19      200句

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵

花過ぎ  花屑・花の屑  花篝  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
直会を終へてまた観る桜かな 小原登志春 雨月 201301
青空のそのまま暮るるさくらかな 石川笙児 201301
白面の神官なりし夜の桜 天野みゆき 風土 201301
さくら狩寡黙を通し切れぬなり 田中貞雄 自註句集 201301
灯の入りてさくら重たくなりにけり 石川笙児 201301
アイロンにまだある余熱夕桜 林昭太郎 201301
老桜の帰り咲きたり天守跡 山田春生 万象 201302
開花宣言前の桜をまぶしめり 成田美代 201302
この一本地震知る彼岸桜かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
偲ぶれば彼岸桜の色眩し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
青空の領域ふえてゆく桜 稲畑汀子 ホトトギス 201304
聖金曜日とは何する日さくら散る 池田澄子 201304
星を見に出て夜桜に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201304
城跡に緋の夜桜や城の悲話 伊舎堂根自子 万象 201304
貘眠る艦の中にも散るさくら 鳳蛮華 201304
嵐電のさくらの中に次の駅 荒井書子 馬醉木 201304
いつまでも夕日放さぬ山桜 小山直子 末黒野 201304
夜桜を染め上げてゆく山気かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
夜桜に囲まれてゐる静心 稲畑汀子 ホトトギス 201304
夜桜となる妖しさを秘めし色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
満開の桜に川の暗みたる 高倉和子 201304
満開といふは桜に聞いてみる 稲畑汀子 ホトトギス 201304
本当の黄桜といふ今日の色 稲畑汀子 ホトトギス 201304
峰桜より差し初むる朝日かな 稲畑汀子 ホトトギス 201304
母野手の子等の野球や八重桜 小倉純 末黒野 201304
死の淵を覗きし後の桜かな 宮井知英 201304
枝垂れて先の先まで桜の芽 西村博子 馬醉木 201304
桜見てゐる渋滞に因はるる 稲畑汀子 ホトトギス 201304
桜の夜枕の中を地震走る 布川直幸 201304
咲き進む桜終へゆく桜とも 稲畑汀子 ホトトギス 201304
今日の供華桜を活けてより決まる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
刻々と咲き進む山桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 201304
行かぬけど大島桜は見にゆこう だいじみどり 201304
み吉野の桜に時間合せけり 稲畑汀子 ホトトギス 201304
みよし野の桜に懐古三十年 稲畑汀子 ホトトギス 201304
みよし野の桜に名残尽きざりし 稲畑汀子 ホトトギス 201304
御覧じろ枯木にぱっと桜咲く 篠田純子 あを 201305
弔問の家のさくらを哀しめり 木村茂登子 あを 201305
この町に二つの葬儀さくらの夜 井上信子 201305
元さんの詠みし神戸の桜かな 山田六甲 六花 201305
詣でけり命日前の桜もて 山田六甲 六花 201305
胸の猫するりと降りる夕桜 甲州千草 201305
人通りなきしじまの中の夕桜 早崎泰江 あを 201305
色集まれば紅色に山桜かな 山田六甲 六花 201305
巻き戻すすべなき日々の桜かな 山田六甲 六花 201305
宵の橋酔うて白川桜かな 山田六甲 六花 201305
祝宴の空に紅濃き島桜 中村阪子 万象 201305
十重二十重我を囲める桜かな 佐藤喜仙 かさね 201305
乱読の目を向けにけり山桜 山田六甲 六花 201305
臥薪嘗胆六十九年の桜かな 山田六甲 六花 201305
夜さくらや飼犬をまた連れて来て 井上信子 201305
かきむしる猫の首へと桜ちる 山田六甲 六花 201305
河口へと桜並木の真直ぐなる きくちきみえ やぶれ傘 201305
糸桜不意打ち鯉の跳ね上り 森理和 あを 201305
散る桜悟り切ったるごとくかな 大橋晄 雨月 201305
散るきつかけは何でもよし山桜 山田六甲 六花 201305
