11      200句

  彼岸桜  糸桜   しだれ桜  枝垂桜  山桜  朝桜  花疲れ  花守

花の雲  花影   花の影  余花  残花  花の塵  花過ぎ  花屑・花の屑

 花篝  

作品
作者
掲載誌
掲載年月
老夫婦手をとり合うて夕桜 水田清子 200504
はらはらと桜散る肩抱き合へり 水田清子 200504
幹のみの桜となりて闇深し 稲岡長 ホトトギス 200505
淡墨の樹齢も高き桜かな 鷹羽狩行 200505
隔りて淡墨桜は白法師 鷹羽狩行 200505
千枝に蕾かかげ淡墨桜かな 鷹羽狩行 200505
支へ木を杖に枕に老桜 鷹羽狩行 200505
万蕾をかるがる淡墨桜かな 鷹羽狩行 200505
六義園にひととき夜の桜騒 鈴木榮子 春燈 200505
吹雪かんと意を整へし桜かな 能村研三 200505
降れるもの湧くもの桜吹雪かな 能村研三 200505
千々の枝の水面に触るる桜かな 能村研三 200505
海鳴の遠くねむたき桜かな 西川五郎 馬醉木 200505
桜散る駅前千住旅館かな 須佐薫子 帆船 200505
死ぬときはどうせ独りよ遠桜 泉田秋硯 黄色い風 200505
をんならの足が水打つ桜かな 山尾玉藻 火星 200505
庭桜見に出づ稿に躓きて 品川鈴子 ぐろっけ 200505
遠景は母郷と重なり夕桜 小林朱夏 200505
桜咲く海へ出るまで隅田川 大西八洲雄 万象 200505
落花また急ぐことなく遅桜 鷹羽狩行 200505
桜咲く詩片のやうな童女の瞳 芝生南天 河鹿 200506
引越の高荷が触れし桜かな 迫口君代 河鹿 200506
ことごとく洗ふカーテン桜どき 迫口君代 河鹿 200506
夜桜や終着駅のまだ見えず 水原春郎 馬醉木 200506
仰ぎたるいまを一会の滝桜 清水節子 馬醉木 200506
海少し荒れきし河津桜かな 清水節子 馬醉木 200506
幾歳の櫻みつめし埴輪かな 津田礼乃 遠嶺 200506
日の暈のふくらみ鬱金桜かな 近藤喜子 200506
あり余る櫻ひとりで見てをりぬ 酒本八重 里着 200506
助産婦へ顔みせにゆく櫻かな 酒本八重 里着 200506
櫻能篝いよいよ膨らめり 酒本八重 里着 200506
夕桜悲しみいつか止まるはず 倉持梨恵 200506
商店街三つ連ねて桜まつり 鈴木榮子 春燈 200506
あした咲く桜の上を風吹ける 城間芙美子 対岸 200506
誕生日過ぎてをりたる桜かな 杉浦典子 火星 200506
秒速か否分速か散る桜 林翔 200506
句碑除幕桜明日へとひかり溜め 北川英子 200506
桜の夜頸静脈の醒めをらむ 中尾公彦 200506
馬事公園桜吹雪となりゐたり 豊田麗水 築港 200506
感動をしつつ桜の通り抜け 中村好子 築港 200506
立つて見る寝て見る夜の桜花 畑純子 築港 200506
校庭の桜の下に子の子供 畑純子 築港 200506
桜見て子供狂言見てゐたり 浜崎民子 築港 200506
街路行くとき塀越しの桜見て 平尾光枝 築港 200506
池堤囲む桜の今盛り 平尾光枝 築港 200506
夜桜となるまでの苑人疎ら 福嶋紀子 築港 200506
咲き満ちて風に震へる夕桜 福嶋紀子 築港 200506
桜散り一つの季節終りけり 西田弘 築港 200506
車椅子大樹の桜囲みをり 樋口美津子 築港 200506
見舞ひにも行かずじまひや桜散る 竹内紫翠 築港 200506
受診終へ城の桜を訪ひにけり 竹内紫翠 築港 200506
提灯の用意されたる桜かな 武田眞砂 百鳥 200506
町の名の変る桜の咲きにけり 吉村一郎 百鳥 200506
渋滞は分岐点より夕桜 矢島三榮代 帆船 200506
正門を全開桜吹雪かな 田中忠子 帆船 200506
昨日より今日の桜の白さかな 松岡映子 帆船 200506
バス待ちの桜トンネル二台来る 町田喜久 帆船 200506
ささめきてささめきあひて桜咲く 大橋敦子 雨月 200506
揺れにゆれ散るを惜しめる桜かな 大橋敦子 雨月 200506
歩み寄るこころに桜吹雪かな 高橋照子 雨月 200506
尚極めゆかむ千年桜かな 福盛悦子 雨月 200506
満ち足りて桜にまみゆ至福かな 福盛悦子 雨月 200506
遠目にも桜ふふめる色なせり 大橋晄 雨月 200506
わが死後の眺めに散りぬ八重桜 神蔵器 風土 200506
田の面のひかりだしたる桜かな 南うみを 風土 200506
