6       200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
桜咲く市民課に来て書き損じ 中林明美 ヒッポ千番地 200003
遠桜魚のわたを抜く真昼 中林明美 ヒッポ千番地 200003
Welcomeのマットへ桜吹雪かな 夏秋明子 ヒッポ千番地 200003
永遠をただ濡らしている桜雨 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
桜散るひとあしごとの白い靴 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
樹液満つ小指の先まで桜色 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
桜闇のけぞる喉の白さかな わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
人肌にひっそり寄り添う桜雨 わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
心地よき嘘をつかれて桜散る わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
夜が明けて桜咲く日が近くなる わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
抜け出して桜の心身にまとふ 稲畑汀子 ホトトギス 200004
どこまでも桜の出逢ひある一日 稲畑汀子 ホトトギス 200004
帰りには桜に染まりをりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200004
太陽と雨と桜の吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 200004
杉山を抜けみよし野の桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200004
黄桜の色の変身はじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200004
濡れてゐる籍の過ぎゆく桜かな 山尾玉藻 火星 200004
枝々に日ざしふくらむ桜なり 阿部ひろし 酸漿 200004
上溝桜夕雲下りし羽黒山 皆川盤水 春耕 200004
亡き父とゆく心地なる夜の桜 武岡東西 俳句通信 200004
櫓の音に昼深みゆく桜どき 朝妻力 俳句通信 200004
桜散るおつむの弱いフラミンゴ 三宅やよい 玩具帳 200004
夜桜に水満ちてくる錦砂町 三宅やよい 玩具帳 200004
夜桜を扇びらきに御苑かな 鷹羽狩行 200005
夜桜を抽きてけぶれる欅かな 藤田宏 200005
おびただしき軍装の人夜の桜 藤田宏 200005
咲く桜木のかたちして明けにけり 阿部ひろし 酸漿 200005
鶏鳴や夜明けの前の庭桜 皆川盤水 春耕 200005
外苑を歩けば桜馬鹿となり 保坂加津夫 いろり 200005
此の世では泣くも笑ふも桜馬鹿 保坂加津夫 いろり 200005
人波にもまれて歩く桜馬鹿 保坂加津夫 いろり 200005
更けし夜の上野の山の桜馬鹿 保坂加津夫 いろり 200005
夜桜や酒の蔵元鍵開けて 保坂加津夫 いろり 200005
いつの日か恋をしており桜咲く 福田みさを いろり 200005
夜桜や白一色にただよへり 山本潤子 いろり 200005
算盤を道づれにして夜の桜 福田みさを いろり 200005
向き合へる鸚鵡と少女桜散る 松山律子 六花 200005
散る桜僕はひとつの島になる 塩見恵介 虹の種 200005
桜坂降り来て桜もう見えず 塩見恵介 虹の種 200005
差し潮や河津桜はくれなゐに 山口たけし 俳句通信 200005
町裏に大極殿阯桜満つ 長谷川史 馬醉木 200006
夕櫻あまりに多き屋形船 長屋せい子 馬醉木 200006
大桜一念をもてこぼすなし 三村純也 円虹 200006
夜桜の水音抱へゐたりけり 三村純也 円虹 200006
能舞台いまたけなはや散る桜 平しげる 酸漿 200006
一片も散らぬ桜や平氏能 三村禮子 酸漿 200006
きつぱりと桜に天地ゆづりけり 三村禮子 酸漿 200006
咲きみちて明るく散るも桜かな 野口年江 酸漿 200006
きぬぎぬの吉祥天女八重桜 神蔵器 風土 200006
抱けばすぐ櫻吹雪となりしかな 小澤克己 遠嶺 200006
宙空に紅のひとすぢ櫻の夜 小澤克己 遠嶺 200006
大洋の色と散りける桜かな 田畑幸子 火星 200006
父の忌の父の夢みて桜かな 野澤あき 火星 200006
和尚さん桜の寺にして下さい 河野義海 京鹿子 200006
市民球場桜へ消ゆるホームラン 村井久美子 200006
おとがひが口ひらきたる櫻かな 岡井省二 200006
開眼の山ぞにぎわひ桜かな 小林喜一郎 200006
学園町の桜千本咲きそろふ 大西八洲雄 春耕 200006
