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作品
作者
掲載誌
掲載年月
途切れなく時戻りゆくさくらかな 佐渡谷秀一 対座 201505
スカーフの黄を結びある夕桜 山田六甲 六花 201505
散りながら夢に入りゆくさくらかな 山田六甲 六花 201505
空に入るG線上のさくらかな 山田六甲 六花 201505
地霊いま昇りつめたる夕桜 水野恒彦 201506
雲珠桜見てをる鞍馬大天狗 竹内悦子 201506
夕星の潤みてしだれざくらかな 本多俊子 201506
うたた寝に煌めく湖とさくらかな 杉原ツタ子 201506
満開の桜大樹の烟だつ 寺田すず江 201506
一生の一日を桜見て暮れぬ 有松洋子 201506
鯉跳ぬる跳ぬるおほしまさくらかな 今井妙子 雨月 201506
風の道あるかの如く散る桜 加藤北天 雨月 201506
城址を頂として夕ざくら 豊田都峰 京鹿子 201506
宵と夜の淡きはざまに散るさくら 藤岡紫水 京鹿子 201506
母でもない妻でもない刻夕桜 種田果歩 201506
あんぱんの凹みにぽっとぽと桜 つじあきこ 201506
バス待ちの木と木の間の桜かな つじあきこ 201506
洛北のさくらふりつむさくら舞ふ 辻水音 201506
桜の森へ階段を一歩づつ 辻水音 201506
さくらさくら透き間に満ちる睡い空 のざきまみこ 201506
桜見て今年も生きん力得る 豊田信子 201506
ロビーから桜みてゐる忌日かな はしもと風里 201506
順番に老いて桜に呼ばれけり はしもと風里 201506
さくらさくらほと溜め息をしたの誰 火箱ひろ 201506
活けられし河津桜の枝ごつごつ 大坪景章 万象 201506
搦手は人もまばらに桜かな 内海良太 万象 201506
円山は桜満開とたれか言ふ 西村雪園 風土 201506
ありがたや観音堂の山桜 西村雪園 風土 201506
スカイツリー近し桜の隅田川 須藤美智子 風土 201506
夜桜やスカイツリーも桜色 須藤美智子 風土 201506
外つ国の人も酔ひたる桜かな 須藤美智子 風土 201506
五重塔裾を彩る桜かな 須藤美智子 風土 201506
夕さくら夫の電話の来るころか 杉本薬王子 風土 201506
逆境も順境もありてさくら咲く 杉本薬王子 風土 201506
咲く桜散る桜あり散歩道 松嶋一洋 201506
桜咲き五臓六腑に風通る 松嶋一洋 201506
老桜の溜息もるる墓の道 和田政子 201506
天上に百花の吐息夕ざくら 安立公彦 春燈 201506
一枚の画布の広ごりさくら並木 神田恵琳 春燈 201506
墓誌銘に母の名刻む桜かな 渡辺若菜 春燈 201506
なにもかか身をはなれゆく夕桜 齋藤晴夫 春燈 201506
未来図へ園のさくらの咲きはじむ 吉村さよ子 春燈 201506
簷滴の二本ひとつにさくら二分 佐藤恭子 あを 201506
遅桜太平山に猪の道 須賀敏子 あを 201506
自転車で素つ飛び巡るさくらさくら 斉藤裕子 あを 201506
見ゆるもの見えざるものに櫻散る 井上信子 201506
彼岸桜ほつほつ別れ近くせり 山崎靖子 201506
ひよひよと過ぐひととき遊ぶ櫻かな 荒井和昭 201506
その構へさくら大樹の威風かな 堀岡せつこ 201506
自づから桜の大樹拝めり 堀岡せつこ 201506
さくらさくら競ひて先を急ぎけり 寺田すず江 明日葉 201505
校庭の喚声さくらさくら散る 太田昌子 馬醉木 201506
心にも桜大樹の咲き満ちて 川村清子 馬醉木 201506
さくらさくら皇宮警察官不動 成宮紀代子 201506
さくら咲く日本の佳き節目かな 千田敬 201506
さくら爛漫樹下に佇つ冥さとも 千田敬 201506
たをやかといふはこのことあさざくら 杉本光祥 201506
過去の酒これよりの酒夕桜 甲州千草 201506
詠まれてもよまれても桜真あたらし 富川明子 201506
土居跡に戦見てきし桜かな 富川明子 201506
見尽せぬままに散りゆく桜かな 竹内タカミ 201506
さくらさくら背丈半分ランドセル 竹内タカミ 201506
山桜風の白衣を装ひぬ 山下ひろみ 201506
番号札貼られ城趾の桜かな 山内碧 201506
夜の桜ちりこむ箸を使ひけり 川崎よしみ 201506
病床の鏡に入るる夕ざくら 柴田志津子 201506
子に曳かれまたまみえたし滝櫻 中島陽華 201507
桜咲く藁屋の牛に啼かれける 竹内悦子 201507
日本の体温計として櫻 柳川晋 201507
全天の青全山の桜かな 岩下芳子 201507
夕桜一切の音封じをる 近藤紀子 201507
黄櫻や童子わつぱ河童と笑ひあふ 竹中一花 201507
夜桜や天平美人の舞ひ姿 中島昌子 201507
建て替への社は小さし桜かな 中田禎子 201507
さくらさくら猿の腰掛けみつけたり 中道愛子 201507
桜より人ひと人の通り抜け 前田美恵子 201507
