39      200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
金箔の栞を開くさくらの夜 西田孝 ろんど 201407
積み上ぐるために購ふ本桜満つ 熊谷ふみを ろんど 201407
金山の名残りの村や八重桜 原田しずえ 万象 201407
石段を数へて登る桜かな 杉浦典子 火星 201407
極楽橋渡りて彼岸桜かな 竹内喜代子 雨月 201407
仰ぎ見る昏き毬なす桜かな 紅谷芙美江 万象 201407
京のさくら近江の桜沸騰す 塩田朱千 京鹿子 201407
一泊の旅一本の櫻かな 竹内悦子 201407
人は花にさくらは人に疲れけり 松尾春香 ろんど 201407
親もとで親ごと老いて桃さくら 柴田佐知子 201407
神体は剣さくらの道の反り 丸井巴水 京鹿子 201407
帰宅せし夫に誘はれ夜のさくら 落合絹代 雨月 201407
校史百年大桜また若桜 堀井英子 雨月 201407
観桜や陛下と同年共白髪 鎌田慶子 ろんど 201407
官兵衛の在所のさくらさくらかな 今井洋子 雨月 201407
瓦斯灯の大正ロマン夕桜 辻井ミナミ 末黒野 201407
頸一つ抜けて俯瞰のさくら浄土 岡田桃子 201407
学校に桜ありけり集へとぞ 柿沼盟子 風土 201407
遠望の海円やかや山桜 田中臥石 末黒野 201407
爛漫といふ重さある桜かな 熊川暁子 201407
咲き満ちて夕日おもたき滝桜 渡部良子 馬醉木 201407
念持仏もたず生き来て山桜 橋添やよひ 風土 201407
桜折るをみなを見たる朧かな 中尾安一 火星 201407
山ざくら鯉沈みゐる水暗し 杉浦典子 火星 201407
山奥の茶どころの遅桜かな 飛高隆夫 万象 201407
連獅子のやうに桜の揺れてをり 神山市実 やぶれ傘 201407
山桜カメラ自在の老婦人 赤塚篤子 末黒野 201407
山桜満開にして静謐なり 手島伸子 雨月 201407
悲喜交ぜて桜語れる八十路かな 北尾章郎 201407
両の手にさくらあをぞら通り抜け 吉田克美 ろんど 201407
終楽章フォルテッシモに桜散る 樺山翠 雨月 201407
病棟の桜こんなに美しき 能勢栄子 201407
養老の山より吹かれきし桜 杉浦典子 火星 201407
遥かなる吉野の桜さくらかな 今井千鶴子 ホトトギス 201407
余生ふと足りぬと思ふ桜かな 樋口みのぶ 201407
臥して過ぐ夫の一日さくら咲く 山田暢子 風土 201407
夕桜手を取り給ふ老夫婦 川村文英 ろんど 201407
夕ざくら風の運べる遠汽笛 庵原敏典 末黒野 201407
夕ざくら気はむらさきの淵に棲む 鈴鹿けい子 京鹿子 201407
夕ざくら影絵のごとき塔を負ひ 森清堯 末黒野 201407
夜桜を観に行く紅を引き直し 柴崎富子 春燈 201407
夜桜や身の潔白は自刃にて 樋口みのぶ 201407
夜桜や海の奥なる兵舎の灯 浜福恵 風土 201407
夜桜の奥に夜ざくら父の立つ 本多俊子 201407
夜桜にかなふ昔の話して 三上程子 春燈 201407
溜息ひとつ桜さくらの人となる 上野紫泉 京鹿子 201407
熟年の贔屓さくらへ会ひにゆく 丸井巴水 京鹿子 201407
受け口のオランウータン桜散る 杉浦典子 火星 201407
酒を買ふ桜日和の城下町 田中臥石 末黒野 201407
海風と川風出合ふ桜かな 荒井千佐代 201407
明王の忿怒に桜ひらきけり 西村節子 火星 201407
車窓より桜並木の見えかくれ 西垣順子 201407
花嫁は花の妖精桜色 江島照美 201407
釈迦生まれ西行死せるさくらかな 松本三千夫 末黒野 201407
夢見草現となりぬ夕桜 江島照美 201407
満開の桜色濃き夕茜 木下晃 末黒野 201407
瞑りて三鬼が郷のさくらかな 藤生不二男 六花 201407
放心の果ての景色のさくら道 佐々木紗知 京鹿子 201407
放課後の静かさへ散り八重桜 小川玉泉 末黒野 201407
しろじろと月の光にさくら散る 西村しげ子 雨月 201407
時をりの街騒桜散り急ぐ 生田作 風土 201407
いつか来る日を透かし見る桜かな すずき巴里 ろんど 201407
風がないのにさくら散る放哉忌 山田春生 万象 201407
残桜や二階へ上る歯科医院 宮川みね子 風土 201407
残桜やかまどへ五歩の下男部屋 井原美鳥 201407
産土の神お座します山桜 箕輪カオル 201407
散る他はなき靖国の桜かな 樺山翠 雨月 201407
散るさくらならば好んで金縛り 田中貞雄 ろんど 201407
散り敷きてなほ満開のさくらかな 西岡啓子 春燈 201407