何事も潮時のあり山桜 石脇みはる 201305
桜木の園に五本もあり万朶 大橋敦子 雨月 201305
桜咲く気配のありて雨となる 小野喬樹 馬醉木 201305
桜咲く家なつかしき戻りたし 高倉恵美子 201305
桜花爛漫命のありてこその幸 大橋敦子 雨月 201305
咲き満ちて疲れてゐたる桜かな あさなが捷 201305
遠まわりし桜の蕾咲くを見る 森岡陽子 かさね 201305
峠まで桜三里を楽しみぬ 山田六甲 六花 201305
頭を下げてしだれ桜の籠目へと 山田六甲 六花 201305
さくら前線発つやみんなみ風便り 小島禾汀 春燈 201305
黒潮のぬくもり纏ひ早桜 板倉安正 201305
円墳の供花のごときや初桜 小柳千美子 かさね 201305
行きずりに夕桜見て居酒屋へ 藤井美晴 やぶれ傘 201305
印泥を箆で練り上げ桜の夜 能村研三 201305
一所懸命散つて百年この桜 山田六甲 六花 201305
ふり向かず今を楽しむ桜かな 早崎泰江 あを 201305
鎮もりて月の桜となりにけり 齋藤晴夫 春燈 201306
潮紋も宵の色なる桜かな 荒井千佐代 201306
朝風に揺るるさくらの花重し 海村禮子 春燈 201306
朝よりの雨上がりけり夕桜 藤丸誠旨 春燈 201306
うなぎ喰ふ三月さくら待ちながら 熊谷ふみを ろんど 201306
大いなる洞に蟻這ふ桜かな 大坪景章 万象 201306
太閣の御土居のしだれ桜かな 伊藤和子 201306
鶏鳴のみたび高音のさくらかな 佐藤凉宇子 ろんど 201306
「さきがけ」といふ名の桜咲き初むる 和田郁子 201306
早く咲き早く散るのかこの桜 大坪景章 万象 201306
軍馬の道二里を咲き継ぐえぞ桜 松原智津子 万象 201306
千年の滝桜咲き人集ふ 佐藤健伍 201306
なかなかに散るを急がぬ桜あり 太田具隆 春燈 201306
青磁色に里山の明け桜どき 齋藤晴夫 春燈 201306
晴天に桜満開紀三井寺 藤本秀機 201306
居酒屋や桜話しの残り客 川井素山 かさね 201306
紀伊水道の風あらあらと初桜 西村節子 火星 201306
初桜団地に閉づる小学校 山崎郁子 万象 201306
たなびける雲の風情や山桜 桂敦子 201306
瞑想のはじまり枝垂桜かな 山田暢子 風土 201306
櫻散る木組確かや奉行所跡 吉弘恭子 あを 201306
老いたるを花には見せず山桜 服部鹿頭矢 馬醉木 201306
海へ咲く勿来の関の山桜 森高武 風土 201306
十字架の丘にひと木八重桜 田中清秀 かさね 201306
洛西の峰の西行櫻かな 竹中一花 201306
葉のありてこその雅びや山桜 大橋晄 雨月 201306
夕桜カレーのにほひ流れきし 西谷良樹 春燈 201306
夕桜みづから光発しをり 大橋晄 雨月 201306
夜篝の桜はんなり勇の碑 小林久子 201306
夜桜の宴を締むる校歌かな 末吉治子 春燈 201306
夜桜に風出でにけり合戦址 服部鹿頭矢 馬醉木 201306
夜の森の桜並木や人のなし 佐藤健伍 201306
門院桜思慕深ければむらさきに 塩貝朱千 京鹿子 201306
満開のさくら空気の重くなり 楠原幹子 201306
七曜をさくらさくらで過しけり 小西和子 201306
亡妻に誘はれて視る桜かな 太田具隆 春燈 201306
亡き母に尽くす気に咲く八重桜 末吉治子 春燈 201306
糸桜風に遊ばれ枝垂れけり 大湊栄子 春燈 201306
糸桜砂利に一筋轍かな 和田勝信 かさね 201306
枝垂桜吉祥殿の格に添ひ 大橋晄 雨月 201306
しばらくは埴輪と語る山桜 海村禮子 春燈 201306
風を呼ぶ枝垂れ桜となりにけり 太田具隆 春燈 201306
父母共に話題の桜咲きにけり 末吉治子 春燈 201306
夫の忌に好みし桜たんと活け 横田矩子 201306
「又兵衛」は花咲爺老桜 吉田宏之 201306
病室に特級便の桜かな 末吉治子 春燈 201306
病院の跡地は住ひ八重桜 長崎桂子 あを 201306
しだれ桜しづかに風を待ちゐたり 亀田やす子 ははのこゑ 201306
散る桜緑が映える花提灯 丸山酔宵子 かさね 201306
散る桜こころの黙を揺らしつつ 安立公彦 春燈 201306
散るさくら背に銀座の猫走る 吉弘恭子 あを 201306
散りぎはに水鏡せる桜かな 大日向幸江 あを 201306
山櫻きのふの花に飽いてをり 竹内悦子 201306
板前の枝垂れ桜や寿司つまむ 丸山酔宵子 かさね 201306
八重櫻撓む嵐の前の風 篠田純子 あを 201306
八重櫻木肌うるはし色見せて 吉弘恭子 あを 201306
八重桜揺れておもたげトンバイ塀 村上倫子 201306