人伝に又兵衛桜見に行かむ 前田美恵子 201507
園丁の指さす大島桜かな 柳橋繁子 201507
ケとハレの境にありし桜かな 江島照美 201507
夜桜や仮面をつけし人の波 中田禎子 201507
結界を桜としたり明と暗 中田禎子 201507
しばらくは散るをこらへし桜かな 一民江 馬醉木 201507
天守より明くる一城さくら満つ 渡部良子 馬醉木 201507
城山に惹かれさまよふ夕桜 渡部良子 馬醉木 201507
岩走る水の色なす山桜 石川倜子 馬醉木 201507
散りきつて風のままなる滝桜 市村明代 馬醉木 201507
人つ子一人なき校庭のさくらかな 西川保子 春燈 201507
万感の思ひを散らすさくらかな 上山永晃 春燈 201507
行合のさざなみ明り遅桜 後藤眞由美 春燈 201507
サーカスの口から火噴く桜の夜 荒井千佐代 201507
夜桜や音なく堀の水位増す 鈴木良戈 201507
競ふさまなくて全山桜かな 高橋道子 201507
煮詰りし玉蒟蒻と夜桜と 高田令子 201507
桜散る速さに琴の高まりぬ 加藤峰子 201507
夕桜逢瀬めきたる深帽子 加藤峰子 201507
滝桜しばし支柱を撫でてをり 石田きよし 201507
存念の戦なき世やさくら散る 石田きよし 201507
畦道の菜を購へり大桜 鎌田光恵 201507
鐘一打風ふくらませ桜散る 吉川恵子 201507
たましひのごとく幹よりさくら噴く 柴田久子 風土 201507
虚子の忌の桜の下に集まれり 中村洋子 風土 201507
越後桜北陸桜能登桜 根岸善行 風土 201507
星になるために今宵めさくら散る 小林和子 風土 201507
水底のゆらり傾く大桜 生田作 風土 201507
満開の桜の中に伎芸天 水井千鶴子 風土 201507
観音のうしろに雨の桜かな 雨宮桂子 風土 201507
本流に架かる朱の橋弥陀ざくら 丸井巴水 京鹿子 201507
おそ櫻散らせし風のさくらいろ 丸井巴水 京鹿子 201507
生と死を分けし涛音島ざくら 伊藤希眸 京鹿子 201507
少年の頬にかみそり桜どき 直江裕子 京鹿子 201507
夜桜や小さき闇に躓きて 上野紫泉 京鹿子 201507
巡り来る母の忌巡り咲く山桜 福島照子 京鹿子 201507
かな面の鼻の尖りさくら散る 神田美千留 京鹿子 201507
給食の時間さくらは咲きみちて 大崎紀夫 やぶれ傘 201507
陵へ道つきあたるさくらかな 根橋宏次 やぶれ傘 201507
ランドセル行く校門の八重桜 廣瀬雅男 やぶれ傘 201507
墓地跡は拘置所管理八重桜 丑久保勲 やぶれ傘 201507
房のまま落ちて乾びて八重桜 青谷小枝 やぶれ傘 201507
移り行く雲に日のある夕桜 渡邉孝彦 やぶれ傘 201507
百年を木机に刻み庭桜 小川玉泉 末黒野 201507
上枝みな空を指しをり山桜 小川玉泉 末黒野 201507
松籟の絶えぬ町並散る桜 松本三千夫 末黒野 201507
人と犬乗せたる渡し桜どき 黒滝志麻子 末黒野 201507
さくら散る海に一撒きほどの舟 松田泰子 末黒野 201507
大空へ迷へる如き桜かな 森清信子 末黒野 201507
晩年へ刻とどまらず散る桜 大橋伊佐子 末黒野 201507
夜桜やぼんぼりの灯の橋二つ 大橋伊佐子 末黒野 201507
じぐざぐに声登りゆく桜山 斉藤マキ子 末黒野 201507
二代目の苑の要の桜咲く 谷貝美世 末黒野 201507
星のきらやどして夜の桜かな 小山直子 末黒野 201507
畑隔て学習塾や八重桜 鈴木礼子 末黒野 201507
西行に捧ぐる一枝山ざくら 和田慈子 末黒野 201507
七十年戦なき世や桜咲く 太田チヱ子 末黒野 201507
一族の墓を抱きて大桜 渕田則子 末黒野 201507
山桜切符は箱へ無人駅 仁平則子 201507
満開の桜とともに師を囲む 仁平則子 201507
過去重き太郎の塔に桜咲く 窪田佳津子 雨月 201507
病める目に遠見の桜さびさびと 窪田佳津子 雨月 201507
帰国子を迎へて仰ぐ夜のさくら 玉置かよ子 雨月 201507
空おほふ県の名木とふさくら 堀田こう 雨月 201507
蒼天を背景となし八重桜 金森信子 雨月 201507
春深し桜前線津軽まで 金森信子 雨月 201507
薄墨桜散るただなかに身をゆだね 佐藤貞子 雨月 201507
放心の身に散りしきる根尾桜 佐藤貞子 雨月 201507
バンザイの別れ万朶の桜かな 大坪景章 万象 201507
大いなる円を芝生に遅桜 大坪景章 万象 201507
裏山に桜が咲いて背の痒し 小林愛子 万象 201507
遅咲きの桜の今を晴れ晴れと 飛高隆夫 万象 201507
乗り替への電車にさくらふぶきかな 福島せいぎ 万象 201507
氷敷き売らるる吉野桜鮎 原田しずえ 万象 201507
桜 →41      

 

2023年3月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。