さきがけて大島桜香をこぼす 岩田都女 風土 200506
街道に豆桜咲く伊豆の暮 丸田安子 酸漿 200506
寂光の谷に翳せり総桜 増田八重 酸漿 200506
口紅は色なきいろに桜咲く 田中武彦 六花 200506
真間山や小雀の集ふ夕桜 松崎鉄之介 200506
八重桜ひとびとに影落しけり 宮津昭彦 200506
椎いよよ暗し桜の咲き充ちて 田中藤穂 あを 200506
濠を覆う桜の下に櫂の音 東紀子 200506
滝音の空にひびくや夕桜 橋口礼子 河鹿 200507
弟焼く空は弥生のうす桜 坂元フミ子 河鹿 200507
桜の木桜咲く日となりにけり 坪田秀邑 河鹿 200507
もう無理と田を捨てし父桜散る 森永敏子 河鹿 200507
桜舞ふダム湖の色の深まれり 鵜戸千惠 河鹿 200507
海征かば桜を囲む二重唱 泉田秋硯 200507
老桜夜は魔法を教へます 刈米育子 200507
魔界より来て夜櫻の宴にゐる 小澤克己 遠嶺 200507
人生に相渉るとや櫻満つ 小澤克己 遠嶺 200507
漕ぎ終へし真櫂に櫻吹雪かな 小澤克己 遠嶺 200507
琴の音の流れ友逝く櫻かな 高尾幸子 遠嶺 200507
闇を裂く炎をかたはらに櫻かな 坂本ひさ子 遠嶺 200507
城跡の万朶の櫻鬨の声 吉田邦幸 遠嶺 200507
寸言に耳傾くる櫻の夜 佐山苑子 遠嶺 200507
日の本に恋ひ焦れたる櫻かな 吉澤利治 遠嶺 200507
一木の櫻の満たす村はづれ 森野俊子 遠嶺 200507
学舎の往き来に寄りし櫻土手 森野俊子 遠嶺 200507
行かずをり人びとの言ふ大桜 井上信子 200507
桜の夜夫を背中で迎へけり 瀬下るか 200507
途中下車するのしないの八重桜 清水ミツコ 200507
夕桜死んだつもりで生きてゐる 片山タケ子 200507
太陽の下の休日桜散る 倉持梨恵 200507
満開の桜は人に飽きてをり 倉持梨恵 200507
高々と三輪山晴るる桜かな 大島翠木 200507
星の渦化して万朶の桜かな 中野京子 200507
ひとひらに思ひのありぬ桜かな 近藤公子 200507
釈迦牟仏待ちに待つたる八重桜 鈴木勢津子 200507
遊船の去にし海津の桜かな 深澤鱶 火星 200507
向き向きに桜吹雪のパイプ椅子 飯塚ゑ子 火星 200507
紅白の突つ支ひ棒なる桜かな 西畑敦子 火星 200507
みかん山の向ひの山の遅桜 西畑敦子 火星 200507
退院の夫と見上ぐる夕桜 波田美智子 火星 200507
定年を桜の下で祝ひたり 村上和子 ぐろっけ 200507
切り株に桜一房咲き出づる 内山芳子 ぐろっけ 200507
四時起きの桜ツアーに加はれり 伊藤昌子 帆船 200507
野辺送り行く手行く手に櫻咲き 中山純子 万象 200507
金婚を五年越えしと桜観に 大西八洲雄 万象 200507
千年の都の夜の桜かな 山路紀子 風土 200507
桜どき西行出離の寺を訪ふ 山路紀子 風土 200507
小塩山麓の西行桜かな 山路紀子 風土 200507
神います社に千眼桜咲く 山路紀子 風土 200507
真言の空より鬱金桜咲く 平田安生 風土 200507
縄飛びの片端結び大桜 奥田茶々 風土 200507
夕桜落暉をうつす大和川 松崎鉄之介 200507
桜みつ難波の墓地の飯盛山 松崎鉄之介 200507
富士桜咲くを目印牧の口 室伏やすし 200507
唐三彩の楊貴妃像に遅桜 梅原美子 200507
当尾みち谷より桜吹き上がる 坂部尚子 栴檀 200507
谷桜羅漢に己さがし居る 三河晃 築港 200507
外濠の桜並木の下通る 南良太郎 築港 200507
桜見てをり母歌を唄ひをり 村山みよ 築港 200507
見上げたる桜わたしとおない齢 坂ようこ 200507
砂利道は昭和の音や桜散る 坂ようこ 200507
帰路に又しかと見納む滝桜 柳川紀子 200507
桜散る横になりたい龍馬像 吉田多美 京鹿子 200507
鳶の輪や岸辺の桜まだ散らず 大塚まや 京鹿子 200507
一ひらも散らぬ桜や烏零す 大塚まや 京鹿子 200507
憂ひ醒め落日に染む夕桜 荻野千枝 京鹿子 200507
今年また遠見の桜をはりけり 近藤てるよ 酸漿 200507
アーチのごと潜りし桜並木かな 兼子栄子 酸漿 200507
淡墨桜今し淡墨きはめたり 大橋淳一 雨月 200507
淡墨桜神を宿して幹太し 大橋淳一 雨月 200507