可惜夜や桜に妣の魂遊ぶ 池内結 ろんど 201407
山里のしだれ桜やまだ莟 藤波松山 京鹿子 201407
山道の空狭くする山櫻 田代貞枝 201407
八重桜すきまの空のゆとりかな 吉村さよ子 春燈 201407
山桜満開うふふ足湯する 高野春子 京鹿子 201407
山桜人のまばらに来て仰ぐ 升田ヤス子 六花 201407
山桜下りは一人のロープウエイ 塩田朱千 京鹿子 201407
神代桜咲いて曾孫の一年生 齋藤晴夫 春燈 201407
山の手線見下ろす土手の桜かな 池田節 春燈 201407
山ごしらへの水の光に桜散る 丸尾和子 雨月 201407
牡丹ざくらまぶた二重になつてゐし 戸栗末廣 201407
廃校の櫻は石と語りをり すずき巴里 ろんど 201407
桜散り孫子兵法読み返す 田中信行 201407
桜つぼみ指先を切る山の水 中山純子 万象 201407
桜ちる石の宴のはじまりぬ 熊谷ふみを ろんど 201407
農を継ぐ子等なき里や山桜 吉田きみえ 末黒野 201407
昨日より今日のうすずみ桜かな 石垣幸子 雨月 201407
念入りに茶をいれ桜日和かな 松田泰子 末黒野 201407
咲き満ちて今日を散りゆくさくらかな 藤生不二男 六花 201407
咲き満ちて雨を抱きし桜かな 岡野ひろ子 201407
横浜とよぶ緋桜の丘に立つ 河合とき 末黒野 201407
横顔を見つむるばかりさくらの夜 苑実耶 201407
濡るもよし桜の下の雨宿り 成田美代 201407
奥山の秘仏を囲む山櫻 谷岡尚美 201407
歳月の重さを桜しだれたる 遠山風 馬醉木 201407
座布団と湯呑み持ち寄る夕桜 井上淳子 火星 201407
二の丸の海に迫り出す桜かな 鳳蛮華 201407
跡嗣ぎの淡墨桜百余歳 山口ひろよ 201407
道問ふや山の桜のことなども 松田泰子 末黒野 201407
骨揚の骨粉に噎せ桜散る すずき巴里 ろんど 201407
郡の寺さくら咲くまま散るがまま 武生喜玖乃 雨月 201407
さくらの枝川面に触れて青ざめし 原田しずえ 万象 201407
さくらさくら呼び戻したき人ありて 高倉和子 201407
雲海の中にゐるごと桜山 布施由岐子 末黒野 201407
天鼓音を桜透かしの衣擦れの 柳本渓光 ろんど 201407
校庭の桜見下し素振りかな 南澤はるお ろんど 201407
ゆさゆさと枝差し交はす夕桜 今井洋子 雨月 201407
遅桜うしろの道は海に向き 諸戸せつ子 春燈 201407
竹打ち合ふ音に桜の散り来る 金森教子 雨月 201407
めらめらと桜の咲いて三日ほど 深澤鱶 火星 201407
一日を十日と思ふさくらかな 相良牧人 201407
ひともとの遅櫻へと馳け寄れり 山荘慶子 あを 201407
一本のさくらの下の登城口 浅田光代 風土 201407
一軒家あり一本の山桜 笹村政子 六花 201407
もう帰ろ天神さまの夕ざくら 柴田志津子 201407
一輪の花のごとくに遠桜 中尾安一 火星 201407
引揚げの平桟橋遅ざくら 坂根宏子 201407
ぶらんこの子に一しきり桜散る 出口貴美子 雨月 201407
ま後ろのさくらは河馬に咲きにけり 西田孝 ろんど 201407
雨に濡れ色変はりゆく桜かな 紅谷芙美江 万象 201407
八重桜その名に適ふ花の影 水田壽子 雨月 201407
頂の雲のさわぎや遅桜 齋藤晴夫 春燈 201408
蒼天に色奪はれし桜かな 平居澪子 六花 201408
石垣の一枚巨き城桜 古川夏子 201408
仰ぎては鞍馬の山の雲珠桜 橋添やよひ 風土 201408
へうたんの水酒となる桜の夜 杉浦典子 火星 201408
まつたりと粥は煮えつつ八重桜 小林愛子 万象 201408
ほの白き闇をまとへる桜かな 森清信子 末黒野 201408
眼裏に夜桜残し長湯かな 小田嶋野笛 末黒野 201408
遠近の友集ひたる桜かな 野村鞆枝 京鹿子 201408
咲き満ちて眺望あでに八重桜 水野節子 雨月 201408
桜祭武者行列に句会の日 東秋茄子 京鹿子 201408
老桜や追伸のごと幹に咲く 金田けいし ろんど 201408
老桜ふき出す脂も薄暑なる 小林愛子 万象 201408
山桜夕日のいろを目にあづけ 堺昌子 末黒野 201408
八重桜水満々と疏水行く 恩塚夕子 馬醉木 201408
裏山に狼煙あちこち田打桜 鎌田悟朗 ろんど 201408
重さうに鞄負ふ児ら八重桜 森清堯 末黒野 201408
狼の声籠りたり山桜 坂上香菜 璦別冊 201408
満開も散るも桜のほめらるる 長節子 201408
満開の桜に嫉妬する齢 貝森光洋 六花 201408
