫻 高瀬チエ子 遠嶺 200107
散る櫻翁の画布にやさしかり 高瀬チエ子 遠嶺 200107
ふつくらと膨らむ地表櫻時 土岐明子 遠嶺 200107
宮中は奈良よりつづく八重櫻 長谷川登美 ぐろっけ 200107
離任式児の握手攻め桜散る 水野弘 ぐろっけ 200107
休日も働く小店桜どき 梅田泰正 ぐろっけ 200107
遥か来て桜の夕べ桜の夜 今井千鶴子 ホトトギス 200108
夜桜の息聞いてゐる静寂かな 稲岡長 ホトトギス 200108
夕桜夕とは空の色のこと 後藤立夫 ホトトギス 200108
北国の桜吹雪の五月かな 野口年江 酸漿 200108
地の冷えをあつめ一樹の桜濃し 能村登四郎 200108
トルソーに落ちて楊貴妃桜かな 岡田透子 百鳥 200108
空の蒼海の碧しむ桜かな 鳴海清美 六花 200108
武家屋敷に桃と桜と白木蓮と 古田考鵬 雨月 200108
一本といふ華やぎの大桜 坂本敏子 京鹿子 200108
城の辺の流れ彩る櫻かな 野口光江 遠嶺 200108
夕櫻ちる御影堂のすかし窓 曷川克 遠嶺 200108
黄桜の本性は黄かくれなゐか 山田弘子 円虹 200108
黄桜の果くれなゐに散りゐたり 岩瀬操舟 円虹 200108
しんがりに咲くが身上八重桜 横山昌子 200108
夜桜を抱く虚空を怖ぢにけり 稲岡長 ホトトギス 200109
とどまるも日に流るるも散る桜 岡田順子 ホトトギス 200109
しづかなる木も賑やかな木も桜 岩岡中正 ホトトギス 200109
気の付かぬふりす桜の奥の夜叉 松田曼莉 京鹿子 200109
荘川の桜の茂りダム光る 大橋敦子 雨月 200109
宮裏の社宅の桜散りはじむ 鵜飼紫生 雨月 200109
巻尺に巻きもどりぐせ桜咲く 佐々木峻 船団 200109
巻尺にしゃくとセンチと桜散る 佐々木峻 船団 200109
一枚の湖を開けば桜咲く 稲見光 船団 200109
桜咲く大地が揺れている時も 小西昭夫 船団 200109
先輩のシゴキのように桜咲く 小西昭夫 船団 200109
ゆるやかに四肢緩みゆく八重桜 西田もとつぐ 船団 200109
骨片となるまで桜散り尽くす 星野早苗 船団 200109
桜ちるらくだの目玉重たかろ 松山順子 船団 200109
たたずめば何かかなしき夕桜 浮田胤子 ぐろっけ 200109
黄桜の本性は黄かくれなゐか 山田弘子 ホトトギス 200110
むこう向き咲く駅前の遅桜 五十嵐研三 海程 200110
鍵穴はいつも疑問符桜散る 山本純子 船団 200110
夕桜家名が重い八代目 朝日彩湖 船団 200110
咲き充ちし桜の息のきこえけり 能村登四郎 羽化 200110
わが桜さかりの頃を旅にゐて 能村登四郎 羽化 200110
桜咲く使つてみたき良きことば 能村登四郎 羽化 200110
花過ぎて梢艶めける桜かな 能村登四郎 羽化 200110
声変わりして昼の桜になっている 寺田良治 船団 200111
十八歳以下でも見れる夜の桜 寺田良治 船団 200111
えゝ五體してをる峯の櫻かな 岡井省二 200112
わたくしを桜の森に捨てて来た 塩谷則子 船団 200112
ふくらみてふくらみきってゐる桜 大石喜美子 雨月 200201
晴天がつづく櫻は散り尽し 宮津昭彦 200201
大桜天下御免と富士の前 佐藤真次 200202
月光の石山にして桜の木 雨村敏子 200202
桜満開通夜の仏をほめごろし 延原ユキエ 船団 200202
桃いろの河津の桜つらなりて 吉成美代子 あを 200202
もう十年桜両手で抱いてみる 渡辺百合子 いろり 200203
桜ちる中をちり紙交換車 稲森柏郎 200203
黄桜に紅の主張のはじまれり 稲畑汀子 ホトトギス 200204
石に石打ちつけてをる櫻かな 男波弘志 200204
地の影もまた軽からず八重桜 丁野弘 200204
かまくらのどの子の頬も桜いろ 池田崇 200204
都より肥後に根づきし桜老う 山田をがたま 京鹿子 200204
さきがけし桜もみぢに天深し 沖倉好秋 酸漿 200204
山深く登る吉野の遅桜 齋藤幸子 酸漿 200204
女子寮の高き鉄柵八重桜 登坂章一 春耕 200204
遅桜足裏つめたき寺畳 登坂章一 春耕 200204
雨あがり隣家の桜二分となる 赤座典子 あを 200204
風呂敷を飼ひ慣らしたり夕桜 山田六甲 六花 200204
松が枝と枝を交して桜枯る 二瓶洋子 六花 200204