淡墨桜千歳を超ゆる命美し 大橋淳一 雨月 200507
淡墨桜仰ぎ言の葉なかりけり 大橋淳一 雨月 200507
観桜の列に警備の声の憂し 西村操 雨月 200507
咲き満ちて化身となりし大桜 乗光雅子 雨月 200507
山の虻桜を自慢して飛べり 大串章 百鳥 200507
菜の花をよぎり桜をくぐりけり 大串章 百鳥 200507
人の世のえにし思へと桜咲く 大串章 百鳥 200507
うなじよりはじまる微熱夕桜 櫛原希伊子 百鳥 200507
満開の桜の下に健診車 有村明子 百鳥 200507
校門も無くなつてをり桜咲く 藤森万里子 百鳥 200507
大桜仰ぎて島を離れけり 小山國雄 百鳥 200507
抱卵のあひるや桜舞うてをり 中里とも子 百鳥 200507
つつがなく祝辞終へたる桜かな 石川英利 百鳥 200507
満開の桜の下の異邦人 石川英利 百鳥 200507
駅の名の桜とありぬ花づかれ 浜田久美子 六花 200507
大方は風にながさる桜かな 松本安弘 六花 200507
日の中を車窓でながめる桜かな 馬場美智子 六花 200507
将門記氷室の桜咲きにけり 高橋将夫 星の渦 200507
桜便り今か今かとテレビの前 瀬良梅子 200507
一陣の風玄関に桜舞う 松澤茂 200507
夕桜今年も見上ぐ我ひとり 数藤弥太郎 200507
老僧に美僧つきゆく桜かな 柴田佐知子 200507
雪折れの桜老樹を前にして 服部早苗 200507
人のぼる丘に二本の櫻咲く 佐藤喜孝 あを 200507
大桜まで足腰を励ませり 青山丈 200507
こまごまと花を散らしぬ大桜 青山丈 200507
晩年のいまと見てをり大桜 青山丈 200507
落花飛花淡墨桜ただ仰ぎ 大橋淳一 雨月 200507
豆腐屋の喇叭ひびかふ桜どき 尾堂Y 河鹿 200508
そこまでと言ひて見にゆく夕桜 尾辻のり子 河鹿 200508
やさしさのときには重し八重桜 松田有伽 河鹿 200508
散り急ぐ日本の桜湘子逝く 辰巳比呂史 200508
今日の川けふの桜を映しけり 岩垣子鹿 ホトトギス 200508
一房のうす墨桜に或る想い 田村時与 200508
喧騒のあとの静寂散る桜 伊藤雅子 200508
一本の桜の根方西行ぞ 瀬川公馨 200508
夜桜を見て来しあとの長湯かな 佐藤司 200508
老醜の微塵だになき櫻花 渡辺民親 遠嶺 200508
八重櫻母に齢を尋ねらる 与川やよい 遠嶺 200508
すでにして思ひ入りたる櫻咲く 古川洋三 遠嶺 200508
リハビリの杖に舞ひ来る桜かな 大谷美保子 栴檀 200508
ふとのぞむ沢に上溝桜咲く 長澤健子 酸漿 200508
勲章は父の形見や散る桜 唐澤よしもと 酸漿 200508
母の日の桜に出合ふ北海道 加藤正子 酸漿 200508
夜桜や肌の潤ふほど歩く 浜和佳子 百鳥 200508
御衣黄桜白石城模す資料館 岩崎靖子 200508
埒をはみ出す防衛庁の櫻 金子野生 京鹿子 200508
唱名の吸はれてゆきぬ夕桜 河内桜人 京鹿子 200508
中山道桜並木の今昔 大堀鶴侶 雨月 200508
崖の上の大桜より花吹雪く 隅田恵子 雨月 200508
人力車桜の下に人を待つ 中谷厚子 築港 200508
一つ根の八樹の桜吹雪かな 二瓶洋子 六花 200508
キャラメルの柔らかくなる八重桜 青山丈 200508
吊皮の日々こそ旅路遅桜 長井順子 200508
紫荊牡丹桜を夢見をり 後藤比奈夫 ホトトギス 200509
夜桜の散り込む川の黒さかな 卓田謙一 万象 200509
桜散る爆音に危気なかりけり 木村真魚奈 京鹿子 200509
あきるまで桜に埋もれ轉生せむ 荒川美邦 京鹿子 200509
桜まつり4WDで来し漢 山元志津香 八千草 200509
声あげて水に散りゆく桜かな 岩岡中正 ホトトギス 200510
八重桜八重に手抜のなかりけり 後藤比奈夫 ホトトギス 200510
星を抱き月を放せる大桜 山田弘子 ホトトギス 200510
自分史の角かどにある桜かな 山元志津香 八千草 200510
夜桜へおとなの課外授業かな 山元志津香 八千草 200510
夜桜や月があってもなくっても 四戸和彦 八千草 200510
桜→ 12      

 

2021年4月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。