5       199句

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ

 花屑・花の屑  花篝 

作品
作者
掲載誌
掲載年月
そのことに触れず桜の散りにけり 亀田憲壱 銀化 200206
白水を山家の吐きぬゆふざくら 亀丸公俊 銀化 200206
あやかしの膕伸びる桜季 武井清子 銀化 200206
人臭きはうへと開く桜かな 山崎未可 銀化 200206
青毛にはゆふぐれの寄る桜かな 山崎未可 銀化 200206
食べて気を紛らす桜咲きにけり 野路斉子 200206
町内に歩きともだち桜咲く 戸田喜久子 200206
舟磨くやうに琴拭くさくらの夜 高橋さえ子 200206
天窓を棒で押し上ぐ桜咲く 野路斉子 200206
山門を入れば砂の海初桜 梁瀬照恵 ぐろっけ 200206
篝火の壺中の天に桜かな 鷹羽狩行 200207
浴びるとは桜三里の花行脚 永井雪狼 200207
夜桜の道後に宿のとれしこと 永井雪狼 200207
祖谷渓を二つに分けて散る桜 永井雪狼 200207
昃れば色の生まるる遠桜 山下青披 200207
日を追ふて奥千本へさくら花 林日圓 京鹿子 200207
藤村の西行庵記さくら舞ふ 林日圓 京鹿子 200207
西日して見返りさくらちりそめし 山田耕子 京鹿子 200207
追從を許さぬ御衣黄さくらかな 岩尾みち子 京鹿子 200207
人を呑みさくら大樹のはしやぐなり 伊藤希眸 京鹿子 200207
散り終へし闇へ桜に吐息のみ 西岡残照 京鹿子 200207
わだつみの風孕みたり大桜 手島靖一 馬醉木 200207
月いまだ和紙の淡さや夕桜 手島靖一 馬醉木 200207
夜桜の中ゆく禊受くるごと 手島靖一 馬醉木 200207
この桜亡き人の為夜も灯し 閑田梅月 馬醉木 200207
この坂に爆死の兄や夕桜 辻本みえ子 馬醉木 200207
山神に虎魚この世に八重桜 神蔵器 風土 200207
一山や上溝桜空に沸く 神蔵器 風土 200207
散るさくら男紬は紺ひといろ 佐藤よしい 風土 200207
中空を滝ほとばしる滝桜 平田紀美子 風土 200207
さゆらぎのおくの暗さや滝桜 平田紀美子 風土 200207
咲きみちて十指つめたき滝桜 平田紀美子 風土 200207
仏壇のさくら一枝咲いて散り 三浦てる 風土 200207
誕生日贈るものなく八重櫻 島崎晃 遠嶺 200207
対岸に佃の鳥居さくら散る 小山徳夫 遠嶺 200207
雨の搏つ櫻と季を惜しみけり 野口光江 遠嶺 200207
大いなる歳月うつす八重櫻 高村洋子 遠嶺 200207
大いなる樹幹の捩れ夕櫻 水野あき子 遠嶺 200207
終日をゆつくりと散るさくらかな 水野あき子 遠嶺 200207
己が影に淡墨ざくら重ねちる 曷川克 遠嶺 200207
丘に座し奥千本のさくらかな 曷川克 遠嶺 200207
生きてゐる事をよろこび櫻時 袴田信子 遠嶺 200207
櫻散る大きな鯉の動かざる 袴田信子 遠嶺 200207
八重櫻余韻のぬくき時の鐘 いしだゆか 遠嶺 200207
茅堂を覆ふ大樹の櫻かな 田島勝彦 遠嶺 200207
この星の息吹のやうに櫻散る 土岐明子 遠嶺 200207
奉仕日の眼を和ませる八重櫻 松井治美 遠嶺 200207
水分の吉野のさくら季長し 金子篤子 200207
葬のあと御衣黄ざくら房ごと散る 荒井正隆 200207
神の火を入れて夜桜能となる 村上喜代子 百鳥 200207
研屋来てさくら吹雪の下で研ぐ 森田春秋子 百鳥 200207
母の形見着てみやうかとさくら月 関薫子 百鳥 200207
南高西高桜競ひけり 青池亘 百鳥 200207
燈の入りし高灯籠や夕桜 岩瀬操舟 円虹 200207
僧の撞く夕べの鐘に散るさくら 岩瀬操舟 円虹 200207
余生など考へまいぞ桜咲く 露口美穂子 円虹 200207
この町の桜堤と思ひをり 深澤鱶 火星 200207
夜桜やかたまりならでかたまれる 深澤鱶 火星 200207
洛中の桜見て来し深眠り 大山文子 火星 200207
桜てふ不治の病を見舞ひけり 田村はじめ 銀化 200207
一ツ身を桜吹雪に研がれをり 暮岸江 銀化 200207
夜桜やペアーウオッチのずれし刻 角田信子 六花 200207
宇野千代の名を世に遺す桜かな 二村蘭秋 雨月 200207
露坐仏の肩にちり敷くさくらかな 大堀鶴侶 雨月 200207
島山のふくれてみゆる桜どき 中島知恵子 雨月 200207
夕桜落人の名も墓標もなく 中島知恵子 雨月 200207
遅れてはならじと咲くか家桜 中島知恵子 雨月 200207