大島桜咲き群青の海に映ゆ 佐藤史づ代 雨月 200006
女に突かれ男抱きつく櫻の木 島津亮 海程 200006
雨雲の吉野や吉野桜かな 保坂加津夫 いろり 200006
今日ひとひ人と桜に酔ふてをり 柴田美佐子 いろり 200006
三分咲き桜にやさし風さわぐ 福田みさを いろり 200006
夜桜や枝のむこうに三日月 茂木とみ いろり 200006
今年又桜さくらと夢に酔ふ 茂木とみ いろり 200006
楽しみを先にのばして桜咲く 福田みさを いろり 200006
踏切りや桜の里のがらんどう 熊谷みどり いろり 200006
乳飲み子に胸明け渡す桜かな 岡崎るり子 銀化 200006
来し方のところどころに桜咲く 岡崎るり子 銀化 200006
闇を脱ぎ捨てて伏姫桜かな 片山由美子 200007
ロシアからサーカスが来て桜咲く 岬雪夫 200007
ま盛りの桜の影の暗からず 長谷川杜人 200007
夜桜をみにゆく紅を引きにけり 小島美智子 風土 200007
夜桜や誰かが穴を掘ってゐる 小山徳夫 遠嶺 200007
行く川の流れ見てゐる櫻の日 木村伊都子 遠嶺 200007
墨滲む遺稿に櫻明かりかな 野口香葉 遠嶺 200007
いま開く秘仏に櫻明かりかな 野口香葉 遠嶺 200007
まぶしきは櫻映えせし一書かな 山田禮子 遠嶺 200007
一陣の櫻堤の疾風かな 小山徳夫 遠嶺 200007
咲き満ちる櫻一山一寺かな 斉藤利雄 遠嶺 200007
身のどこかほどけてゆきぬ夕櫻 環順子 遠嶺 200007
苫舟にゆふべの櫻吹雪かな 環順子 遠嶺 200007
音たてて犬が水飲む桜かな 浜口高子 火星 200007
鵺塚のふぶきやまざる桜かな 杉浦典子 火星 200007
夫と来て別べつに見る夜の桜 伊藤多恵子 火星 200007
今年また楊貴妃桜に立ち止まり 城尾たか子 火星 200007
動悸して桜大樹の夜なりけり 菅原閧也 200007
泊より浦にまはりし桜かな 栗栖恵通子 200007
うす桜穴の中よりけぶりをり 栗栖恵通子 200007
桜散るはらはらと散る右府の墓 堀田清江 雨月 200007
曳山のつるにお弓に桜散る 堀田清江 雨月 200007
峡に一番早く菩提寺の桜咲く 笹本達夫 200007
桜二本咲きあふれたり小公園 笹本達夫 200007
抽象画展の窓に動物園の桜 片山桃弓 200007
上溝桜白き光のリフト過ぐ 国分七穂 酸漿 200007
名木の桜咲き終ふ雨の夕 八田與四郎 酸漿 200007
けふ見ねばけふが峠の桜かな 梅田秀子 酸漿 200007
職辞して桜吹雪を纏はむと 河内桜人 京鹿子 200007
時計台すつぽり隠す八重桜 横林誠二 200007
裏方は裏口に出る夕桜 華明日香 銀化 200007
老衲の身を持ちくづす夜の桜 春川暖慕 銀化 200007
針の穴みえず桜のふりしきる 石川さくら 銀化 200007
散りつくし櫻は息を鎮めをり 久保田一豊 いろり 200007
桃・桜こうもり傘の一列に 日下敬 船団 200007
病院の桜爆発丘の上 児玉硝子 ヒッポ千番地 200007
桜三分咲いて術後の三分粥 佐々木峻 ヒッポ千番地 200007
静けさの極限にして桜散る 三浦如水 ぐろっけ 200007
夜桜の花の隙間に闇詰まる 三浦如水 ぐろっけ 200007
この桜見ずに逝きたる遊子はも 今井千鶴子 ホトトギス 200008
みよし野の昼の桜となる別れ 今井千鶴子 ホトトギス 200008
半分は闇に溶けゐる大桜 稲岡長 ホトトギス 200008
庭桜ほつたらかして来し吉野 大久保白村 ホトトギス 200008
夜雨あがり桜の上の山の星 大久保白村 ホトトギス 200008
遅れ咲くこと貫禄の八重桜 鷹羽狩行 200008
被爆地の桜の下に画架を据ゑ 藤中正治 200008
声のよき庵主さまなり八重桜 大堀由子 200008
ひとひらが一岳越えて櫻かな 小澤克己 遠嶺 200008
舟唄の櫻吹雪の中を来る 小澤克己 遠嶺 200008
樹下に来て櫻火照りの身をほぐす 小澤克己 遠嶺 200008
告白へ息ととのふる櫻の夜 小澤克己 遠嶺 200008
櫻あり里あり酒を少し酌む 川端実 遠嶺 200008
学校のしづかな櫻仰ぎをり 金國久子 遠嶺 200008
父の忌や今年は雨の八重桜 二本松輝久 風土 200008
満開の桜の下のつるべかな 元田千重 火星 200008
龍安寺桜数へるたびに石足りぬ 柳生正名 海程 200008
優つけて魚体光らせ桜咲く しらいししずみ 海程 200008
洲が見えて人の確かさ桜どき 伊麿淳子 海程 200008
月光にいろをとどめし桜かな 水野恒彦 200008
そよ風の双ヶ岡の八重櫻 中島陽華 200008
こゝに遇ふ大江の里の遅桜 伊田和風 円虹 200008
六甲の桜みづみづしく残る 宮地玲子 円虹 200008
盛り見むと墨染桜へ通ひづめ 平かつえ 200008
暁紅に墨染桜匂ひ立つ 平かつえ 200008
阿武隈の風に葉の鳴る滝桜 下島千代子 春耕 200008
桜雨ひとり閑かに目をとじる 尾上有紀子 船団 200008
三木山を越え来し風の桜かな 山田六甲 船団 200008