下をむく八重櫻の色目にいたし 吉弘恭子 あを 201306
梅日記納めて櫻日記初む 田中貞雄 ろんど 201306
梅の咲く熱海桜は既に咲き 嶋田一歩 ホトトギス 201306
桜苗木の寝かされて市はじまりぬ 浜福惠 風土 201306
桜道スケートボード折り返し 大川ゆかり 201306
桜前線国境を越え千島まで 松原智津子 万象 201306
桜吹雪生き死にのことかろやかに 塩貝朱千 京鹿子 201306
桜咲く友の宴の祝酒 鈴木としお 春燈 201306
桜見て決まりし墓所や一周忌 大嶋洋子 春燈 201306
桜ばな散るべく咲いて夜を散る 長久保郁子 かさね 201306
濃きうすき花片つまむ八重櫻 吉弘恭子 あを 201306
佐保川の桜トンネル潜りけり 笠井清佑 201306
南大門を借景にして老桜 片岡久美子 201306
今生の桜浄土をそぞろ行く 松本周二 かさね 201306
今生のさくら好きなり大和人 塩路隆子 201306
さくら散る基地の内外に拘はらず 松本三千夫 末黒野 201306
さくら咲く前世来世のまん中に 熊川暁子 201306
さくら咲き鳥打帽も納棺す 亀田やす子 ははのこゑ 201306
一山の目方は変へず桜かな 柳川晋 201306
むさし野の空押上げて桜満つ 長久保郁子 かさね 201306
一川の日矢清浄と朝桜 森脇貞子 雨月 201306
一輪の初陣のごとさくらかな 鈴木直枝 ろんど 201306
一行に退職辞令さくら咲く 森屋慶基 風土 201306
メトロよりサラリーマンの朝桜 荒木甫 201306
メトロヘとサラリーマンの夕桜 荒木甫 201306
戦勝を祈りし宮の大桜 萩原すみ 春燈 201307
千年の精霊棲まふ滝桜 粟倉昌子 201307
青空よりなだれ打つかに滝桜 粟倉昌子 201307
小野町の千本桜に刻惜しむ 佐藤健伍 201307
歌舞伎座の〓(こけら)落しや桜舞ふ 鈴木鳳来 春燈 201307
廃校の桜に響く鬼太鼓 和田勝信 かさね 201307
廃園に一本残る桜かな 萩原すみ 春燈 201307
桜時女ばかりの夕餉かな 明石文子 ぐろっけ 201307
桜咲く古城の前のウェディング 中川すみ子 201307
混み合へる枝にまぶしき八重桜 鴨下昭 201307
塔を背に沸き立つ如く室桜 西垣順子 201307
ゴッホ展出づればさくら印象派 中井登喜子 201307
一陣の風にもめげず大桜 池田光子 201307
めだたずにヒマラヤ桜楚楚と咲く 池田久恵 ぐろっけ 201307
雨に濡れ枝先しなふ八重桜 吉田博行 かさね 201307
粛々と桜染め上ぐ杜の風 佐瀬晶子 ろんど 201309
我が命白くなりゆく桜かな 半田稜 ろんど 201309
富士桜人知らぬ間に散り終へし 嶋田一歩 ホトトギス 201310
富士桜咲く枝も花もつつましく 嶋田一歩 ホトトギス 201310
富士桜咲いて此処らも裾野なる 嶋田一歩 ホトトギス 201310
桜樹老ゆ初ひぐらしを縋らせて 小川玉泉 末黒野 201310
駐車場よくぞひともと初桜 瀧春一 花石榴 201312
遅桜白き僧衣と野良着干す 瀧春一 花石榴 201312
石割桜青葉の枝を広げをり 國保八江 やぶれ傘 201312
八重桜春も束の間落ちつきぬ 瀧春一 花石榴 201312
弔ひの家動き出す朝桜 生田恵美子 風土 201401
「もういいかい」大樹のさくら散りに散る 千田敬 201401
園児みなさくら散るとき口開けて 生田作 風土 201401
みやしろへさくら三分の待ちあはせ 鷺山珀眉 京鹿子 201401
みやしろへさくら三分の待ちあはせ 鷺山珀眉 京鹿子 201401
「もういいかい」大樹のさくら散りに散る 千田敬 201401
園児みなさくら散るとき口開けて 生田作 風土 201401
句を得んと両手にさくらふぶきかな 布川直幸 201403
神域はことさら浄し五分ざくら 大田實 ぐろっけ 201403
桜の夜どどどどどどと不整脈 布川直幸 201403
大桜のもとを離れて眩みけり 山本耀子 絵襖 201404
道中の桜も捨てたものでなし 稲畑汀子 ホトトギス 201404
日当りてをれば桜でありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201404
半分は散るも吉野の桜かな 稲畑汀子 ホトトギス 201404
わが宿の桜まさりて吉野山 稲畑汀子 ホトトギス 201404
野は萌黄そして桜を待つばかり 平松うさぎ 201404
桜 →20      

 

2021年4月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。