満開の桜が隠す裁判所 栗原京子 201408
姉の遺児母となりけり八重桜 青木朋子 201408
山鴉しだれ桜を突き切つて 小林愛子 万象 201408
山桜皇子の沓音野を綴り 伊藤希眸 京鹿子 201408
山桜もんぺの膝のすぐ汚れ 原友子 201408
桜満つうしろ津軽の真闇かな 原田しずえ 万象 201408
桜咲く名の読み易き昭和の子 田岡千章 201408
働きに働き夜桜に集ふ 藤井啓子 ホトトギス 201408
黒土の畑の広ごり里桜 古川夏子 201408
灯を消してくれ夜桜が見たいから 大久保白村 ホトトギス 201408
塗師の文かいわいにあるさくらかな 中島陽華 201408
ほほづゑの窓いつぱいに桜かな 天谷翔子 201408
みよしのに桜をんなが住むといふ 塩路隆子 璦別冊 201408
アリゾナの天向き桜開花する 伊吹之博 京鹿子 201408
通院の車窓に束の間の桜 小川凉 201408
異国語の歎声聞こゆ桜かな 野村鞆枝 京鹿子 201408
津軽富士天守と桜十年後 鎌田慶子 ろんど 201409
花を見にゆく家桜仰ぎ出て 大橋敦子 雨月 201410
み吉野の桜月夜にわが遊行 木村享史 ホトトギス 201410
桜散り山の色合ひ未完成 佐瀬晶子 ろんど 201411
遠く来て吉野にねまる桜どき 土井三乙 風土 201411
しだれ桜は打上花火だからだから 堀内一郎 堀内一郎集 201412
さくら咲き箱根八里の一里ゆく 堀内一郎 堀内一郎集 201412
一片も散らぬ桜の疎ましく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
二階より見ゆる桜を見に行かむ 三木千代 201502
ひとひらの桜や象の長腱毛 三木千代 201502
仄と咲く啓翁桜四日かな 赤座典子 あを 201503
彼岸桜水上バスで菩提寺へ 篠田純子 あを 201503
咲き進む桜の勢ひとどまらず 稲畑汀子 ホトトギス 201503
散り敷きてなほ満開のさくらかな 西岡啓子 春燈 201503
二階にもしだれ桜でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201504
みよし野の桜に呼ばれゐる如く 稲畑汀子 ホトトギス 201504
咲けば散る桜の命旬日に 稲畑汀子 ホトトギス 201504
山路ゆく桜ならざるなき吉野 稲畑汀子 ホトトギス 201504
みよし野の桜は散るを忘れしか 稲畑汀子 ホトトギス 201504
庭桜よりつながつて吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 201504
なごりあり吉野の桜なほ散らず 稲畑汀子 ホトトギス 201504
庭桜宿より洩るる灯に浮かぶ 稲畑汀子 ホトトギス 201504
旅衣桜に紛れゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201504
通り過ぎたるは桜に雨と風 稲畑汀子 ホトトギス 201504
み吉野を咲き尽くしたる山桜 今井肖子 ホトトギス 201504
ほんたうの桜の色を重ね合ふ 今井肖子 ホトトギス 201504
輪郭を宙に留めて桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
一片も散らぬ桜の疎ましく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201504
山桜なだるる底の水の音 今井肖子 ホトトギス 201504
学校の生ひ立ちそこに桜巨樹 布川直幸 201504
桜咲き高校生活始まるぞ 塩路遼 201504
青い空輝く未来さくらさく 森田泉美 201504
青空へ桜の樹から桜さき 山田六甲 六花 201504
砲台に雨小止みなき桜かな 竹内弘子 あを 201504
夕桜胸に届きし母のこゑ コ田千鶴子 馬醉木 201505
富士拝す松田の河津桜かな 中島玉五郎 201505
松田山河津桜に染まりけり 中島玉五郎 201505
満開の大師詣での桜かな 仁平則子 201505
桜咲きさう心音のあふれさう 遠藤真砂明 201505
農具研ぐ田打ち桜に急かされて 森岡正作 201505
桜咲く島に国民と警棒と 柴田佐知子 201505
いにしえも現世もまたさくらかな 佐藤恭子 あを 201505
海越ゆる気流に乗れや山桜 佐渡谷秀一 対座 201505
ひとはみな妻伴へるさくらかな 佐渡谷秀一 対座 201505
桜 →40

 

2023年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。