石垣の水抜き穴や桜散る 山田六甲 船団 200008
八重櫻父の慈愛に触れにけり 吉野のぶ子 八重櫻 200008
慈しむ櫻観るのはこの衣 吉野のぶ子 八重櫻 200008
櫻かなおはやうございますと社員 中川二毫子 夏木立 200008
川の面にせり出して咲く櫻かな 中川二毫子 夏木立 200008
庭にまた別の猫来る夕桜 宮原利代 ぐろっけ 200008
留学の子へと桜を栞りたる 石橋萬里 ぐろっけ 200008
青年の靴大きかり散り桜 伊藤多恵子 火星 200009
桜散る無神経な人の波 黒田さつき 船団 200009
はなの下しばし夢二のひととなり 川副民子 船団 200009
騎馬戦の小学生に散る桜 二瓶洋子 六花 200009
桜咲くそうだヤカンを買いに行こ 中原幸子 遠くの山 200010
桜咲く亀はきりりと首伸ばす 中林明美 船団 200010
夕桜講演会のレジメ見る 中林明美 船団 200010
住む街の桜と過ごす一時間 甲田夏湖 船団 200010
ニューヨークの桜便りを聞く電話 甲田夏湖 船団 200010
濡れている仔馬の瞳遠桜 富沢秀雄 船団 200010
昼月の鱗のごとく桜散る 鳥居真里子 船団 200010
わっと白髪桜に月の上がるとき 鳥居真里子 船団 200010
あの桜消ゆれば明日はただの山 中尾杏子 船団 200010
逝き給ふ母の旅路に夜の桜 阿部寒林 200010
咲きそめてよりの存在八重桜 嶋田一歩 ホトトギス 200011
新築や桜の樹にもケアプラン 駒走鷹志 海程 200011
白じろとうはみづ桜伯耆富士 長澤健子 酸漿 200011
足音はいつもからっぽ桜散る 南村健治 船団 200011
牡牛座の髪にひとひら桜花 芳野ヒロユキ 船団 200011
川蛇行山道蛇行遅桜 大久保白村 ホトトギス 200101
散るさまを見せて桜の別れかな 大久保白村 ホトトギス 200101
桜とは青い手術台かも知れぬ 吉川真実 海程 200101
学校のにはとり鳴けり八重桜 真保喜代子 200101
たらちねや畳の上に桜花 芳野ヒロユキ 船団 200101
河津桜みな手のとどく枝延べて 阿部ひろし 酸漿 200103
川沿を海へと河津桜かな 阿部ひろし 酸漿 200103
七島の利島が立てる桜かな 阿部ひろし 酸漿 200103
大砲を引き出すように桜咲く 児玉硝子 船団 200103
中年の居場所眠たく桜咲く 児玉硝子 船団 200103
夜桜や紅の蹴出しが笑ひ出す 柳未央 いろり 200104
み吉野の桜いかにと旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 200104
み吉野のそぼ降る雨の桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
雨雫消ゆる早さに散る桜 稲畑汀子 ホトトギス 200104
咲き満ちて黄桜になほ秘むる色 稲畑汀子 ホトトギス 200104
み吉野の奥に届きし桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
太陽に挙りて桜咲きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
この風に耐ゆる術なき桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
夜桜やはらと天鼓の舞に触れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
満開の桜散らねばならぬかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200104
酒の手の落ちしとおもふ八重桜 小川匠太郎 200104
桜咲く使つて見たき良きことば 能村登四郎 200104
海ちかき河津桜の花の雨 阿部ひろし 酸漿 200104
雨しづく光りはじめし桜なり 阿部ひろし 酸漿 200104
河津桜吊し雛売る店も出て 阿部ひろし 酸漿 200104
雨となり色を加へし桜かな 阿部ひろし 酸漿 200104
桜咲き人の哀しみ見えて来る 内藤悦子 あを 200104
夜桜やあっといふ間に一生過ぐ 田中藤穂 あを 200104
枝ぶりの半狂亂に若櫻 佐藤喜孝 あを 200104
歸りゆく櫻の木からなん人も 佐藤喜孝 あを 200104
根に石を抱き千年の桜咲く 品川鈴子 船出 200104
夜桜の一と枝は手をさし伸べし 藤田宏 200104
花過ぎて梢艶めける桜かな 能村登四郎 200105
追叉手の渚をゆけり櫻咲く 岡井省二 200105
脇目ふらずゆく岡持櫻の夜 中原道夫 銀化 200105
オブローモフ外は櫻の園と謂ふに 中原道夫 銀化 200105
おそ櫻反古を開けば山と谿 中原道夫 銀化 200105
金物にもれなく桜散り敷ける 篠原俊博 銀化 200105
桜→ 7      

 

2021年3月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。