瑠璃光寺の池に映りて夕桜 岡本直子 雨月 200207
夜桜に昂り月の細くとも 吉田眞弓 雨月 200207
羨しきは日当たりながら散るさくら 江木紀子 雨月 200207
咲き満つる桜の風にある湿り 江木紀子 雨月 200207
夭折の忌を修したる夕桜 阪上多恵子 雨月 200207
咲き満つるさくらのどこか翳り持つ 乗光雅子 雨月 200207
うたびとの魂宿るらむ夜のさくら 乗光雅子 雨月 200207
中天の日輪白し遅桜 大石喜美子 雨月 200207
五體なく面影そこに櫻かな 加藤みき 200207
たなごころ濡れ夜櫻の前にゐる 雨村敏子 200207
腹八分桜八分のかげん良し 植松美根子 200207
夕桜いきなり駈くる手足かな 松本桂子 200207
耳飾り箱に並べて桜の夜 雨村敏子 200207
銅鏡百枚卑弥呼の櫻かな 雨村敏子 200207
遁げ足の遅くてさくら咲きにけり 男波弘志 200207
桜咲く家居ゆたかな刻流れ 木内憲子 200207
潮の香に雨意ありありと夕桜 青砥真貴子 200207
夕桜港に黒きロシア船 青砥真貴子 200207
はね橋の名はさくらばし花見どき 竹中さと子 200207
桃さくら散つて吉備野はとのくもり 竹中さと子 200207
老桜のふところに入り幹を撫づ 小西瑞穂 ぐろっけ 200207
飛鳥山の桜見下ろす句座にゐて 岡田章子 ぐろっけ 200207
白川に片足浸けて櫻撮る 石橋萬里 ぐろっけ 200207
発表会助け舟あり八重桜 長谷川としゑ ぐろっけ 200207
みんなみんな死ぬる身さくら吹雪かな 木田千女 200208
潮風の重さくははり八重ざくら 中島たけ子 200208
俄なる桜にそぞそぞろかな 山田弘子 ホトトギス 200208
村を沈めしダム湖へ傾ぎ遅桜 阪上多恵子 雨月 200208
夕ざくら湖の碧潭濃かりけり 阪上多恵子 雨月 200208
花びらに花びらの影夕ざくら 阪上多恵子 雨月 200208
さくら咲く虚子の眼鏡の磨かれて 江頭文子 雨月 200208
春の雲楕円がさくらに伸びたがる 塚本務人 京鹿子 200208
八重桜御室は塔より暮れそめし 小川文子 京鹿子 200208
時ならぬさくら吹雪や逝きし刻 城石美津子 京鹿子 200208
琴は十音色は一つ観桜会 大井貞一 京鹿子 200208
ふところの一本の径さくらさくら 井上菜摘子 京鹿子 200208
箸茶碗浸す湧水やまざくら 山田美保 200208
散るさくら生マ足といふ横坐り 青山丈 200208
にぎにぎの子の手の真赤初ざくら 宮原みさを 花月亭 200208
新宿の上に空ありさくら散る 宮原みさを 花月亭 200208
くれなゐのほのかにほぐれ初ざくら 宮原みさを 花月亭 200208
逝きし兄在す御社夕ざくら 大谷茂 飛白 200208
桜濃し市発祥の地の雨に 小林輝子 風土 200209
夕映ゆる名残りの櫻に椅子一つ 邑橋淑子 遠嶺 200209
津々浦々さくら霞や秋津島 大浦ヤ 帆船 200209
夜櫻へまぐはひ火照りさましゆく 小澤克己 遠嶺 200210
夢を見るままに櫻の下通る 佐藤喜孝 あを 200210
飛鳥大仏眉おほらかにさくら咲く 門伝史会 風土 200211
咲き満ちて桜あかりに太子道 門伝史会 風土 200211
飛鳥川水より暮れて夕桜 門伝史会 風土 200211
一本の桜の下に幼稚園 柴田久子 風土 200211
株立ちのもみづる桜大樹かな 當麻幸子 雲の峰 200212
につぽんの鳴動さくらさくらかな 尾上直子 200301
夜桜の妖しき翳り湖の風 刈米育子 200302
累代の墓にもみづる櫻かな 小宮山勇 遠嶺 200302
学寮にコンテナ着いて初桜 田中美智代 200302
足元に猫うづくまる八重桜 森田蝌蚪 200302
夜桜や月出て人の立姿 森田蝌蚪 200302
初桜七分咲てふ旅帰り 稲畑汀子 ホトトギス 200303
祝ぎ色に桜彩る雨として 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
咲き満ちて鉱山の哀史を知る桜 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
雨けぶる錦ヶ浦のさくらかな 阿部ひろし 酸漿 200303
こころ無にながむる桜日和かな 岡久枝 酸漿 200303
どこからも富士見ゆる村桜咲く 岡久枝 酸漿 200303
幹は竜花妖艶の寺桜 岡久枝 酸漿 200303
富士川の川波白し散る桜 岡久枝 酸漿 200303
緊張の檣頭礼や遠ざくら 泉田秋硯 鳥への進化 200303
勝負師のポーカーフェース桜咲く 泉田秋硯 鳥への進化 200303
