29      100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝靄の乗りつぐ列車にさくらかな 佐藤恭子 あを 200605
厚着して人は行き交ふ初桜 林翔 200605
島櫻みな童心の車椅子 稲嶺法子 遠嶺 200605
庵の客英靈にさくら活け了る 瀧春一 常念 200606
幻覚に踏みいりにけり夜の櫻 長崎桂子 あを 200606
校庭の桜も祝ふ母子かな 名取すみ子 酸漿 200606
イタリアンチーズ一片さくらかな 石脇みはる 200606
中空に道あり桜吹雪かな 今瀬剛一 対岸 200606
ゆづり合ひ峠登れり山桜 浜中トキ子 酸漿 200606
靡きつつ花は散らさず初桜 林翔 馬醉木 200606
一身の水脈引いて出る桜山 今瀬剛一 対岸 200606
をちこちに桜満ちをり其角の忌 大西八洲雄 万象 200606
釣場への道濡れてをり朝桜 藤田さち子 対岸 200606
天領の木橋を渡る櫻守 延広禎一 200606
一陣の風に湧き立つ八重桜 松村多美 四葩 200606
溢れ出す水のごとくに桜咲く 成井侃 対岸 200606
ニホンよりNIPPONがよし山桜 淵脇護 河鹿 200606
観音の光背のずれ桜かな 篠田純子 あを 200606
少女らの肩かけ鞄初桜 渡邉美保 火星 200606
さくらさくら駆けてくる児に手をひろぐ 西山美枝子 酸漿 200606
背景に空よし松よし桜よし 東亜未 あを 200606
たましひに触れんばかりに桜垂る 有賀三奈子 四葩 200606
尼寺の広き原つぱ初桜 赤尾杉昌子 対岸 200606
咲き満ちて桜古木の重き揺れ 赤尾杉昌子 対岸 200606
川べりに夜桜眺む焼肉屋 早崎泰江 あを 200606
桜咲く回想シーンより始まる 黒田咲子 200606
さよならの後に必ず桜咲く 飯島かほる 対岸 200606
馬醉木若葉鬱金櫻と照り匂ふ 瀧春一 常念 200606
街路樹のさくらの遅速過去知らず 伊藤希眸 京鹿子 200606
列島はしたたる形桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
何もかも峠越え来ぬ遅桜 佐藤よしい 風土 200606
山櫻盥に漬けて戸に凭する 瀧春一 常念 200606
子の暮らす街の桜の見えて来し 飯島かほる 対岸 200606
夜桜に酔ひてつかの間女旅 森山のりこ あをかき 200606
しばらくは桜吹雪の中に立つ 三村武子 酸漿 200606
ちちははに見せたき桜みてをりぬ 太田慶子 春燈 200606
満開の桜の上も桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
尼寺が原風の集まる桜の木 安田青葉 対岸 200606
指切りや枝垂櫻を潜りては 小澤克己 遠嶺 200606
道問へば国問はれたり山桜 阿久津勝利 万象 200606
夜櫻やすぐ鳴きやみし青葉木菟 瀧春一 常念 200606
四百年の時を超えたり山桜 林芳子 四葩 200606
夜櫻やゆめまぼろしの月あかり 長崎桂子 あを 200606
桜咲きただ一人にて歩きたし 浜中トキ子 酸漿 200606
その中のしだれ桜が先に揺れ 山田治美 四葩 200606
音もなく雲か霞か夕桜 落合絹代 風土 200606
囀のゆるがす枝垂櫻かな 瀧春一 常念 200606
咲き満ちし桜の力枝揺らす 今瀬剛一 対岸 200606
日本に季語のしらべのさくら咲く 落合絹代 風土 200606
巡礼の鈴遠ざかる桜かな 三澤いつ子 万象 200606
真つ新なスーツ見送る朝櫻 与川やよい 遠嶺 200606
帰り路は散り初めをり谿桜 森理和 あを 200606
さくらさくら鴉の巣にも降りかかる 広瀬千鶴 万象 200606
木造の校舎小さし山桜 大山妙子 酸漿 200606
手を伸ばし脚を伸ばして桜咲く 今瀬剛一 対岸 200606
夕桜ベンチ一つの無人駅 内山巳代子 酸漿 200606
八重桜本読むひとをその樹下に 宮津昭彦 200606
遠く遠くマンション灯る夕桜 林翔 200606
轟きにいのち噴き上ぐ滝桜 安藤しおん 200606
水底の砂のつぶさに朝桜 加瀬美代子 200606
はたた神鬱金櫻の閃々と 瀧春一 常念 200606
さくらさくら腹開けてゐる販売機 坂ようこ 200606
素甘好みし先師を恋へり初桜 竹中龍青 200606
身動きもならむ桜の咲き満てり 恒川絢子 対岸 200606
しづかかな桜大樹の下にゐて 斉藤小夜 風土 200606
主亡き魁夷の庭の紅枝垂桜 林いづみ 風土 200606
夕桜肩寄せ合ひて樽と娘と 鈴木歌子 四葩 200606
咲き満ちて散らむばかりの桜かな 海老名ムツヱ 酸漿 200606
初桜野球の王者帰国せり 池田博子 四葩 200606
桜咲くあふるるほどに飯炊いて 辻直美 200606
夫とゐて夜桜に酔ふ誕生日 海老名ムツヱ 酸漿 200606
暁紅やさくら散らしの風すさび 北山芳夫 四葩 200606
夜櫻のまはりは湖の匂ひかな 小澤克己 遠嶺 200606
牡丹櫻俄かに春の深まりぬ 瀧春一 常念 200606
わが家にも桜前線到着す 永井孔雀 200606
屋根替の棟を葺きをり四手櫻 瀧春一 常念 200606
滑台桜吹雪のただなかに 芝尚子 あを 200606
春雷やさくらは紅くこぶし黄に 瀧春一 常念 200606
学生のあふるる駅の桜かな 早崎泰江 あを 200606
照らされて濠へなだるる夕桜 上谷昌憲 200606
河津桜眺む幸せ噛み締めて 奥村香都子 四葩 200606
水の尾の湖心に消えて夕櫻 小澤克己 遠嶺 200606
雪の嶺一朶のさくら垂るるもとに 瀧春一 常念 200606
しらしらとさくらの下を流れけり 秋岡朝子 200606
桜咲き水辺親しき神田川 中緒和子 酸漿 200606
咲き満ちし桜ひとひら零れけり 町田政子 酸漿 200606
桜咲く日本野球世界一 平山風鳥 河鹿 200606
さくら咲く赤毛のアンの島へ行け 高橋道子 200606
千樹よし一樹またよし山桜 小林紗智子 200606
千年のさくらの息やそらに鳴り 本多俊子 200606
在りし日の夫も桜もセピア色 牧原佳代子 酸漿 200606
山櫻重箱空ラとなりにけり 石脇みはる 200606
病院の桜かむさる喫煙所 大西八洲雄 万象 200606
子を育て仕事せし街桜咲く 中緒和子 酸漿 200606
寸渡に桐の紋ある櫻かな 竹内悦子 200606
ちるさくらよべには火の粉のふりし庭 瀧春一 常念 200606
風吹けば万朶に個性さくらばな 林翔 200606
風立ちて垂桜の花の波 町田政子 酸漿 200606
絵手紙の吉鳥の飛ぶ桜かな 植竹惇江 春燈 200606
夕桜男の下駄に蹤いてをり 城孝子 火星 200606
桜→ 30

 

2022年4月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。