十枚の皿の足りぬと夕桜 片山由美子 200205
ひとときを河津桜にあづけ置く 藤倉冬陽 風土 200205
夕桜犬がスキップして来るよ 山田六甲 六花 200205
夕桜さつきの人が戻りくる 山田六甲 六花 200205
ぼんぼりや二階の窓の夜の桜 喜多初枝 雨月 200205
十能に灰ついてをる桜かな 栗栖恵通子 200205
庄川桜ぽつりぽつりと湖の上 山尾玉藻 火星 200205
仰ぎをりいつより待ちしこの桜 阿部ひろし 酸漿 200205
満開の桜峙つ空蒼し 阿部文子 酸漿 200205
町裏の桜古木も咲きはじむ 小黒加支 酸漿 200205
明日は咲く桜とおもふ夕日かな 柳沢杏 酸漿 200205
新発意の桜眺めてみじろがず 竪ヤエ子 雲の峰 200205
本降りの空に桜のゆれ通し 高野美佐子 雲の峰 200205
雨脚に桜さびしき色となる 高野美佐子 雲の峰 200205
にはたづみ櫻一本溶かしきる 中原道夫 銀化 200205
背脂のうつすらさみし桜季 山根みどり 銀化 200205
前世の我を知りたる桜かな 結木桃子 銀化 200205
黙りを決め込む桜咲くまでは 佐藤多恵子 銀化 200205
鳥取県ほどの氷河がとける桜かな 篠田純子 あを 200205
桜咲き真打日和熨斗とばり 芝宮須磨子 あを 200205
言の葉が刃となりし桜の夜 能村研三 200205
大観の花押の良かり夜の桜 杉本光 200205
乳母車止めたる桜明りかな 小野恵美子 馬醉木 200206
肉體の骨となる刻桜満つ 橋本榮治 馬醉木 200206
櫻癖てふ翁あり花万朶 伊丹さち子 馬醉木 200206
風騒の櫻樹となりし月光裡 伊丹さち子 馬醉木 200206
綱渡り美事に終る桜かな 西村みもざ 京鹿子 200206
一山を桜と墓地の二分けに 大塚邑紅 200206
学校に花庁舎には桜かな 大塚邑紅 200206
満開の桜にもたれ西行忌 比田誠子 百鳥 200206
老桜伐られ四月の空に穴 當川明子 200206
かくも濃き夜空都の桜散る 大沢美智子 200206
ラグビーのゴールに桜吹雪かな 近藤栄治 200206
咲き急ぎまた散り急ぎゐる桜 塩川雄三 築港 200206
夜桜のまだ完全に昏れてゐず 塩川雄三 築港 200206
桜散り人波去つて鳩戻る 美波治恒 築港 200206
咲き競ふ万朶の桜散る定め 美波治恒 築港 200206
オクターブ上げて鵯啼く八重桜 辻のぶ子 雲の峰 200206
蕉翁の句碑に散り次ぐ八重桜 中川晴美 雲の峰 200206
オカリナの聞こゆる湖畔夕桜 大柳篤子 雲の峰 200206
近寄りて黄桜の黄を確かめる 吉田紀子 雲の峰 200206
拈華微笑御衣黄桜ひらきけり 神蔵器 風土 200206
いろは歌あはれ深くて桜咲く 川井政子 風土 200206
雨乞碑建つ三囲の八重桜 及川澄江 風土 200206
夕桜戸ごとに水を使ふ音 冨田みのる 200206
点滴の窓に音なく桜散る 池田光 200206
ひともとの桜に締まる杉の山 椙山正彦 200206
俳句にもあるメダリスト桜咲く 山田弘子 円虹 200206
祝福の桜吹雪を浴びて着く 山田弘子 円虹 200206
秘宝展出て夕桜夕心 山田弘子 円虹 200206
窓に置く浮雲ひとつ遠桜 岩田沙悟浄 円虹 200206
声明のかすかに夜の桜かな 竹内悦子 200206
人の寄る水辺明るき桜かな 谷口佳世子 200206
幹朽ちゐし桜なかなか死ねぬらし 黒田咲子 200206
犬小屋を塗り替へてゐる桜かな 小林あつ子 火星 200206
駅前の桜に風の強き日よ 小林あつ子 火星 200206
しなやかに揺れて上溝桜咲く 長田秋男 酸漿 200206
雨傘をたたみて仰ぐ夕桜 岸野美知子 酸漿 200206
表彰式終へたる庭の桜かな 梶井和呼 酸漿 200206
婚礼に一家連れ立つ庭桜 橋本貞二 酸漿 200206
津久井湖の眺め尽きせぬ桜かな 朝倉富次 酸漿 200206
犬四手の桜と並び花競ふ 朝倉富次 酸漿 200206
四万川の風を誘ひし夕桜 井口初江 酸漿 200206
桜咲き我ひつそりと退院す 小浦遊月 酸漿 200206
二階より灯りを貰ひ夜の桜 浅野恵美子 酸漿 200206
湯の街の小川も浜も桜かな 寺田きよし 酸漿 200206
桜→ 8      

 

2021年3月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。