人埋むる穴のかぐろき桜かな 橋本榮治 馬醉木 200304
永き日や桜前線なほ北へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200304
咲く遅速問はぬも桜祭かな 稲畑汀子 ホトトギス 200304
散る花を愛づるもさくらまつりかな 稲畑汀子 ホトトギス 200304
初桜たちまち散るを誘ふ風 稲畑汀子 ホトトギス 200304
みよし野の桜の遅速いふ勿れ 稲畑汀子 ホトトギス 200304
話題にも散り尽したる桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 200304
子の姿消えし砂場の夕桜 佐藤瑛 帆船 200304
石橋をたたいて桜満開に 山田六甲 六花 200304
鶏追ふにいまも手を打つ遅桜 岡本眸 200304
川沿ひの桜ぱらつと新開地 岡本眸 200304
忘れものとりにもどれぬ櫻花 佐藤喜孝 青寫眞 200304
さくらどきこゑに出し読む恋百句 伊藤白潮 200305
さくら咲く海に出るまで滑川 神蔵器 風土 200305
河津桜咲きたる裾に花菜の黄 佐久間俊子 200305
往診の帰りは桜月夜かな 須佐薫子 帆船 200305
枝ごとに夕風違ふ八重桜 朝妻力 雲の峰 200305
紙一枚ばかりのいのち散る桜 三澤福泉 雲の峰 200305
夜桜や声を嗄らして母帰る 森本さやか 雲の峰 200305
天地有情さくらの花の散る限り 大橋敦子 雨月 200305
桜散る歓喜の声を上げて散る 大橋敦子 雨月 200305
さくら散り尽して水と流れ去る 大橋敦子 雨月 200305
夜すがらの灯明りあびてゐるさくら 大橋敦子 雨月 200305
桜と菜の花東中野に二度三度 芝宮須磨子 あを 200305
窯出しの器のいろの桜かな 早崎泰江 あを 200305
桜咲く夢の中までさくらさく 早崎泰江 あを 200305
桜散る心ゆくまで歩をとどむ 早崎泰江 あを 200305
大空の鼓動伝はる桜かな 斉藤静枝 あを 200305
傘立に桜の雫切つて入れ 斉藤静枝 あを 200305
吃逆が出るたびさくらさくら色 宮坂静生 200305
矛蔵や櫻の闇にこゑのあり 中田禎子 200305
夜櫻のてつぺんにあり五芒星 中田禎子 200305
πr2水面にさくら吹雪かな 中田禎子 200305
櫻雨馬刺身ばさしあかあか點るなり 中原道夫 銀化 200305
ほつほつと三分ざくらが告白す 宇都宮滴水 京鹿子 200305
桜活けて目より小さき眼鏡かな 山田六甲 六花 200305
大寺の名あるさくらのまだ固き 長沼紫紅 200305
村いくつ抜け来て山のさくらかな 長沼紫紅 200305
一さしの舞こそ佳けれ夕櫻 小澤克己 春の庵 200305
人知れず仰ぐものかも初桜 山田弘子 草の蝉 200305
就中欝金桜の雨の鬱 山田弘子 草の蝉 200305
さくらさくら丘あれば人歩みけり ほんだゆき 馬醉木 200306
相逢ふや時間の奥にちる桜 ほんだゆき 馬醉木 200306
一ひらも手ぬきをせずに咲くさくら 狭川青史 馬醉木 200306
労務課も秘書課もさくらさくらかな 藤井寿江子 馬醉木 200306
状差しのあふれてさくら咲きにけり 櫨木優子 200306
水呑みに真夜の階下へさくらどき 櫨木優子 200306
気象庁予報むにゃむにゃ桜咲く 泉田秋硯 200306
木の瘤の穴となりたる櫻かな 竹内悦子 200306
わたくしの髄のくれなゐ初桜 栗栖恵通子 200306
靄靄と時流れゆくさくらかな 雨村敏子 200306
漫ろなる踵返して初櫻 岩崎真理子 遠嶺 200306
思ひのこすことなし西行桜浴ぶ 神蔵器 風土 200306
花の寺さくら一本寄進せり 神蔵器 風土 200306
西行忌さくら昏れゆくこゑをもつ 神蔵器 風土 200306
盃に一ひら浮かす普賢象桜ふげんぞう 神蔵器 風土 200306
区役所のさくら二分咲き三分咲き 小野寺節子 風土 200306
夜桜へ走らせボンネット熱し 吉田政江 200306
遅桜色よき返事待ちにけり 吉田政江 200306
どの枝となく乗り出して八重桜 斎藤棹歌 200306
初ざくら千鳥が渕に刻逝かす 尾高せつ子 200306
木の齢人の齢に初ざくら 中村恭子 200306
上溝桜一樹が姿見せて咲く 阿部ひろし 酸漿 200306
二分咲に湖の風呼ぶ夕ざくら 阿部悦子 酸漿 200306
桜→6      

 

2021年3月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。