53      100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
桜満つ生者は死者に追ひつけず 辻美奈子 202106
さくらさくらやはらかに空ささへをり 七田文子 202106
篝火に桜の見する別の顔 七田文子 202106
糠雨のしづくやきらり初桜 里村梨邨 202106
夜あがりの雫のひかる桜かな 南うみを 風土 202106
橋詰めの桜に触れて戻りけり 小林共代 風土 202106
鼻先の触れて大島桜の香 森高武 風土 202106
桜咲く和紙明りして麻生川 門伝史会 風土 202106
飛行機雲さくらに空を置いてゆく 山田暢子 風土 202106
初桜まだ人声に触れぬ白 高村令子 風土 202106
風折れのさくら一房卓上に 林いずみ 風土 202106
ふるへゐるさくら人待つさくらかな 雨宮桂子 風土 202106
静脈の透ける腕よさくら冷え 谷田明日香 風土 202106
手折りたき夜桜明日は散りゆくか 安立公彦 春燈 202106
手を振れば手が足誘ふ桜坂 上野進 春燈 202106
慶喜の墓所は終日散るさくら 石橋邦子 春燈 202106
一つだに莟残さぬ桜かな 永井惠子 春燈 202106
今日もまたいつもの歩幅朝桜 近藤真啓 春燈 202106
河津桜長き睡の子牛かな 小林紫乃 春燈 202106
初桜ひとり占めする誕生日 山下朝香 春燈 202106
コロナ禍の夜も密なる桜かな 室井津与志 春燈 202106
明日開く桜や全山深呼吸 辻泰子 春燈 202106
満開の桜並木の輪中堤 種田利子 春燈 202106
女将てふ名を脱ぎて見る山桜 西本花音 春燈 202106
子と孫と墓参の坂道桜咲く 落久保万里 春燈 202106
見上ぐればさくら吹雪やわが壮年 中西衛 春燈 202106
何の木かさくらふぶきの中に立つ 佐藤喜孝 あを 202106
若桜銀色に照る幹の色 森なほ子 あを 202106
桜散る足元を見る金次郎 大日向幸江 あを 202106
恭子さんのふれし八重桜に触るる 篠田純子 あを 202106
吉野とは悲喜こもる山桜散る 田中藤穂 あを 202106
みゆき野の軽便の笛下馬桜 和田照海 京鹿子 202106
労りは桜花散乱風に酔ふ 松本鷹根 京鹿子 202106
碧天へ桜舞ひ散る峡あそび 塩貝朱千 京鹿子 202106
夜桜や遠近定め椅子ひとつ 塩貝朱千 京鹿子 202106
はやざくらひとり歩きは吊橋めく 奥田筆子 京鹿子 202106
初ざくら化粧に疎き吾子なりし 笹村政子 六花 202106
こんな所に桜ありとは知らざりし 関喜久子 202107
咲きて良し散るも尚よき桜かな 関喜久子 202107
一本の桜一人で見尽くせり 関喜久子 202107
散る櫻コロナ感染増えつづく 土田野里子 202107
散り来たる桜一片肩にのる 土田野里子 202107
ほどほどの風をまとへり遅桜 西川保子 春燈 202107
散る桜頭にのせて戻りけり 橘正義 春燈 202107
表札に杵屋なにがし遅ざくら 中村嵐楓子 春燈 202107
牡丹桜外濠川へ続く道 松本峰春 春燈 202107
来し方の悔いは御破算朝ざくら 卜部黎子 春燈 202107
印泥を箆で練り上げ桜の夜 能村研三 神鵜 202107
桜の芽前方失ふ後円墳 吉田葎 202107
千年の桜に百の支へ棒 吉田葎 202107
雲重くかかれる千木や八重桜 森清堯 末黒野 202107
魁けて華やぐ若木朝桜 岡野里子 末黒野 202107
城門の乳鋲てらてら若桜 岡野里子 末黒野 202107
青銅の反り屋根覆ふ桜かな 岡野里子 末黒野 202107
をちこちの雨の色なる桜かな 黒滝志麻子 末黒野 202107
大多喜城枝垂桜を透かし見ゆ 田中臥石 末黒野 202107
磯釣の波へひらひら崖桜 田中臥石 末黒野 202107
風にとぶ牛の唾液や散るさくら 堺昌子 末黒野 202107
八重桜空の余白の真青なり 大川暉 末黒野 202107
潮騒の丘のホテルや桜舞ふ 岡田史女 末黒野 202107
山桜うらうらど照る谷田かな 亀卦川菊枝 末黒野 202107
遠桜朝の玉子の黄身二つ 竹内涼子 末黒野 202107
四阿に野猫も集ひ夕桜 竹内涼子 末黒野 202107
電車ごつこ出発駅は庭桜 森川享 末黒野 202107
往く道も振り向く道も桜かな 伊藤美緒 末黒野 202107
一湾を臨む桜や海に散る 喜田君江 末黒野 202107
眼裏に君とめぐりし滝桜 佐々木澄子 末黒野 202107
患ひて桜の開花耳に留め 佐々木澄子 末黒野 202107
切株のさくらに発心芽吹きたり 水谷昭代 202107
満開の櫻にみたる覚悟かな 雨村敏子 202107
えつちやんのさくらと思ふ櫻かな 竹中一花 202107
揺るる度月に近づく枝垂桜 橋本順子 202107
獣毛の筆を出しをる桜の夜 橋本順子 202107
地獄絵を飾り一樹の桜説く 丸井巴水 京鹿子 202107
稜線をはしる流星さくらの夜 伊藤希眸 京鹿子 202107
生き過ぎかいや生き足りぬさくらの夜 亀井福恵 京鹿子 202107
風あれば風のリズムに乗るさくら 西村白杼 京鹿子 202107
はつ桜ひかりの中を少女現る 安田優歌 京鹿子 202107
青墨を購ふ小町通り桜花散る 梅原ひろし 京鹿子 202107
神輿庫ねむらせ月のさくらかな 神蔵器 風土 202107
朝ざくら一番糶の声挙がる 南うみを 風土 202107
濠の面に触れんばかりの桜かな 土井ゆう子 風土 202107
山桜小さき漁港の造船所 森高武 風土 202107
遠嶺の空の奥まで山ざくら 門伝史会 風土 202107
佇みて歩きて惜しむ豆ざくら 門伝史会 風土 202107
前山の中腹灯す山さくら 鈴木石花 風土 202107
枝分けてしだれざくらの幹覗く 岩木茂 風土 202107
ひとところ激しき揺れや山桜 浅田光代 風土 202107
ひと匙の粥のひかりや朝ざくら 浅田光代 風土 202107
たましひの揺れのはじまる夜のさくら 山田健太 風土 202107
昃ればほのと色あり初桜 三村純也 ホトトギス 202108
愛娘ゐて家桜ありし頃 今井千鶴子 ホトトギス 202108
夕桜吾が草庵は古びても 星野椿 ホトトギス 202108
紅ほのとさして黄桜散らんとす 山西商平 ホトトギス 202108
さきがけて薄墨ざくら日和かな 本郷桂子 ホトトギス 202108
故郷の除染進まず山桜 石塚清文 やぶれ傘 202108
桜ちらほら昼飯はざるうどん 泉一九 やぶれ傘 202108
図書館の駐輪場に桜散る 神山市実 やぶれ傘 202108
今年また寺に見にゆく遅桜 小池一司 やぶれ傘 202108
夕桜馴染みの店の暖簾押す 小巻若菜 やぶれ傘 202108
桜 →54

 

2023年4月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。